採用競合と自社を差別化する方法・ポイントとは

採用活動で競合との差別化は必要か？

2022年卒の方に対するリクルートワークスの調査データによると、全国の企業の求人総数は67.6 万人でした。それに対する学生の民間企業就職希望者数は、45.0万人です。

このデータから2022年3月卒も、求人総数よりも就職希望者のほうが少なく、売り手市場であったことがわかります。

また、コロナ禍の不安からか、大企業を志望する学生の数が増加傾向にありました。一方で、従業員が1,000人未満の規模の企業では前年比で減少傾向にあります。

これは、一部の企業に人気が偏っており、大企業以外の中小企業やその他企業では母集団形成ができない状況になっているということ。

ポストコロナで応募者のさらなる減少が予測される中で、少しでも多く母集団を形成するためにも、競合よりも多くの学生に自社を知ってもらう必要があると分かります。

※参照元：リクルートワークス研究所：第38回 ワークス大卒求人倍率調査（2022年卒）」

採用競合とは

採用競合とは、採用活動をするにあたり、自社が求める人材を奪い合う存在となる企業です。

「他にどのような企業に応募しているか」と応募者にヒアリングした際、よく名前が上がる企業が採用競合にあたります。

たとえば、製造業の新卒採用で、製造業そのものに関心のある学生を求めていた場合、営業職を求めている他の製造業も、同じターゲットを求めていることになります。こうした企業がまさに採用競合となります。

差別化を図る前に、求める人材を奪い合う企業がどのくらいいるか、どのような採用活動やPRをしているかなど、まずは採用競合について知っておくことが重要です。

採用競合を知るメリット

採用競合を知ることで、以下のようなメリットがあります。

• 採用市場での自社のポジションを把握できる
• 自社に関する評判を分析して、改善策のためのヒントを得られる
• 選考スケジュールの工夫ができる

採用競合との人気の違いは何かを知ることで、自社の採用市場での立ち位置（ポジション）を把握できます。

給与水準や福利厚生、働きがいなど、どこに違いがあるでしょうか。他社の福利厚生や給与水準を知っておけば、懸念される条件の変更を検討するなど対策を図れます。

また、口コミサイトなどに記載されているそれぞれの企業の評判を分析して、自社の改善すべき点など、ヒントを得ることもできるでしょう。

さらに、採用競合について知っておくと、選考の時期が重ならないようにスケジュールを上手く工夫できるようになります。
採用競合よりも内定のタイミングを早めるなど、社内の調整で内定者の入社率を高めることにつながるでしょう。

採用競合との差別化の考え方

単に他社と違うことをして独自性をつくり、目立つようにすることが差別化ではありません。

一時的に応募数が増えたとしても入社につながらなければ、その差別化は失敗と言えるでしょう。

採用競合との差別化を図る目的は、「求職者に選ばれる企業づくり」をするためです。

大切なのは、応募者（学生）のニーズに応えるということ。
求職者に求められていることを把握して、自社がそれにどう応えられているかという点で、差別化の方向性を考えていくべきです。

