IVR(電話自動応答システム)は、文字どおり電話業務を自動化できるシステムです。煩雑な電話業務を自動化することで、業務効率化や人件費削減などのメリットが得られます。
IVRを提供する業者は複数あるため、導入の際は自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。この記事では、おすすめのIVR業者の特徴や費用を比較しましたので、業者選定の参考にしてください。
IVR(電話自動応答システム)の一覧表
ここでは、IVR(電話自動応答システム)を提供する各社の特徴を一覧にしました。IVRは自社のニーズに合ったサービスを導入ことが重要です。以下の表を参考にしながら、自社に合ったIVRを探してみてください。
会社名 | サービスの特徴 |
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コールコール(CallCall-IVR) |
連携できる外部システム数は業界トップクラス! 電話後の業務もまとめて改善
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テレフォース(TeleForce) |
IVR×SMSの相乗効果で業務を効率化!AI要約でさらに作業を大幅短縮
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Onkyo IVR |
独自開発の高精度音声認識でシニア層にもやさしいIVR
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電話自動応答サービスIVRy |
月3,000円で多彩な便利機能が利用できる電話自動応答サービス |
トビラフォンcloud |
IVRのほかにもリモートワーク周りの課題が解決でいるシステム |
MediaVoice |
利用を始めやすい低めの価格設定が強み |
Genesys Cloud CX |
電話、Eメール、SNS、SMSなど複数のチャンネルをワンシステムに統合 |
自動受付IVR |
コールセンターのニーズに合わせたIVRによる自動化計画の提案が可能 |
CT-e1/SaaS |
31,000シート、1,550テナントの採用実績をもつクラウドCTI |
COTOHA Call Center |
IVRを用いた着信電話の振り分け、AIオペレーターによる柔軟な電話対応 |
じゃんじゃんコール |
自動応答・通話録音のシンプルな機能構成になっているシステム |
LINE AiCall |
企業のニーズや環境に合わせたカスタム開発に柔軟に対応 |
Zendesk |
世界10万社以上で導入されるカスタマーサービスソリューション |
VoiceMall |
高品質な音声自動応答を安価に導入可能なクラウドIVR |
モバイルウェブ ビジュアルIVR |
お客様の電話をWebに誘導し課題を自己解決するなサービス |
PKSHA(パークシャ) Voicebot |
毎月35万件のコールに対応するAIボイスボット |
AIコンシェルジュ |
導入企画、設計、運用、サポートまで一気通貫の対応 |
DXでんわ |
月額料金のみ・従量料金なしで利用できるサービス |
コールナビゲーター |
オフィス・店舗への特化により月額2,480円(税抜)~の低価格を実現 |
Comdesk Lead |
IVR&高精度AIにより通話の自動文字起こしが可能 |
@nyplace |
コールセンター向けのシステム。ACD機能、CMS機能などが搭載 |
IVR(電話自動応答)とは?
電話自動応答システム(IVR)は、文字通り、お客様がかけてきた電話に自動で応対ができるシステムです。あらかじめ定型の音声ガイダンスを録音したり、AI(人工知能)を設定したりすることで、オペレーターの有無に関係なく、自動で電話対応したり、内容に合わせて振り分けたり、転送したりすることができます。
IVRは「Interactive Voice Response」の略称です。日本語では自動音声応答システムと訳されますが、まさしくIVRは、人手によらず自動で電話対応ができる便利なシステムです。
IVRで電話業務を自動化すると、営業時間外も電話対応を行うことができます。結果、オペレーターの残業削減、負担軽減、コスト削減、機会損失・取りこぼしの防止など、多くのメリットが得られます。
IVR(電話自動応答)の種類
