【3分で理解】リクルートの経営・マーケティング戦略とは

【3分で理解】リクルートの経営・マーケティング戦略とは
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創業当初、大学生向けの就職情報誌で知名度を上げたリクルートホールディングス(以下リクルート)。
その後、転職・アルバイト情報、不動産情報や旅行情報、美容情報、中古車情報などの分野へ事業を拡大しつつ、1990年代には情報誌をITメディアへと転換した企業として知られています。

リクルートが目指すのは、どのような経営方針や事業領域の拡大なのでしょうか。この記事では、リクルートの経営戦略・マーケティング戦略について解説しています。

また、この記事と合わせて、自社がどのような経営戦略・マーケティング戦略を打ち出すべきかがわかる「市場分析シート」を無料でご提供しています。自社の強みを活かした戦略を立てみたいと思っている方は、ぜひダウンロードしてみてください。

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リクルートの経営戦略のポイント

クラフト紙にPOINTの文字

リクルートが行うビジネスは、就職や進学、住宅、ヘアサロン、レストランなど、必要な情報を求める個人のユーザーと店舗や企業(クライアント)が出会う場を作る、独自の「リボンモデル」が基本となっています。

デジタル化にいち早く着手

リクルートが創業当初から行っていたのは、情報誌による個人と企業とのマッチングです。その後、テクノロジーを取り入れた業務の迅速化・効率化を目指して、導入が珍しかった1980年代から積極的にコンピューターを導入。

ユーザーと企業の双方に利便性を提供することを目指し、情報のデジタル化にいち早く目を向けて推進してきました。これは「より速く、シンプルに、もっと身近に誰もが最適なマッチングに出会える」というリクルートの理念のもとに行われてきたこと。

インターネット、モバイルでの情報提供を経て、現在ではクラウドを活用したSaaSソリューションを拡大し続けています。

M&A戦略でHRビジネスを強化

リクルートは、2000年代からグローバル市場にも着目しています。HR(Human Resource=人材)ビジネスでの市場シェアの獲得を目指して、海外の人材派遣事業のM&Aを積極的に実施。

ドイツやイギリスのメディア事業を買収したのち、2012年にはアメリカの求人情報専門の検索エンジン「Indeed」を取得しました。その後、海外の傘下企業にリクルートの経営ノウハウを移植していき、サポート規模の拡大を続けて、現在では世界60か国以上で人材マッチングサービスを展開するまでに至っています。

また、人材領域ではユーザーの求職活動・企業の採用活動を支援するWebメディアの運営も実施。マッチングサービス周辺の基盤を強固なものにしています。

独自のユニット経営

リクルートは、M&Aで取得した海外の企業に、自社の収益の仕組みをノウハウとして提供するマネジメントを行っています。マネージメントを部分的に委ねるためには、独自の方法「ユニット経営」を実施。社内を小さなユニット(組織)に細分化し、ユニット単位で収益を管理させ、自律的な経営を進められるように、権限と責任を譲るというものです。

各ユニットリーダーは、自分が率いるユニットの収益が改善するように注力するようになります。経営に対する当事者意識も高まるため、ユニットそれぞれの生産性が向上するマネジメント方法です。この手法でリクルートは、M&Aで取得した海外企業の企業価値を、買収以前の価値よりも高めることに成功しました。

リクルートの経営戦略まとめ

人材を選んでいる人の写真

少子化や高齢化によって人口が減少し、衰退の一途をたどると言われる国内の人材事業。リクルートが世界の人材派遣市場に目を向けられたのは、いち早く事業のデジタル化の重要性に気づき、テクノロジーの積極的な導入を推進してきたからと言えるのではないでしょうか。

買収した海外企業に対し明確なビジョンを持って独自の経営ノウハウを移植することで、大規模なグローバル市場のシェアを一気に獲得することに成功しています。

経営戦略を成功させるには、競合他社ち提供価値と見込み顧客のニーズを把握したうえで、競合にはない自社ならではの強みを土台した戦略を打ち出すのが重要です。リクルートのように自社の強みを「独自資源」にすることができれば、価格競争などを恐れず安定的に売り上げが伸ばせるでしょう。

経営戦略の立て方や成功事例、役に立つフレームワークなどについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページもご覧ください。

経営戦略の立て方や
役立つフレームワークを紹介

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