BtoBのテレビCMの効果事例と成功のポイント
最終更新日:2024年03月08日
この記事では、BtoB企業がテレビCMで得られるメリットや効果についてふれながら、テレビCMによって認知拡大に成功したBtoB企業の事例やテレビCMを打つ時のポイント、テレビCMの費用相場を紹介していきます。また、テレビCMと連動したWeb施策についても解説します。
BtoB企業のテレビCMは増えた?その理由とは
テレビCMはその視聴環境から、一般消費者をターゲットしているBtoC商材に使われる傾向にあります。しかし、近年にはTVCMを流しているBtoB企業も確実に増えています。
その理由として、BtoB(特にSaaSなどシステム・オンラインサービス系)のマーケティングに対する考え方が変わったことが考えられます。
BtoBマーケティングはBtoCと違ったアプローチが必要ですが、企業の担当者や経営者は同じく人間です。BtoB企業のテレビCMが増えている背景には、ターゲット層を「企業の一員」ではなく「個人」として捉え、会社にいない場合にも商材をアピールする戦略が垣間見えます。
つまり、BtoB企業はテレビCMを流すことで、これまでと違う確度からターゲット層にアプローチをかけていると言えます。
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認知度向上、他社との差別化、従来と異なるターゲットにアプローチしたいなど、様々な目的で制作することができます。詳しくは以下のページでご確認ください。
BtoB企業のテレビCMで期待できる効果とは
BtoB企業がTVCMを流す目的や期待できる効果は、大きく分けて2つあります。認知度の拡大とブランディングです。
宣伝活動・認知度の拡大
テレビCMのようなマスメディアに広告を流すと、多くの人の目に触れることになります。
「あのCMの企業だ」と社名や商品・サービスについて思い出してもらえるきっかけになるでしょう。CMによって知名度がアップすれば、それが営業活動の大きな後押しになります。
幅広い層の人の目に留まるテレビCMは、ターゲット企業の部署や担当者だけでなく、現場の責任者や経営者といった、導入検討に大きく関与する人が目にする可能性も高まります。テレビCMが企業のキーパーソンへのアピールにつながるのです。
ブランディング
映像もあわせてメッセージを伝えやすいテレビCMは、企業のイメージが伝わりやすい特性があります。「テレビCMが流れている」「テレビで見た」という視聴者の経験が信頼感につながるでしょう。
また、テレビCMそのもので知名度が上がると、企業のイメージアップにつながるのはもちろん、社会的信用も得られます。テレビCMで企業の名前が世間に知られるようになることがステータスとなり、社員のモチベーションもアップするでしょう。
さらに人材採用で求職者の応募が増えるなど、経営の様々な面で良い影響をもたらします。
BtoB企業のテレビCM事例
ここでは、実際にテレビで放映されているBtoB企業の事例を紹介します。
株式会社ビズリーチ
欲しい人材に、企業自ら直接スカウトできる人材サービスを行っているビズリーチ。企業の経営者やマネージャー層をターゲットに制作されたテレビCMを放映しています。放映をきっかけにビズリーチの知名度は大きく拡大。関東エリアでは、企業の採用担当者の9割を超える人が知っていると答えるまでにアップしました。
また、大半の企業が「人材サービス」と聞くだけで門前払いだったのが、テレビCMをきっかけに話を聞いてくれるようになったと言います。CMの効果で営業活動を大きく後押しした事例のひとつです。
※参照元:ダイアモンドオンライン「テレビCMを博打から科学的なマーケティング手段に変えたビズリーチ(https://diamond.jp/articles/-/277551#:~:text=テレビCMはビズリーチの,られるようになった。)
Video BRAIN
企業向けの動画編集サービスを行うVideo BRAIN(株式会社オープンエイト)。企業の営業部長と宣伝部長をターゲットにしたテレビCMを放映しています。「あらゆる業界やビジネスシーンで活用できる」とアピールするために、複数のパターンが用意されていて、視聴者に分かりやすく紹介されています。
「共感できる悩み」を意識したCM展開で、サービスの利用で「その悩みを解決できる」とメリットを訴求し成果につなげているCMです。
※参照元:ferret「BtoB企業が陥るテレビCMの間違い。成功に導くCMクリエイティブ6つの秘訣とは?」(https://ferret-plus.com/56542#p6)
