工務店では、長いリードタイムでも顧客を逃がさず、受注を決めるには、顧客の情報をしっかり管理し、適切な対応をすることが重要です。
商材顧客管理ツール(CRM)ではこれらの情報を一元管理し効率化できることから、工務店において必須のツールと言えるでしょう。この記事ではおすすめの顧客管理ツール、料金、導入のメリットなどについても詳しく解説します。
【不動産・工務店向け】顧客管理ツール(CRM)の一覧
顧客管理ツールを提供する8社のサービスの特徴・費用を徹底比較しています。以下の一覧表で各社の特徴を比較してみてください。画像をクリックすると、資料ダウンロードページに移動します。
会社名 | サービスの特徴 |
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Digima |
住宅・不動産に特化!細かな自動フォローで工務店の営業を支援するCRMツール
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ALL GRIT(オールグリット) |
LINEを活用して工務店向け営業と集客の自動化をサポート
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サクミル |
30アカウント月額4000円!顧客管理から現場管理・請求管理まで一元管理できる
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マイホムビズ |
多機能なのに簡単操作!顧客管理・現場管理・アフターフォローまで一括サポート
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売り上げマネージャーOasis |
工務店に必要な管理情報を一元管理 |
H3S Lite |
建築業界向けの顧客に特化した入力内容で管理業務を支援 |
Kintone |
SNSのようなコミュニケーションツールでチームをまとめる |
工務店クラウドEX |
商談からアフターサービスまで一元管理 |
建て役者 |
リフォーム業界特化の業務一元管理システム |
工務店における顧客管理の必要性
工務店における顧客管理が重要な理由には、工務店を含む建設業界の特殊性が関係しています。
建設業界は、基本的に一品ごとの受注生産が基本であり、案件ごとに金額、規模、受注内容や工期が異なります。もちろん顧客からの要望やニーズも異なるため、顧客とのやり取りや取り決めた内容など、顧客ごとの取引に関する管理は非常に重要です。
また建設業界は、複数の企業が下請け・孫請けなどの関係性で複雑に関与して受注に取り組むことが多い業界です。連携する各企業の関連部門も多岐にわたるため、受注をこなすうえでは情報管理が非常に重要だといえます。
このように顧客管理に関わる情報は、他の業界に比べてかなり多く複雑なものであることが多い業界ですので、工務店の顧客管理は非常に重要な要素になっているといえます。
顧客管理システムを活かすうえで、どのような経営戦略を立てるのかも非常に重要な要素となってきます。以下の記事は、工務店の経営戦略のポイントについてまとめた記事です。興味のある方は参考にしてください。
工務店に顧客管理ツール(CRM)を導入するメリット

顧客情報を一元管理できる
1つ目のメリットは顧客情報を一元管理できることです。
顧客管理ツール(CRM)は、顧客に関する情報を1つのツール内にまとめ、管理するものです。管理する情報も顧客の会社名、担当者、電話番号などの基本的な属性情報から、ニーズや購入履歴、営業活動の履歴など、顧客に関するあらゆる情報が対象です。
顧客に関することは、顧客管理ツールを見ればいつでも、誰でも理解できるよう一元管理できるため、より具体的な顧客のイメージを共有することが可能です。
営業活動を可視化できる
2つ目のメリットは営業活動を可視化できることです。
顧客管理ツール(CRM)で管理される情報には、営業活動の履歴なども含まれ、受注に至った顧客はもちろん、最終的に失注してしまった顧客の履歴なども蓄積されていきます。
またどの顧客にどのような営業活動を行ったのかなど、営業プロセスも記録・分析できるため、自社の営業活動それぞれが、どのような成果に結びついているのかも一目瞭然です。
当然営業活動における弱点も明確化できるので、営業活動の改善にもつながるでしょう。
社内で情報共有しやすくなる
3つ目のメリットは社内で情報共有しやすくなることです。
顧客管理ツール(CRM)では、入力された情報がリアルタイムで更新され、全員に共有されるため、営業部門だけでなくマーケティング部門やカスタマサポートなど、関連する部門も含め、情報共有が可能です。
例えば顧客からの問い合わせ時に担当者が不在であっても、顧客管理ツールを参照することで即時に対応できるでしょう。
また顧客のニーズや交渉内容などを共有することで、マーケティング部門で新たな施策を立案するといったことも可能になり、さらなる営業活動の効率化にもつながるでしょう。
顧客ごとのニーズに応えやすくなる
4つ目のメリットは顧客ごとのニーズに応えやすくなる点です。
繰り返しになりますが、顧客管理ツールでは顧客との具体的なやり取りやこれまでの購入履歴、クレームなどのすべての経緯が一元管理されます。これらの履歴は、顧客のニーズを正確に理解する際に非常に有効な情報となります。
特に工務店が属する建設業界は、一品ごとの受注生産が基本で、顧客ごとのニーズもさまざまですので、顧客ごとにニーズを捉えられれば、顧客の特性に合わせた営業活動が展開できるでしょう。
顧客の購買段階ごとに対応できる
最後に紹介するメリットは、顧客の購買段階ごとに対応できることです。
工務店などの建設業界では、受注までの営業段階・受注後に仕様を決める設計段階・設計確定後の施工段階など、顧客との取引は長期にわたるケースも少なくありません。
顧客管理ツール(CRM)を利用すれば、顧客に関する情報が自社内の関連部署にタイムリーに共有され、営業・設計・施工のそれぞれの目線で顧客に対するアプローチやフォローができるようになるため、より質の高い顧客対応が可能になるでしょう。
工務店で顧客管理ツールを導入する際の注意点

