【3分で理解】ディズニーの経営・マーケティング戦略とは
最終更新日:2024年04月19日
子供から大人まで、多くの人を魅了してやまないディズニーの世界。創業者ウォルト・ディズニーの「町を作りたい」という遺志を受け継いだテーマパークが世界5カ国・国6カ所に建設され、日本にある「東京ディズニーリゾート」にも毎年多くの人が訪れています。
本記事では、ディズニーが手がける数々の事業の中から、東京ディズニーリゾートに焦点を当てて、その経営戦略について考察しました。
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ディズニーの経営戦略のポイント
東京ディズニーリゾートでは商材(ブランド)、従業員、顧客それぞれの持つ力が存分に発揮される、巧みな戦略のもとに経営が行われています。戦略のポイントを見ていきましょう。
非日常の空間づくり
「夢の魔法の王国」をコンセプトにしたディズニーの世界観。入園してすぐにアメリカの古い街を模した建物が並び、まるで映画の世界に入ったような雰囲気です。
目に入る建物だけでなく、音楽や効果音など五感で感じる演出が作りこまれています。その結果、ゲスト(顧客)は「映画を観ている人」ではなく、「映画の中に入って参加する人」になって時間を過ごしてくれます。
このような「非日常の空間」が、映画やコンテンツを目で観るよりも心に深く印象を刻み、没頭させる効果を生み出しているのです。入園してすぐにゲストの気持ちを高める空間演出は、購買や行動意欲の増加にもつながっていると言えるでしょう。
グッズや飲食で収益を拡大
「遊んで、食べて、買い物をする」— 限られたパーク内でこれらレジャーすべてを体験できる点も、ディズニーの経営戦略のひとつです。
また、ディズニーに隣接した「ホテルミラコスタ」や「ディズニーアンバサダーホテル」では、ディズニーの世界はそのままにリゾートや食事を楽しめるようになっています。ホテルや外食施設による顧客の囲い込みも、しっかりと収益拡大につながっているビジネスモデルです。
人材育成への注力
キャスト(従業員)の気持ちの良い応対ぶりが話題となることも多い東京ディズニーランド。これは、運営会社であるオリエンタルランドが、キャストの人材育成に特に力を入れているからです。
アルバイトを含め、従業員は入社したらディズニーの基本理念をはじめ、身だしなみや言葉遣いといった「キャストの心構え」をオリエンテーションで1日半をかけて教わります。その後、各部署で3~4日かけて実地トレーニングを受けてはじめてゲストの前に立てるようになるとのこと。
「ディズニーパーク内のあらゆるものがショーであり、毎日がショーの初演」という考えを徹底して教え込み、裏方で働く人も表舞台に立たせることで、キャストたちは率先して自分の役割を果たそうと責任ある行動をとるようになります。
パーク入園から帰路につくまでゲストに良い印象を持ってもらい、「また来たい」と思えるパークづくりを徹底して行っていることが分かります。
他者・他社によるプロモーション
費用をかけて広告をしなくてもゲストや他の企業がプロモーションをしてくれる仕組みは、ディズニーの独自とも言えるマーケティング戦略です。
パーク内では、ぬいぐるみなどのキャラクターグッズを持ったゲストが、自然な形で他のゲストにグッズの魅力を告知してくれます。さらに、パーク外に出たゲストがお土産や思い出話で他の人に自然とプロモーションをしてくれる効果も生み出しているのです。
また、ディズニーは、ディズニー関連のアイテム製造・販売を「ライセンス契約」によって他社に委託しています。つまり、他の企業は自社のために商品を作っていますが、販売されるアイテムはディズニーブランドのもの。
顧客は、日常生活の中でディズニーアイテムを目にするたびに「東京ディズニーリゾート」を思い浮かべます。ディズニーがコストをかけずとも、至るところでプロモーションが行われているのです。
ディズニーの経営戦略まとめ
ディズニーは、ブランドイメージを高めてそれをテーマパークの演出・スタッフの教育などに落とし込み、そこからさまざまな事業収益を得ていることが分かりました。
自社独自のブランドとは何か、ブランディングを確立するにはどうすれば良いかを考えることが、収益を生み出すビジネスモデルの発見につながるかもしれません。
マーケティング施策を打ち出しても反響がない場合は、一度原点に戻って、自社ならではの魅力・独自資源、競合との違い、顧客のニーズを分析しましょう。自社の強みと顧客のニーズに合った戦略を策定することができれば、経営戦略・マーケティング戦略も成功するはずです。
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