【PR施策の事例まとめ】様々な企業の実例を調査しました
最終更新日:2022年06月13日
社会的なテーマと企業の活動を結び付けて、消費者に興味や関心を持ってもらうPR活動。ここでは、PRの意味や概念について振り返りながら、企業が手がけたPR施策の事例をまとめて紹介します。
PRとは?
そもそもPRとはPublic Relations(パブリックリレーションズ)の略で、社会(パブリック)との関係性(リレーション)を維持するための活動を指します。
パブリックには消費者や顧客、従業員、取引先、株主など、企業のステークホルダーという意も含まれています。これらステークホルダーと良好な関係性を築いて、共感を持ってもらうための活動がPRです。
よくネット広告に「PR」と表記されるケースから広告や宣伝のニュアンスで捉えられがちですが、本来の意味とは異なるもの。企業や組織の利益よりも、公衆(消費者)の共感を得ることを目的に行われます。
PR施策の事例まとめ
ここでは、PR施策で成功している企業や団体の事例をまとめました。自社らしいPRとは何か、どんな方法が適切かを検討するための参考にしてみてください。
資生堂
化粧品メーカーとして知られる資生堂は、女子校生たちが教室内に座っている動画に、驚くような仕掛けをしてPR施策を行いました。
その教室にいた美しい女子高生たちの正体は、実はヘアメイクを施した男子高校生だったというものです。
資生堂の「美しくなりたいすべての人へ」という企業理念と、ジェンダーに対する意識を投げかけたメッセージは、そのインパクトの大きさから反響を呼んでいます。
どこから見ても女性にしか見えないそのクオリティは、資生堂のメイク技術や品質の高さのアピールにもつながりました。
パタゴニア
アウトドアブランドのパタゴニアは、ある参議院選の投票日に、直営店を全て休業にして、従業員が投票に行ける取り組みを実施しました。
「日本の国政選挙の投票率の低さが常態化している」と、問題視されている社会状況を受けて行われたPRです。
また、参議院選と衆議院選の際には、顧客に投票を呼び掛けるキャンペーンも行っています。「投票率の向上に努める姿勢を評価したい」「日本の未来のために投票へ行きます」など、多くの反響があった事例です。
P&G
消費者への問題提起をPR動画で表現したのが、ヘアケア製品や日用品を製造・販売するP&Gです。
服装や髪型に関する厳しい校則や、時代にそぐわない奇妙な「ブラック校則」で困っている中学生や高校生に対し、「学生であっても、個性が尊重される社会の実現を応援したい」と、P&Gの想いが動画でPRされました。
この問題提起は中高生だけでなく、「かつては中高生だった」大人たちからも大きな反響があり、SNSで拡散されて話題になりました。
Panasonic
パナソニックは、次の世代を担う子供たちに向けて、ものづくりや化学に対する興味を持ってもらう活動を長年にわたり続けています。
小学生に「手作り乾電池キット」を使って電池の作成をしてもらうというもの。出張授業というかたちで全国の学校に指導者が訪れる、イベント型のPR活動です。
これまでに多くの小中学生が、自分の手で電池を作成しました。この授業で自社のファンになってもらうことを目的に、今では海外でも展開されています。
Heineken(ハイネケン)
ドイツビールで知られるハイネケンは、コロナ禍ならではのPRで大きな反響を獲得しました。
緊急事態宣言によるロックダウンで、街全体の飲食店が営業停止に…そんなときに飲食店のシャッターに自社の広告を掲載して、営業できずに困っている飲食店に「広告掲載料」を支払う取り組みをはじめたのです。
閉店に追い込まれそうになっていた多くの飲食店やバーが、この活動で救われたといいます。
「シャッターの広告」はさまざまなメディアに取り上げられ、ハイネケン自身もいつもの広告以上の効果を得られる結果となりました。
大塚製薬
医療品や食料品を販売する大塚製薬は、同社の栄養食品「カロリーメイト」を使って受験生に向けたPR活動を行いました。
