受託生産・OEM案件を増やすマーケティング戦略・広告の方法とは
最終更新日:2024年02月16日
この記事では、受託生産・OEMの案件受注のためのマーケティング戦略や広告手法について解説しています。「新規顧客を獲得したい」「競合と差別化を図りたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。また、様々なマーケティング・広告手法の一つとして
- 反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 資料請求100件に対し1アポだったのが、資料請求10件で8アポを獲得に改善した
といった成果に繋がるWeb施策についても紹介しています。
受託生産・OEMメーカーのマーケティング戦略・広告の考え方
2020年以降は、コロナ禍による展示会の中止など、オフラインでの営業が厳しい状況が続いています。受託生産・OEMメーカーは安定した受注を確保しやすいとはいえ、改めて戦略を見直すことが求められています。
また、特定の製品メーカーに限定して下請けとして働くことはリスクにもなりかねません。新たにオンラインでの営業手段を模索することは、OEM企業にとっても必須となってくるでしょう。
ここでは、受託生産・OEMメーカーがネット上で行うべきマーケティング戦略の策定や広告を打ち出す際に、考えるべきポイントを解説します。
高い技術を売りにする
オンラインを活用したマーケティング活動の重要性を分かってはいるものの、受託生産・OEMの特性上、ネットで発信できる自社情報が少なく、何をアピールポイントにすればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
たとえば、開発実績はあるものの、「取引先メーカーから掲載の許可が得られず、実績を掲載できない」という場合、「技術力」をさまざまな切り口からアピールするのもよい方法です。
事例の掲載ができなくても、自社で取り組んでいる試作品や模型を使ったり、取り扱っている材料や材質も含めて掲載したりすることで、得意分野や設備の充実度をアピールできます。
公表できる受託実績を売りにする
ホームページやLP(ランディングページ)に主な委託先を掲載することで、委託先が有名な企業であれば、ブランド力を活かして信頼を得ることも可能です。
ただし、製作実績の権利は取引先のメーカーが持っており、実績の掲載が難しい取引が多いというケースも多いでしょう。その場合は、実績掲載許可が出やすい取引先を開拓するのも手です。とくに大学や研究機関といった公共性の高い施設の場合、許可を得やすい傾向にあります。
作業工程・ものづくりのこだわり・強みをPRする
設備や生産体制、取り扱っている材料・材質などは、自社のアピールポイントにつながります。何が作れるのか、どんな技術があり、品質管理はどうしているのかなどを具体的かつ丁寧に伝えることで、委託者側にも安心感を与えやすくなります。
ほかにも、今伸びている商品や技術を調べておき、関連する自社の技術をアピールすることも重要です。新たな顧客から目に留まりやすくなります。
また、自社の強みやこだわりは、デジタルマーケティングの一環としてメディアを作るときにも必要となるため、明確にしておくとよいでしょう。
デジタルマーケティングを導入する
デジタルマーケティングとは、Webサイト、SNS、アプリなど、デジタルテクノロジーを利用したマーケティングのことです。従来通りの訪問や展示会といったオフライン営業が難しい状況では、オンラインで自社の強みをアピールし顧客とつながりを持つ必要があります。
たとえば、自社のサービスを取り上げたLPを作成したり、ウェビナーを開催したり、マーケティングオートメーションツール(顧客情報の管理育成をサポートするツール)を導入したりすることで、集客から提案までをオンライン上で完結させることも可能です。
受託生産・OEMメーカーの広告・マーケティング手法とは
ここでは受託生産・OEMメーカーのマーケティング戦略を実現するのに適した広告やメディアの種類について解説します。
リスティング広告
リスティング広告とは、Googleなどの検索結果の上部に表示されている広告のことです。実際の検索結果と似た形式で表示されます。特定のキーワードで検索した人に向けて広告を表示できるため、顧客になりえるユーザーから認知してもらえる機会を増やすことが可能です。
リスティング広告は、あらかじめ自社の技術や特徴を求めているユーザーが検索しそうなキーワードを設定し出稿するという仕組みです。成約を真剣に検討している人が調べやすいキーワードは他の受託生産・OEMメーカーも狙っているため、費用対効果が悪いなど思うような効果が得られないこともあります。
