コロナ禍のBtoBマーケティング戦略・営業方法とは
最終更新日:2022年03月07日
新型コロナウィルスの感染拡大によって、私たちの生活環境だけでなくビジネスの環境も大きく変化しました。ここでは、コロナ禍・アフターコロナにおけるBtoBの営業手法とマーケティング戦略についてまとめました。これからのBtoBマーケティング戦略において、注力すべき要点をおさえておきましょう。
新型コロナウィルスによるBtoBビジネスの変化
コロナ禍における営業活動の苦境を打破するために、どの企業もさまざまな対応を行っています。新型コロナウイルス感染拡大によって、ビジネスでの営業スタイルは大きく変化しました。
営業活動のリモート化
訪問型の営業が極めて少なくなり、Zoomなどのビデオ通話を利用したリモート営業や電話営業が活発になりました。
営業では、基本的に商品・サービスの魅力や顧客にとって有益な情報をうまく提供できるコミュニケーション能力が必要です。しかしリモート営業では、実際に対面営業をする時のような空気感や雰囲気まで伝えるのは容易ではありません。
また、多くのBtoB企業があてにしていた展示会もコロナ感染拡大で中止や延期になり、ブースのデザインやスタッフの対応で勝負するチャンスが少なく成ってきています。
これまでは営業マンの人間性や愛嬌が顧客に伝わることによって成約につながったこともありましたが、営業活動がリモート化したことによってそれは難しくなってきていると言えます。
商談のオンライン化
リモート営業が主流になったことによって、新規営業の場面だけでなく既存顧客との取引においても変化が生じました。これまでは定期的な訪問によって継続的な契約が取れていた会社とのやりとりの多くも、オンラインで進めるようになりました。
商談の重要なシーンでキーマンが不在なために決裁スピードが遅くなり、契約成立までに時間を要するようになりました。また、オンラインによる取引の流れがあいまいなまま商談が進むことにより、結局は決済が取れなかったといった事例も増えてきています。
さらに、これまではアポイントを取って時間をとり対面で話していた場面が、オンライン化されたことで「キャンセルが増えてしまった」「気軽にキャンセルされてしまう」といった傾向も見受けられているのです。オンラインであっても取引成立までをスムーズに行えるような体制の構築が、今後の課題となるでしょう。
Web上での比較検討が増えた
コロナ禍で業績が思わしくないという状況は、自社だけでなく他社や関係する取引先も同じです。この状況を打破するために、コスト削減や効率化など、これまでの体制や取引状況を振り返って業務改善を行う企業が増えてきました。
数多くの同じような商品やサービスをWeb上で比較検討できるようになってきた今、自社よりもすぐれた品質や価格で同じようなモノやサービスがあると、既存の顧客や取引先であっても他社に乗り替えられてしまう可能性があります。
互いに直接顔を合わせて話をしなくなり、関係が薄れてしまった状況も相まって「お付き合い」でつながっていた企業との取引が、今後も維持されるという保証はありません。
オンラインのみであっても、買い手側・顧客側との信頼関係をどう築いていけるかが課題になるでしょう。
コロナ禍に対応するBtoBの営業手法・マーケティング戦略とは
オンラインでの営業を効率化するには、リモートワークであっても顧客側の満足度を上げられるか、対面の営業活動をしなくても集客できる仕組みを持っているか、がポイントになります。
LTVを最大化する
LTVとは「Life Time Value」の略で、日本語では顧客生涯価値と呼ばれます。1人1人の顧客が生涯で企業にもたらす利益の総計のことです。
LTVは、「平均顧客単価×購買頻度×継続売買期間の合計」から、「新規顧客を獲得するまでにかかった費用や顧客を維持するためのコスト」を引いた数で求められます。つまり商品・サービスが継続的に使われたり、契約が更新されればLTVは上がっていきます。
これらの数値を上げるために、営業の主軸を新規顧客の獲得から既存客の維持にシフトすることからはじめましょう。
LTVの高い顧客は「自社のファン」であるとも言えます。より継続的な契約を期待できるほか、ファンになってくれることによって口コミや紹介につながり、新たな顧客獲得へもつながっていきます。
アカウントベースドマーケティングを導入する
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、企業にアプローチするマーケティング活動です。取引先(顧客)の優先度・重要度をランクづけし、優先度の高い顧客から営業活動やプロモーションを行うことで、LTV向上につなげていきます。
最近では、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)といった、マーケティングデータに基づいた顧客管理システムが進化したことから、さまざまな企業が取り入れています。これらのツールは、自社のウェブサイトに音連れるユーザーの行動や顧客とのやりとりで入手できるデータをより効率的に活かす役割を果たしています。