コロナ禍の状況で受験に挑む学生たちを応援するために「#受験メイト2021」というキャンペーンを実施。SNSを通じて勉強中の受験生の写真や動画を募集し、その中から選んだ作品を組み合わせ、ひとつのPR動画を制作しました。
キャンペーンを通して「動画に勇気づけられた」「仲間の存在を意識してがんばれた」と、多くの受験生から反響があったとのこと。コロナ禍ならではの環境を活かして行われたPR活動として、世代の枠を超えて話題となりました。
日本漢字能力検定協会
日本漢字能力検定のPR活動は、今では毎年大きなニュースとして取り上げられるようになっています。それが、年の瀬に京都の清水寺から発表される「今年の漢字」です。
その年を象徴するような漢字を1文字であらわすこの活動は、もともと漢字検定の認知度向上と普及を目的にはじめられました。今では、日本中の人が毎年注目するイベントとして定着しています。
このPRをはじめる前は数百人程度だった漢字検定の受験志願者は、認知度アップによって万単位に増加したとのこと。「漢字」という、協会ならではの素材を使って知名度を押し上げた成功事例です。
佐賀市
外国人旅行客への認知度向上と観光客増加を目的に行われたのが、佐賀市のPR活動です。
「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」での気球の動画や伝統産業を紹介する動画で佐賀市の魅力を外国人向けにアピール。
YouTube配信に力を入れて取り組んだ結果、世界中で2200万回以上(2022年5月時点)も再生され、実際の観光客誘致にもつながったといいます。
また、温泉街をPRする動画では、美女の入浴シーンと思いきや実は男性だったというユニークな見せ方を試みるなど、動画制作に力を入れる自治体として国内でも認知されるようになってきています。
Oisix(オイシックス)
農産物を中心とした食品宅配サービス「オイシックス」は、子供の「夏休み」を母親の視点で捉えたPR活動で、働く親の負担を軽減したいという企業メッセージを発信しました。
共働きの家庭が多い現代の日本で、「いまだに家事や育児の大半を母親が担っている」という現実をTwitterで問いかけ。
「かあちゃん楽しい夏休みをありがとう」というこのキャンペーンは、子供を持つ母親を中心に話題となり、SNSを通じて拡散されました。
同時に、オイシックスを利用すれば家事の負担を軽減できるという、サービスの啓蒙にもつながっています。
NewsPicks
ビジネスメディアの「NewsPicks」は、日経新聞の朝刊や電車の中吊り広告に、「さよなら、おっさん。」というキャッチコピーを載せて話題となりました。
このキャッチコピーは、「古い価値観やシステムにとらわれず、新しい変化を受け入れよう」「多様性を尊重しよう」といった企業のメッセージや意気込みをのせたもの。
NewsPicksのように、話題となりそうなセンセーショナルなキャッチコピーを使うと、人々に強い印象を与えたり記憶に残りやすくなったりする効果を得られます。企業の認知度を向上したい、知名度を上げたい際に効果的な手法と言えます。
PRの目的を明確にすることが大切
プレスリリースや動画、SNS、Web広告など、PR施策の方法はさまざまありますが、自社のブランドや商品・サービスの魅力を全面に押し出すのではなく、あくまでもターゲット(公衆)の共感を意識することが大切です。
そして、何のためにPRを行うのか目的を明確にし、企業の置かれている状況や目指す目的によってPR内容を考える必要があります。
企業の認知度を高めたいのか、イメージを向上したいのか、ブランディングを強化したいのか、自社の目的や強みにあわせたPR施策を検討してみてください。
またPR活動としては、事例にもあったようにオウンドメディアやSNSを通じて発信することが多いです。発信力をあらかじめ強化しておくことで、PR施策が効果的になりますので、コンテンツマーケティングのノウハウも意識すると良いでしょう。
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