ディスプレイ広告・バナー広告
ディスプレイ広告は、ホームページやアプリ上に、読者が興味を引くバナーや文章を掲載してサイトや問合せにつなげる広告です。ほかのホームページやアプリを利用しているときに表示されるので、幅広いユーザーに認知を広げることができます。
幅広いユーザーに知ってもらえる反面、成約には直結しづらい傾向にありますが、ほかの広告とうまく組み合わせることで効果の増大も期待できます。
自社ホームページ
自社ホームページは、会社のサービスや実績、お問い合わせ対応など、名刺のような役割を果たします。広告を使ってユーザーを集めても、会社のホームページが存在しないと不信感につながりかねません。ホームページから直接の集客が臨めなくても、マーケティング戦略においては欠かせない存在と言えます。
顧客向けとして以外にも、求人を掲載してスタッフを募るといった使い方もできます。
オウンドメディア
自社ホームページ以外でも、近年注目を集めているのがオウンドメディアです。「自社が保有するメディア」を意味し、自社サイトも含まれますが、自社サイト以外でもユーザーが求める情報を提供するサイトを別途開設する企業が増えています。
その理由として
「自分にとって必要な情報(製品・サービス)は、自分で収集し選択する」
という、ユーザーの情報収集の傾向が強まっているためです。
そこで、企業側もユーザーが求める製品やサービスに特化した「専門メディア」を開設し、業界における自社の「強み」を伝え、その「強み」を必要とするユーザーだけを集客するWeb施策を導入しています。
BtoCやBtoBなど、すでに120業界以上で導入されており、商談や契約にまで繋げる「ポジショニングメディア」という施策です。
商談や契約に繋げるポジショニングメディアとは?
ユーザーが求める「製品特化型Webメディア」
ポジショニングメディアとは、「貴社の製品を購入を検討したい」という意欲が高いユーザーだけを集客する、ユーザーが求める製品に特化したWebメディアです。
現状、Web集客方法の一つとしてリスティングや、ディスプレイ広告の活用があります。広告に触れる頻度も高く、自社をPRするには効果的な方法です。
しかし、だからといって、今すぐ購入の問い合わせをするわけではなく、あくまでも、購入前の「情報集め」の手段として利用するユーザーが多くいるのも事実です。
ユーザーは「どの製品を導入すべきか」が分かる
ポジショニングメディアは、例えば、「3Dプリンター」「レーザー加工機」「ロボットアーム」など、ユーザーが求める「製品」をテーマにしたWebメディアを独自に開設。その製品に興味があるユーザーだけを集客します。
たとえ、製品知識があまりないユーザーでも、適切な製品、製造する企業を簡単に探し、どの製品を導入すべきか判断ができます。
また、掲載する企業にとっても、自社製品の「特徴」や「強み」をしっかりと理解してもらいながら、認知度向上や資料請求をはじめ、契約率の高いリード獲得が可能です。
ポジショニングメディア導入前と後の違い
ポジショニングメディアからの問い合わせは、よくある競合他社と比較される「とりあえず資料請求」のような温度感ではなく、「貴社の製品導入を検討しているので詳しく教えて欲しい」という温度感が高い問い合わせが集まります。
導入意欲が高いリードが獲得できることで、競合他社との価格競争に巻き込まれることなく、高い契約率が実現できます。
ポジショニングメディア導入事例
最後にOEMにも関連するBtoB業界におけるポジショニングメディアの導入事例を紹介します。
現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう
画像引用元:現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう(https://www.perforated-steelplate.net/)
「現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう」は、工場や倉庫の床、天井の目隠し材に使われる「有孔鋼板」をBtoB用に紹介。「有孔鋼板」のキーワードでSEO対策を行い、現在1位を獲得しているメディアです。(2022年1月現在)全14種類ある有孔鋼板を「歩きやすく安全性の高い床」「通気性・採光性のある床」「デザイン性のある外壁」など、発注者の用途に合わせて紹介。有孔鋼板を探しているユーザーがどの製品を購入すべきか、一目瞭然で分かりやすいサイト内容とコンテンツで構成されています。
戦略的「データインテグリティ対応」の処⽅箋
画像引用元:戦略的「データインテグリティ対応」の処⽅箋(https://www.di-pharmaceutical.com/)
