PEST分析で、アフターコロナに自社へ影響を与える外部環境について考える

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PEST分析で、自社へ影響を与える外部環境について分析する!

PEST分析とは、自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、今および今後自社の事業にどのような影響をおよぼすのかを把握するための手法です。マーケティング、経営戦略、市場調査におけるマクロ環境分析を行う際に用いられます。

PESTは、

  • P=Politics 政治
  • E=Economy 経済
  • S=Society 社会
  • T=Technology 技術

上記4つの頭文字から作られた造語で、これら4つの視点から分析します。

外部環境要因にはさまざまなものがあります。そのため、PESTのどれに当てはまるのか分からなくなってしまうことも。しかし、PEST分析の目的は外部環境を正しくカテゴライズするのではなく、自社に影響を及ぼす重要な要因を見つけ出すことなのです。

アフターコロナ(新型コロナウィルス COVID-19)の自社へ影響をPEST分析で考える

では、新型コロナウイルス(COVID-19)を事例に挙げ、PEST分析について解説していきます。

まず、コロナがPESTにどのような影響をおよぼしたのかをそれぞれ説明し、
その後、PEST分析によるアフターコロナの予測について解説していきます。

コロナが政治に与えた影響

政治においては、緊急事態宣言により営業時間の短縮や休業要請が行われました。休業せざるを得なくなった企業に対し、補助金や助成金が給付。また、補助金制度や融資制度の条件緩和などが行われました。

それから国民全員を対象に、一人あたり10万円を支給。また、医療制度や検疫法などの法律改正も行われました。

このように、助成金、補助金の支援制度や法律の改正は、政治的要因に分類されます。
その他にも

  • 国際的な政治の動向
  • 税制
  • 政権交代
  • 政治団体の傾向
  • 裁判制度

なども政治的要因に属します。たとえば、法律が変わると推進していた事業が中断することがあります。また、他国との関係が悪化してしまうと、輸出や輸入などに影響を与えるなど、政治的要因がビジネスに及ぼす影響は大きいといえるでしょう。

コロナが経済に与えた影響

経済においては、さまざまな業種が休業することになりました。また帝国データバンクによる調査によると、コロナ関連倒産ではホテル、飲食店、雑貨小売店など250件が倒産したことが判明。(※)

経済損失に関しては、日本で15兆円前後、世界では最大で940兆円の損失が生じると予想されています。
上記の事例以外では、

  • 雇用率
  • 物価(インフレやデフレ)
  • 景気の良し悪し
  • 金利
  • 株価
  • 為替
  • 賃金の動向

なども経済的要因に分類される要素です。景気が良くなると収入の増加にもつながり、消費が活発化して物価が変動します。そのため、自社で提供している商品やサービスの価格も変えていく必要があります。このように、経済動向を常に注視しながら、ビジネスを展開していかなければなりません。

※参考元:ヤフーニュース「新型コロナウイルス関連倒産 250件に」(https://news.yahoo.co.jp/articles/5b343a600da6cdee7c5b8b5c9b882a45f9aae48e)

コロナが社会に与えた影響

社会面では、東京オリンピックの開催が中止となりました。また、ディズニーランドなど各地にあるテーマパークや水族館、動物園、美術館などの観光スポットが臨時休業を強いられました。

  • 仕事はリモートワーク
  • 食事はテイクアウト
  • ソーシャルディスタンスを取る

などの新しい行動様式が拡大するなど、社会はPESTの中で最も大きな影響を受けました。
コロナの事例以外では、

  • 人口動態
  • 世間を騒がす社会問題
  • 教育水準
  • 新しい文化の誕生
  • 宗教や言語
  • 流行の変化

などが社会的要因に分類されます。近年では、SNSによる社会的要因が強くなりました。たとえば、利用者からの口コミがネット上で拡散され、自社の評判が良くなることもあれば、もちろん悪くなることもあります。したがって、社会動向は常に確認しておく必要があるでしょう。

