CPQは、「Configure(構成)」「Price(価格)」「 Quote(見積書)」の略であり、構成が複雑な製品を見積もるためのシステムです。
CPQシステムの導入により製品やサービスの構成、価格設定、見積書作成の効率化が可能です。製造業やBtoB分野の営業プロセスにおいて、重要な役割を果たしています。
本記事では、CPQシステム7選を紹介。選び方や導入メリット、既に導入されている各CPQシステムの特徴も紹介します。CPQシステム導入を検討している企業のご担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
CPQシステム一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
Cincom CPQ |
商談中の正確な見積書作成で、営業を効率化 |
Salesforce CPQ |
スムーズなデータ統合で業務品質を向上 |
Oracle CPQ Cloud |
直感的な操作で見積書作成がワンクリック |
Infor CPQ |
効率的な業務自動化で、システム標準化を実現 |
Tacton |
複雑な製品の見積書もスピーディーに作成 |
Fleacia CPQ |
日本製造業の改革で産まれたハイエンドなCPQ |
SAP CPQ |
複雑な製品構成や多様な販売チャネルに対応 |
CPQシステムとは?
CPQとは、Configure(仕様選定)、Price(価格算出)、Quote(見積作成)の略。構成が複雑な製品を見積もるためのシステムのことをいいます。このCPQは、複雑な組み合わせルールを制御するためのコンフィグレーションエンジンが核です。
CPQシステムは、コンフィグレーションエンジンによる仕様の組み合わせの制御の他にも、仕様と同じく価格を正確に算出し、営業担当には欠かせない見積書・注文書を作成する機能を搭載。複雑な製造業における見積もりには、CPQシステムが役立ちます。
複雑な製品や掛け合わせの見積もりに関しては、その一つ一つを人間がやろうとすると、多くの時間がかかってしまうだけでなく、合計金額を間違えたり、製造できない仕様を選定したりする危険があります。オプションの豊富さも嬉しいポイントですが、豊富であればあるほど、見積もりをミスしてしまう可能性があるのです。
CPQシステムなら、組み合わせの可否をCPQのコンフィグレーションエンジンが制御。どんなにバリエーション豊富で複雑な製品でも、オーダーメイドやカスタマイズの自由度が高いものでも、正確にスピーディーに見積もることができます。
これによって競合との差別化を図り、営業・設計・製造リードタイムの短縮も実現することが可能です。
CPQシステムの導入メリット
属人化を防止
これまで、製造業など、複雑な製品の見積りを作成するためには、製品の知識はもちろん、長年の勘や経験が求められていたため、属人化が大きな課題でした。CPQシステムを導入すれば、担当者だけに頼ることなく、正確な見積りを素早く作成可能です。一連のプロセスをツール上で簡単に実施して、属人化を防止できます。
顧客満足度の向上・信頼獲得につながる
対応する人が違えば対応の差が発生することがあり、「前の担当さんは早かったのに」といった顧客の不満が出てしまうケースも。
CPQシステムを導入すれば、製品選定から見積もりまでの工程を一定の品質で提供可能です。そのため、顧客満足度の向上・信頼獲得につなげられるメリットもあります。
精度向上・時間短縮できる
幅広い製品仕様・構成を扱っている製造業においては、顧客のさまざまなニーズに対して何を提供するかを判断しなければいけません。
そのため、複雑な情報処理に手間と時間がかかり、時には見積もり金額を間違えたり、要望とは違う製品を選定してしまったりするなどのミスが発生する恐れもあります。その点、機械的に情報処理できるCPQシステムなら、効率的に、精度の高さを保ちながら業務を行うことができます。
営業活動の強化
営業活動において、スピード感と正確さは信頼につながる第一歩。担当者に頼らず、素早く正確な見積り書を作成できれば、スムーズな営業活動を行うことができます。
たとえば、複数の会社に相見積りを取る際、返事が早ければ契約を獲得できるケースも出てきます。CPQシステムなら、価格はもちろん、顧客のニーズに対応した見積りを作成できますので、新規開拓する場合にも大いに役立ちます。
このように、営業活動の負担を減らしながら、安定した品質のサービス・製品を提供できるCPQシステムは、イメージアップをはじめ、自社の売上向上にも貢献します。
