映画館の集客はしっかりターゲットを絞った戦略が大事

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映画集客のプラス要因を探る

近年の家庭用テレビの大型化、インターネット技術の進歩などを考えると、映画館ビジネスを成功させるには厳しい状況であると思われる人も多いでしょう。また、2019年より鑑賞料金が値上がりしました。

そんな中、2019年の国内における映画館の総観客動員数は、過去最高を記録しました。映画業界が目標とする2億人まであと少しの、1億9491万人を達成。2019年の年間興行収入に関しても2611億8000万円と、2000年以降で最高の成績を残しました。

料金の値上げなど、集客を難しくさせる要素がさまざまあった中、なぜ映画人口がここまで増加したのでしょうか?映画業界の集客成功に導いた理由を解説していきます。

エンタメの中ではコロナ禍から早めのリスタート

ところがご存知のようにコロナ禍で映画館も大きなダメージをこうむりました。映画をはじめ国内外の演劇や舞踊、クラシックコンサートなど観客が声を発する機会がほとんどないエンタメも中止や延期。

緊急事態宣言が解除され6月上旬からシネコンや大手映画館は入場制限をかけるなどして早めに再開ができましたが、映画とリアルイベントの開催はしばらくお預けとなりそうです。

今後はデジタル上でいかにイベントを盛り上げていくか、新しいスタイルのプロモーションが求められることになりそうです。ここでは、ウィズコロナでも検討の余地がある映画館の集客方法について紹介していきます。

スクリーン数の増加でターゲッティングが可能に

映画館ポップコーン
現代では通常映画館が減少傾向にあり、シネコンがデフォルトになっています。

日本映画産業統計によりますと、2000年の通常映画館は1401に対し、シネコンは1123と通常映画館の方が多かったのですが、2019年では通常映画館は418に対し、シネコンは3165。2000年と比較するとシネコンが大幅に増えています。

シネコンが増加しスクリーンの数も増えたことで、映画の公開本数も増えました。2000年に入ってからは2006年に800本を超えましたが、その後減少傾向に。しかし2012年には983本と1955年以降で最大の公開本数となり、2019年は1278本と過去最大の本数となりました。

上演作品数が増やすことで、さまざまなジャンルの映画を上演することができます。映画業界では今、老若男女それぞれ異なるターゲットをセグメントした集客が実現できているのです。

映画のシニア割引を活用する人が増えている

映画シニア
集客を成功させるには、どのような人たちをターゲットにするか考える必要があります。映画に関しては、比較的時間に余裕のあるシニアはねらい目です。映画プロモーションのターゲットをシニアに絞るというのも一つの手段。

今多くの映画館では60歳以上が対象となるシニア料金が設定されており、一般料金の1,500円より400円安い1,100円で映画鑑賞が可能です。

一方イオンシネマでは、シニア料金は60歳からではなく55歳から。また夫婦いずれかが50歳以上であれば適用される「夫婦50割引」を2004年からスタートさせており、シニア料金と同じ料金で映画を観ることができます。イオンシネマのようにシニア料金対象年齢を引き下げるなどして、シニアを取り込み、集客に繋げましょう。

映画館女性割引「レディースデイ」にできること

映画館女性割引「レディースデイ」にできること
ファーストデイやレディースデイの設定は映画館により差異があるものの、定番化しています。レディースデイに関しては、例えばTOHOシネマズや109シネマズでは、毎週水曜日がレディースデイで、女性は1,100円で映画を観ることが可能です。

しかしただ安くするだけなく、次の来館を促すサービスや「映画館に行きたくなる女性向けイベント」はまだまだ仕掛けられるのではないでしょうか?映画館以外のレディースデイを参考にすれば何か良いアイデアが浮かぶかもしれません。

競合他社が行っていない、自社独自のサービスやイベントを企画し、女性の集客を図りましょう。

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映画集客の最新イベントに学ぶ

映画集客の最新イベントに学ぶ
「映画は映画館で観るもの」という固定概念が不要なケースもあります。最近では映画と何か他のものを一緒に楽しめるようなイベントが開催されています。例えば、

  • 映画と野外
  • 映画と食

といった組み合わせのイベントがあります。このように、映画を何か他のものと組み合わせることで独自性を発揮することが可能です。また、映画にはそこまで興味がないが、野外イベントや食に関心があるといった顧客を取り込める可能性もあるわけです。

映画館に集客したいのに野外イベントなんて関係ない、と思うのではなく、このようにイベント性の高い企画に「学ぶところもある」のではないかと思うのです。

では次に、映画と野外、映画と食の両方を一緒に楽しめるイベントの具体例をご紹介しましょう。

野外シネマイベント

映画を映画館ではなく、野外で楽しめる「野外シネマイベント」をご存知でしょうか? 野外シネマイベントにもさまざまなものがありますので、いくつかご紹介します。コロナ禍のため野外イベントはさらに増加傾向にあります。

