IVR(電話自動応答システム)は、電話応対業務を省人化および効率化するためのシステムです。
金融機関や大手メーカーのコールセンターといった大規模コールセンターでは、業務上不可欠なシステムとして電話自動応答(IVR)は幅広く導入されていますが、近年では、中小企業でも電話自動応答(IVR)の導入が進んでいます。
このページでは、中小企業におすすめのIVR(電話自動応答システム)を一覧で紹介します。IVR(電話自動応答システム)選びにぜひお役立て下さい。
中小企業向けIVR(電話自動応答システム)の一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
コールコール(CallCall-IVR) |
業界トップクラスの連携サービス数! 電話を通じた業務全般を自動化できる
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テレフォース(TeleForce) |
IVR×SMSの相乗効果で業務を効率化!AI要約でさらに作業を大幅短縮
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Onkyo IVR |
独自開発の高精度音声認識でシニア層にもやさしいIVR
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電話自動応答サービスIVRy |
AI音声によるテキスト読み上げ機能を搭載 |
トビラフォンcloud |
スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで利用できる |
MediaVoice |
あふれ呼、オートコール、CSアンケートといったサービスを個別に利用できる |
Genesys Cloud CX |
電話に加えEメール、チャット、ソーシャルメディアにも対応 |
自動受付IVR |
災害に強い自動音声応答システム(IVR) |
CT-e1/SaaS |
優先着信機能など顧客満足度の向上につながる機能が充実 |
COTOHA Call Center |
日本語の解析が得意な独自AI「COTOHA®」を搭載 |
じゃんじゃんコール |
短期での利用も可能!一時的な電話数増加への対応なら |
LINE AiCall |
LINEとの連携機能が充実しているシステム |
Zendesk for service |
顧客体験(DX)全体の改善に役立つ機能が豊富に搭載 |
VoiceMall |
セキュリティ性に優れたNTTのデータセンターを使用 |
モバイルウェブ ビジュアルIVR |
コールセンター向けの「ビジュアル型」自動音声応答システム |
PKSHA(パークシャ) Voicebot |
独自開発のAIエンジンによる日本語に特化した補正機能 |
AIコンシェルジュ |
架電機能が搭載。アウトバウンド・インバウンドコールにも対応 |
DXでんわ |
月々10,000円からのリーズナブルな料金で利用できる |
コールナビゲーター |
事務所や店舗向けのクラウド型自動音声応答システム(IVR) |
Comdesk Lead |
IP回線と携帯電話回線の両方に対応 |
@nyplace |
世界的なシェアを誇る「AVAYA」をクラウド環境で利用するためのシステム |
電話自動応答(IVR)とは?
電話自動応答(IVR)(Interactive Voice Response・インタラクティブボイスレスポンス)とは、顧客からの電話に自動で応答するシステムです。「自動音声応答システム」と呼ばれることもあります。
電話自動応答(IVR)はコールセンターや配送業者などで広く利用されており、主な機能としては、
- 休業日や営業時間外における自動応答
- プッシュ操作によるオペレーターの自動割り当て
- プッシュ操作による再配達といった手続きの受付
- 通話を転送する前にオペレーターに問い合わせ内容を伝えるウィスパリング
- 自動対応とオペレーター対応とのタイマーによる切り替え
- 営業電話や迷惑電話の自動遮断
などがあります。
また、なかには顧客に自動発信する架電機能を搭載したモデルもあります。
電話自動応答(IVR)とAI自動電話応答の違い
電話自動応答(IVR)とよく似たシステムとして、AI自動電話応答があります。電話自動応答(IVR)もAI自動電話応答も電話対応業務を省人化および効率化するためのシステムですが、電話自動応答(IVR)は、