コロナが技術に与えた影響

技術においては、緊急事態宣言などにより出勤できなくなり、多くの企業にてリモートワークが導入されました。また、LINEでは画面共有機能が備わり、Zoom、Google meetといったテレビ会議システムが用いられるようになり、テクノロジーが発展しました。

  • 特許
  • ITやAIの進化
  • 新技術の普及度

などが技術的要因含まれています。

テクノロジーが進化すると、私たちの常識も変化します。テクノロジーの進化に乗り遅れると、消費者のニーズを満たすことができない場合も。また、テクノロジーの発展がビジネスチャンスを生み出すこともあります。そのため、今後テクノロジーがどのように進化していくのかを、常に予測しておくことが重要なのです。

アフターコロナの政治

ここからは、PEST分析を活用し、アフターコロナについての予測を解説いたします。
まず政治においては、これまではコロナ対応に追われていました。しかし、緊急事態宣言も解除され、今後は経済を回復させるべく、より一層経済対策に力を入れていくことになるでしょう。

また、2020年にはコロナ関連以外では、女性活躍推進法の改正が行われました。これまでは労働者が301人以上の事業者が対象だったのですが、101人以上の事業者も対象となります。

また、プラチナえるぼしが創設され、女性が活躍するための取組状況が優良な事業主は、特例制度を受けることが可能。今後はさらに女性が働きやすい環境が整い、また女性の昇進の機会が増えていくことが予測されます。

アフターコロナの経済

経済面では、2020年度予算成立後に2度の補正予算を編成。コロナ感染者が再度増加すれば、3次補正予算の編成を行う可能性もあります。そのため、経済対策が行われる宿泊業や飲食業などは、急成長する可能性も考えられるでしょう。

一方で、オンラインを用いてビジネス展開することが困難な飲食業やサービス業は、今後も次々と倒産していく恐れがあります。

また、元々悪化の一途をたどっていたアメリカと中国との関係は、コロナの影響でさらに悪化しました。トランプ大統領は、中国のコロナ対策の初期対応のまずさを理由とし、報復措置として関税引き上げの意思を表明しています。米中貿易摩擦は米国経済を悪化させる可能性もあり、アメリカへの輸出依存度が高い自動車産業などが影響を受けることも考えられるでしょう。

アフターコロナの社会

社会面では、これまでも働き方改革でテレワークの導入が進められていきましたが、コロナの影響でテレワークを導入する企業が増加しました。アフターコロナでも、テレワークや在宅勤務といった働き方が一般化していく可能性があります。

また学校が休校になったことから、急速にオンライン授業が広がりました。緊急事態宣言が解除され、全国的に学校が再開されましたが、オンライン教育や遠隔授業は今後も必要とされていく可能性があるでしょう。

それから、現金の受け渡しがコロナ感染のリスクにつながることから、タッチ決済やQRコードといった非接触型の決済方法が世界的に拡大しています。そのため、今後はキャッシュレス化が加速し、現金を使用しない人が増加することが予測されます。

アフターコロナの技術

コロナの影響を受けオンライン授業や非接触型の決済、またオンライン診療なども拡大していきました。その流れは今後も止まらない可能性があることから、これらを実現させるツールやシステムは、引き続き必要とされるでしょう。

また中国やヨーロッパではコロナの影響を受け、ロボットの導入を急速に進め、その結果市場が大きくなりました。アフターコロナも引き続き、ロボットが進化していく可能性は十分にあります。

コロナ関連以外では、2020年3月に5Gが開始されました。
5Gを活用することで

  • 自動運転車
  • 動画をスムーズに見ることが可能
  • 遠隔操作技術での手術
  • スマート農業(無人で農業ができる)

などを実現することができるといわれています。

PEST分析で外部環境を分析したら、自社のポジショニングの見直す!

PEST分析で外部環境から自社への影響をおおよそ把握できて来たら、今度は自社のポジショニングについて、このままでよいのか?再検討する必要があります。大きな外部環境の変化はビジネスチャンスになりえるからです。

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