あらゆるデータを分析し、普段手動で行っていた作業を自動化できるツールの導入によって、どの企業にどんなアプローチをすれば良いか、どんな営業が最適かが分かりやすくなります。
オンライン施策と組み合わせたBtoBの営業活動
ストック型のオンライン施策を活用することによって、営業効率を高めたり新規顧客の獲得につなげたりすることも可能です。
ここでは、BtoBの営業に適したオンライン施策を紹介します。自社内ではじめられる施策から専門業者に依頼すると効果が高まる施策まであるので、ぜひ参考にしてみてください。
ポジショニングメディア
ポジショニングメディアとは、自社の強みや魅力を競合他社と比べて位置づけを行うオンラインメディアです。自社にははっきりした強味があるが、それが見込み顧客になかなか伝わっていない…その場合に打ち出したい施策です。
ポジショニングメディアの制作は、緻密な市場調査から始まります。Web上の競合状況を把握してから、自社の商品・サービスと親和性が高いユーザーの流入に特化したウェブサイトを立ち上げます。
ポジショニングメディアを制作すると、営業マンが1社ずつ新規の営業を行わなくても自然と「自社のターゲットに近しい顧客」や「顕在的な顧客」からの問合せを見込めます。
自社に魅力を感じた人からの問い合わせがほとんどのため、問合せから成約に結び付く可能性も高く、1顧客あたりの売上が3倍になるケースもあります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、公式ホームページとは別のWebコンテンツを運用することで、Webからの集客を目指します。検索キーワードと連動した「質の高いコンテンツ」を制作することで、検索ユーザーに対して確度の高いアプローチができるのです。
コンテンツマーケティングはテレビやCM、雑誌などの広告とは異なり、一度つくってしまえば継続的な集客効果が期待できます。代理店などを経由せずに集客できるため、受注までのリードも短くなり、全体の費用対効果の向上も期待できるのです。
また、ポジショニングメディアや自社のHPと違って、限られた数のキーワードだけではなく複数のキーワードからWebサイトへの流入口を設けるのも魅力の一つです。長期間にわたって継続的に新しいコンテンツを作成・公開しないと効果が薄れてしまうという一面もあります。
オウンドメディア
オウンドメディアもコンテンツマーケティングの一種で、企業とは別のWebサイトのことです。独自メディアで専門性の高い記事を投稿する、自社の魅力や強みを発信することによって、ターゲットを絞った集客ができるようになります。また、顧客にとって有益なコンテンツを提供することで、顧客ロイヤルティが高まるでしょう。
企業のイメージ向上が信頼性を高め、優先的に自社を選んでもらえるようになったり、自社のブランディングを高めたりできます。
SNSマーケティング
Facebook、LINE、TwitterなどのSNSをマーケティングに活かせば、集客チャネルを拡大することができます。ただし、BtoB企業の場合、活用方法をまちがえると逆に営業の効率を引き下げてしまうおそれもあるため、運用には注意が必要です。
「セミナー・展示会への集客」や「サポート向上のお知らせ」など、SNSで集客するあらかじめ明確な目的を設定し、その目的に絞って発信すると営業のサポート役になるでしょう。
また、SNSによってユーザー層や特性が異なります。どのSNSにどんなユーザーが多いか、どのような情報が向いているかを精査し、発信目的やターゲットに合わせたメディアを選ぶことが大切です。
SEO施策
インターネットで検索を行っているユーザーのほとんどは、検索結果の1ページ目、さらにその5位ぐらいの結果までしか見ないことが非常に多いです。
SEO施策は、検索エンジンでの上位表示を実現するものです。自社のウェブサイトを特定のキーワードで上位表時できれば認知度が上がり、アクセス数問い合わせも必然的に増えます。
ただし、検索が予測されるキーワードがターゲットのニーズと一致していても、たどりついた先のサイトやコンテンツ内容がニーズと一致していなければ、そこで離脱を招いてしまいます。
キーワード精査だけでなく、キーワードに即したコンテンツが用意されているか、ユーザーの知りたい情報とマッチした情報を提供できているかが大切です。SEO対策と並行して、周辺コンテンツの質を向上する対策も必要になってきます。
対面の営業以外でも集客できる仕組みづくりが大切
新型コロナウィルスの影響で、オンライン化・Web化が加速した営業の形。多くの買い手が「非対面でも営業に対応できる、どこにいても応対できるという」というメリットに目覚めました。パンデミックが終息しても、リモートによる営業がまったくなくなり完全に元のスタイルに戻るとはないでしょう。
BtoBビジネスでもこうしたオンライン化に素早く対応し、アフターコロナの時代に備えておく必要があります。
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