コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いとは?重要性とメリットも解説
最終更新日:2023年08月10日
SEOはサイトを調べるクロールというロボットと、収集した情報を登録するインデックスというデータベースに大きく影響します。
昔はクローラーが単純なロボットでしたが、現在は人間の知能に近くなっており簡単な攻略方法はありません。複雑ではありますが、Googleは最終的にはユーザーフレンドリーなサイトが検索の上位に来ることを目指しているため、質の高いコンテンツSEOが必要です。
つねに変化していくSEOに対応しなければいけないため、過去に必要とされたノウハウだけでは不充分です。
今回はコンテンツSEOとテクニカルSEOについて基本的な知識を解説しますが、全研本社のノウハウをまとめたコンテンツSEOの資料もご用意しています。
記事を読んだ後でも、読む前でもかまいませんので、ぜひご活用ください。
コンテンツSEOとテクニカルSEOはどう違うの?
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い。改めて質問されると即答できない、というかたが多いのではないでしょうか
わかってはいるつもりでも、だれかに聞かれたときに正確にアウトプットできなければ、真の意味で理解していることにはなりません。
そこでまず、コンテンツSEOとテクニカルSEOがそれぞれどのようなものなのかをおさらいしておきます。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとはその名の通り、コンテンツを活用してSEO評価を高める施策のことです。検索しているユーザーが欲している有益な情報を盛り込んだ記事やニュース記事、コラム、ブログなどが該当します。
企業の公式サイトやWebメディア、スタッフブログやSNSの公式アカウントなどコンテンツSEOを実装するメディアはさまざまです。
検索ニーズにマッチした記事が更新されると、そのページだけでなく掲載されているサイト自体の評価も押し上げ、最終的には関連性のあるキーワードで上位表示されやすくなります。
コンテンツSEOの場合、短期的な成果を求めるのではなく中長期的な施策として取り組む必要があります。
Googleは最終的にはユーザーフレンドリー(ユーザーの利便性が高い)なサイトを検索結果の上位に表示することを目指しているため、質の高いコンテンツSEOが必要です。
テクニカルSEOとは
テクニカルSEOとは、検索エンジンに見つけてもらうために内部構造を最適化する施策のことを指します。コンテンツSEOが記事やコラムによるSEOであったのに対し、テクニカルSEOはWebサイトの土台や基盤を整えることが目的です。
サイト全体の内部構造が最適な状態になっていない場合は、テクニカルSEOを施して最適化していく必要があります。
この内部構造のルールはなにが正しくてなにが間違っているかがはっきりしていますので、そのルールにのっとって修正していくことでクローラビリティを上げていくことができます。
検索エンジンはつねに進化を続けているため最新の情報を追いながら対応しなければなりませんが、テクニカルSEOは基本に忠実に実装すればいいという点で、わかりやすさがあります。
今後SEOに力を入れていきたいと思いながらも、何から手をつけてよいか分からない方はまずテクニカルSEOから手をつけましょう。
「Googleは完全に自動化された検索エンジンであり、Googleがウェブページを検出し、クロールして検索結果に表示する仕組みを確認してほしいと」スターターガイドでも説明されています。
チェックしておくべき基本的なポイントとして、Googleは以下5つの項目を挙げています。
所有するウェブサイトが Google に表示されているか? ユーザーに質の高いコンテンツを提供しているか? 所有するローカル ビジネスが Google に表示されているか? ウェブサイトのコンテンツにどのデバイスからでも速く簡単にアクセスできるか? 所有するウェブサイトは安全か?
テクニカルSEOのなかには、専門知識が必要なものもありますが、まずはこのスターターガイドをチェックして、内製で対応可能なものがあれば実施していきましょう。
コンテンツSEOとテクニカルSEO、どちらを優先すべき?
