MFTフレームワークを使った事例とマーケティングの考え方
最終更新日:2023年09月21日
技術用途の拡大を、より広い視野で検討することができるMFTフレームワークは、顧客層を広げるのに役立つ手法です。
MFTフレームワークを使うことで、技術から得られる機能を最大限絞り出し、どの機能がどの市場に影響を与えることができるかを捉えることが可能になります。それが、さまざまなビジネスチャンスへと繋がります。
この記事では、MFTフレームワークを使った事例やマーケティングの考え方について解説しています。
また、売上につながる成約率の高い集客を実現するためのポジショニングメディア戦略についてもご紹介しています。
MFTフレームワークとは?
MFTフレームワークとはMarket(市場)、Function(機能)、Technology(技術)の略で、技術と市場の間にある機能に着目することで自社技術や商材を活用できる市場を探し出すことができるフレームワークです。
どういう事かエアコンを例に説明すると、エアコンと言えば「部屋全体を温める」などの技術面が真っ先に挙げられ、「部屋を温める技術=市場」と結びつけてしまわれがちです。しかし、昨今のエアコンは省エネ性が高く、環境への負荷が少ないことからも「地球環境に優しい=機能」といった見方もされています。この機能面に着目することで対象顧客が広がることがわかります。
MFTフレームワーク事例:高性能浄水器
わかりやすくBtoC市場に焦点を当てて、高性能浄水器をMFTフレームワークに当てはめてみましょう。
市場(market)
MFTフレームワーク図の一番左側の市場欄は自分が解決したいニーズに対してどんな方法があるのかを検討しているユーザーです。
美味しい料理を作るには、高性能浄水器のほかにミネラルウォーターを使用するなどさまざまな方法がありますが、自分が成し遂げたい目的に対して一番近しい方法を選びます。
特にBtoBでは、自社の技術に組み込めるかどうかはもちろんのこと、顧客課題をそもそも解決できるのかという視点で情報収集をされるケースが多くなります。
細かいニーズに対して自社事例やコンテンツを準備しておくことで、この層から将来の見込み顧客を引き上げることが可能になります。
機能(function)
MFTフレームワーク図の真ん中の機能欄は、現状課題に対してその課題を解決する方法(機能)を模索しているユーザーです。目的に対して「どのような方法が必要で最適なのか」という視点で困っています。
高性能浄水器では、塩素やカルキ臭を取り除くことができます。しかし塩素を取り除く方法は他にも、ビタミンCを入れたり日光に6時間以上水を当てる方法などがあります。
このように、さまざまな方法の中で自分の課題解決に最も適した方法を取捨選択していくのがFMTフレームワークのうちの機能(function)です。
技術(technology)
まず、MFTフレームワーク図の一番右側の技術欄では「高性能浄水器」を求めているユーザーが想定できます。
このユーザーは、高性能浄水器がすでにどんな便益を自分に与えてくれ、そしてどんなことに使おうかとすでに自分の中で決めています。このような情報収集はテクノロジー(技術)に詳しい担当者、すでに何らかの理由でこの情報にたどり着いているユーザーである傾向があります。
MFTフレームワーク事例:LED
次に、BtoB向け事例としてLEDをMFTフレームワークに当てはめてみましょう。
市場(market)
LEDから見える市場面を見ると、主に課題解決と応用ができそうな市場に焦点を当てています。機能面の省エネから市場面を見ると省エネコンサルという市場が見えてきました。
事業所へそのまま省エネ提案をするのもいいのですが、新たな販路開拓として省エネコンサルと連携することで自社事業の発展につなげられるそうです。
どうしてもマーケットそのものを見てしまいがちですが、少しズラしたMFTフレームワークを作りこむことで、競合他社が見つけられていない魅力ある市場を見つけることも可能になります。
機能(function)
LEDのMFTフレームワークの機能面では、省エネに関しては他の方法でも実現をすることはできるでしょう。
省エネの中でも、なぜLED照明を活用することが自社にとってメリットが大きいのかということを納得させることができれば、アプローチする市場の1つとして候補に入れることができます。
技術(technology)
技術面に関しては、自社技術やニーズにマッチしたLED関連を求めているユーザーが検索しているであろうと仮説が立てられます。
LEDの機能性や目的などを絞り込み、自社が必要としている技術を有する企業はどこか、展示会だけでなくインターネット上で探しているBtoB企業がターゲットになります。
MFTフレームワークをWebマーケティングに応用する
MFTフレームワークは製造業のWebマーケティングに活用することができます。特にSEO対策やリスティング広告をはじめとしたキーワードマーケティングとは非常に相性がよい傾向があります。
MFTフレームワークに倣ったWebマーケティングを展開するときには、下記のように考えます。
- 技術検索=顕在層(ニーズ高、競合性高)
- 機能検索=準顕在層(ニーズ中、競合性中)
- 市場検索=潜在層(ニーズ低、競合性低)
技術検索はリード獲得につながるニーズの濃いユーザーが検索をしていますが、多くの競合他社がこのユーザーを狙っているため、Web上でも見積もり上でもレッドオーシャンになっているケースが多いです。
そのため、いきなり顕在層に手をつけるのではなく、MFTフレームワークを使って自社商材で課題解決できる機能や市場を全て洗い出した上でマーケティング設計を立てます。そうすることで、レッドオーシャンを避けたマーケティングを行うことができます。
MFTフレームワークを使った事例やマーケティングの考え方
MFTフレームワークを使うことで、既存商材でも狙える市場を俯瞰的に確かめることが可能になります。競合他社を意識するのは大切ですが、実際にモノを購入する顧客目線で考えることで有効なマーケティング戦略や営業戦略が立てられるようになり、今まで見えてこなかった市場が見えてきます。
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