広告業界の課題と解決策となるマーケティング施策について解説
公開日:2022年06月13日
この記事では、広告業界の動向や課題とその解決策となるマーケティング施策について解説しています。新規顧客を獲得して売上を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
競合が激しくなる市場において重要なのは、自社ならではの強みに基づいたマーケティング戦略を打ち出し、競合他社が提供できない価値を提供することです。どのようなマーケティング施策も、自社・顧客・競合他社という環境の理解が土台となっています。自社の強みを発見してマーケティング施策の効果を高めたい方は、過去の資料も活かしてみてください。
広告業界の環境と動向
株式会社電通が発表した「2021年 日本の広告費」によると、広告業界の国内市場規模は6兆7,998億円とされており、非常に大きな市場です。コロナ禍からの回復に伴う景況感や消費者心理の改善に伴い、メディア広告費の回復やインターネット広告が伸長してきています。
そんな広告業界の環境と動向について、2つに分けて解説します。
引用元:電通「2021年 日本の広告費」 (https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html)
インターネット広告費の増加
広告業界は現在大きな転換期にあり、広告の主流が従来の紙媒体やテレビCMから、インターネットやSNSで公開されるデジタル広告へ移行しています。インターネット広告は1996年の推定開始意向、継続的に増加しており、2021年には初めてマスコミ四媒体広告費を上回りました。
インターネット広告を活用したデジタルマーケティングの重要性も高まってきており、今後もこの流れは当面続くと見られています。
広告会社の海外進出
デジタル広告の高まりとともに広告会社各社が進めている戦略が、海外進出です。
インターネット広告の拡大に伴い、よりグローバルな広告活動が可能となりました。特にアジアをはじめとした新興国市場への事業拡大は、国内・海外の主要広告会社各社が強化に乗り出しています。
広告業界の課題と解決策
広告業界は前述の通り、大きな転換期にあることからさまざまな課題を抱えています。ここでは4つの課題と対策について解説します。
課題①:マス広告の価値低下
マス広告とはテレビCM、ラジオ広告、雑誌広告、新聞広告のことを指します。インターネットやSNSの発達、それに伴うユーザーの動向変化により、広告メディアの中心はテレビや新聞からインターネットへと移行しつつあります。
利用者・視聴者が少なくなれば、広告効果も比例して低下してしまうため、マス広告の価値が低下しています。国内の広告業界が主力としてきたマス広告の収益規模は縮小してきており、広告各社は市場動向に合わせた変化に迫られていると言えるでしょう。
対策:オンラインとオフラインの連動
マス広告の価値低下の対策として有効なのが、オンライン広告との連動です。例えばテレビCMで「詳しくは〇〇で検索」としていたり、ストーリーの後半をYoutubeで視聴できるようにしたりして、オンラインに誘導するなどの手法はご存知の方も多いでしょう。
またユーザーの親和性の高い雑誌広告からQRコートなどで、インターネット上の記事広告に誘導するなどの手法も有効でしょう。
課題②:ニーズの多様化への対応
2つめの課題はニーズに応じた広告活動の展開が必要となったことです。
インターネットの普及により、これまでマス広告が主な情報源だったものが、欲しい情報がピンポイントで探し出せるようになりました。ユーザーは情報を積極的に取捨選択し、自分と関係がないと感じた広告などを無視する傾向が強まっています。
このような環境下で、これまでのような一方的な広告媒体はユーザーに読まれなくなっています。そのためよりユーザーのニーズに応じた響く広告活動、選ばれる広告活動をする必要が出てきています。
対策:データを活用して広告内容を最適化する
ニーズに応じた広告活動を行うには、ユーザーの属性・行動が垣間見えるデータの有効活用が必要不可欠です。ターゲットとなるユーザーがどのような情報を必要としていて、どのようなメディアで検索しているのかを分析すると、広告内容をそのユーザーに合わせて最適化できます。
