【3分で理解】ロレアルのブランド戦略を分析
最終更新日:2024年03月22日
コロナ禍の影響でマスク生活が当たり前となり、女性の化粧品ニーズが急激に落ち込みました。
そんな苦戦する化粧品業界の中でも、売上高を伸ばしている企業があります。
「LANCŌME(ランコム)」や「メイベリン」などの有名化粧品ブランドを扱っている「日本ロレアル(以下ロレアル)」です。
ロレアルは、コロナ前の2019年と比較しても増収増益という成果を出しています。市場環境が不安定な中、なぜロレアルは成長を続けられているのでしょうか。
この記事では、ロレアルの成長を支えるブランド戦略について考察しました。
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ロレアルのブランド戦略のポイント
100年以上の歴史があるロレアル。「美」という定義の難しい分野に特化し、蓄積してきた知識・知見があります。
そのような老舗企業ながらもDX化にも柔軟かつ積極的に取り組んでおり、コロナのパンデミック以前からデジタルによるCX(顧客体験)にも力を入れていました。
その根底にあるのは多種多様な美に対するニーズに対して、しっかり応えられるブランドでありたいという思いがあります。
ロレアルが抱えている主要ブランドは36(2022年7月現在)もあり、ブランドごとにターゲットや抱えているニーズも当然異なってきます。
ブランドの展開数だけを見ても、美に対するニーズに幅広く応えていることはわかりますが、さらにリアルなニーズやトレンドを知るために、ユーザーに対する発信やコミュニケーションの機会を増やしているのです。
それがデジタルを活用したCX(顧客体験)や、ユーザーデータの分析力強化という施策につながっています。
CRMツールの活用
ロレアルは、化粧品のカウンセリングツールとCRMが組み合わさった顧客カルテを導入し、情報をすべてデータで管理するDX化を進めました。
※CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、直訳では顧客との関係性管理(をする仕組み)となります。
店頭のカルテで管理していた情報をデジタル移行して、顧客がこれまでに購買した商品や購入頻度などを把握。それをECサイトに反映し、顧客ごとに適切な商品が表示されるようにしました。
顧客データと店舗データの連携を行い、分析してマーケティングに活かしています。
AI分析システムを開発
ロレアルは、Web上に投稿された数百万件のコメントや画像、動画を自動で分析するシステムを開発しました。
消費者が注目している美容情報やキーワードをいち早くキャッチし、Webマーケティングに取り入れるためです。
AIによるトレンド分析は、次の流行を見据えた商品開発にもつながっていると言います。
また、ロレアルは、競合メーカーよりもいち早くトレンドの把握を目指しているとのこと。
ライバルよりも早くトレンドを知っておくことで、新商品の開発や販売で優位に立てる可能性を高めています。
ブランドからのメッセージ発信
ロレアルは、「ランコム」や「キールズ」といった自社ブランドからのメールを、化粧品を購入してくれた顧客に対して配信する取り組みを強化しています。
従来は売り場の美容部員の判断でメールやDMを送っていましたが、今では顧客を中心に考えたメッセージを、ブランド運営側から送っているとのこと。
現場中心の考え方ではなく、顧客中心のマーケティングを行うために考え方や手法を変更しました。
顧客の生涯価値(=ライフタイムバリュー)を重視して、購入1回あたりの単価や購入回数を分析し、リピートしてもらうための工夫を行っています。
ライブコマースを活用した顧客とのコミュニケーション
ロレアルの「顧客のライフタイムバリュー」を重視したブランド戦略は、オンライン接客にも表れています。
美容部員によるライブコマースやネットカウンセリングでは、顧客との直接的なコミュニケーションによって意見やコメントを吸い上げており、その意見を素早く反映して、アプローチ方法の改善や新たなニーズの発掘にもつなげています。
また、オンライン専門の美容部員「eBA」を配置し、美容部員によるSNS投稿や運用にも注力するなど、複数のプラットフォームで積極的に顧客とのコミュニケーションを行っています。
ロレアルのブランド戦略まとめ
ロレアルはあらゆる美に対するニーズに応えるブランドを保ち続けるために、DX化にいち早く取り組み、顧客中心のマーケティングを実施。
AIを活用したトレンドへの気づきを、顧客とのコミュニケーションや商品開発につなげてブランド価値を大きく向上しています。
ロレアルのように、対面販売だけにこだわらず、オンラインやデジタルとの融合を試みることは、これからの時代にさらに求められるはずです。
マーケティングやブランディングに、Webやデジタルを活用することは、顧客のニーズや行動をデータとして蓄積して、新しい戦略に活かせるだけでなく、そもそもの顧客との接点自体を増やすことができます。
Web上で「〇〇に強い会社」「〇〇が得意な会社」「〇〇といえばこの会社」というイメージを、様々な場面で印象付けることができれば、ブランディングもしやすくなります。
ブランディングに取り組む際には、Webなども活用しながら、ただ会社や商品を知ってもらうだけでなく、どんな会社や商品だと記憶してほしいのかを意識した、ターゲット設定とマーケティング戦略を実施してみてください。
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