- あらかじめ録音しておいた音声および機械音声で応答する
のに対し、AI自動電話応答は、
- AIがリアルタイムで音声を生成する
という違いがあります。
電話自動応答(IVR)の種類
電話自動応答(IVR)には、システムの仕組みに応じて、
- オンプレミス型IVR
- クラウド型IVR
の2つの種類に分けることが出来ます。さらに、機能ごとに、
- 従来型IVR
- ビジュアル型IVR
の2つのタイプが存在します。
オンプレミス型IVR
オンプレミス型IVRでは、PBXなどの専用の装置およびソフトウェアを導入し、電話自動応答(IVR)システムを物理的に社内に構築します。 オンプレミス型IVRには、
- 顧客情報管理システム(CRM)といった他のシステムとの連携が容易
- 顧客情報流出などのリスクが少なく、セキュリティ性に秀でている
といったメリットがある一方で、
- 装置を購入するにあたって数百万円~の費用がかかる
- 運用開始まで一定期間が必要となる
- 回線工事が必要になる
- 自社で装置の保守をしなければならない
といったデメリットがあります。
金融機関や大手メーカーのコールセンターなど、大規模コールセンター向けであれば、オンプレミス型IVRがおすすめです。
クラウド型IVR
クラウド型電話IVRは、クラウドベースのIVRです。専用の装置を設置する必要がないため、
- 導入費用が安い
- すぐに運用を始めることができる
といったメリットがある反面、
- セキュリティ性に優れたシステムを選ぶ必要がある
- ランニングコストがかかる
といったデメリットがあります。
一般的に、クラウド型IVRは小~中規模コールセンター向けのシステムです。
従来型IVR・ビジュアル型IVR
従来型IVRは機械音声およびあらかじめ録音しておいた音声で応対を行うのに対し、ビジュアル型IVRでは、スマートフォンに表示されたメニューを通じて応対を行います。
ビジュアル型IVRには、顧客にとって
- 視覚的に分かりやすく、直感的に操作できる
- 音声ガイダンスを最後まで聞く必要がない
といったメリットがあり、一方で、
- 専用のアプリケーションをインストールしないと利用できない
といったデメリットがあります。
中小企業が電話自動応答(IVR)を導入するメリット・デメリット
金融機関や大手メーカーのコールセンターといった大規模コールセンターでは、電話自動応答(IVR)は業務上不可欠なシステムの一つとして広く導入されています。
では、中小企業で電話自動応答(IVR)を導入するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
メリット①電話対応業務の省人化・人件費を削減できる
人的・金銭的リソースに限りがある中小企業にとって、業務の無駄を無くし、より少ない人数で無理なく業務を回すための体制を作ることは重要な課題の一つですが、電話自動応答(IVR)を導入すれば、電話対応業務の省人化・効率化が可能です。
メリット②24時間・365日顧客対応が出来る
電話自動応答(IVR)を導入すれば、24時間・365日いつでも顧客対応が出来るようになります。 また、クラウド型IVRならコストもリーズナブルです。
メリット③顧客を待たせることが無くなる
すべての問い合わせをオペレーターが対応するとなると、膨大な人的リソースが必要になりますし、顧客の待ち時間も長くなります。 電話自動応答(IVR)を導入すれば、
- オペレーターが対応する必要がある問合せ
- オペレーターが対応する必要がない問合せ
を自動で区分けし、後者に関しては機械音声によるガイダンスが自動で対応を行うため、顧客の待ち時間も少なります。
デメリット①システム障害のリスクがある
電話自動応答(IVR)でシステム障害が起こると、電話応答業務が全くできなくなります。
トラブル発生時に備えて、顧客にSNSで周知するといった対応マニュアルを定め、メーカーの問合せ先を調べておく、といった対策が必要です。
中小企業向け電話自動応答(IVR)サービスの費用相場
電話自動応答(IVR)の導入・利用にあたって掛かる費用としては、導入規模やオプションの有無などよって異なるものの、一般的には、オンプレミス型の価格相場は下記の通りです。
- 導入費用:数十万円~数百万円
クラウド型であれば、
- 月額利用料金:数千円~数万円/月
が相場となります。
中小企業向け電話自動応答(IVR)でできること
営業時間外や休業日の対応
