医療脱毛の広告は限定解除をフル活用、広告戦略にも工夫が必要
最終更新日:2024年04月05日
医療脱毛業界では、積極的なWEBをはじめとした広告の活用で集客を行っています。
ここでは、医療脱毛広告において必須の限定解除について解説します。
※医療脱毛広告の具体的な集客・集患方法は、こちら(記事の後半へジャンプ)からでも詳しくご覧いただけます。
美容医療の市場で注目を集める医療脱毛のドミナント経営
株式会社矢野経済研究所によれば、美容医療は引き続き成長する市場であり、美容注射などの非外科手術医療と、美容点滴などで予防医療も視野に入れた美容内科が伸びると見解を出しています。
また以下のように医療脱毛の市場におけるドミナント戦略に注目が集まっていると解説しています。
市場トレンドとして大きく3つがあげられる。
1つ目は「脱毛特化型医療施設の急成長」である。脱毛特化型医療施設は、大都市圏にドミナント戦略で一気に開院、あわせて積極的なマスメディア展開を仕掛けることによって患者を獲得して急成長している。代表的な医療施設としてはリゼクリニック、アリシアクリニック、レジーナクリニックなどがある。
引用元:矢野経済研究所「注目を集める美容医療市場の実態と将来展望」(https://www.yano.co.jp/opinion/190701.html)
大手美容クリニックによるドミナント展開に業を煮やしている脱毛クリニックは少なくありません。電車広告、テレビCM、雑誌などメディアへの広告出稿と、多額の広告費を投じて集客しているのですから、同じ土俵で戦うべきではないと思います。
消費者からの口コミで構成されるみんなの評判ランキング・みん評の「医療脱毛の口コミ・評判ランキング」(https://minhyo.jp/iryoudatsumou)でも、上記クリニックへの口コミ投稿が多いようです。
このような競合と戦わず、勝てる市場を探してホームページを含む広告を有効に活用していかなければ収益にはつながりません。
ただ、大手に負けじとインパクトのあるセールスコピーで集客・集患施策をしていい、というわけではありません。やはり医療法や医療広告ガイドライン、景表法などに違反することだけは避けなければなりません。
実際、「ライバル(競合)や消費者からの通報」から違反広告の摘発が増加しています。
医療パトロールよりも通報による摘発のほうが多い
画像引用元:厚生労働省委託事業「医療機関ネットパトロール」公式サイト(http://iryoukoukoku-patroll.com/)
株式会社薬事法ドットコムの「MMC医療広告ガイドライン」によれば、美容医療の中で違反が多いのは、1位が美容注射で40%弱、2位が発毛で13%、3位がアンチエイジング、4位がリフトアップ。(※1)。
医療脱毛による違反がどの程度あるか数字ではわかりませんが、着目したいのは「パトロールよりも通報により違反が判明した事例のほうが多い」という点。
医療情報の検討会で行なわれた報告では、2019年4月から2020年3月までの1年間で、医療広告の違反事例として摘発されたのは1137件。医療機関ネットパトロールによるものは218件でしたが、通報によるものは919件。実に約8割が通報による摘発である、ということです。
仮に医療広告ガイドラインから逸脱した医療脱毛のキャンペーンを展開してしまうと、同業者が「これは医療広告ガイドラインに反しているのではないか」と通報される可能性もあります。
したがって、サロンの信用を守るためにも、医療広告ガイドラインや景表法、薬機法を無視した広告展開は避け、しっかりと対応してくれる業者に発注することが必要です。
医療脱毛の広告も医療広告ガイドラインを守ってアピールする
脱毛業界でトラブルが多いのは、医師法に違反していることが多々報告されている脱毛サロンですが、医療脱毛でもトラブルがないわけではありません。
少し前の発表ではありますが、独立行政法人国民生活センターの「なくならない脱毛施術による危害」によれば、医療脱毛によるやけどで色素沈着が残った事例や施術前のリスク説明が不十分とみられる事例など、年々医療脱毛の被害が増えています。
また医療機関の脱毛における問題点として、被害を受けた場合の対応不十分やホームページ上で誤認を与える表記、比較優良広告なども認められることを問題視しています。
このような医療脱毛のトラブルに対応できる受け皿として、ホームページやクリニックの質疑応答体制も見直したいところです。
まず医療広告ガイドラインの対象となる広告とは、リスティングやディスプレイ広告だけでなく、ホームページや医師やスタッフのブログ・SNSも含まれます。
これらの全ての広告で、医療広告ガイドライン等法律を遵守する必要があるのです。
医療広告ガイドラインのベースとなっているのは、医師法だけでなく景品表示法(景表法)や薬機法もベースになっています。
