不動産業の営業戦略を強固なものにするデジタルマーケティングとは
最終更新日:2024年04月03日
地域社会と密接な関わりを持つ不動産業界は、社会情勢に影響されやすいといった側面を持ちます。
2021年現在の不動産市場は、前半はコロナの影響があったものの現状はほぼ回復し、コロナ前の水準まで戻っています。
しかし急速なオンライン化や在宅勤務などによって、不動産に対するニーズにも変化が起こるなど、社会の影響を受けていることは確かです。
このような不動産業界で、強固な営業戦略を築くためには、どのようなことが求められるでしょうか。これから、一緒に考えていきましょう。
また営業戦略に影響をあたえる、見込み客(リード)獲得のマーケティング戦略の具体策「ポジショニングメディア」もあわせて紹介しています。
自社に魅力を感じるユーザーだけを狙って獲得できるため、営業効率や受注単価アップも実現している戦略です。あらたな集客手段のひとつとして、ぜひご覧ください。
コロナの影響を大きく受ける不動産業界の市場動向
画像引用元:業界動向SEARCH.COM「不動産業界の現状と動向(2022年版)」(https://gyokai-search.com/3-hudosan.htm)
上の画像は、不動産業界の業界規模の推移を表にしたものです。業界動向SEARCH.COMを運営する株式会社デジタル&ワークスが行なった調査結果「不動産業界の現状と動向(2022年版)」によれば、2020~2021年の不動産業界の業界規模は15兆5,399億円(主要対象企業146社の売上高の合計)に上っています。
2019年まで右肩上がりでを続けてきた不動産業界ですが、2020年はコロナウィルスの影響もあり落ち込んでいます。
2021年の前半も一都三県の緊急事態宣言などが続きましたが、金融緩和や感染対策など体制が整ったことによって市場は徐々に回復。
取引件数や価格指数などもコロナ前の水準に戻りつつあり、10月には緊急事態宣言が解除され好影響が予想されます。
五輪開催により東京都心を中心とした再開発が進む
五輪開催による東京都心部の再開発は、近年までの不動産業界の拡大に大きな影響を与えました。
近年の好調な企業業績を背景に、東京都心部のオフィスビル需要が増加。賃料も上昇基調にあり、不動産各社の収益を押し上げています。また、国が進める国家戦略特区の容積率緩和もオフィスビル開発を推進する要因となっています。引用元:業界動向SEARCH.COM「不動産業界の現状と動向(2020年版)」(https://gyokai-search.com/3-hudosan.htm)
業界動向SEARCH.COMの記事では、東京都心の再開発についてこのように分析していました。
オリンピック開催後の不動産価格の急落が懸念されていましたが、2021年に行われた東京オリンピックは無観客開催となり国外から入国する方も少なく、価格高騰がなかったため揺り戻しで不動産価格が下落してしまうという可能性も少ないとみられています。
しかし不動産業界では2022年問題、いわゆる「生産緑地問題」による不動産価格急落という新たな懸念も生まれています。
コロナの影響を受けている不動産事業者は約6割
画像引用元:不動産会社のミカタ「【新型コロナウイルス】不動産事業者への影響を128社にアンケート調査」(https://f-mikata.jp/corona-f-jigyousha/)
次に、ミカタ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荒川 竜介)が行なった「【新型コロナウイルス】不動産事業者への影響を128社にアンケート調査」について見ておきましょう。
コロナによる不動産事業への影響について調査されたこちらのアンケートですが、「影響が出ていない」と答えた層は5.4%のみという結果が出ています。
売主からの問い合せ数、買い主からの問い合せ数、賃貸への問い合せ数など、ともに減少しているという結果になっており、コロナによる影響が出ていることがわかります。
不動産の営業戦略にデジタルマーケティングが重要な理由
社会情勢が不安定で政府の施策もいつ変わるかわからない、新たな2022年問題も迫る中で、変化の連続にあると言っても過言ではない状況の不動産においてはデジタルマーケティングが不可欠です。
デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNSなどさまざまなデジタルメディアを用いて宣伝・訴求をしていく手法の総称です。
