コールセンター業務やテレアポ業務を行う企業で導入が進んでいるクラウドCTI。CTIシステムの中でも導入がしやすく複数拠点でも利用できる、クラウドCTIを厳選して紹介します。
クラウドCTIを選ぶ際はポイントを抑えないと、「既存システムとの連携ができなかった」などおもわぬ落とし穴も。この記事ではクラウドCTIについて、各システムの特徴や主な機能、口コミ評判などについて解説しているので、クラウドCTI選びで迷ったら、ぜひこのページを参考にしてみて下さい。
クラウドCTIの一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
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AmeyoJ(アメヨジェイ) |
高いカスタマイズ性が特徴のアウトバンド・インバウンド両対応型クラウドCTI
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lisnavi(旧:List Navigator.) |
アウトバウンドに特化!オートコールから振り返りまで一連管理が可能
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Mostable |
運営会社はコールセンター業界に精通!「業界の声」に耳に傾け開発 |
インフィニトーク |
CRM、IVR、通話録音、テキスト分析といった豊富な機能を搭載 |
楽天コネクト Speed |
Basicライセンスなら2,000円~のコストで運用できるリーズナブルなクラウドCTI |
BlueBean |
インバウンドとアウトバウンドの両方に対応し、数多くのCRMとの連携も可能 |
CT-e1/SaaS |
会話解析機能や感情解析機能、文章自動要約機能などユニークな機能を搭載 |
Genesys Cloud CX |
各種クラウドソリューションを開発・提供するGenesysのクラウドCTI |
OpenDialer |
VPNでシステムにアクセスするための専用通信機器のレンタルとセット |
TIS CTI Cloud |
金融会社から明星大学といった教育機関まで幅広い導入実績を誇る |
Sakura CTI |
企業のニーズに合わせて機能を追加することが出来るなど、高い拡張性が特徴 |
tetra |
コールセンターの混雑状況を都度確認できるユニークな機能が搭載 |
カイクラ |
導入後のサポートも無償で利用できるサービス |
CallConnect |
録音された通話音声の自動テキスト化など、プラスαの機能が特徴 |
Salesforce Service Cloud |
Customer 360を手掛けるSalesforceのクラウドCTI |
Neo-QuickCall |
プレディクティブコールや再コール通知機能、ウィスパリング機能などを搭載 |
MEDIA-CTI |
コールセンター用CTIとオフィス用CTIの二つのモデルがラインナップ |
MediaCalls |
中規模~大規模のコールセンターでの業務に特化したインバウンド型クラウドCTI |
NTT ビズリンククラウドCTI |
大規模コンタクトセンターから小規模コンタクトセンターまで幅広く対応 |
クラウドCTIとは
そもそもCTIとは、電話とFAX、コンピューターを連携させるためのシステムであり、「Computer Telephony Integration」の頭文字を略したものです。
CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)といった他の業務支援システムとセットで使われることが多く、コールセンターやサポートセンター、テレフォンアポイントメントを始めとする電話営業などで利用されています。
CTIを導入することで、例えば顧客からの電話を一定のルールに従って自動で振り分けたり、過去の応対履歴を確認しながら顧客対応したり、といったことが出来るようになります。 クラウドCTIとは、このCTIをクラウドベースで使用できるようにしたもので、オンプレミスCTIと比べると低コストで導入でき、テレワークなどの社外環境でも利用できる、といった特徴を持っています。
クラウドCTIの機能
多くのCTIに搭載されている代表的な機能としては、以下のようなものがあります。
ACD機能
着信を定めておいたルールに従ってオペレーターに自動で振り分ける機能です。例えば、それぞれのオペレーターの待機時間や対応時間が同じになるように振り分けたり、一部の高スキルのオペレーターに優先的に振り分けたり、といったことが可能です。
ポップアップ機能
CRMとCTIを連携させることで、着信と同時に顧客情報や過去の応対履歴を呼び出し、モニターに表示させるポップアップ機能が使うことが出来ます。顧客一人一人に合わせた適切な対応が出来るようになるのはもちろん、対応品質を均一化するのにも役立つ機能です。
録音機能
CTIを導入することで、顧客との通話を録音できるようになります。対応品質の改善や顧客とのトラブル防止に便利な機能です。
レポート機能
オペレーターごとの稼働時間や応対数、顧客の待ち時間などをまとめたレポートを作成する機能です。閑散期と繁忙期の傾向を分析し、それに合わせた人員配置を行うといった目的で役立てることが出来ます。
クラウドCTIの種類
クラウドCTIには、「インバウンド型」、「アウトバウンド型」、「両対応型」の三つの種類があります。
インバウンド型
インバウンド型のCTIは、インバウンド=受信に特化した機能を持っています。主に顧客からの着信を振り分けるACD機能や、顧客情報をモニターに表示するポップアップ機能に加え、
- IVR機能:自動音声応答機能
- PBX機能:外線および内線の転送・接続の機能
などを搭載しています。
アウトバウンド型
アウトバウンド型のCTIはアウトバウンド=発信に特化した機能を持っており、電話営業などで広く活用されています。代表的な機能としては、
