台湾人のインバウンド集客対策したいなら必見!心を掴めるアプローチとは?
最終更新日:2020年12月21日
台湾と言えば、世界でも有数の「親日家が多い国」として知られています。実際、台湾からの訪日観光客も増加傾向にあるため、インバウンド需要を狙っている企業にとってはまさに狙い目です。そこで、今回は台湾人向けの集客方法について、心理や市場規模にも触れながら解説していきます。
インバウンド・外国人の集客対策方法や事例を紹介!訪日観光客に「おもてなし」を
台湾人の心理を知る
台湾に親日家が多いことは調査データでも明らかにされており、台湾人のほぼ100%が「日本という国が好き」と回答しています。(※)
※参照元:アウンコンサルティング株式会社「世界13カ国の親日度調査vol.1」
http://www.auncon.co.jp/corporate/2019/0423.pdf
そして、LCC路線の拡大やSNSの発展により、台湾からのFIT(個人旅行)も増えています。旅行手配方法の調査データによると、2018年時点で台湾人の約64%がFITによって訪日しているため、それに合わせて集客方法を検討することが大切です。
また、FIT増加によって、台湾人の訪日旅行に対する目的やニーズも変化しています。
趣味を楽しみたい
趣味を思う存分楽しみたいという目的で、訪日する台湾人が増えています。ゴルフ・キャンプ・自転車・ウィンタースポーツといったアウトドア系の趣味はもちろん、音楽・芸術・映画・アニメなどインドア系の趣味にまつわるスポットも人気です。
SNS映えを狙いたい
日本人と同じく、台湾人もSNSが好きです。綺麗な景色やインパクトがある食べ物など、特にSNS映えするものを好んでいます。写真をシェアして家族や友人に自慢したり、逆にシェアしてもらった写真を見て「自分も日本に行こう」と考えたりすることが多いようです。
日本のグルメを味わいたい
グルメ目的で訪日する台湾人も多いです。馬刺しや松茸など日本でしか味わえない食べ物はもちろん、お寿司やうどんなど日本が本場の食べ物も人気を集めています。また、日本は衛生状態が良い国なので、牡蠣やウニといった生ものを味わいたいと考える人も多いようです。
ショッピングがしたい
日本にはたくさんの買い物スポットがあるため、ショッピングも訪日目的の一つです。お土産の定番である菓子類はもちろん、医薬品や健康グッズもよく売れています。また、台湾人は「限定」というキーワードが好きなので、地域限定・期間限定を謳った商品も大人気です。
台湾人が作る市場規模
台湾人を集客したいなら、まずは市場について知ることが大切です。
訪日台湾人観光客の推移
訪日台湾人観光客の数を見てみると、次のようになっています。(※1)
- 2009年 1,024,292人
- 2015年 3,677,075人
- 2016年 4,167,512人
- 2017年 4,564,053人
- 2018年 4,757,258人
- 2019年 4,890,600人
※1参照元:日本政府観光局「訪日外客数(総数)」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf
このように台湾からの訪日観光客は年々増え続けており、2009年~2019年の10年間で5倍弱ほど増加しています。
また、2018年時点の調査データによると、初めて訪日した台湾人は17.6%、残りの82.4%は2回以上の訪日経験があるリピーターとなっています。そのため、リピーターを重点に置いて集客方法を検討することが大切です。(※2)
※2参照元:観光庁「2018年における訪日外国人の消費動向」
http://www.mlit.go.jp/common/001285945.pdf
台湾人の訪日時期
過去5年間の調査データによると、訪日台湾人観光客は4月~7月にかけて増加することが判明しています。つまり、台湾人を集客したいなら、春から夏にかけての時期が勝負ということです。2018年のデータを例として紹介するので、こちらもご覧ください。(※3)
- 1月 350,522人
- 2月 400,858人
- 3月 387,338人
- 4月 470,042人
- 5月 440,109人
- 6月 456,895人
- 7月 460,473人
- 8月 394,551人
