インナーブランディングとアウターブランディングの違いや重要性を解説
最終更新日:2024年03月21日
企業独自の付加価値を創造するブランディング。ブランディングには、大きく分けて「インナーブランディング」と「アウターブランディング」の2つがあるのをご存じでしょうか。
ここでは、インナーブランディングとアウターブランディングについて、基礎知識や効果・メリットについて解説しながら、双方の違いや重要性について説明していきます。
また、下記のページにはブランド戦略やブランディングの基礎情報をまとめている資料も用意しております。この記事と合わせて、ぜひこちらもぜひお役立てください。
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インナーブランディングとは?
インナーブランディングとは、企業が自社の従業員に向けて行うブランディングです。自社の従業員に会社のビジョンや経営理念を理解してもらい、社内に浸透させる活動全体を指します。
企業が成果を上げて成長し続けるためには、顧客に対するサービス向上はもちろん、志の高い従業員を育てることも大切です。
自社の理念や価値観を共有できれば、全員が高みを目指して同じ方向へと進んでくれるので、企業が掲げた目標も達成しやすくなります。
顧客にサービスを提供するのは従業員です。従業員全員が自社の価値を正しく理解できていることは、その企業の「強み」にもなります。また、社外のステークホルダーに対してもインナーブランディングの効果が生きてくるでしょう。
その強みによって成果を上げられるようになれば、従業員のモチベーション維持にもつながり、定着率が高まります。このように、インナーブランディングによって経営に良いサイクルを回すことが可能です。
インナーブランディングの効果
組織のパフォーマンスが向上する
従業員全体の自社に対するイメージが向上し、部署内や現場のチームワークが強化されます。目標達成のために、常に全員が一体となり取り組めるようになるでしょう。
また、インナーブランディングを行うと、従業員1人ひとりが自社やチームの課題を自分ごととして捉えられるようになります。課題解決に自然と注力するようになるため、組織全体の業務が効率化されます。組織全体のパフォーマンス向上を目指したい際にも効果的です。
会社への忠誠心や愛着度が高まる
従業員1人ひとりが「自分が勤める会社には価値がある」と感じると、自社に対するロイヤリティやエンゲージメントが向上します。企業と社員の信頼関係を強く結びつけられるのも、インナーブランディングの効果のひとつです。
人材の定着率が高まる
最近では、就職から定年を迎えるまで同じ企業で働く「終身雇用」を廃止する企業の割合が増えてきました。より良い環境を求めて転職する、不満があればすぐに退職して次の雇用先を探す、といったことが当たり前となっています。
企業へ対する理解を深めれば、従業員がすぐに退職してしまうのを防げるほか、良い人材を確保することにもつながります。
関連記事:インナーブランディングとは?浸透手法や成功事例まとめ
インナーブランディングの手法
方法 | 内容 |
---|---|
社内報 | 経営者や役職者の声や従業員の仕事内容を社内発信する |
社員向けサイト | 企業理念や行動指針をWebサイトを通じて社内に浸透させる |
クレド | 従業員が持つべき信条や行動指針を示す |
社内報
社員・従業員に対して企業のブランドメッセージを伝えるほか、会社内の最新情報を定期的に発信するのが社内報です。経営者の想いをメッセージにするほか、いろいろな部署で働く従業員の仕事内容を発信すれば、相互理解が深まりやすくなります。
これまでは紙媒体だった社内報も最近ではWeb版へ移行しつつあり、社内のポータルサイトと一緒にされることもあります。
社員向けサイト
自社の従業員に向けて企業情報を提供する、公式サイトとは別のWebサイトです。従業員が常に意識すべき企業理念や行動指針が記載されていて、社内報の役割を持つサイトやポータルサイトと一元的に扱われることもあります。
掲示板機能がついたサイトなら、社員同士がコミュニケーションをとるためのツールとしても最適です。
クレド
クレドとは、従業員が持つべき信条や行動指針です。創業者の想いやコンセプトをあらわした「企業理念」とは少し異なるもので、語源となっているラテン語では、「志(こころざし)」や「信条」といった意味合いがあります。
クレドは、あくまでも自社の従業員に持っていてほしい考え方や行動が示されています。また、クレドが書かれたカードを配布することで、いつでも目に留めてもらえる、企業全体に浸透しやすいメリットがあります。
アウターブランディングとは?