データインテグリティとは、情報処理などの分野で使われる用語で、「データ完全性」とも呼ばれています。つまり、完全で一貫性のあるデータの「正確さ」を表すものですが、医薬品製造の分野でも、確かな品質で生産力のある製造システム強化を図る目的で、データインテグリティの確保が求められています。『戦略的「データインテグリティ対応」の処方箋』は、この医薬品製造におけるデータインテグリティの重要性を啓蒙しつつ、データインテグリティに対応できるソリューションを提供する企業も紹介する「データインテグリティ」専門メディアです。
SCADA MAGAZINE(スキャダマガジン)
画像引用元:SCADA MAGAZINE(スキャダマガジン)(https://www.scada-magazine.com/)
監視制御(SCADA)システムに特化したポジショニングメディアで、市場に出ているソフトのそれぞれの機能やコスパを始めに、SCADAシステムの今後の動向やその他の情報を網羅しています。新システムを導入する際に重要視されがちな料金以外にも商品選定の役に立つ情報が豊富で、SCADAシステムを検討する企業ならワンストップで導入判断が下せる構造になっています。
このようにBtoB業界でも導入済で、ポジショニングメディアを導入したことで、「自社製品の良さを理解した上で問い合わせるユーザーが増えた。ほぼ商談化に移行し受注にも繋がった」というお声を頂いております。
ポジショニングメディアについて、より詳しく知りたい方は、詳細をまとめた資料がこちらからダウンロードできます。
受託生産・OEMメーカーの広告・マーケティング戦略まとめ
受託生産・OEMメーカーがデジタルマーケティングに取り組むには、まず自社ホームページの整備を行ったうえで、各種広告やメディアの運用を検討するという流れになります。
広告やメディアの運用というとBtoC向けの施策に思えるかもしれませんが、BtoBであっても十分に有用です。同じ施策に取り組んでいる競合が少ない分、優位もとりやすいと言えます。
インターネットを使って情報を検索することが当たり前になった現代、コロナ禍によりデジタルマーケティングの必要性はさらに高まっています。効率的な集客手段にお悩みなら、Zenkenにご相談ください。
貴社の強みの分析から戦略立案まで、Webメディアを通じた集客やブランディングをサポートいたします。どこから手をつければよいかわからない、という場合にも全面的にバックアップが可能です。
マーケティング手段に課題感をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
受託生産・OEMの基礎知識
OEMとは?
OEM(Original Equipment Manufacturer)は、特定の製品や部品を製造し、それを他の企業に供給するメーカーを指す言葉です。
供給された製品や部品は、最終的には購入企業の製品の一部として、その企業のブランド名で市場に出されます。
OEM関係では、製造者は製品の設計、技術、製造プロセスにおける専門知識を提供し、購入企業はその製品を自社の製品ラインナップに組み込んで販売します。
このビジネスモデルは、コスト削減、製造効率の向上、専門技術の活用などの利点を提供し、多くの産業で広く利用されています。
受託生産とOEMの違い
ひとことで言うと、受託生産は製造のみを委託し、OEMは設計から製造まで一貫して委託することです。詳しく解説します。
受託生産は、ある企業が別の企業から製品の製造を委託されるプロセス。
この場合、発注企業が製品の設計、仕様、ブランド名を提供し、製造企業はそれに基づいて製品を生産します。製造企業は、生産プロセスの専門知識を提供し、発注企業は製品の市場でのポジショニングとブランドイメージの管理を担当します。
OEMは、製造企業が製品の設計、開発から製造までを一手に担い、最終的には別の企業のブランド名で市場に出されるビジネスモデルです。
OEM製品は、購入企業によって特定の仕様に基づいてカスタマイズされることもありますが、基本的な設計と技術は製造企業が提供します。このモデルでは、製造企業は製品開発の全過程に関与し、購入企業は製品を自社ブランドで販売します。
受託生産は、主に製造プロセスのアウトソーシングに焦点を当てていますが、OEMは製品の設計から製造までを一括して請け負うことに重点を置いています。
どちらのモデルも、コスト削減、専門知識の活用、市場への迅速な導入を目的としていますが、製品の開発とブランド戦略において企業がどの程度関与するかに違いがあります。
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