SATORI
マーケティングオートメーション(MA)ツールを販売している「SATORI」は、非接触や非対面が求められるコロナ禍の営業危機を、テレビCM放映という形で打破した成功例です。非対面でも顧客開拓やコミュニケーションができる点、リード獲得から商談、受注までを創出できるMAのメリットをCMで分かりやすく紹介。
テレビCMに加えて都内のタクシーCMでも放映し、ビジネスパーソンへのリーチ率が高まるよう工夫しました。テレビCM放映後は認知度が大きく向上し、商談数も従来の2倍にアップしたとのこと。製品を導入する決裁者や意思決定者の目に留まった点が成果につながったと考えられます。
※参照元:MarkeZine「会えない時代におけるSATORIのBtoBマーケティング戦略とは」(https://markezine.jp/article/detail/37545?p=2)
AGC株式会社
印象に残るキャッチコピーで話題を集めるAGC株式会社は、建築用ガラスやフッ素化学製品などを製造する世界最大級のガラスメーカーです。社名を「旭硝子」から「AGC」に変更したことから、社名の認知度を向上するためにテレビCMを放映しています。
「素材でがんばるAGC」「AではじまりCで終わる素材の会社AGC」というように、何をしている会社なのかを思い出しやすいよう、シンプルに企業名を連呼する手法をとっています。
一度聞いたら頭から離れないような、耳に残るフレーズを多用し、企業のみならず一般消費者への知名度アップにも成功している事例です。
ノバセル
印刷通販やネット印刷専門サイトを運営しているラクスル。BtoB向けの印刷事業のほかにも集客サービスや運送サービスも展開していて、最近では、グループ会社の運用型テレビCMサービス「ノバセル」についてPRしています。
ノバセルは、テレビCMの効果をリアルタイムに可視化できるツール。従来は測ることのできなかった「テレビCMの効果」を計測できるようになったと、分かりやすくCMで紹介しています。
CMでは、女性社長がテレビCMの効果が見えるようになったと安心するストーリー展開。経営者や役員層をターゲットに制作されたことが分かります。
Sansan株式会社
名刺管理のクラウドサービスを提供している「Sansan」のテレビCMは、社内で名刺情報を共有していないことで「手間やムダが生まれる」と、ユーモラスなドラマ仕立てで描いています。
企業の課題と解決手段を、映像で分かりやすく紹介して認知度向上に成功した事例です。どのビジネスでも共通して起こる「名刺」の問題はあらゆる業種がターゲットになるため、テレビCMで広くアピールするのに向いていると分かります。
BtoBでテレビCMを打つ時のポイント
BtoB向けのテレビCMでは、論理的に自社の商品・サービスの効果を説明しつつ、関係する企業の目に留まるよう工夫しなくてはなりません。BtoBのテレビCMで、特に意識すべきポイントは以下の通りです。
ターゲットと目的を定める
テレビCMを誰に見てもらいたいのか、見てもらった後にどう行動してほしいかを定めましょう。BtoBであれば、購入を検討する人と実際に購入を決める人が異なるため、どちらに向けたCMかを決めておくのも大切です。
どの役職に向けたCMにするか、細かくターゲットを設定しておきましょう。特にBtoB商材の場合、高額なものになるほど一人の担当者が導入を即決することはありません。
社内稟議を想定しながら、購入を検討する担当者だけでなく、購入を決断する人を意識したコンセプトやテーマにすることも重要となります。
顧客にとってのメリットや価値を伝える
自社の強みをあらかじめ明確に考えておきましょう。テレビCMで知名度を上げたい場合も、何をしている会社かはもちろん、自社の強みや価値が伝わるかが大切です。自社の商材を使うことで、顧客にどんなメリットや効果があるのかが伝わるようにします。
BtoB商材の場合、商品やサービスの導入に対して慎重に検討することになります。「便利そう」「効果を得られそう」といった、何となくの理由で衝動買いすることはありません。
企業が抱えるどんな問題を解決できるのか、どのような価値が生まれるかを論理的に説明するようにしましょう。
Web施策と連動させる
最近は、テレビCMをきっかけに視聴者に検索してもらうようなCMも多くあります。実際に、テレビCM直後のユーザーの検索動向で、テレビCMの効果を計測するツールもあらわれているほどです。