アウターブランディングとは、顧客やパートナー(取引先)、消費者などの社外に向けて自社ブランドを訴求すること。「エクスターナルブランディング」とも呼ばれます。
企業の目指すべき姿や考え方を掲げつつ、商品(サービス)のコンセプトを明確にしてユーザーに発信し、理解度や浸透度を高めて自社のファンを増やしていきます。
ブランドロゴやパッケージデザイン、キャッチコピーの作成、ブランドに見合った価格設定などもアウターブランディングに含まれます。社外からのイメージはもちろん、収益なども左右されることがあるため、どんな方法でアピールしていくかが重要になります。
「〇〇といえばこの企業」というブランドイメージを持たれることは、それだけで顧客に自社や商品・サービスを見つけてもらったり興味を持ってもらったりする機会を得られるということです。
長く愛される企業、商品・サービスに成長するためにも、アウターブランディングは不可欠と言えるでしょう。
アウターブランディングの効果
企業やブランドイメージが高まる
「スマホ・コンピューターといえばApple」「車と言えばトヨタ」のように、商品やサービスのジャンルを思い浮かべただけで企業やブランドの名前を思い起こす経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
アウターブランディングを行うと、企業やブランドイメージを高めたり、その存在を定着させたりできます。認知度や理解が深まると「Appleのスマホはシンプルで使いやすい」「トヨタの車は燃費が良い」と、さらに具体的なイメージを想起させることもできます。
他社との差別化が図れる
自社の強みをアピールして作り上げたイメージが世の中に浸透すると、ブランディングができていない企業よりも顧客に選んでもらいやすくなります。
また、コンセプトや世界観といった「イメージによる差別化」は、価格面でも有利です。たとえ、他社製品より自社の製品の価格が高かったとしても、そのメッセージやこだわりなどに共感した人が自社を選んでくれる可能性があるのです。
競合と比較して迷った際に「ブランドイメージ」が購入の決め手になることも多いため、ブランディングの確立がいかに大切か分かります。
長期的に見て収益が向上する
アウターブランディングによって世にブランドが定着し、ブランドイメージが競合との差別化ポイントとして強みにできれば、新規顧客の開拓やリピーターの確保が従来よりも容易になります。
その結果的、長期スパンで見て収益を向上させることにつながります。長く愛されるブランドを持つ企業の多くが成長を続けているのも、ブランディングに成功して長期的に収益を伸ばしているからと言えるでしょう。
アウターブランディングの手法
ロゴ・パッケージデザイン
一貫したパッケージデザインやブランドのオリジナルロゴなどでブランドイメージの定着を図れます。また、キャッチコピーをインパクトのあるものに変えるなど、さらに独自のイメージを持たせることで相乗効果も生まれます。
Webへの露出アップ
企業のコーポレートサイトやオウンドメディアなどの社内メディアはもちろん、ポータルサイトやニュースサイトなど、外部のプラットフォームを活用した露出や広告掲載などで、ユーザーの目に触れやすいようにします。
ユーザーニーズや自社のターゲットに合わせて、Web施策を行ったりSNSで拡散効果を狙ったりと、ただ情報を露出させるだけでなくネット上で自社を見つけてもらいやすくするような工夫も大切です。
イベント・展示会への出展
イベントや展示会への出展は、これまで接触のなかった新しい顧客やと出会える機会です。また、市場ではうまくアプローチできなかった潜在的な顧客層に対しても、商品やサービスを対面で直接アピールしてブランドの印象を持ってもらうことができます。
より認知度を高めたい際には、専門性の高い展示会へ参加すると、ターゲットが絞られた状態で訪れるため興味や関心を引いてもらいやすくなります。
関連記事:アウターブランディングの事例・戦略・施策のポイントまとめ
自社ならではの価値をブランディングに取り入れよう
インナーブランディング、アウターブランディングともに、ブランディング活動を行えば、企業が成長する上で欠かせない効果を得られることが分かりました。
企業名やブランド名はもちろん、ブランドイメージだけで商品やサービスを想起してもらえるようになると、価格競争からの脱却や競合との大きな差別化ポイントにつながります。
自社の「独自の価値」を従業員に深く理解してもらい、それを「強み」にして社外へ働きかけてブランドを高めていく。2つのブランディングを上手く実施して、ぜひ経営に良いサイクルを回していきましょう。
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関連記事:ブランディング戦略の立て方と成功事例・失敗事例を解説
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