- プレディクティブコール:顧客に一斉に電話を掛け、応答があったものだけをオペレーターに繋ぐ機能
- オートコール:顧客に一斉に電話を掛け、応答があった場合自動音声応答システムに繋ぐ機能
があります。
両対応型
両対応型CTIは、インバウンドの機能とアウトバウンドの機能の両方をバランス良く搭載したCTIです。
クラウドCTIとオンプレミスCTIの違い
CTIにはクラウド型に加え、自社内に専用のサーバーや機器を設置して運用するオンプレミス型もあります。では、クラウドCTIとオンプレミスCTIには、どのような違いがあるのでしょうか。
コストの違い
専用のサーバーや機器を社内に設置する必要があるオンプレミスCTIの場合、導入にあたって一定のコストおよび期間が掛かります。また、システムを運用するための人材を準備する必要もあります。 一方でクラウド上のシステムをインターネット経由で利用するクラウドCTIの場合、サーバー・機器を準備する必要がないため導入コストが安く、また、最短1週間程度で利用を始めることが出来ます。
ただし、多くのクラウドCTIでは、オペレーター数や通話数に応じて料金が決まるシステムとなっており、導入規模によっては高額なランニングコストが発生することもあります。反対に、オンプレミスCTIの場合、導入後のランニングコストは低く抑えることが可能です。
拡張性の違い
自社内に専用のサーバーや機器を設置するオンプレミスCTIは、機能や仕様を必要に応じて自由にカスタマイズすることが出来ます。反対に、クラウド上のシステムを利用するクラウドCTIでは、そうしたカスタマイズは難しい場合がほとんどです。
セキュリティ性の違い
顧客情報を取り扱うCTIですが、クラウドCTIとオンプレミスCTIとでは、セキュリティリスクの種類が異なります。
つまり、クラウドCTIのセキュリティ性は運営会社のセキュリティ対策に依存するのに対し、オンプレミスCTIのセキュリティ性は自社のセキュリティ対策に依存します。
ただし、オンプレミス型のセキュリティ性がより優れている、ということでは必ずしもありません。クラウドCTIを提供する各社はセキュリティ対策に力を入れており、オンプレミスCTIを導入し自社でセキュリティ対策をするよりも、クラウドCTIの方がリスクが低いというケースもあります。
クラウドCTIの導入をするメリットとデメリット
クラウドCTIの導入をするメリット・デメリットには、次のようなものがあります。
メリット①:導入コストが低く、すぐに使い始められる
クラウドCTIは、導入するにあたって専用のサーバーや機器を導入する必要がないため、低コストで導入できます。また、利用開始までのリードタイムも短く、最短で1週間程度で利用を始められます。
メリット②:インターネット環境があればどこでも利用できる
クラウドCTIは、インターネットに接続できる環境であればどこでも使用することが出来ます。
そのため、導入する企業が増えているテレワークでのコールセンター・サポートセンター業務でも利用可能です。また、複数拠点でのコールセンター・サポートセンター業務を統一的に管理したいという場合にもクラウドCTIを役立てることが出来ます。
デメリット①:カスタマイズ性が低い
クラウド上のシステムを利用するクラウドCTIは拡張性が低く、自社のニーズに合わせて機能を追加したり仕様を変更したりといったことは出来ないケースがほとんどです。
デメリット②:ランニングコストが高くなる場合がある
多くのクラウドCTIでは、オペレーター数や通話数が増えるほど料金が高くなる従量型の料金システムを採用しています。そのため、事業規模によっては、長期的にはオンプレミス型の方が費用が安くつくという可能性もあります。
クラウドCTIの選び方
クラウドCTIを選ぶ際には、以下のポイントに気を付けると良いでしょう。
既存システムとの親和性
クラウドCTIは、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)といったシステムと組み合わせて使うのが一般的です。
そのため、クラウドCTIを選ぶ際には、自社で既に使用しているCRMやSFAとの親和性・互換性について確認するようにしましょう。
ラニングコスト
多くのクラウドCTIは、オペレーター数や通話数に応じて料金が変わります。ラニングコストがどれくらいになるのか、自社の業務規模を踏まえて実際に試算するようにしましょう。
運営会社のセキュリティ対策
クラウドCTIのセキュリティ性は、運営会社のセキュリティ対策に依存します。そのため、運営会社が必要な対策をきちんと行っているかどうか、確認しておきましょう。
自社のニーズに合った機能を備えているか
インバウンド型CTIとアウトバウンド型CTIと両対応型CTIとでは、用途と機能が異なります。そのため、自社のニーズに合った機能を搭載しているシステムを選ぶ必要があります。 例えばコールセンター・サポートセンターで利用する場合には、アウトバウンド型および両対応型の機能は必要ありませんし、電話営業で利用するなら、アウトバウンド型CTIが望ましいと言えます。また、電話営業と顧客対応の二つの業務で利用したいという場合には、両対応型を選ぶ必要があります。
まとめ
おすすめクラウドCTIの特徴や事例を紹介してきました。 コールセンター業務やテレフォンアポイント業務などでの導入が進んでいるクラウドCTI。「そろそろうちも導入するタイミングかな…」と思われている企業担当者の方も多いかもしれません。 それぞれのクラウドCTIは、用途に応じて全く異なる機能や特徴を持っています。自社のニーズに合ったシステムを選ぶためには、導入後の業務フローについて確認しながら、それぞれのシステムの機能や特徴を冷静に比較するようにしましょう。
- 免責事項
- 本記事は、2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。