これまでのように不特定多数に向けて一方的な広告をするのではなく、よりターゲットを絞って購買・成約につながる見込みのあるユーザーだけに広告を露出することが重要です。
課題③:少子高齢化による消費減少
3つ目の課題は少子高齢化による消費減少です。広告費は基本的に国民の消費額と連動しています。少子高齢化が進む国内状況で、消費は落ち込み続けており、その影響は当然広告業界にも色濃く反映されています。
少子高齢化の解消には、政府をはじめとしてさまざまな対策が取られているものの、一朝一夕に解決するものでもなく、今後も影響は継続すると予想されます。
対策:顧客単価や生涯顧客価値を高める
少子高齢化社会が継続する前提で、収益規模を維持するのに重要なのが顧客単価や生涯顧客価値の向上です。
生涯顧客価値とは、一顧客が生涯にわたって企業にもたらす価値(利益)の平均値のことです。生涯顧客価値と顧客単価をアップするには、商品をリポートして買ってもらうためのマーケティング・広告施策が必要です。
わかりやすい例でいうと「おとなのおかし」「ちょっとリッチなお菓子」などの製品を見たことがありませんか。従来は子供向けだったものを、大人向けにしてマーケティングすることで、商品単価アップ・生涯顧客単価アッを実現する代表例です。
これらのように同じような商品でもマーケティング戦略によって、顧客単価や生涯顧客価値を高めることが、少子高齢化の中で売上を確保していく有効な施策と言えるでしょう。
課題④:3DやVRなどの新技術応用
インターネット広告の拡大とともに、広告業界にもたらされている変化が技術革新です。3DやVRなどこれまでよりもより体感できる技術の進化・普及が進んでおり、広告業界においても対応を迫られています。
対策:体感型や没入型の広告を制作する
技術の革新が進み、広告業界が対応しつつある中、体感型や没入型の広告制作に取り組んでいくのは、生き残るための必須事項となるでしょう。
新たなプラットフォームや技術の活用には、それに応じたノウハウやスキルが必要となります。また新たな技術について、常に情報を集め広告活動に活用していくリベラルな視点が重要になるでしょう。
広告業界でマーケティングが必要な理由
では次に広告業界でマーケティングが必要な理由について、以下の2点を解説します。
広告サービスの認知度を高めるため
1つ目の理由は広告サービスの認知度を高めるためです。
広告代理店は大手・中小・零細さまざまな企業規模の会社があり、常に激しい競争にさらされています。また現在の主流であるインターネット広告はターゲットへどのようにアプローチするかが重要であり、これまで広告代理店の価値であった創作物による差別化は難しくなっています。
このような状況下で自社を選んでもらうためには、マッチ度の高い見込み顧客に対して自社の広告サービスを認知させるマーケティング施策が必要です。
集客と販売を最大化して安定させるため
2つ目の理由は自社の集客と販売を最大化するためです。
現在の広告活動では単にマス広告で不特定多数ではなく、より響く顧客に確実に届く形で行う必要が出てきています。クライアントの商品を必要としている顧客がどのようなことを考え、どうやって情報を収集し、購買行動に移るのかを分析する必要があります。
ユーザーを知り、広告効果を最大化しクライアントに貢献するためにもマーケティングは必須と言えます。
広告業界におすすめのマーケティング施策
ここでは広告業界でおすすめのマーケティング施策を4つご紹介します。
ホームページの改善とSEO対策
まずは自社の商品・サービスの認知向上、集客のツールとなる自社ホームページの改善を検討しましょう。
自社の商品・サービスの特長や強みなど、顧客が知りたい情報に素早くアクセスできるようなシンプルな構成にするのがベストです。そのうえでコンテンツを充実させ、自社サービスをイメージしてもらいやすい説明などを盛り込みましょう。
またSEO対策も重要です。SEO対策とは、自社のホームページや記事を検索エンジンから評価されるようにすることで、自社のターゲットとなる顧客が情報検索した際に、検索結果の上位に表示されるようにすることです。
SEO対策を戦略的に行って特定のキーワードで上位表示を実現すれば、自社のターゲットとマッチ度の高い顧客を効率的に集客できます。その集客増は、売上増にもつなげられるでしょう。