応募者のニーズを知り、そのニーズに「自社が応えられる」と明確にすることで、「貴社だからこそ選んだ」と言ってくれる学生を集めることができます。

そのためには、ターゲットを明確にして、自社と競合を分析する必要があります。

差別化を意識した採用戦略の進め方

他社との差別化を意識しながら採用戦略を行うには、まず差別化する相手を知り、誰に向けて差別化をするかを決めることが重要です。

ここからは、差別化を前提にした具体的な採用戦略の進め方を紹介していきます。

採用競合を洗い出す

応募者や入社した社員にヒアリングする

採用競合の洗い出しに最も分かりやすい方法が、応募してくれた求職者や入社した社員に聞き取りをすることです。

どのような企業を受けているのか企業名を聞くだけでなく、なぜその企業を受けたのか、理由も確認できるとベターです。

さらに、内定を承諾した人や入社した社員には「最終的に自社を選んだ理由」までヒアリングすると、自社がもっと力を入れてアピールできる強みや魅力も見えてきます。

求人広告会社・就職エージェントの活用

求人情報を掲載した広告会社や就職エージェントに、自社と同じような規模で応募者の多い企業や、採用に成功しているケースを聞き出す方法もあります。

採用がうまくいっている会社の求人情報を参考にノウハウを学び、今後の採用に活かしていけるでしょう。

採用ペルソナを定める

採用ペルソナとは、自社が採用したい求職者の人物像のことです。ここで重要なのは、ペルソナは「ターゲット」とは異なる点です。

どちらも求める人材を指しますが、ターゲットが性別や学歴などの属性で絞り込んでいくのに対し、ペルソナは架空の人物を想定して、ライフスタイルや考え方、価値観など、詳細なパーソナリティ像をつくり上げていきます。

詳細な人物像を設定しておくことによって、「求職者が求める情報」を発信できるようになります。また、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

差別化に役立つフレームワーク

ここでは、自社の差別化に役立つマーケティングのフレームワークを紹介します。
それぞれを理解して、採用競合の分析に上手く活用してください。

3C分析

「Customer（市場・顧客）」「Competition（競合）」「Company（自社）」の頭文字をとった、マーケティングにおける基本のフレームワークです。

ターゲットとなる求職者について分析し、採用競合と比較して自社の優れている点や弱みを理解して、求職者目線で求人内容を分析し、改善点を見出すことができるようになります。

4P分析

4P分析は、もともと「Product（商品）」「price（価格）」「Place（流通）」「Promotion（販売促進）」の頭文字を取った自社の商品やサービスについて分析する方法ですが、採用戦略に応用することもできます。

Productでは求職者へ伝える自社の強み、Priceでは就職活動のコスト（費用や時間的工数など）、Placeでは説明会や面接会、Promotionでは求人サイトや採用メディアなど、採用活動で使うツールについて考えて、戦略をどう進めるべきかを決めていきましょう。

SWOT分析

自社の「Strength（強み）」「Weakness（弱み）」「Opportunity（機会）」「Threat(脅威)」を理解するためのフレームワークです。

SWOT分析によって自社を取り巻く環境から強みや機会を知っておくと、自社をどのようにアピールすべきかが見えてきます。

逆に自社の「弱み」や外部の脅威について理解することで、採用活動にあたり注意すべき点やリスクを予測できるようになります。

求職者のニーズに合わせた差別化を進めよう

採用活動で他社と差別化を図るためには、採用競合を把握して、その競合がどんな強みを持ち、どんなPRを行っているかを知り、どの部分なら自社が優位に立てるか「勝ちポイント」を知っておくことが重要です。

採用競合との差別化は、自社が求職者のニーズに応えられることを明確にすることが大切。それが選ばれる理由や応募するきっかけにつながります。

ターゲットのニーズに沿った差別化で、自社ならではの採用活動を進めていきましょう。

貴社ではたらく魅力をメディアにして伝えませんか

当メディア「キャククル」を運営するZenkenでは、これまでに120業種を超えるクライアントのWebマーケティングを支援してまいりました。

8,000件以上のWebサイト運用実績もあり、ノウハウを活かした市場分析や競合分析といった各種分析と、それに基づいたクライアントならではの戦略提案を得意としています。

採用分野においてもWebを通じての採用促進や、採用ブランディングなど、クライアントの仕事の魅力や企業の強みが伝わるメディアを形にしてきました。

制作メディア事例：歯科医・歯科衛生士に向けた採用メディア

歯科で働く方が抱える悩みに寄り添いながら、やりがいを持って働ける歯科医院の環境を、イラストや写真、データ、スタッフさんの生の声などを用いながらリアルに伝えるメディアを制作いたしました。

採用競合が持っていない、自社ならではの求人経路を持つ

Zenkenでは、競合などの分析やヒアリングさせていただいた情報をもとに、貴社が求職者に伝えたいメッセージ、貴社のはたらきやすさが伝わるメディアを制作いたします。

貴社ならではの採用メディアを持つことは、ミスマッチを防ぐだけでなく、採用競合とは差別化された求人経路をつくることが可能です。

弊社ではこのようなメディアを「ブランディングメディア」と銘打ちご提案しております。採用向けメディアの制作にご興味がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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