その骨子は消費者を医療被害から守るための「消費者保護法」であり、集客・集患のための虚偽や誇大広告を制限するもの。利益を追求したい気持ちからキャッチ―な誘い文句を使いたくなる気持ちはわかりますが、過剰な宣伝は禁物です。
下記キャククルページで医療広告ガイドラインのチェックポイントについて解説していますので、こちらも参考になさってください。
医療脱毛の広告ではどのようなことに注意すればセーフか
それでは具体的に、医療脱毛の広告ではどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
おおよその内容にはなりますが、以下の要件を満たしている必要があります。
- 医療広告ガイドラインでより幅広い内容を広告可能にする限定解除の要件を満たす
- 未承認医療機器による脱毛施術の場合は限定解除に必要な情報を掲載している
- 医療脱毛に関するくわしい説明をホームページ上でしている/li>
- 医療脱毛の手術にかかる費用全体や治療回数のめやすなどがわかりやすく表記されている
- 医療脱毛が自由診療であることを誤解が生じないように明記している
- 医療脱毛の向き不向きや治療のリスクなど患者の立場に立ったコンテンツを載せている
- 医師や医療従事者の顔が見えるホームページになっているか
- ユーザーからの問い合わせに対応可能な連絡先が明記されている
電話番号は、自動音声対応などの予約専用電話だけでは不十分。スタッフなどが直接質問に答えられる電話の番号の掲載が必要です。
限定解除要件を満たせば広告可能な内容が増える
医療脱毛の広告で真っ先に対応すべきことが「医療広告ガイドラインの限定解除要件を満たす」ことです。医療広告ガイドラインでは、下記を限定解除の条件として定めています。
掲載されている内容の補足・説明や誤解が生じないようにするためのハザードという意味合いがあります。
広告可能事項の限定解除の具体的な要件
広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。
① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
引用元:厚労省「医療広告ガイドライン」第4 広告可能事項の限定解除の要件等(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)
ひとつ前の項目にも書いていますが、消費者が必要としている情報を詳細に記載して、正しい情報を消費者が獲得できるようにすれば、広告できる範囲が一気に広がります。
たとえば先ほど国民生活センターに寄せられる苦情を紹介しましたが、貴院で実際に生じた医療脱毛のトラブルに、どのような対応をしてきたかQ&Aのコンテンツを掲載するだけでも、医療脱毛を検討している消費者の安心材料になります。
医療脱毛のレーザー機器には未承認医療機器が多いですが、この場合も限定解除の要件を満たせば広告可能になります。
(未承認医薬品等であることの明示)
・用いる未承認医薬品等が、国内においては薬機法上の承認を得ていないものであることを明示すること。
(入手経路等の明示)
・ 医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合は、その旨を明記すること。
(国内の承認医薬品等の有無の明示)
・ 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載し、その国内承認医薬品等に流通管理等の承認条件が課されている場合には、その旨を記載すること。
(諸外国における安全性等に係る情報の明示)
・ 当該未承認医薬品等が主要な欧米各国で承認されている場合は、各国の添付文書に記載された重大な副作用やその使用状況(承認年月日、使用者数、副作用報告等)を含めた海外情報についても、日本語で分かりやすく説明すること。
・ 主要な欧米各国で承認されている国がないなど、情報が不足している場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを明示すること。
抜粋元:厚労省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213349.pdf)
医療広告ガイドラインよりもこのQ&Aのほうが個別具体的な説明になっていますので、疑問がある場合は確認してみましょう。
自分だけは大丈夫、という考えは捨てたほうがいい
医療脱毛の広告を見ていると、ほかの美容医療の広告と比較すると医療広告ガイドラインに厳密には沿っていないものが散見されます。おそらく「これくらいの表現なら大丈夫であろう」という、代理店や運用会社の判断によるところが大きいと感じています。
