BtoBビジネスで顧客分析が重要な理由と分析する際に意識したいポイント
公開日:2022年05月11日
BtoB業界における顧客分析の重要性
BtoBビジネスにおける顧客分析では、既存客の特徴や購買行動を分析することです。具体的には既存客の中から自社にとって理想的な顧客を選出して、他の顧客との共通点を洗い出していきます。見つかった共通点をもとに明確なターゲット像を作りあげることで、営業・マーケティング活動の効率アップが図れます。
BtoBビジネスで顧客分析が重要と考えられている主な理由は、企業が営業やマーケティングに欠けられるリソースが限られているからです。受注確度の低い見込み客までターゲットとして営業・マーケティング活動を行うとリターンが少なくなり、リソースの無駄遣いが発生してしまいます。
営業やマーケティング活動の効率を高めるためには、ターゲットを絞り込む必要があります。自社にとって理想的な顧客にターゲットを絞り込むため、BtoBビジネスでも顧客分析が重要と考えられているのです。
BtoB業界における顧客分析の手法
顧客分析の手法にはさまざまな選択肢があります。BtoBビジネスに特に向いていると考えられているのが「パイプライン分析」と「定性情報分析」です。それぞれの概要を説明します。
パイプライン分析
パイプライン分析は、自社の営業プロセスを時系列に沿って並べて分析する手法です。つまり「パイプライン」は自社の営業プロセスの流れを指します。一般的な営業プロセスは次の通りです。
- 問い合わせ
- 初回営業
- 見積もりの提示
- クロージング
- 契約締結
- アフターフォロー
- リピート注文
パイプライン分析では、各プロセスにおける顧客数などのデータを定量的に分析します。数字が悪化している点が、現在のボトルネックと考えられます。各営業プロセスの現状を把握したいときや施策の精度を検証したいときに役立つ分析手法です。
定性情報分析
定性分析は、数値化できないデータを用いる分析手法です。BtoBビジネスにおける定性分析は、数値化できないものの売上などに深くかかわるデータを用いる分析手法といえるでしょう。
数値化できないデータの例として、業種、業界、現在の課題、担当者の部署・役職、キーパーソンの部署・役職、予算取りの時期などがあげられます。複数のデータを組み合わせることで、自社にとって理想的な顧客を見つけやすくなります。
また商品を利用した感想や顧客の行動なども数値化できないデータとしてあげられます。感想や行動などは、わずかなデータでも質の高い分析を行える可能性があります。ただし数値化できないため、都合よく解釈してしまう恐れもあります。定量分析を併用するなど、客観的な視点を忘れないことが重要です。
BtoB業界における顧客分析の重要な要素
漠然と顧客分析を行っても、売上拡大にはつながりません。ここでは、BtoBビジネスで顧客分析を行う際に意識したいポイントを紹介します。
顧客・商品・営業活動の分析
顧客だけに焦点をあてて顧客分析を進めることはおすすめできません。どのような顧客が、どのようなタイミングで、どのような商品を、どのような営業活動で購入したかわからないと、BtoBマーケティングには活かせないからです。
したがって商品・営業活動などを含めた多角的な視点で顧客分析を進める必要があります。多角的に分析を進めることで、自社にとって理想的な顧客や自社が抱えている問題点、顧客や商品に合わせた効果的なマーケティング手法などが見えてきます。
改善策を立案してPDCAサイクルを回す
顧客分析を行って結果を基に施策を打ち出しても、売上が伸びる保証はありません。大きな変化を実感できないケースのほうが多いでしょう。変化を実感できないときは、何かしらの原因が潜んでいると考えられます。例えば理想的な顧客の設定を誤っている、顧客の真のニーズを把握しきれていないなどが考えられます。
顧客分析は無意味と判断する前に、改善策を立案して実行することが重要です。実行後は、再び施策を検証してさらなる改善策を立案・実行します。つまりPDCAサイクルを回すのです。PDCAサイクルを回すことで、顧客分析とBtoBマーケティングの精度は高まります。
顧客データ分析の基盤構築
顧客データを扱う技術的基盤を整備しておくことも重要です。一般的な表計算ソフトを使って顧客データを管理することもできますが、データ量が増えると一般的な表計算ソフトでは対応できなくなります。
