皮膚科の開業は集患戦略が見えてから実行を
公開日:2020年01月31日
皮膚科の開業で意識すること
「皮膚科の開業は、他の診療科に比べてラクで儲かる」医療業界ではそんな話が当たり前にされていたこともありました。それは果たして本当なのでしょうか。
そういった風評の根拠は、他の診療科に比べて開業資金が少なくて済むこと、そして美容皮膚科などの自由診療で儲けが大きいこと、そんなふうに考えられていたことが大きいのではないかと思います。
成功している皮膚科のデータを見ると、確かにそういった側面もあるかもしれません。ですが、その裏には並々ならぬ先生の努力と綿密な事業計画、何より成功に導いた集患戦略があったはずです。
皮膚科開業のポイント
皮膚科の開業を成功させるために考えるべきことは、第一に立地条件です。なるべく早く安定した利益を出せるようにするため、人通りが多い場所や地域住民になじみの深い場所など、集患戦略を立てやすいエリアを選びたいところです。
もちろん、競合先の状況はきちんと把握しておかなければならないのは言うまでもありません。皮膚科に限らず、立地ありきで開業して失敗する要因の多くはここにあります。一般企業ならば出店にあたっては綿密なマーケティングをするところですが、そんな当たり前のことが医療では軽んじられているのかもしれませんね。
また、皮膚科は小さなお子さんから年配の方まで幅広い年代の方が受診します。先生の得意分野とその対象年齢層や性別などを考え、ターゲットを絞っていくことが開業場所の選択にも関わってくるでしょう。
立地の問題をクリアしたら、次は開業前のプロモーション、集患のための広告戦略が必要になります。
ホームページをいかに活用するか
最近の医院開業にあたっては、ホームページをいかに活用するかが重要になってきます。それが立ち上がりの集患と利益を大きく左右すると考えていいでしょう。
医療広告ガイドラインによる広告規制がありますので、依然として医療機関が打てる広告には多くの制限がありますが、それでもホームページは積極的に強みをアピールできるツールです。
そこで大切なのはSEO対策です。ユーザーに検索されやすいホームページにすること、そして、そこにユーザーが求める情報が充実していることが求められます。
皮膚科であれば、先生が専門としている病気の詳しい解説文などを載せるのが一般的ですね。患者さんも単に皮膚科というだけではなく、自分の症状に詳しい皮膚科を選びたくなるでしょう。
エリアマーケティングも抜かりな
先のページで立地条件のお話をしましたが、まさにそれがエリアマーケティングという考え方の基本です。開業場所というのはいわば「商圏」です。商圏の状況を知らずしての開業は失敗の可能性が極めて高くなると考えましょう。極端な話ですが、客がいない場所で商売はできないということです。
まずはそこの人口構成を確認しましょう。これは人が住んでいるということではなく、診療時間帯にどれだけ人がいるのかということ。オフィス街ならオフィス街なりの、若者街なら若者街なりの集客方法があります。もちろん人数だけではなく、年齢層や性別の調査も重要です。
次に競合先のチェックです。皮膚科が飽和状態のエリアで、しかも似たような診療を行なっている皮膚科が存在する場所に開業するのはかなりのリスクを伴います。競合先の数だけではなく、その特長や強みをしっかり把握しましょう。
アレルギー系が強いのか、美容皮膚科を売りにしているのか、どんな患者層を対象にしているのか等々、できるだけ深い分析が必要です。このような事前のエリアマーケティングは、開業する上で絶対に欠かせません。
皮膚科開業時の患者数の目安とは
医院を開業するにあたって、経営を軌道に乗せるためには1日に診るべき患者数があります。一般的な開業医はおよそ1日40人といわれていますが、もちろん診療科によって診療単価が違います。皮膚科の場合を考えてみましょう。
1日40人を目指した場合、例えば診療時間が9~12時、14時~18時の計7時間だとしますと、1人の患者さんにかけられる時間は単純計算で10.5分ということになります。
もちろんその時間のすべてを診療に使えるわけではありません。診察の準備や検査結果の確認、カルテ記載などを考慮すると、実際に患者さんと向き合えるのは5分がいいところでしょう。
診察時間がそれ以上短くなると、患者さんの満足度が有意に低下してしまいます。となると、机上の計算では1日40人という数を目標にすべきだということになります。
しかし、皮膚科の場合は他の診療科よりも単価が安くなることが多いので、同じ患者数を目標にしていては経営の早期安定化が難しくなります。
そこで、診察ブースを複数にして先生のほうが移動したり、予約システムを導入したりと、同じ時間数で診ることができる患者数を増やすことは導線やシステムの効率化によって可能です。
あとは肝心の患者さんをどうやって増やすか。皮膚科は他の診療科以上に開業時の集患戦略が重要になってくるのです。
エリア特化の集患・集客にはポジショニングメディア
患者さんにとって、通いやすさはクリニックを選ぶ上で重要なポイントです。なので、皮膚科を開業する場合は第一にエリアに特化した集患戦略を立てなければなりません。
ここまで開業時に考えるべきことやエリアマーケティングの観点をお伝えしましたが、それを経て得られた自院の強みを集患戦略につなげたいところです。そこで、効率的な集患のために「ポジショニングメディア」の利用をおすすめします。
例えば、歯科でいえば「○○区のインプラント歯科ランキング」のようなサイトをご覧になったことはありませんか?これがいわゆるポジショニングメディアです。
ユーザーは「皮膚科+地域名」といったキーワードで検索することが多いので、そういったSEO対策をしたWebサイトやホームページを作成することでアクセス数が上がります。
また、サイト内では競合先と比較されることになるので、ユーザーに自院の強みを伝えた上で、そのエリアでの優位性や他院との違いをアピールすることができます。他院との差別化による集患が期待できるでしょう。
Webを活用した集患はプロに相談
集患戦略を立てるのは、開業してからでは遅すぎます。事前の集患戦略立案が開業後の経営を大きく左右するということはご理解いただけたでしょう。
先のページでもお伝えしたとおり、今の時代は集患のためにWebを活用しないわけにはいきません。しかし、具体的な手法を考えてそれを実践するとなると、開業医サイドだけではなかなか難しいのが現実でしょう。
Webを活用した集患にはSEO、MEO、マーケティングなどの複合的な知識が欠かせません。ここはやはりコンサルタントなどのプロにお任せするべきではないでしょうか。Webによる本格的な集患を検討するために、まずはプロに相談してみましょう。