電話自動応答(IVR)を導入すれば、営業時間外や休業日に顧客の電話があっても、
- 営業日をアナウンスする
- 折り返し電話の予約
といった対応を自動で行うことが出来ます。
再配達手続きの自動化
電話自動応答(IVR)を導入すれば、顧客はプッシュ操作で再配達手続きができ、オペレーターが逐一対応する必要がありません。
クレジットカード情報や会員番号の自動取得
同様に、カタログ通販やチケット販売、イベントの予約などにおいて、顧客はプッシュ操作でクレジットカード情報や会員番号を入力することができ、オペレーターが対応する必要がなくなります。
キャンペーンの告知
顧客に自動発信する架電機能を搭載したモデルなら、キャンペーンの告知を行う際に、
- 顧客リストをもとに自動発信を行い、
- 応答した顧客には自動音声およびオペレーターが対応
といった操作を電話自動応答(IVR)で行うことができます。
中小企業が電話自動応答(IVR)を選ぶ際のポイント
中小企業で電話自動応答(IVR)を導入したい!という場合、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
料金
電話自動応答(IVR)の料金体系は、月額料金だけで利用できるもの、初期費用が別途必要になるもの、席数や回線数、稼働時間など応じて料金が変わるもの…などモデルごとに様々であり、とくにクラウド型はその傾向が顕著です。
予算や用途に合った料金システムを選ぶようにしましょう。
必要な機能・オプションの有無
電話自動応答(IVR)には、モデルごとに機能はさまざまです。
自動応答機能や振り分け機能といった基本的な機能があれば十分なのか、架電機能も欲しいのか、外国語の翻訳機能は必要かどうか、音声ガイダンスのシナリオの自動生成機能を使うかどうか…など、求める機能が異なれば、導入すべきシステムも異なります。
電話自動応答(IVR)を選ぶ際には、システムを導入する目的や用途などを明確にしつつ、どの機能が必要なのか判断するようにしましょう。
中小企業が電話自動応答(IVR)の導入についてのFAQ
Q1. IVR(電話自動音声応答システム)とAI自動電話応答のどちらを選ぶべき?
電話自動応答(IVR)とAI自動電話応答は、どちらも電話対応業務を効率化するためのシステムですが、前述したように、電話自動応答(IVR)は機械音声および録音済みの音声で応答を行うのに対し、AI自動電話応答ではAIがリアルタイムで生成する音声で応対します。
電話自動応答(IVR)とAI自動電話応答のどちらを選ぶべきかは、事業規模や業種などによって異なるものの、基本的には、
- 顧客との双方向コミュニケーションの必要がなく、定型的な性格が強い電話対応業務
であれば電話自動応答(IVR)が、
- 顧客との双方向コミュニケーションが必要な電話対応業務
であればAI自動電話応答がおすすめです。
Q2.自動音声応答システム(IVR)は無料で利用できる?
クラウド型の自動音声応答システム(IVR)であれば月々の利用料が、オンプレミス型の自動音声応答システム(IVR)であればシステム構築にあたっての導入費用が掛かります。そのため、自動音声応答システム(IVR)を無料で利用することが出来ません。
なお、「出来るだけ少ないコストで自動音声応答システム(IVR)を使いたい!」という場合には、クラウド型の自動音声応答システム(IVR)がおすすめです。オンプレミス型の自動音声応答システム(IVR)導入にあたって数百万円程度の費用が掛かるものが多く、金融機関や大手メーカーのコールセンターといった大規模コールセンターでもない限り、クラウド型の方が総コストは少なくて済むケースがほとんどです。
オンプレミス型の自動音声応答システム(IVR)の導入を考えている方は、本ページに掲載している「オンプレミス型の自動音声応答システム(IVR)の早見表」をご覧ください。
中小企業向けIVR(電話自動応答システム)まとめ
クラウド型の自動音声応答システム(IVR)が主流になった今日では、各社がさまざまなシステムをリリースしています。それぞれのシステムには異なった特徴があるため、自社のニーズや導入目的に合わせたシステム選びが非常に重要です。
クラウド型の自動音声応答システム(IVR)で迷ったら、ぜひ、このページを何度も参考にして下さい。
- 免責事項
- 本記事は、2024年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。