データを大量に集めても、分析・活用できなければ意味はありません。技術の進歩により企業が扱えるデータの量は飛躍的に増えています。自社の顧客データを有効活用できる体制を整備しておきましょう。
顧客の属性別で分析
BtoBビジネスの顧客分析は、顧客の属性を活用するとスムーズに進められます。BtoBビジネスの顧客は、企業・部署・個人にわけられます。
企業の属性としてあげられるのが「業種・業界・商品・企業規模・売上高・売上目標・所在地・商圏」、部署の属性としてあげられるのが「営業部・人事部・総務部・マーケティング部・広報部・システム開発部」、個人の属性としてあげられるのが「役職・決済権・決定権」などです。属性をもとに顧客分析を進めると、自社にとって理想的な顧客の共通点を見いだしやすくなります。
顧客分析を行い売り上げが向上した企業の例
こちらでは、顧客分析を成果に繋げた企業の事例を紹介します。自社で打ち出す戦略の参考にしてみてください。
株式会社インボイス
画像引用元:株式会社インボイス 公式サイト(https://www.invoice.ne.jp/)
株式会社インボイスには、表計算ソフトで管理しているデータを有効活用できていないという課題がありました。具体的には営業プロセスの問題点を把握できない点に課題を感じていました。解決策として導入したのは、顧客関係管理・営業支援ツール(CRMツール)です。
導入後は、営業プロセスの可視化が可能になりボトルネックが明らかになりました。現在は、進捗状況に応じたフォローなどを行えるようになっています。
株式会社相模化学金属
画像引用元:株式会社相模化学金属 公式サイト(https://www.sagami-magnet.co.jp/)
株式会社相模化学金属の課題は、地道な営業活動を展開しても売上が伸びない点にありました。状況を改善するため導入したのは、顧客関係管理・営業支援ツールです。データを一元管理することで、情報の共有が進むとともに具体的な分析を行えるようになりました。売れない原因を把握して対策を行った結果、売上が増えました。
株式会社MonotaRO
画像引用元:株式会社MonotaRO 公式サイト(https://corp.monotaro.com/index.html)
株式会社MonotaROは運営しているECサイトと顧客体験プラットフォームを連携させることで、ECサイトを運営する中で蓄積してきた顧客データを活用した顧客分析の精度を高めています。現在では顧客の行動パターンなどを把握できるようになっています。顧客のニーズに合わせてメッセージを発信できるようになったことで、オファーなどへの反応率が上げられています。
株式会社カイエンシステム開発
画像引用元:株式会社カイエンシステム開発 公式サイト(https://caien.co.jp/)
株式会社カイエンシステム開発は、顧客データを活用するタクシー乗車員向けアプリを開発しました。顧客別履歴管理のほか、過去のデータを活用して地図上に需要予測を表示、車両位置と状態把握による最適な車両配置の提案などの機能を搭載しています。優良顧客は優先的に配車依頼できる機能を搭載している点も特徴といえるでしょう。
BtoBビジネスの顧客分析は専門家に相談
既存顧客の特徴や購買行動を分析するのは、BtoBビジネスにおいて営業やマーケティングの効率を上げるために重要な取り組みです。顧客分析を行うことで新規顧客を獲得するためのヒントが得られるほか、既存顧客の満足度や購買頻度を上げるための手がかりも見つけられます。
BtoBの顧客分析のポイントは、分析の結果を商品や営業戦略と照らし合わせて多角的に分析を行うことです。また、(見込み)顧客社内の複雑な意思決定プロセスなど、BtoBビジネスの特徴への配慮も必要です。分析悔過をもとに、成果に繋がる営業・マーケティング戦略を築き上げましょう。
顧客分析は社内で行うことも可能ですが、分析する顧客の数が多いと膨大な時間が必要となるケースもあります。また、データの分析ができても戦略作りがうまく行かない場合もあるでしょう。顧客分析にかかる手間を省き、分析を成果に繋げるためには専門家へ相談することがおすすめです。
キャククル運営元のZenkenでは、今まで120以上の業界で8,000を超えるWebマーケティング実績を上げて参りました。市場とクライアントのターゲット層を分析し、成約に繋がりやすい集客の戦略設計を得意としています。BtoBビジネスの顧客分析サポートはZenkenにご相談ください。