バスツアーの集客は発想力と企画力で勝負
公開日:2020年04月02日
新型コロナの影響で雇止めや解雇のニュースも
世の中は新型コロナウイルスのニュースであふれかえっています。首都圏ではいわゆる「ロックダウン」が行われるのではないかという懸念もぬぐえません。
花見、卒入学式、入社式、修学旅行、レジャー、旅行、スポーツ観戦、コンサート、舞台。そしてなにより東京で2020年に開催されるはずだったオリンピックの延期が追い打ちをかけています。
そして4月1日にはテニス四大大会のなかでももっとも伝統のある「ウィンブルドン」(6/29~)も新型コロナウイルスの影響で大会中止が発表されました。
終わりも、姿も見えないウイルスとの闘いがわたしたちを苦しめています。
「コロナに負けない!」が合言葉
観光バス業界への影響は甚大で、9割がキャンセル、雇止め、解雇といった文字がニュース上で踊っています。でも、そんななかでも前向きに動き出している会社もあります。
たとえば「熊本バス」(九州・熊本市)は「バスを使わないツアー」を企画。熊本や大分のバスツアー見込み客に対し、マイカーを利用した送迎と旅館をパッケージにして1万円以下のツアーを企画しています。
また三浦観光バス(神奈川・三浦市)は、大型もしくはマイクロバスによる「貸切通勤送迎」のサービス提供を開始しました。
公共交通機関の利用に不安を感じる企業・法人・自治体・団体などに対し、神奈川発着であれば関東近郊までの送迎を引き受ける、というものです。
どの会社も苦しい日々が続きますが、上記2社のように「コロナに負けない!」を掲げた企画が、今後もどんどん出てくることを期待します。
観光バスツアーはより「個人旅行化」が進む
さて、目の前の出来事から少し俯瞰した状態で、観光バスツアーについて考えてみます。
観光バスツアーは「はとバスツアー」の盛況で一見盛り上がっているように感じますが、実は市場全体で見るとこれ以上の成長は厳しいと言われています。以下で高速バスマーケティング研究所のレポートを見てみましょう。
今後は個人観光客が主戦場という分析も
団体で旅行ツアーを行う観光バスツアーは、「ニュー・ツーリズム」にシフトするといわれています。これまでは、「マス・ツーリズム」と呼ばれる有名観光地を団体で回る「確認型」旅行が主流。
ガイドブックを片手に持ち、有名な場所を順番に回るという旅行でしたが、現代では団体スタイルが減る傾向にあります。インバウンドが復活すれば、あるいは形式として残りますがメインストリームではなくなりつつあります。
あくまでも旅行は「個人化」されていき、テーマを持ってガイドブックに載っていないような場所を巡るか、車を使って個人で旅行をするか、ということが主流になっていきそうです。
また、現在団体旅行と呼ばれるバス旅行は、団塊世代を中心に人気があります。団塊世代がリタイアしていくことに伴って、夫婦というミニマムの団体でツアーを望むお客さんが増えそうです。
着地型ツアーの文化と深化への対応に成功のカギ
まだバスツアーにも可能性は残されています。それは「着地型ツアー」と呼ばれるテーマをより深耕した形のツアーです。たとえば趣味や好みを絞り込み、テーマに合わせた企画でツアーを組む。
観光ガイドブックに載ってないようなコアな場所を巡ったり、スイーツを食べまくるツアーを組んだり。聖地巡礼やコスプレツアーなども、売りになるはずです。
「はとバス」人気再燃で注目を集めた観光バスの可能性とは
バスツアーというと、どのエリアにお住まいの方でも真っ先に思い浮かぶのは「はとバス」ツアーではないでしょうか。ではここで改めて観光バスのツアーで成功している事例を見ていきましょう。
はとバス「はとバス劇場」
はとバスのすごい点はなんと言っても「東京人に東京観光をさせる」という点です。まさにパラダイムシフトの典型です。はとバスツアーは「灯台下暗し」を可視化したコンセプト。
東京人に限った話ではありませんが、人は「いつでも行ける」と思っている場合には観光をしないものです。そこに目を付けた「はとバス」は、地元のコンテンツ化という独自性で成功しています。
クラブツーリズム「フェローフレンドリースタッフ」
バスツアーにも体験型コンテンツが展開されています。まさに「バスツアー」だからこそできる特別なプランと言っていいでしょう。
このプランはお客様自身が研修を受けて添乗員になるという、特別な体験を提供するプランです。指導してくれる添乗員がいるので初心者でも安心して参加できます。
個人がバスツアーを作成・集客するプラットフォームも誕生
個人が求めるテーマを追求した結果、必要になるのは「バス会社」の企画ではなく、個人の企画なのかもしれません。
旅行の個人化やテーマの細分化に対応できるよう、貸切バスを使ってツアーの作成から集客、決済までを一括で行えるツアープラットフォームサービス「busket」が誕生しました。
まさに自分好みのツアーを、自分が好きな人たちとバスを用いてできるという点が大きな魅力でしょう。従来どおりの型にはまった団体バスツアーではなく、よりカスタマイズされたバスツアーが今後ますます注目されるでしょう。
観光バスツアーの集客まとめ
今後バスツアーはよりパーソナルにカスタマイズされていくことが想定されます。これらの集客は従来のチラシでも効果が得られる地域性などはあるものの、それだけでは不十分。
スマホで積極的に情報収集する中高年層はバスツアーのロイヤルカスタマーのターゲット。リアルタイムでツアー情報が獲得できるのは、ネットです。
いまは新型コロナウイルスの状態が日々変わっていくため、ツアーの催行決定もギリギリまで決定できないという事情があります。このような非常事態には、LINEなどのSNSを含むインターネット上での情報発信が非常に重要。
そこれまでアナログ中心だった集客を、「コロナに負けない」気持ちの表れとして、ネットで情報を発信していきましょう。そして旅行情報の更新性やスマホ最適化、SEO施策などについては、専門スキルを持つパートナーとの連携をおすすめします。