- 9月 329,142人
- 10月 379,633人
- 11月 351,905人
- 12月 335,790人
※3参照元:日本政府観光局「(4)月別訪日台湾人の推移」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/jnto_databook_2019.pdf
このように最も多かった4月で約47万人、最も少なかった9月で約33万人となっており、約14万人もの差が出ています。
国別のインバウンド消費額
インバウンド消費額の上位5ヶ国は、2018年時点で次のようになっています。(※4)
- 中国 15,450億円
- 韓国 5,881億円
- 台湾 5,817億円
- 香港 3,358億円
- 米国 2,893億円
※4参照元:観光庁「訪日外国人消費動向調査 2018年調査結果の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001285944.pdf
このように中国が頭一つ抜けていますが、台湾も世界的に見るとインバウンド消費額が多い国となっています。
台湾人の消費動向
訪日台湾人観光客のインバウンド消費額は、1人当たり127,579円です。内訳を見てみると、次のようになっています。(※5)
- 買物代 45,411円(35.6%)
- 宿泊費 35,312円(27.7%)
- 飲食費 28,190円(22.1%)
- 交通費 13,548円(10.6%)
- 娯楽等サービス費 5,059円(4.0%)
※5参照元:観光庁「2018年における訪日外国人の消費動向」
http://www.mlit.go.jp/common/001285945.pdf
このように買い物での支出が多い傾向にあるため、特に販売業なら高い売上を見込めるようになっています。
台湾人は何を買っている?
訪日台湾人観光客はお土産として、様々なものを購入しています。特に人気の高い品目をまとめました。(※6)
- 菓子類 73.6%
- 医薬品 56.9%
- 衣類 41.0%
- その他食料品・飲料・たばこ 40.8%
- 化粧品・香水 40.7%
- 健康グッズ・トイレタリー 30.5%
- 靴・かばん・革製品 21.3%
※6参照元:観光庁「2018年における訪日外国人の消費動向」
http://www.mlit.go.jp/common/001285945.pdf
特に注目したいのは「医薬品」と「健康グッズ・トイレタリー」です。この2つが人気を集めていることから、買い物場所として「ドラッグストア」が一番人気となっています。コンビニやスーパーマーケットなど、巷にあふれている店舗も人気です。
“旅マエ”台湾人の集客方法
訪日旅行を検討している“旅マエ”の台湾人に対して、有効なインバウンド集客方法を解説していきます。
台湾人向け訪日メディア
訪日旅行を検討している“旅マエ”の台湾人は、まず情報を集めることから始めます。台湾も日本と同じくらいインターネットが普及しているため、情報を発信するならWeb上のメディアを活用したいところです。
特に台湾人向けの訪日メディアに記事を掲載すれば、台湾人からの認知度を高められるため、集客率アップにもつながります。オススメのサイトも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
樂吃購(ラーチーゴー)!日本
樂吃購(ラーチーゴー)!日本は、台湾人・香港人をターゲットにした訪日メディアです。タイトルの樂吃購はそれぞれ「遊ぶ・食べる・買う」を意味しています。有益な訪日メディアとして「日本経済新聞電子版賞 最優秀賞」を受賞するなど、日本でも高く評価されているサイトです。
樂吃購!日本は毎月約150万人ものユーザーが利用しているので、多くの台湾人にアプローチしたいなら最適と言えます。また、編集部のスタッフは台湾人・香港人で構成されているため、ユーザーの目線に合わせた記事を作成することが可能です。
さらに、記事と合わせてクーポンを掲載・配布することもできます。訪日観光客にとって、買い物や飲食で使えるクーポンは非常に魅力的なので、集客率を高める方法としてオススメです。
歩歩日本(ブーブーニホン)
