シマノの経営戦略・マーケティング戦略のポイントを分析
最終更新日:2022年06月09日
自転車業界のインテルと言われるほど、自転車部品の供給になくてはならない企業である「シマノ」。世界最大シェアを誇るといわれ、創業から100年を超えました。
世界的に大成功したシマノはどのような戦略を行ってきたのでしょうか。
この記事では自転車部品業界の重鎮としてその名が広く知られる、シマノの経営戦略・マーケティング戦略について解説いたします。
シマノの経営戦略・マーケティング戦略のポイントを解説
シマノは自転車部品の他にも釣具の製造・販売企業としても名が知られています。
精巧かつ高品質な製品をつくりあげるシマノの戦略には以下のような特徴があります。
- ニッチ分野に特化させた経営戦略・マーケティング戦略
- コンポーネントという概念に着目した経営戦略・マーケティング戦略
ニッチ分野に特化
シマノは広く名が知られている企業ではありますが、非常にニッチな分野に特化した企業でもあります。
売上の8割を柱となる自転車部品の製造販売が占め、残りの2割は釣具用品の製造販売となっています。
どちらも精巧かつ優れた技術力を必要とする製品ですが、シマノは自社の高い技術力を活かして、高品質の製品をつくり続けてきました。
結果としてシェアを伸ばし、圧倒的に高品質な製品がすでに存在する市場となったため、他の企業が参入しにくい状態になっています。
当該分野ではオンリーワン的な存在となり、他にライバルが存在しない一人勝ちの状態をつくりだせたのです。
他社にはない自社だけの強みを理解し、その分野に特化した技術力を伸ばすことに専念したことが、躍進につながっています。
コンポーネントという概念に着目
コンポーネントは「構成要素の部品群」を指す言葉で、シマノが行った施策がいわゆる「セット販売」です。
シマノが手掛けている自転車部品の中でも、特にフリーホイールや変速機などギア関係を得意としていますが、これらをバラバラに販売しても他社製品との互換性の問題から、売れ行きは伸び悩みます。
しかしこの駆動系の部品を一式セットで販売することにより、シマノの部品だけで事足りるという状態をつくりだしました。
この施策によりユーザーとしても互換性の問題が解消され、高いパフォーマンスを発揮するためにシマノの自転車部品一式を使用したほうがよいという選択肢が定着したのです。
フリーペーパーをオウンドメディア化してWebマーケティングも強化
シマノはオウンドメディア戦略にも力を入れています。それまで「Cyclingood」というフリーペーパーで発信していた情報にプラスして、Webサイトでの発信も開始しました。
紙媒体でゆっくり読んでもらいたいという思いがある一方で、Webだとアクセス状況などを分析することによって、より深掘りした情報をユーザーへ提供できると語っています。
またユーザーの情報を蓄積できるという利点があるのもオウンドメディアの特徴のひとつです。
「ユーザーがしっかりコンテンツを読んでくれているのか」「読んでくれているとすればどのような分野に興味があるのか」といった情報を分析し、さらに興味をひく発信ができるように活用しています。
この記事のまとめ
自転車部品というニッチな分野でありながら、「品質」という当たり前に求められているものを突き詰めた結果、圧倒的なシェアを獲得し、自転車業界のインテルと呼ばれるまでに成長しました。
さらにユーザーの課題を解決し、売上向上にもつながる「部品群を一式にして販売する戦略」によって、シマノを選ぶことがユーザーにとってベストな選択肢になりました。
またオウンドメディアなどのWebマーケティングを行い、潜在的なユーザーの集客を行うとともに、自転車業界を盛り上げています。
〇〇といえば自社、を確立するマーケティング戦略
競合他社と差別化し、特定のユーザーニーズに対して「ベストな選択は自社」と伝えることは、ある市場においてナンバーワンを目指す上で重要です。
そのためにはどの市場セグメントなら自社の強みや優位性を示せるかという分析と、その強みを伝えるマーケティング戦略になります。
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