最近デジタルマーケティングやデジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを目にすることが増えていると思いますが、これまで遅々として進まなかった「世の中のデジタル化」を皮肉にもコロナが推し進めた格好になりました。
不動産の営業戦略もしかり、です。
DXは不動産の営業効率を上げるための武器となる
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、不動産事業の業務効率化に有効な施策です。
経済産業省は、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」にて、DXについて下記のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」引用元:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
つまり、業務におけるDX化を推進することにより、以下のようなメリットが期待できます。
- 限られた時間・人員での的確なアプローチが可能
- VR内見やオンライン商談により、営業機会の損失を防ぐ
- クラウド管理により、顧客のデータを標準化
- 不要な業務の洗い出しと不足しているフローの可視化
- マーケティング分析による営業課題の明確化
- 顧客データを活用した営業戦略の見直し
意外に気づかない無駄な工数や効率化を図るために業務内容を見直すきっかけにもなります。
改善のためのPDCAを回すことはもちろんのこと、新卒や中途採用の社員が入社した際にも、データ化された情報があるとないとでは、指導方法や業務の引継ぎの内容も変わってくるはずです。
DXの推進は競争上の優位性を確立するために必須のものになっていくと専門家たちも述べています。
「内見予約くん」(https://lp.itandibb.com/naiken-yoyaku/)のようなサービスを活用するのもひとつの手段であり、オンライン上でいかにリードを獲得するかが重要になっていきます。
デジタルマーケティングは不動産業界でもマスト
テクノロジーの発展や、不動産ポータルサイト拡大などの背景から、デジタルマーケティングは不動産業界でもマストとなっています。
コロナの影響により、不動産ポータルサイトや企業ホームページなどを閲覧する消費者が増加傾向にある一方、見学会などのイベントの集客力が落ちていることも容易に想像できます。
この問題を解決するためには、MA(マーケティングオートメーション)の実装やWebメディアの活用、公式サイトの広告媒体化、LP(ランディングページ)の最適化などが挙げられます。
またマーケティング人材の育成や雇用も検討すべきでしょう。いまではフィールドセールス(従来の営業スタイル)とインサイドセールス(見込み客に対してメールやWeb面談システムを活用した内勤の営業スタイル)の連携で結果を出している企業も増えてきています。
なぜならインサイドセールスが確度の高い見込み客に繰り返しメールなどでアプローチして、機が熟したところでフィールドセールスにパスを出すスタイルは、やみくもにアポ電をするよりも成約率が高くなると言われているからです。
デジタルマーケティングの有用性が知られるようになったいま、BtoBの営業は、PUSH型営業からPULL型営業へと移行しつつあるという専門家も多くいます。
押せ押せの営業スタイルに固執することなく、いまの時代に合ったPULL型営業と向き合ってみる必要があるかもしれません。
関連ページ:【BtoBの営業戦略】PUSH型からPULL型に移行が急がれる理由
目的別にインバウンドマーケティングを仕掛ける
不動産の営業戦略で取り入れるべき手法のひとつに、インバウンドマーケティングがあります。インバウンドマーケティングとは、SNSやオンラインセミナー、ニュースリリース、動画コンテンツなどで有益な情報を発信し、見込み客に自社を見つけてもらうマーケティング施策です。
自社の存在を知らないユーザーが検索結果上で目にする情報を目にすることで、その企業やサービスそのものに興味関心を抱いてもらうことができれば、これまで開拓できなかった新規リード獲得も可能になります。
インターネットが情報収集の最上位となったいま、顧客の行動様式に合わせてアップデートな施策が打てるインバウンドマーケティングに注目が集まっています。
従来の営業スタイルとは異なる「PULL型営業スタイル」の一種で、潜在顧客の流入を促す施策として今後活用する企業が増えていくと考えられています。