電話自動応答システム(IVR)には、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。以下、それぞれの特徴や違いを紹介します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、IVRを始めるのに必要なシステム構築を自社で行う形態です。自社の要件(ニーズ)に合わせたカスタマイズが可能となり、クラウド型と比べて初期費用はかかりますが、長期的にはコストが抑えられます。
他方、システム構築では専門知識が必要となるほか、システムの保守・メンテナンスの際にも専門スキルが必要です。
クラウド型
クラウド型は、インターネット上に構築されたシステムを利用してサービスを導入する形態です。オンプレミス型とは異なり、システム構築はサービス提供会社が行うため、自社でシステムを構築したりメンテナンスをしたりする必要がないため、初期投資が抑えられます。システム構築が不要な分、迅速に導入できるのも利点です。
一方、長期利用の際には、月額料金を払いつづける必要があるため、長期的なコストはオンプレミス型より高くなる可能性があります。
IVR(電話自動応答)を導入するメリット・デメリット
電話自動応答システム(IVR)にはメリット・デメリットの双方があります。以下でそれぞれを紹介していきますので、チェックしてみましょう。
電話自動応答(IVR)のメリット
電話業務を効率化できる
電話自動応答(IVR)を導入すると、コンピューターやAIを活用して、かかってきた電話に自動で応答したり、振り分けをしたり、転送したりすることができます。これによりオペレーターの負担を低減することができ、電話業務がスピーディ&スムーズになり、業務効率化を実現できます。
余分なコストを削減できる
電話自動応答(IVR)を導入することで、電話業務のために必要なスタッフやコールセンターのオペレーターを雇う際の人件費を減らすことができます。また広い範囲で業務を自動化できるため、それによって大幅なコスト削減も可能です。
機会損失を防止できる
電話自動応答(IVR)の特徴の一つは、営業時間外も稼働できることです。24時間365日対応も可能となるため、あらゆる機会損失を防止するだけでなく、逆に売上機会を拡大することができます。
顧客満足度を向上できる
IVRの導入により電話業務を自動化することで、ヒューマンエラーが少なくなり、応対スピードや正確性が向上します。結果、顧客に対する適切な対応が可能となり、顧客満足度を向上することができます。
電話自動応答(IVR)のデメリット
顧客のストレスが増大する可能性がある
電話自動応答(IVR)は、顧客満足度を向上できる要素が多い反面、顧客のストレスが増大するリスクも抱えています。例えば、音声ガイドを最後まで聞かないと次に進めないようなシステムの場合は、時間がかかるため、顧客のストレスが増える要因となるでしょう。
対策としては、導入時に顧客の利便性を考慮したシステムを構築することが大切です。
シナリオ設計によってはIVRの利点が生かせない
電話自動応答(IVR)は、シンプルで分かりやすい、かつ正確なシナリオ設計により顧客の利便性を向上できます。シナリオ設計が複雑になると、顧客にとっては分かりづらくなり、判断ミスも多くなるため注意が必要です。
顧客に高い利便性を感じてもらい、顧客満足度を向上するためにも、シナリオ設計はシンプルかつ正確に行うことが重要になります。
IVR(電話自動応答)サービスの費用相場
電話自動応答(IVR)サービスの費用相場は、サービス提供会社や、サービス形態によって異なります。IVRサービスにはクラウド型とオンプレミス型があり、オンプレミス型では専用装置を購入する必要があり、価格は数百~数千万円と初期費用がかかるのが特徴です。
対してクラウド型では、専用装置の購入は必要なく、初期費用は数万円程度、月額利用料も数千~数万円と比較的低コストで利用できます。
一方、サービス形態は同じでも、実際の費用はサービス提供会社によって違います。各社で様々なプランが用意されており、オプション料金もあるため、自社のニーズや目的と予算をバランスよく考慮しながら、各社の相場を比較することが大切です。
IVR(電話自動応答)でできること
電話自動応答(IVR)では以下のような事が行えます。
- 電話の自動応答・受付・各種対応
- 折り返し電話の予約受付
- 営業時間外の対応
電話の自動応答・受付・各種対応
電話自動応答(IVR)では、あらかじめ音声ガイダンスを録音したり、AI自動応答機能を活用したりできるため、オペレーターがいなくても、かかってきた電話に対して自動で応対することができます。
音声で応答するだけでなく、電話の内容に応じて振り分けをしたり、転送をしたり、自動音声を用いて質問に対して適切に回答することも可能です。電話業務全体の自動化・効率化が可能となります。
折り返し電話の予約受付