CPQシステムの選び方
CPQの需要の高まりに比例して、さまざまなタイプのCPQシステムが存在しています。どんなシステムでも得意不得意がありますので、ポイントを押さえて選ぶようにしてください。
システム連携、カスタマイズの柔軟性
CPQシステムは、見積もりに特化したツール。そのため、CRMやERPなどの既存のシステムと連携できるかどうかを確認しておく必要があります。3DCADと連携できるものなら、製品仕様を3Dモデル化して提出することもスムーズに行えます。
クラウド型のCPQシステムなら低価格ですぐに導入できます。システム連携やカスタマイズを行いたい場合は、あらかじめ予算を決めておき、運用方法を明確にしてから検討することをおすすめします。
メンテナンスが簡単に行えるかどうか
CPQシステムを選ぶ際は、プログラミングや専門知識は不要かどうかや、仕様、価格、品番、ルールを感覚的に整理できるかどうかも、十分に確認しておく必要があります。
また、CPQシステムは製品の構成とルールを定義するマスタが重要な役割をもつツールですので、マスタが適切に整理されていなければ効果が発揮されません。初めてCPQシステムを導入する時は、マスタメンテナンスを簡単に行えるかどうかも、チェックしておいてください。
サポート体制の充実度
システムを利用するにあたり、システム障害やトラブルが発生してしまう場合もありますので、サポート体制が充実しいているかどうかも重要なポイントです。
トラブルが起こったり、何か聞きたいことがあったりした際に、チャットや電話など、どのようなサポートをしてくれるかも、事前にしっかり確認しましょう。
料金・価格相場の確認
CPQシステムは、「月額従量課金タイプ・月額固定費用タイプ」の2つの料金プランがあります。自社に必要な機能と要件が搭載されているかどうかを確認すると同時に、料金についても確認しておく必要があります。
月額従量課金タイプは、1ギガバイトごとに245円~程度、月額固定費用タイプは、9,000円~程度が相場の費用です。
CPQシステムに関するよくある質問
Q1.CPQシステムは他システムと連携できますか?
システムにより異なります。CRMやERPなどの既存のシステムや、3DCADと連携できるものもあります。
CPQシステムの導入を考えている方は、本ページに掲載している「CPQシステムの早見表」をご覧ください。
Q2.CPQシステムはどんな業界で導入されていますか?
主に機械や製造、住宅設備などの業界の各種メーカー、商社などに導入されています。必要な機能やシステムは業界や企業によって異なるため、自社のスタイルに合うシステムを選ぶことが大切です。
Q3.クラウドとオンプレミス、どちらがおすすめですか?
CPQシステムには、クラウド型とオンプレミス型があり、それぞれでシステム形態や導入する際の工数、費用なども大きく変わります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、自社の状況や運用方法に合わせて選びましょう。
一般的に、クラウド型は導入コストが安価で導入期間が短く、システムベンダーが運用するため運用効率が良いことが特徴です。その代わり、月々のランニングコストや自社でのカスタマイズが難しいという点があります。
対してオンプレミス型の場合、クラウド型に比べて導入コストや期間がかかります。一方で、自社内での運用となるため、社内に運用やシステム担当がいる場合は運用の自由度が高く、自社に合わせたシステム設定が可能です。
CPQシステムサービスまとめ
CPQとは、複雑な構成の製品やサービスを見積もるためのシステムのこと。核となるのは、複雑な組み合わせルールを制御するためのコンフィグレーションエンジンです。価格を正確に算出して見積書・注文書をスピーディーに作成する機能により、属人化防止、顧客満足度の向上・信頼獲得など様々なメリットをもたらします。
選び方については、CPQの需要の高まりに合わせてさまざまなタイプのCPQシステムがありますので、システム連携・カスタマイズの柔軟性をはじめ、メンテナンスが簡単に行えるかどうか、サポート体制が充実しているかどうかなどのポイントを押さえておいてください。
また、料金・価格相場も重要です。「月額従量課金タイプ・月額固定費用タイプ」の2つの料金プランがありますので、自社の目的や必要な機能をあらかじめ明確にしてから検討するようにしてください。
- 免責事項
- 本記事は、2023年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。