歩歩日本(ブーブーニホン)も、台湾人・香港人向けの訪日メディアです。主にリピーター向けの情報を発信しており、ユーザーの97%は訪日経験があります。さらに、ユーザーの約80%が女性なので、特に女性向けの商品・サービスを取り扱う企業にオススメしたいサイトです。(※)
※参照元:DreamNews
https://www.dreamnews.jp/press/0000155292/
歩歩日本(ブーブーニホン)では、観光地や人気スイーツなど訪日旅行に役立つ様々な情報を発信しています。クーポンの掲載・配布も行っているため、買い物が大好きな台湾人にとって非常に魅力的です。
また、歩歩日本では「台湾文部省文学賞」を受賞した張維中氏という方が編集長を勤められています。プロ中のプロが記事編集に携わってくれるため、自社の魅力をわかりやすく伝えることが可能です。
SNS
台湾ではSNSが広く普及しているため、集客ツールとして使うことも可能です。特に台湾人はFacebookの利用率が非常に高く、総人口の76.6%がアカウントを所持しています。台湾人が友人と喧嘩すると、Facebook上でも“友達を削除”するほど生活に根付いているため、もはやインフラと言っても過言ではありません。
オウンドメディアや訪日メディアに掲載した記事をFacebookから紹介すれば、一気に情報が拡散する可能性もあるため、想像以上の集客につながることにも期待できます。
Facebook以外では、LINE・Instagram・Youtubeなども人気です。それぞれ特徴が異なるため、商品・サービスの性質に合わせて、最適なSNSを選ぶことが重要になってきます。
いずれにせよSNSで集客するなら、PV数や“いいね”の数を小まめにチェックしつつ、更新と改善を続けることが大切です。そして、台湾人へのアプローチにはFacebookが必要不可欠なので、他を差し置いてもFacebookは優先的に運用しましょう。
個人ブログ
旅マエの情報源として、台湾人は個人ブログもよく参照します。台湾はブログ文化がまだまだ盛んであり、影響力が高い「パワーブロガー」も多いため、効率的に集客したいならブログも活用するべきです。
パワーブロガーに商品・サービスの記事を書いてもらえば、かなりの集客効果が見込めます。また、訪日メディアやSNSと連携して、情報の拡散を狙うことも大切です。
旅ナカ台湾人の集客方法
既に訪日している“旅ナカ”の台湾人を集客したいなら、また異なるアプローチを仕掛ける必要があります。
Googleマップ
台湾人を含めて、訪日観光客によく利用されるナビゲーションアプリが「Googleマップ」です。
Googleマップで地名などを検索すると、スマートフォンの言語に合わせて自動的に翻訳してくれます。例えば、台湾人が宿泊先のホテルを検索した場合、地名やホテルに関する情報がすべて母国語で表示されるため、すぐ理解できるというわけです。
また、Googleマイビジネスというツールを使えば、Googleマップに口コミや写真を掲載することもできます。経路案内とともに自社の魅力を伝えられるため、幅広いユーザーに訴求できるという観点からもオススメです。
ポジショニングメディア
「ポジショニングメディア」とは、特定の地域やジャンルに特化しつつ、複合的に情報をまとめたポータルサイトのようなものです。一般的なポータルサイトとは違い、自社の魅力が伝わりやすい導線設計になっています。
わざとらしい表現や他を貶めるような言い回しはせず、真実だけを自然な流れで掲載するので、誰から見ても公平で信頼できるサイトに映ります。ユーザーに違和感を与えることなく、競合他社との差別化を図れるため、集客方法として非常に有効です。
ポジショニングメディア
について詳しく
台湾人の心理や特徴を押さえて集客しよう
ここまで解説してきた内容を踏まえて、集客の重要ポイントを下記にまとめてみました。
- 台湾からの訪日観光客はリピーター中心
- 台湾人は4月~7月に来る
- 台湾人は買い物にたくさんお金を使う
- 台湾人はとにかくFacebookが大好き!
特に台湾ではFacebookの利用率が高いため、集客方法もFacebookを軸にして検討する必要があります。しかし、Facebookだけで集客するのは非効率的です。訪日メディアや個人ブログ、ポジショニングメディアなども併用して、多角的にアプローチしてみましょう。