自社のすべてをCMの短い時間で伝えるのは難しいものです。テレビCMではなるべくメッセージを絞り込み、短くても伝わるようなCMにします。その上で、テレビで興味を持ってくれた視聴者がホームページなどを訪れた際に、CMよりも詳しい情報を提供できるようにしましょう。
さらに、テレビCMを経由して自社の情報にたどり着いた見込み客を、どこに誘導すべきか導線を設計しておけるかがカギとなります。たどり着いたユーザーが次の行動を起こしやすいよう、Web施策と連動させる仕組みも構築してください。
また、テレビCMと同じ映像を動画としてYouTubeにアップする、シリーズ化したCMはホームページでコンテンツ化するなど、工夫次第で流入経路を増やすこともできます。
テレビCMの費用相場
テレビCMと聞くと、「莫大な費用がかかる」とイメージされる方も多いでしょう。実際に、テレビCMを放映するとなると、「CMの制作費用」と「放映料金」を合わせた費用が必要です。
テレビCMの制作費の相場
テレビCMの制作費は、写真を数枚見せるだけの映像から特殊なCGを多用して大がかりに制作する映像もあります。有名芸能人やタレントを起用する、海外ロケを行うなど、こだわりを増やすほどに費用がかかるのは明白で、中には数億円規模の制作費を要するCMもあります。
テレビCM制作の大まかな内訳は、
- 企画費用
- 撮影
- 編集費用
- 出演料
の4つです。静止画CMでナレーションやBGMだけを入れる簡易的なCMであれば、制作料は25万円~、アニメーションやCGによる構成で撮影のないCMは80万円~、スタジオでの撮影が必要な場合は150万円~です。これにタレントを起用するとなると、制作費+出演料がかかります。
テレビ放映料の相場
CM放映料は、CMを流す放映局や時間帯によって大きく異なります。15秒CMであれば、日本テレビやTBS、フジテレビ、テレビ朝日など、大手東京キー局の場合は25~100万円と高額です。
関西圏の大手放送局は15~25万円と若干低めで、地方のローカルテレビ局となるとさらに相場が低く、1万円台~放映できる放送局もあります。
Webを活用してCM効果を高めよう
テレビCMは、業界や業種を選ばず多くの人に見てもらえることから、知名度を飛躍的に上げられるメリットがあります。認知度や信頼度の向上により、企業のブランディングにも大きく寄与するでしょう。ただし、CMの効果を測りにくいといった一面もあるため、効果を得たいなら他の施策と連動しておくことも大切です。
テレビCMを経由して自社メディアを訪れたユーザーに、さらなるアプローチができるようWebまわりの施策も整えておきましょう。目的やコストに合わせて、より成果につながる導線設計を検討してみてください。
ターゲットユーザーだけを狙うWebマーケティング戦略の導入を
テレビCMはいわゆるマス広告のため、多数のユーザーにアプローチはできるものの、そのユーザー属性は様々です。また、放映期間が定められており、長期的に効果を生むためには、コストもかかり続けてしまいます。
成約に近いターゲットユーザーを狙って、長期安定した集客をするなら、コンテンツマーケティングをはじめとした、Web集客を行うことをお勧めします。自社でメディアを立ち上げたり、ホームページを活用したりすることができれば、継続的な集客経路をつくることができコストも削減できます。
キャククルを運営するZenkenでは、これまでにBtoB企業も含む120業種を超えるクライアントのWeb集客を支援してまいりました。8,000件以上のWebサイト運用実績もあり、特定のターゲットに対して狙いを定めたWebマーケティング戦略の策定から、企業の強みを引き出し、強みに合致するユーザーだけを集客するWeb専門メディアの設計・制作・運用を得意としています。実際に導入して頂いたお客様からは、
- リスティング広告で多くのリードを獲得しても成約0だったのが、問い合わせ10件程度で成約が3~4件と営業しやすいお客様が増えた。(IoTシステムメーカー:従業員200名以下)
- 単なる資料請求ではなく、自社の強みや実績を理解した反響が増え、月間最大で30件ほど受注確度が高い見積り依頼を受けるようになった。(金属加工会社:従業員30名以下)
といった「自社の強みを理解したリード」が増え、集客だけでなく成約にまで至った体験談を頂いております。具体的にどのようなWeb集客施策を行ったのかについては、下記の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
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