包装資材業界の課題と今後有効なマーケティング戦略とは?
最終更新日:2024年05月13日
2020年以降の新型コロナウイルス大流行に伴うネット通販市場の拡大により、包装資材の需要は高まり、業界は大きな転換期を迎えています。
包装資材企業が抱える課題を解決し、競合他社との差別化を図る新たな取り組みにはどのような戦略が必要なのでしょうか。この記事では、包装資材業界を取り巻く環境や今後の動向、業界や各企業が抱える課題と解決策についてご紹介します。
また、記事の最後には、下記のような成果実績のあるキャククルのWeb施策についてもご紹介しています。
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるようになった
これまでさまざまな広告を出稿したものの成果に繋がらず、集客に課題を感じている方は、こちら(記事の後半へジャンプ)からぜひご一読ください。
包装資材業界の環境と動向
包装資材業界は、インターネットの普及によるネット販売の拡大により、ここ数年需要が高まり続けています。ラベルや段ボール、パッキング用の袋や緩衝材なども含め、多くの企業が取引先を探しています。
しかし一方で、包装資材業界自体が近年のIT化の流れに乗り切れていないことも多く、様々なロスが発生しているのも事実です。ここでは包装資材業界の動向を大きく2つに分けて解説します。
包装資材業界の外部環境
包装資材業界を取り巻く環境からの影響としては、以下の5点が挙げられます。
- コスト削減要求の高まり
- 小口配送や他頻度配送の増加
- 人口が減り国内需要も減少
- ニーズの多様化
- 競合の増加
コスト削減要求の高まり
ネット通販市場が拡大していく中、各企業の競争に巻き込まれる形で包装資材のコストカットが急務となってきています。
また近年では環境への配慮が求められる中、よりコストのかかる紙製品へ移行しつつあります。これらのことから、企業がよりコスト削減に厳しくなってきているのです。
小口配送や他頻度配送の増加
現在の日本国内における配送事情は、各荷物が小型化し、頻度が増加してきています。
思いついたときに気軽にパソコンやスマホで注文するので、一度にまとめてネット購入するということがないためだと考えられています。
人口が減り国内需要も減少
日本の国内総人口は、2021年現在11年連続で減少しています。総人口・日本人人口いずれも減少しているという事実は、単純に全体の購買力が落ちているというだけでなく、他にも様々な危険性を孕んでいます。
梱包資材業界内でも、人口減少による需要低下はダイレクトに売上につながる部分でもあるので、これから厳しい時代がやってくるという予測が立てられます。
ニーズの多様化
近年では誰でもスムーズに開梱できる包装資材が求められている傾向があります。そうした資材は商品ごとに調整が必要で、大きく多様化してきています。
また商品を取り出した後の包装資材の処分も、他頻度配送の影響でなるべく手間がかからない形が求められています。
競合の増加
国内の人口減少だけでなく、海外メーカーの日本国内参入も喫緊の課題です。
人口減少で需要が落ち込むと予測が立っている上、さらに海外メーカーがライバルとなる訳ですから、このまま何も対策せずにいれば売上は大きく落ち込みます。
内部環境
さらに包装資材業界内部に潜む環境的な課題が、以下の5点です。
- 紙やExcel頼みの業務
- ベテランに依存した作業過程
- 在庫管理の適正化
- 販売価格の管理
- 顧客対応力の強化
紙やExcel頼みの業務
特に中小企業にありがちなのが、紙面やExcelなどのローカルツールに頼った業務フローです。書類の紛失やデータの破損などのトラブルで、一気に業務が回らなくなるという危険性を常に秘めている状態です。
ベテランに依存した作業過程
担当者が個人で抱えているテクニックや処理フロー、情報などがうまく共有されていない状況も、非常に危険です。
担当者がいなくなると一気に業務が滞ってしまうため、リタイアや病欠、ちょっとした有給の取得でさえも難しくしています。
在庫管理の適正化
多くの企業でありがちなのが、曖昧な在庫管理です。
企業ごとに状況が異なるため、一概に一つの正解が見いだせないのもありますが、在庫管理が適切に行われていないとそれだけ企業の競争力は落ちてしまいます。
販売価格の管理
顧客ごとに異なる販売価格を設定するのはどこの企業でもよくあることですが、問題はそれらの販売価格が適切に社内で共有されていないという状況です。
単純に引き継ぎの際に困るというだけでなく、過去のデータを元にした対新規顧客への戦略なども立てづらくなります。
顧客対応力の強化
前述した通り、過去のデータが適切に管理されていないと、新規顧客への対応や既存客へのフォローは格段に難しくなります。
これまでの売上や取引のデータが適切に管理されることで初めて、顧客に満足してもらえる細やかな対応が可能となるのです。
包装資材業界3つの課題と解決策