社内の共通理解を図る
1つ目は社内の共通理解を図ることです。
顧客管理ツールは、各部門が必要な情報を入力・管理してこそ効果を発揮します。そのためにはシステム導入の目的や運用への理解・協力が不可欠です。
導入段階からシステムのメリットや運用方法などについて周知を丁寧に行い、現場の要望も加味しながら導入を進めることが重要です。
顧客管理ツールは、営業部門だけではなく、マーケティング部門や設計・施工部門などさまざまな部門で活用できるツールです。関連する部門は導入プロジェクトに参加させ、共通理解を得ながら進めるようにしましょう。
管理する情報を精査する
2つ目は管理する情報を精査することです。
顧客管理ツールでは、さまざまな情報を入力することが可能です。システムで入力が可能な情報をすべて入力すると、情報量はかなり膨大になることも少なくありません。
ほとんど利用しないような情報まで入力してしまうと、入力に負荷がかかってしまい、効率化につながらなかったり、データが入力されなくなったりします。
顧客管理ツールを導入する段階で、入力するデータを精査し必要な情報はなにか、どのように利用するかなどを検討したうえで、導入することをおすすめします。
必要な機能を備えたツールを選ぶ
3つ目は必要な機能を備えたツールを選ぶことです。
顧客管理ツールは、ツールによって使える機能が異なり、機能によっては有料オプションとなっているものもあります。せっかく顧客管理ツールを導入しても、必要な機能がなかったり、使いにくくなっていたりしては本末転倒です。
例えば営業部門がほとんど直行直帰の会社であれば、外出先でもスマホから入力できる機能を備えたものにする必要があるでしょう。
自社の状況や目的に合わせて、必要な機能を備えているかを選定段階で確認しておくようにしましょう。
操作性の高いツールを選ぶ
次に、操作性の高いツールを選ぶことです。
顧客管理ツールは、営業部門を中心として現場の担当者が情報入力をしてこそ、真価を発揮します。
顧客情報の入力は、日々の業務で繰り返し行われるため、入力作業が面倒だったり、わかりにくかったりする場合、データ入力が適切に行われません。導入前には無料トライアルなどを利用して、実際の利用者にユーザビリティを確認してもらうと良いでしょう。
各ツールの導入費用を比較する
最後は各ツールの導入費用を比較することです。
顧客管理ツールには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型は初期費用が比較的高額ですが、その後の費用はバージョンアップやメンテナンス費用のみです。逆にクラウド型は導入時には費用が少額ですが、毎月利用料金が発生する仕組みです。
どちらのほうがよいかは、利用するユーザー数や顧客数、機能の充実度によって異なるため、自社が必要な規模や機能に応じ、コストが適正かを確認するようにしましょう。
顧客管理ツールで工務店の業務を効率化

今回は工務店における顧客管理の重要性や、顧客管理ツールの導入メリット、おすすめの顧客管理ツールなどについて解説しました。
受注生産の工務店において、顧客とのやり取りやニーズの把握、施工・原価管理、アフターフォローなど、顧客情報の管理は非常に重要な要素です。
建設業界に特化した顧客管理ツールを導入することで、必要な情報を効率的に入力・管理できるため、さらなる営業活動の効率化につながります。顧客情報が蓄積していくことで、マーケティング戦略の立案につなげられればさらなる業績拡大にも活用できるでしょう。
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- 本記事は、2022年4月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。