先ほども説明しましたが、Webサイトの設計図ともいうべきテクニカルSEOを基本に忠実に実装することが最優先です。
SEOの知識がまったくない人に向けて説明するならば、
- コンテンツSEO:より多くのユーザーに見てもらうための継続的施策
- テクニカルSEO:正しくWebサイトをつくるための基盤となる施策
という感じで話してみるとわかりやすいかもしれません。
テクニカルSEOを実施したうえで、コンテンツSEOを実装していくかたちが理想です。
テクニカルSEOは検索エンジンのクローラーに対してのアプローチになります。いっぽうコンテンツSEOは同様にクローラーにも影響を与えますが、第一目的は「有益なコンテンツを閲覧者に見つけてもらう」ことです。
コンテンツSEO | テクニカルSEO | |
---|---|---|
SEO施策の対象 | ユーザー(Webサイトの閲覧者) | 検索エンジンのクローラー |
両方同時に実施するのが望ましい
SEOの対象が検索エンジンなのか人(ユーザー)なのかによる違いであり、どちらか一方だけを実施すればいいということではありません。
たとえば読み物ページを更新していても内部SEOが最適化されていなければ、検索上位に上がりにくくなります。
「記事コンテンツを更新してコンテンツSEOを実施しているのに、一向に対策キーワードで上位表示されない」という場合などは、テクニカルSEOに何らかの問題がある可能性が高いです。
先ほど紹介したGoogleスタータガイドを確認して、テクニカルSEOに問題がないか、再度確認してみることをおすすめします。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの重要性とメリット
続いて、それぞれの重要性とメリットをみていきましょう。
コンテンツSEOの重要性
コンテンツSEOで問われるのは、「コンテンツの質」です。ただただ記事やブログを更新すれば評価される、というものではありません。
キーワードとの関連性や有用性、ユーザーにとって有益な情報、専門家の論文や白書といった権威性のある情報源を参照しているといった要素が認められ、質の高い独自のコンテンツであると認めてもらうことが重要です。
では質の高いコンテンツとはどのようなものか。いくつか指標となる項目を挙げておきます。
- 情報源が提示され、かつ根拠のあるデータが参照・引用されている
- 医師や教授などの専門家による監修や執筆
- つねに最新の情報が更新されている
- キーワードに対してユーザーのニーズを満たしている
- 取材やレポートなど独自に作成されたコンテンツを提供している
- 一次情報に基づいて記事が作成されている
上記がすべてではありませんが、質の高いコンテンツというイメージだけでとらえず、この要素とこの要素を入れればコンテンツの質を高められる、という考え方でコンテンツSEOの施策を決めていくことが大事です。
良質なコンテンツは長く生き残れる
Googleの場合にはなりますが、ユーザーファーストの視点で検索画面のランキングが決められています。閲覧者にとって有益で良質なコンテンツを更新することは、将来的にSEOの仕組みが変化しても対応し続けられ、生き残る可能性が高くなるのです。
また閲覧者が商品を購入したり契約したりといったアクションも、コンテンツの質が影響します。商品やサービスが必要と思わせられなければ、検索されても利益に直結しません。
コンテンツSEOのメリット
コンテンツSEOを展開するメリットとしては下記が挙げられます。
- 自社と親和性の高い見込み顧客へのアプローチができる
- イメージアップやブランディングにつながる
- コンテンツ自体が広告として長期間運用できる
- コストパフォーマンスがよい
- SNSでコンテンツが拡散できるなど拡張性がある
- リスティングなどの広告を回避するユーザーにもリーチできる
コンテンツSEOについては下記記事でさらにくわしく解説していますので、よろしければご覧ください。
≫「コンテンツSEOとは?実施するメリットや進め方・事例を詳しく解説」
テクニカルSEOの重要性
どんなにコンテンツSEOに力を入れても、テクニカルSEOをおろそかにしているとSEO効果が得にくくなってしまいます。
テクニカルSEOは、Googleが公表しているウェブマスター向けガイドラインに沿って粛々と作業を進めていくようにします。