いまではエステと医療脱毛の違いなどの情報がネット上にたくさん出ていますので、消費者も一定の知識を得て問題の多い脱毛サロンではなく、医療脱毛に行こうと考える人が増えています。
集客できて注目されればされるほど、広告は目に留まりやすくなり、摘発のリスクが高まります。
医療脱毛広告の効果的な集客・集患方法
医療広告ガイドラインに違反せずに、効果的に新規患者を集客する手法について、優先すべき集客・集患方法をいくつかピックアップして解説します。ここではリスティング広告やディスプレイ広告などの通常広告は割愛します。
美容医療のポータルサイトに掲載する
脱毛のポータルサイト「eclamo(エクラモ)」(https://eclamo.jp/)などもありますが、脱毛サロンが混在しているポータルサイトはあまりおすすめできません。
脱毛サロンが混在しているポータルサイトだけでなく、医療脱毛に特化したポータルサイトに掲載し、医療脱毛のサロンであるとわかりやすいようにしましょう。
医療脱毛サロンがポータルサイトに掲載するのであれば
- 医療脱毛に特化したポータルサイト
- 女性向け美容医療全般に関するポータルサイト
- 男性向け美容医療全般に関するポータルサイト
などに掲載するか、ホットペッパービューティーの美容クリニックカテゴリや美容医療の口コミ広場の「みんなが選んだ 医療脱毛全国の人気クリニック」といったページに貴院情報を掲載するのが王道です。
弊社で運営している美容皮膚科のポータルサイトをポータル施策の一例としてご紹介しておきます。
肌のお悩みはココで解決!美容皮膚科@ポータル
画像引用元:Zenken株式会社 美容皮膚科の名医ガイド「医療脱毛」(https://www.cosmetic-derm.net/ranking/datsumou/)
弊社で運営している美容医療全般のポータルサイト「美容皮膚科@ポータル」では、全国の美容皮膚科・美容外科・美容クリニックの情報を網羅しています。また医療広告ガイドラインに沿ったコンテンツ制作を心掛けているポータルサイトです。
ユーザーが検索する「エリア名(地名)× 施術名」、「エリア名(地名)× 美容クリニック」、「エリア名(地名)× 皮膚科」のニーズに応えるためにキーワードを設定し、顕在性の高いユーザーが訪問してくれるサイト構成になっています。
美容皮膚科@ポータルへの掲載
美容皮膚科@ポータルへの掲載を検討したいと考えているクリニック様は、下記ページにサイトの特徴などがよりくわしく説明されています(別サイトにリンク)。
「美容皮膚科@ポータル」への集客・集患の広告掲載について
また掲載をご希望される場合は、下記フォームよりお申し込みください。
病院やクリニックのポータルサイトに関しては、下記ページでもまとめています。
オウンドメディア(ブランディングメディア)を立ち上げる
たとえば医療脱毛の集客を促進したいのであれば、医療脱毛の治療法などさまざまな基礎知識や専門知識について徹底的に解説するオウンドメディアを立ち上げる方法もあります。
医療脱毛の専門家としてアドバイスやリスクに対する考え方など、医療脱毛治療を検討している顕在ユーザーに向け情報を発信しつつ医師やサロンをアピールすることができます。制作会社(弊社)名義のオウンドメディアを制作し、院長が医療監修を独占的に行なうという方法もあります。
オウンドメディアの制作・構築に関しては、下記ページにて詳細解説しています。医療脱毛のブランディングを検討されている方はお読みください。
オウンドメディアの
制作・構築について
またオウンドメディアを活用する際のポイントなど、オウンドメディア施策に関するほかのコンテンツも記載しておきます。
ポジショニングメディアを活用する
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
上記で紹介した「インプラント治療なび」は全国版のポータルサイトに属しますが、ポジショニングメディアはターゲットや地域を絞り込んだ戦略的メディアです。
いまは専門性の高い情報もネットで獲得できるため、医療脱毛に関していろいろ調べ挙げたうえでサロンや取り扱いクリニック探しをするのが定番です。そのようなユーザーの信用が得られる質の高いコンテンツを提供することで、掲載サロン・クリニックへの信頼も高まります。
絞り込んだターゲットに向けてまさにピンポイントの情報が提供できるため、獲得したい優良リードの獲得が可能です。
ポジショニングメディアの詳細に関しては、下記ページで解説しています。よろしければこちらもお読みください。
またポジショニングメディアの事例や具体的な施策内容に関しては、下記よりお問い合わせをおねがいします。
Googleマイビジネス(ローカルSEO・MEO)などエリア施策の強化
Googleマイビジネスについては、いまさらご説明の必要はないかもしれませんが、念のため。