回線が混雑して電話がつながらない場合は、後でかけ直すか、折り返し連絡をもらえるよう受付する必要があります。電話自動応答(IVR)を導入すると、かけ直しのお願いや、折り返し連絡の予約受付を自動化することが可能です。
営業時間外の対応
電話自動応答(IVR)では、コンピューターやAIが電話業務に対応するため、オペレーターの不在時はもちろん、営業時間外でも続けて対応することができます。
常時、メッセージ内容の録音や折り返し連絡予約の自動受付を設定しておくことで、24時間365日の対応も可能です。
IVR(電話自動応答)を選ぶポイント
電話自動応答(IVR)を選ぶポイントは以下の5つです。
- 利用できる機能
- 音声ガイダンスの声とシナリオ
- 分析機能の有無~
- IVRのサービス提供形態
利用できる機能
IVRの機能は、サービスを提供する業者によって内容が異なっています。音声ガイダンス、音声認識、振り分け、SMS送信、ガイダンス作成、システム連携など様々な機能があるため、IVRを導入する自社の目的に貢献できる機能を搭載しているか、各社サービスを十分に比較することが大切です。
基本機能になくても、オプションで追加したりカスタマイズしたりすることも可能なため、その点も確認しておきましょう。
音声ガイダンスの声とシナリオ
かかってきた電話に自動応答するための音声ガイダンスでは、あらかじめ声を録音したり、シナリオを設定したりする必要があります。
音声ガイダンスの作成は自社で行うことも可能ですが、ノウハウやリソースがない場合は作成を依頼することになるため、作成依頼ができるか、どこまで対応できるかといった点を比較しておきましょう。
分析機能の有無
IVRの中には、顧客からの問い合わせ内容を集計したり、電話がかかってきた時間帯を分析したりすることができる分析機能を搭載したものもあります。
分析機能を活用することで、顧客ニーズや満足度を把握することが可能となるため、IVRを選定する際は分析機能の有無も確認しておきましょう。
IVRのサービス提供形態
IVRのサービス提供形態は、オンプレミス型とクラウド型の2種類に大別されます。オンプレミスは自社でシステムを構築し、クラウド型はサービス提供会社がシステムを構築するのが特徴です。
それぞれのサービス形態によって、サービスの品質やコストに違いが出てくるため、この点もIVRを比較する際に必ずチェックしましょう。
IVR(電話自動音声応答システム)導入に関するよくある質問
Q1.IVR(電話自動音声応答システム)とAI自動電話応答の違いは?
IVR(電話自動音声応答システム)とAI自動電話応答の違いは、対応力や柔軟性にあります。
IVRは、ユーザーの用件ごとに設定した番号ボタンを押すことで、あらかじめ用意された音声ガイダンスが鳴り、ユーザーの案内をするものです。リアルタイムの会話はできませんが、事前に設定した事に関しては正確な対応が可能で、ヒューマンエラーを防止することができます。
一方、AI自動電話応答は、対応力に優れ、相手に合わせた回答や対応が可能です。それ自体が自律的な学習能力を備え、事前の設定にない事柄でも、自らの体験や相手との対話を通じて学習し進化します。
IVR(電話自動音声応答システム)とAI自動電話応答は、双方それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。決定的な違いは、「自ら学習し進化するかしないか」の一点です。
Q2.IVR(自動音声応答システム)サービスは無料で利用できる?
IVR(自動音声応答システム)は、サービス提供会社によっては、無料トライアル(お試し版)を提供しているところもあります。この無料トライアルを利用することで、一部制限はあるものの、IVRを無料で試すことが可能です。
そして無料トライアルを利用することで、IVRの機能や使用感をチェックしたり、自社に適しているかどうかを判断したり、他社との比較も行えます。
ただし、IVRの無料トライアルは、基本的にクラウド版でしか提供されていません。オンプレミス型では利用できない場合が多いため注意が必要です。
IVRを無料で試してみたい方は、クラウド型のIVRサービスをチェックしてみましょう。
IVR(電話自動応答システム)のまとめ
IVR(電話自動応答システム)は、企業のお問い合わせやコールセンターの電話業務を効率化できるシステムです。業務効率化だけでなく、顧客満足度向上、オペレーターの負担軽減、コスト削減もできます。
IVR(電話自動応答システム)は、数多くの業者が内容や費用の異なる様々なサービスを提供しているため、それらを十分に比較検討して、自社のニーズと目的に適したIVRを導入しましょう。