Googleウェブマスター向けガイドラインには、以下のように説明されています。
ウェブマスター向けガイドラインでは、サイトをGoogle検索に表示させる一般的なおすすめの方法とともに、ページまたはサイトが検索結果から除外されないようにするための品質ガイドラインを示します。引用元:Googleウェブマスター向けガイドライン(https://developers.google.com/search/docs/advanced/guidelines/webmaster-guidelines?hl=ja)
このガイドラインに書かれている内容すべてを内製で反映させるためにはかなりのスキルが必要な場合もありますが、いくつか着手できそうなものだけを実施してみて、いまのWebサイトや対策キーワードの評価が上がるか、試してみるのもひとつの策です。
手に負えないと判断したら、SEOを得意とするWebコンサル会社や制作会社に委託するようにしましょう。
テクニカルSEOのメリット
Googleの品質に関するガイドラインやインターネット上に展開されているテクニカルSEOに関する情報をもとに、実施すべき施策を定型化しやすい点です。
クローラーが巡回してページ情報を取得しやすくするためにすべきことや、データベースにインデックスされやすくするための方法なども公開されています。
さらにWebサイトが評価を受けやすいように施策を実施したあとに、その施策の効果を実施前と後とで比較することもできます。
クローラーがそのページを巡回したか、ページがデータベースにインデックスされているかがわかる「Google Search Console」などがその代表的なものです。
仮にテクニカルSEOの実施後に効果が出なかった場合でも、こうした計測ツールを活用すればさらなる改善点を見出すこともできます。
改善のPDCAを回してよりWebサイトの構造を最適化していけば、かならず良い結果が得られるはずです。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの施策内容
施策を実施するにあたって、コンテンツSEOとテクニカルSEOで実際に行なう作業内容について改めて説明しておきます。
コンテンツSEOの施策内容
コンテンツSEOを始めるにあたって重要なのは、質の高いコンテンツの作成です。その際大事なのは、「だれにとって役立つコンテンツにするか」という視点です。
ターゲットがあいまいなままでは、真の意味でユーザーがなにを求めているかを理解したコンテンツ作成はできません。
キーワードには、ユーザーの属性やユーザーの頭の中にある悩みや課題が内包されています。とくにBtoB向けのメディアであれば、ターゲットが一般社員なのか、決裁権のある社長や部長なのかによって、書くべき内容も変わるはずです。
そのため、コンテンツSEOの施策を立てる前に十分な分析とターゲティングが不可欠です。
例えば、以下のような流れで進めていきます。
- 集客したいターゲットを決める
- ターゲットが契約・購入するまでの行動や心理を考える
- 行動や心理の動きを意識した導線設計をする
- ベンチマークするサイトや競合他社を分析する
- Webサイトのテーマやメインキーワードを決める
- ライバルサイトに勝てるサイト構成を考える
いわゆるカスタマージャーニーと呼ばれる、契約や購入するまでの心理変容や行動変容をあらかじめ想定して、ユーザーの反響が得られるようなサイト構成にしておくことが重要です。
どの程度のリテラシーを持っているユーザーをターゲットにするかも大事ですし、特定の業界に特化するのか、指名検索を勝ち取るのかといった、コンテンツSEOの目的を明確にすることも大事です。
いったんWebサイトを公開した後に意識すべきコンテンツSEOのポイントは、
- ページごとのキーワードを考え新規ページを追加していく
- 自社と親和性の高いユーザーを獲得するキーワードを選別する
- ユーザーが求めている情報を網羅してリードを獲得する
- 訪問してくれたユーザーが自社のファンとなってくれるような情報を提供する
- タッチポイント(顧客接点)を複数確保して成約や購買につなげる
といったものが挙げられます。
施策で失敗に陥りやすいケース