Googleマップの最適化(MEO)や地元エリアの検索結果でGoogleマイビジネスの情報を上位表示させる「ローカルSEO」施策も、美容皮膚科・美容外科・美容クリニックにとって重要です。
医療脱毛は一定期間通院して施術を受け続けることが前提ですので、クリニックを決める際に通いやすさを優先する消費者も少なくありません。
公式サイトなどを「エリア×医療脱毛」で上位表示させるのは容易ではなく、どうしても大手に負けてしまう傾向があります。Googleマイビジネスに登録してエリア対策を強化、最新の情報をユーザーに見てもらえるようにしましょう。
検索結果画面に表示される内容を整理しておきます。
- Googleの検索画面やGoogleマップ上に店舗の基本情報(店名・営業時間・電話番号・住所など)が表示される
- 口コミの管理(投稿されたコメントへの返信)
- サロン・クリニックの外観や内観などの画像を掲載
- ユーザーアクセスの簡易解析
上記内容が無料で活用できるサービスなので、まだGoogleマイビジネスに登録していない医療脱毛サロン・クリニックは、登録をおすすめします。
MEOやGoogleマイビジネスの基礎知識に関するページがキャククル内に複数ありますので、エリア対策を急ぎたい場合は関連ページもご参照ください。
LPおよびホームページをリニューアルする
医療脱毛の流れや医療脱毛治療の向き不向きなど、医療脱毛に関する基礎コンテンツをホームページに盛り込むのは、かなり手間がかかる作業です。おそらく制作会社に依頼して制作していると思いますが、リニューアルやLPの改修はしているでしょうか。
ここで説明してきた医療広告ガイドラインに対応していなければ、早急にページやテキストを追加すべきです。
さらに限定解除の要件を満たすための修正などのほか、医療脱毛に関する基礎知識などコンテンツ追加も検討すべきであると考えます。
さらに治療ポリシーや貴院のホスピタリティ、トラブルシューティングの事例など、患者の不安を払しょくする内容も必要です。
リニューアルするのであれば、商圏エリアや医療脱毛のSEO対策も万全にしたい。検索上位に貴院を表示させるためにホームページの制作やLPのリニューアルを依頼するのであれば、Webマーケティングの専門会社に依頼すべきでしょう。
クリニックのホームページリニューアルなどの参考になる記事がキャククル内にありますので、ご参照ください。
弊社には医療脱毛を含む美容医療のクリニックなどさまざまな医療機関のクライアント様も多く、公式サイトのリニューアルだけでなく、LP制作からリスティングの運用までワンストップで承っております。ご質問などがありましたら、下記フォームよりお送りください。
コンテンツマーケティングの施策を強化する
ポジショニングメディアやオウンドメディア、ホームページのリニューアルなどにも共通しているのがこの、コンテンツマーケティング。ユーザーにとって有益かつ役立つ情報をどれだけ提供できるかが、コンテンツマーケティングの質を左右します。
たとえば、先ほど紹介したメディア・みん評にこのような調査結果が掲載されています。
画像引用元:みん評公式サイト「医療脱毛の口コミ・評判ランキング」(https://minhyo.jp/iryoudatsumou)
このような医療脱毛への不安に応えるようなコンテンツを美容クリニックが提供してくれたら、そのクリニックに対して消費者はどのような印象を抱くでしょうか。
クレームやトラブルをやっかいなものと考えずに、誠実にうそ偽りのないコンテンツをホームページなどに追加する、というコンテンツマーケティングの施策も有効です。
コンテンツマーケティングに関してさらに深掘りした記事にご興味があるなら、下記ページも参考になるはずです。
美容医療の集客関連ページ
医療脱毛だけでなく、病院やクリニックの集客・集患に関連したページがキャククルには多数あります。以下にリストアップしましたので、お時間があるときにお読みいただければと思います。
医療脱毛の広告は限定解除活用と広告戦略まとめ
医療脱毛の売上がクリニックの売上全体の何パーセントを占めるかにもよりますが、医療脱毛で新規患者をとりたいと考えているクリニック様であれば、どれかひとつでも検討していただけるとよいのではないかと考えます。
医療脱毛に特化したクリニックがあるように、医療脱毛に絞り込んだ集客施策を選択することが重要なポイント。医療脱毛を希望する若い男性も増えているといいますし、まだまだ開拓の余地がある施術カテゴリです。
弊社にご相談いただければ、美容クリニックの事例などもご紹介しながらWeb戦略を立て直すお手伝いをさせていただきます。
医療脱毛の反響獲得施策やWeb戦略にお悩みであれば、キャククルまでぜひご相談をお寄せください。
7000件のWeb集客実績をもとに医療広告ガイドラインに配慮したWebマーケティング施策をご案内いたします。