前項でご紹介した内部的・外部的環境を考慮すると、今の包装資材業界には大きく3つの課題が存在します。ここでは、以下の3つの課題と対策についてご紹介します。
- 業務工程の統一と効率化
- 在庫管理の把握と精度向上
- 迅速な顧客対応と仕入れ先との連携
業務工程の統一と効率化
梱包資材業界の大きな課題の一つが、業務工程のロスです。多くの企業では、業務工程がバラバラに管理されていることが多く、統一されたマニュアルが存在しません。
そのため特定の人材に頼り切った運用になったり、顧客対応が大幅に遅れたりと、多くの無駄を生み出しています。
業務・顧客情報管理のためのシステム構築
業務工程を統一するには、業務情報・顧客情報を一つの場所に集約させなければなりません。そこで有効な手立てとして、多くの企業で取り入れられているのがシステム構築です。
外部環境の変化による工程の変更があっても、システム一つ更新することで柔軟に対応することが可能となります。
また顧客情報も全て共有されるようになれば、担当者が不在の場合でも他の人が顧客の要望に即座に対応できるようになります。
特定の人材・ローカルツールに頼らない運用
業務工程を統一する過程で、これまで個人やチーム単位でしか把握されていなかった情報が明るみになります。
これまで特定の人材に依存していた運用が共有化されることで、誰でも同一のオペレーションが可能となるのです。
またこれまで紙媒体やExcelなどのローカルツールに依存していた業務もクラウド化・外部ツール移行することで、データ紛失や盗難のリスクも大幅に減ります。
在庫管理の把握と精度向上
自分たちが保持している在庫を正しく把握することができれば、自ずと企業の経営は安定します。しかし包装資材業界において、正しい在庫管理が高い精度で行われている企業はそうありません。
他社が行えていない徹底した在庫管理を行うことができれば、それだけで大きな優位性を持つことも可能です。
販売機会のロス防止
在庫管理が曖昧なことで一番の打撃となるのは、販売機会のロスです。正しく在庫が管理されていなければ、いざ顧客が購入したいときに肝心の在庫が存在せず、販売機会を他社に奪われてしまいます。
過去のデータを整理し、どの季節にどの商品がどの程度売れているのかを正確に把握することで、適切な仕入れが行えるようになり、販売機会のロスを防ぐことができます。
定番商品だけでなく、季節性商品やイベント商品についても、効率的な販売を行えるようになるのです。
ロット・セット商品・有効期限管理の徹底
在庫管理を行う際、ロット管理を徹底することで生産の無駄を大きくなくすことができます。有効期限が近い商品や不良品の特定・追跡も容易になるため、ひいては顧客満足度の向上にも繋がります。
また煩雑になりがちなセット商品ですが、単品商品からどれだけセット商品を作れるのかを把握できる業務フローを確立することで、在庫管理も容易となり、さらに過剰な在庫を抱えるリスクを減らすことができます。
迅速な顧客対応と仕入れ先との連携
顧客満足度を高めて利益を最大化するためには、迅速な顧客対応及び仕入れ先との連携が欠かせません。
しかし包装資材業界の多くの企業が顧客・仕入れ先との連携に力を注いでおらず、後手の対応に回らざるを得ない状況を生み出しています。
業界VANハウネット取引への対応
包装資材業界で導入されている業界VANハウネット取引に対応できる体制を整えるだけで、大きくコスト削減に貢献することができます。
標準フォーマットを導入することで、顧客側の取引に関するストレスを減らし、迅速な対応をすることができるようになります。
過去の取引データの活用
過去の取引データを徹底的に管理・分析することで、顧客に最適な提案をすることが可能となります。
さらに取引データを活用した販売施策をモバイル端末などで顧客にプレゼンできるようなツールを導入することで、顧客に合わせたきめ細やかな対応も実現できます。
包装資材業界でマーケティングが必要な理由
ここまで説明してきた課題は、全てマーケティングを導入することで解決できます。ここではマーケティングがどんなものなのか、どのように進めるべきなのかを解説します。
マーケティングの基礎知識と考え方
マーケティングとは、そもそもアメリカで生まれた考え方です。簡単にいうと、消費者・顧客からの要望に対して、様々な手段で適応し満足してもらうための全ての活動のことをマーケティングと言います。
マーケティングの進め方
マーケティング活動は具体的に、以下のような形で進めていきます。
- 目的を明確化
→顧客のどんな要望に対する市場調査を行うのかを明確にします。 - 現在の状況を分析
→顧客の要望を満たす供給(自社・他社問わず)が存在するのか、顧客の要望が満たされないことでどのような状況になっているのかを分析します。 - 仮説を設定
→顧客の要望を満たすための答えとして、一つの仮説を設定します。 - 調査範囲を設定
→仮説検証のための調査を行う上で、どこまでを対象とするのかを決定します。 - 標本を設定