大切なのは本当にターゲットが必要とするキーワードにしぼることです。例えばBtoBの事務クラウドサービスを展開している企業が、キーワード検索数が多いからといって個人相手の確定申告に役立つ記事を書いてもほとんど効果はありません。
本質をとらえた選定と、ターゲットが必要としている情報を提供することが不可欠です。コンテンツSEOで失敗する要因のほとんどは下記に該当します。
- キーワード選定が合っていない
- キーワードに沿った内容になっていない
- ターゲットに必要な情報が足りていない
自社に専門的な知識をもったスタッフがいなければ、SEOを専門とする会社などに外注して、効果の高いキーワードを選定してもらうべきです。
テクニカルSEOの施策内容
テクニカルSEOの施術内容は多岐にわたりますが、基本的にはサイトの評価状況に合わせ必要な施策を重ねていくことになります。
たとえば、下記のようなフローでPDCAを回していきます。
- チェックツールで問題を把握する
- 対応する優先順位をつける
- 優先度の高いものから着手する
- 問題を改善する施策を行う
- 実施後に改善されているか確認する
もっとも大事なのは最後の確認作業です。改善前と改善後を比較して検証を重ねていくことで、テクニカルSEOの効果を着実なものにしていけるからです。
初期はクローラー対策から
Webサイトを設計する時点でクロ―タビリティの高いものにできれば理想ですが、テクニカルSEOの施策に着手するなら、まずはクローラーへの対策が先決です。
テクニカルSEOは大きく分けると下記2つの目的があります。
- クローラーによるコンテンツ情報の収集を円滑に行えるようにする
- Webサイトのページが検索エンジンに着実にインデックス登録されるようにする
Webサイトを運用し始めたばかりであっても、長年運用してきたサイトであっても、クローラーが巡回しやすいサイトの構造にしするのが大前提です。
よりくわしく知りたい場合、テクニカルSEOですべきことをまとめた記事を読むのがいちばんです。
たとえば下記のような記事です。テクニカルSEOの施策内容をくわしく知りたいかたは、チェックしてみると良いと思います。
※参照元:株式会社シンメトリック テクニカルSEOブログ「テクニカルSEOのためのSEOチェックリスト58項目」(https://technical-seo.jp/technical-seo/)
コンテンツSEOとテクニカルSEOはどちらも重要
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違いやメリットについて説明してきましたが、どちらか一方をやればいいのではなく、両方とも必要であることがおわかりいただけたと思います。
検索エンジンに評価されるためには、コンテンツSEOとテクニカルSEOはどちらのピースも欠かすことができないのです。
2022年5月に実施されたGoogleのアップデートが2022年6月に実装されたことが確認されていますが、こうしたアップデートのたびにSEO施策を重ねていく必要があります。
よく筆者も「SEOは生もの」と説明するのですが、つねに最新の情報に目を光らせてコンテンツSEOを実施していくのがSEOの定石です。
さらに今後は文章内容だけでなく、商品画像の大きさや画像の代替テキスト(alt属性)の適切な使用やオリジナルの図なども評価対象として重要視されるので、テクニカルSEOのチェック項目を作成して改善のPDCAを回していくようにするのが理想です。
SEO施策やコンテンツSEOに課題があるなら
社内にSEOにくわしい社員がいるケースのほうが少ないと思いますが、なにも知識を獲得せずに専門会社に丸投げすればいいというものでもありません。
ある程度のリテラシーは獲得しつつ、専門会社との連携でSEOの知識を深めていけばよいのです。
コンテンツSEOの「わからない」「できない」を解決
Zenkenはコンテンツマーケティング支援を得意としておりますが、SEOに関しても知見があります。BtoCはもちろんのこと、業界に特化したBtoBのコンテンツSEOに関してもご相談を承っております。
コンテンツSEOについてよくわからない、自社ではできないという場合には、まずコンテンツSEO施策の概要とおさえておくべきポイントをわかりやすく解説した資料をお読みください。
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