ホームページに問い合わせフォームを置いている企業がほとんどだと思いますが、指名検索で流入してくる顕在性の高いユーザーだけを相手にしていても、新規顧客の開拓は難しいと考えます。
インターネット上の受け皿として、ニュースリリースやSNSで情報発信したうえで、ホームページを見つけてもらい、問い合わせにつなげることが大事です。
ただし、問い合せフォームを用意しておけばいいというわけではなく、地域性やターゲット、物上げなのか売却なのか、どのような顧客を集めたいのかなど、目的を明確にした情報発信が求められます。
不動産業界の売上に貢献するコンテンツマーケティング
インバウンドマーケティングの施策を打つ際に取り入れるべき手法に「コンテンツマーケティング」があります。ホームページやWebメディアなどにユーザーが知って役に立つ情報、有益な情報をコンテンツとして提供します。
たとえば、
- 不動産投資家向けのマンション仕入れ
- 店舗売却を検討しているオーナー
- ホテル売却を検討している経営者
- 都内住居や空き地を打って地方転出を考えている地域住民
- 金融商品から不動産投資に切り替えようとしている資産家
- 店舗物件を探している経営者、フランチャイザー
というように、流入してくるキーワードによってユーザーが知りたい情報が異なります。したがって細かくセグメントした内容でコンテンツを用意するのが効果的と言われています。
コンテンツマーケティングで取り扱うメディアの種類は、大きく3つに分けられます。
- オウンドメデイア:自社の情報を発信するために利用するメデイア。ブログやSNS、ホームページなど
- ペイドメディア:有料で自社の情報を掲載してもらうためのWebメデイア。来訪者が多いため、オウンドメディアに誘引する目的で利用することが多い
- アーンドメディア:同業者の情報を網羅した比較サイトや口コミサイトなど、マーケティング会社などが運用するメディア
これらのメディアの違いやデメリットをよく理解し、自社が獲得したいターゲットや自社の優位性を把握したうえで、施策を選ぶようにしましょう。
戦略的コンテンツマーケティング「ポジショニングメディア」
ポジショニングメディアとは、自社が持つ独自の強みや価値、つまりは市場内でのポジション(立ち位置)をわかりやすく見せることで、自社や商品を最も魅力的と感じる「自社とマッチする顧客」を獲得できる集客戦略です。
「〇〇といえば・〇〇で選ぶなら自社」というブランドイメージを顧客に認知してもらえるため、顧客側も「自分に最も合っている不動産会社はここだ」と納得して選ぶことが可能になります。
このように自社ならではの強みを理解してくれている見込み客(リード)が獲得できることは、営業活動にも大きな好影響を与えます。
ひとつめは、自社だからこそ選んでくれている状態のため、反響からの商談率・成約率が高まるという点。
ふたつめは、自社のことを知ってもらうという段階がないため、商談スピードが上がる、つまりは1契約にかける工数・コストを抑えられるという点です。
実際に、ポジショニングメディアを導入した企業様からは、
- 会員登録数が純増し、月にならすと約2棟分契約が増えた
- ポジショニングメディア経由の反響は商談率が8割以上
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
といった、集客効果を実感したという声をいただいています。
営業がしやすい顧客を集客できるため、反響が成約につながらない、営業効率を上げて売上をアップさせたい、といったお悩みや課題がありましたら、ぜひポジショニングメディア導入も検討してみてください。
不動産の営業戦略まとめ
- デジタルマーケティングは不動産業界でもマスト
- DXは営業効率を上げるための武器となる
- PUSH型からPULL型営業へのシフトが進みつつある
- PULL型営業のひとつ、インバウンドマーケティングは注目の施策
- 不動産業界の売上にコンテンツマーケティングが貢献する
- 高い費用対効果を求めるなら、ポジショニングメディアが有効
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オンライン化が急速に進んだ現在、Webによるマーケティングは集客や営業において非常に大きな影響があります。
しかし自社内でマーケティング部門をゼロから作り出すのは大変なコストと時間がかかるのも事実です。
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