例えば、動物園の中でキャンプをしながら音楽や映画も楽しめるイベントや、森の中で明かりを灯し、木製のオリジナルスクリーンで映画を鑑賞するといったイベントがあります。

2018年に大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」を上映しながら、ブランド肉で作った肉料理を楽しむ「肉フェス」といったものも開催されています。また、「ねぶくろシネマ」は、遊休不動産やビルの壁に映画を映しだし、夜空を見ながら、飲食も楽しめるイベントです。

野外シネマイベントの中には上演中に声を出しても良いイベントもあり、子どもと一緒に楽しむこと可能です。

映画と食

映画と食を組み合わせたイベント「The Food Film Festival」(FFF)が、2020年に日本に上陸します。The Food Film Festivalはアメリカのニューヨークで発祥したイベントで、映画鑑賞と食事の両方を楽しむことができます。

内覧会ではウェルカムドリンクが振る舞われ、食に関する映像を見ながら、前菜からデザートまでフルコースで用意されました。先ほどまでスクリーンで映し出されていた食事が手渡されるなど、料理が提供されるタイミングも絶妙です。

※2020年4月17日より開催予定でしたがコロナで中止・延期となりました。次回いつ開催されるかはまだ発表されていません(10月19日現在)。

映画館の中でできるイベントには限りがありますが、「ワンナイト・〇〇フェス」のような企画を考えて、その日だけはワインとチーズを提供するなど、イベント性の高い企画は客寄せには有効です。ただしそのためにはSNSを駆使したプロモーションの技術が必要になってきます。

キャンペーンも映画集客の飛び道具

ノベルティや限定グッズなどは映画館に誘導する決め手になります。例えば、

  • 原作本
  • スマホカバー
  • クリアファイル
  • ブルーレイセット
  • 鑑賞料金割引クーポン
  • オリジナルTシャツやキーホルダー

といったものを抽選でプレゼントすると良いですね。好きな俳優さんやアニメのキャラクターがプリントされたグッズは、ファンなら必ず手にしたいと思うはず。

キャッシュレス決済やカードのキャンペーンも活用してください。例えば現在PayPayが使える映画館はかなり少ないです。そんな中、ラ・チネチッタではPayPayを利用することが可能。グッズショップやコンセッションでも使うことができます。

またオーソドックスではありますが、複数映画館でグッズをコンプリートさせるなど、複数回来館の仕組みなども有効です。

これからの映画集客にSNSの活用は必須

これからの映画集客にSNSの活用は必須
SNSでプロモーションを行えば、場合によっては多くの人に拡散され、集客に繋げることができます。例えば2018年に「カメラを止めるな!」は、SNSによる宣伝があったからこそより多くの人に知ってもらうことができ、大ヒットに繋がりました。

SNSといっても以下のようにさまざまな種類があります。

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube

例えばTwitterを活用する場合、たくさんリツイートしてもらえるような工夫を考えましょう。リツイートやフォローをしてくれた人限定でオリジナルグッズをプレゼントする、といった内容がおすすめ。また、SNS用の映像を特別に制作するのも良いですね。またLINEのビジネスアカウントを活用する方法もあります。

より多くの人に共感&シェアしてもらえるように、魅力的な投稿を考えましょう。

コアなファンの心を掴む

映画のプロモーションを行う際は、コアなファンを魅了するような企画を練るのが重要。コアなファンの心を掴み、ファンの気持ちを高めることができれば、例えばSNSで投稿した際も拡散に貢献してもらえます。

コアなファンに「拡散したい!」と思ってもらえるような、魅力的なプロモーションを行うためには、どうすれば良いのでしょうか?

まず、ターゲットとなるコアファン像を事前にリサーチし、しっかりと把握しておく必要があります。その上で、コアのファンが共感してくれる、興味を持ってくれるようなキャンペーンを企画しましょう。

また、当然のことですが、作品ごとの魅力や素晴らしさがどこにあるのかを、しっかり見出しておくことが大切です。

映画館の集客はエリアセグメントも重要

映画館の集客はエリアセグメントも重要
大手の映画館以外でも、エリアや映画のテーマ、集客したいターゲットなどセグメントを明確にしたうえで、SNSを駆使したプロモーションを行なうことが大事です。さらに映画館としての独自性、歴史、地域属性など「勝ちポイント」を理解したうえで、情報発信していくことが成功に繋がります。

弊社は特にエリアマーケティングに関しては多くの成功事例を持っており、7000件以上のコンサルティングの実績があります(2020年1月現在)。

  • 勝ちポイントの発信のしかた
  • SNSとのエンゲージメント手法がわからない

という場合は、動画プロモーションチームを持つZenkenにぜひご相談してください。

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