SNSの運用
SNSの運用も有効な施策です。SNSはBtoC向けと思われがちですが、近年ではTwitterやインスタグラムといったSNSを活用して情報を収集するビジネスパーソンも増えています。
SNS媒体では、これまでのテレビやラジオ、インターネットのブログなどよりも、自社をユーザーにとって身近な存在として認知してもらえます。また、SNSは「バズり」現象を通じて爆発的に認知度を高める可能性も秘めています。
SNSで自社の認知度向上に向けたプロモーションを発信することで、クライアントとなる企業にアピールすることで受注につなげることも可能です。
リスティング広告
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンで、検索結果の上位に表示される「リンク型」広告です。
リスティング広告はテキストのみで構成されますが、最上位の検索結果はユーザーの目にもっとも留まりやすいため、大幅な認知度向上効果が見込めます。また、リスティング広告を出稿するキーワードを工夫してターゲットユーザーのニーズに合わせて適切な表示設定をすることで、費用対効果の高い広告活動が可能です。
なお、リスティング広告はあくまでもリンクなので、「リンク先」となるWebサイトが必要です。公式ホームページとは以外には、見込み顧客専用の「ランディングページ」(LP)を設けることも可能です。LPは公式ホームページと違って目的が絞られており、購買・成約につながる可能性が高いのが特徴です。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、市場における自社の立ち位置(ポジション)を明確にし、相性の良い見込み顧客を効率よく集めることを目的としたWebメディアです。
広告制作などを依頼しているユーザーの多くはインターネットで情報収集をし、各社のWebサイトを見て自社に合った企業を探しています。しかし、そこでサービスの違いなどがよく分からず、選定に迷うユーザーも少なくありません。
ポジショニングメディアではユーザーのニーズに応えるために自社の特長や強みだけでなく、競合他社との違いや広告制作についての基礎知識、依頼先の選び方も含めて伝えます。ポジショニングメディアを見たユーザーは自社の強みなや競合との違いを把握したうえで問い合わせするため、問い合わせが商談・成約につながる可能性が高いのが特徴です。
ポジショニングメディアは情報収集だけで見込み度の低い問い合わせ対応にかかる時間を抑えながら、売上に貢献するユーザーだけを集客するマーケティング手法です。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で保有しているメディアの総称です。マーケティングにおいては自社のサービス紹介サイトやブログなど、自社の認知やブランディングを目的としたメディアのことを指します。
公式ホームページとの違いは、見込み顧客を念頭に置いた内容となっている点です。公式ホームページには会社に関する最新情報、投資家向け情報など、見込み顧客と直接関係がない情報も多く掲載されています。一方オウンドメディアにはそのような縛りがなく、自社サービスなどが自由にアピールできます。
広告業界においては、自社の商品・サービスやどのような広告に対応可能かなどのスキル面などで、いかに他社との差別化を図るかが非常に重要です。オウンドメディアでは、自社の強みやこれまでの成果物や実績を効果的に顧客に提示することができ、効率的な営業活動につなげられます。
広告業界でもマーケティング戦略導入は必須
広告業界は今後も拡大の可能性を多く秘めている一方で、業界の動向変化によりますます市場競争は激しくなると考えられています。このような環境で広告会社が生き残り、事業を拡大していくにはマーケティング施策の導入は必須と言えるでしょう。
キャククル運営元のZenkenでは、これまでに120以上の業種で8,000を超えるマーケティング実績を上げてまいりました。ポジショニングメディア・オウンドメディアの構築・運用支援をはじめとして、さまざまなマーケティング戦略の構築・運用支援を行っています。
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