→仮説検証のための対象を設定します。 - 調査方法を設定
→調査対象に対して、どのように調査をするのかを決定します。実際に質問するのか、対象を観察するのか、実験を行うのか、など、方法は様々なので、最も適切な方法を選定する必要があります。 - 調査票を準備
→調査をする際、どのような内容を収集したいのかを決定します。 - 調査の実施
- 結果の検収及び編集
→調査結果を確認し、必要があれば集計しやすいように編集していきます。 - 結果の集計と分析
→調査結果を分析しやすいよう集計し、集計した数値を元に分析を行います。 - 結果報告
これらのステップを繰り返すことで、顧客の要望に対する最適な回答を導き出すことができるのです。
包装資材業界におすすめのマーケティング施策
包装資材業界で実施していくのにおすすめしたいマーケティング施策を、ここでは4つご紹介します。
- ホームページの運用とSEO対策
- マーケティングオートメーション
- リスティング広告
- ポジショニングメディア
ホームページの運用とSEO対策
顧客が見やすい形にホームページ構成を見直し、顧客の求めている情報に辿り着きやすくすることが必要です。
また自社ホームページへ見込み客を多く訪れさせるため、SEO対策を充実させてGoogle検索で上位表示を狙うのも不可欠です。
現在の包装資材業界では、大手企業からの大量発注よりも、小さな規模の店舗や企業の小ロットでの要望が増えてきています。
地元密着型の企業や店舗が取引先を探す際、SEO対策を充実させていれば自社ホームページが上位表示されるようになります。
さらにホームページ内部をわかりやすく整備しておくことで、スムーズな問い合わせや発注につながるのです。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションというのは見込み客を自社メルマガに登録させておき、継続的にアプローチすることができる仕組みのことです。
マーケティングオートメーションの導入により、今すぐに購入する気はないけれど興味は持っている、という見込み客を囲い込むことができ、継続的に教育をしていくことで購入率を上げることができます。
最近では小規模店舗や中小企業が、ネットを使って全国に向けてオリジナル商品を開発する機会が増えており、そういった施策を検討している見込み客にはかなり有効です。
リスティング広告
自社商品やサービスを紹介し、問い合わせフォームへ誘導するページのことをランディングページ(LP)と言います。
LPを作成し、そのページに対してGoogleや各種SNSのリスティング広告を使用することで、効率的に顧客を集めることができます。
包装資材業界の顧客は限られているため、狙った顧客に対してアピールができるリスティング広告は、費用対効果が非常に大きいです。
ポジショニングメディア
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さまざまなマーケティング手法を試してみたが、狙った顧客を集客できず売上につながらない…とお悩みでしたらポジショニングメディアで解決することが可能です。
ポジショニングメディアとは、包装資材業界における特定分野に特化したWebメディアを立ち上げ、包装資材に興味があるユーザーを集中的に集客する施策です。
包装資材に悩むユーザーは、たとえ包装資材に関する知識が浅かったとしても自社にあった業者を選ぶことができます。
また、掲載側も自社の強みや特徴を理解したユーザーから問い合わせなどを受けることができるため、効率的な商談創出から受注単価の高い案件を獲得することが可能です。
ポジショニングメディアを導入した結果、
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように
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詳しくはこちらからご覧ください。
ポジショニングメディア
について詳しく
包装資材業界の課題はマーケティング施策の充実が急務
包装資材業界は、これまで大手企業からの大量発注がメインでした。しかしインターネットの進化やコロナ禍による時代の流れの中で、顧客のニーズは多様化し、小規模の顧客から小ロットでの発注という割合が大きくなってきています。
さらに海外からのライバルが台頭してきたことにより、競争は今まで以上に激化してきました。
その解決に欠かせないのが、戦略を持ったマーケティング施策の充実です。広告をはじめ、打ち手を打つということは費用さえかければできますが、効果的な打ち手を打つには緻密な分析が欠かせません。
キャククル運営元Zenkenでは、製造業をはじめ120業種以上のWebマーケティング支援を行ってまいりました。
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