【5分で理解】リブランディングの失敗事例5選。リブランディング失敗に共通する問題点とは
最終更新日:2024年03月23日
この記事では、リブランディングの失敗例を紹介しています。自社でリブランディングを検討している方やブランディング戦略を新しく打ち出したい方は参考にしてみてください。
また、下記のページにはブランド戦略やブランディングの基本的な情報をまとめている資料も用意しております。ブランドの価値構造やブランディングの各ステップを解説していますので、ぜひこの記事と合わせてお役立てください。
※Zenkenが提案する効果的なリブランディングについてはこちら(記事の後半へジャンプ)からでも詳しくご覧いただけます。
リブランディングに失敗する要因と失敗事例
リブランディングとは、市場や消費者の変化に応じて一旦構築されたブランドを再構築することを指します。
リブランディングはこれまで企業が積み上げてきた歴史に新たに価値を加えるために行うものですが、残念ながらうまくいかないケースも少なくありません。
特に近年はSNSなどの発達によって、企業が描くイメージと異なるものが独り歩きしてしまい、ブランディングに悪い影響を与えてしまうこともあります。
この記事では、リブランディングの失敗事例や要因について詳しく見ていきましょう。
Tropicana
1つめの失敗事例は、トロピカーナです。トロピカーナの失敗は、パッケージデザインの変更によるものです。
トロピカーナといえば、みずみずしい果物にストローが直接刺さったパッケージで知られています。このパッケージデザインを2008年に大幅に変更し、コップに注がれたジュースのデザインに変更しました。結果として、この変更は売上高20%の大幅ダウンと失敗に終わります。
このリブランディングの際にユーザーから多く寄せられた意見は「ストアブランドやノーブランドを買っている気持ちになる」というものでした。トロピカーナのジュースは、同業他社の飲料に比べて少し割高ですが、健康志向のユーザーから支持を得ていました。また特徴的なパッケージデザインでトロピカーナを認知している人も少なくありません。
しかし、パッケージデザイン変更によってトロピカーナのブランドイメージである「健康」「新鮮」などのイメージが損なわれてしまったのです。
この失敗は、トロピカーナにユーザーがどんなイメージを持っているのか、どんな価値を求めているのかを十分に把握できていなかったことが要因と言えます。
コカ・コーラ
2つ目の失敗事例はコカ・コーラです。
コカ・コーラは1985年に「ニュー・コーク」として、コカ・コーラの味を変えるというリブランディングを試みましたが、たった3ヶ月で元の味に戻すことになりました。
当時、コカ・コーラはペプシコーラの猛追を受け、業績が丁重な状況にあったことから、味の変更に踏み切りました。もちろん、味の変更にあたっては慎重なマーケティングや味の開発が行われ、従来のコーラよりも美味しいと自信を持って発売したはずです。しかし、それでも見事に失敗に終わりました。
この失敗の要因は、ユーザーがコカ・コーラに求める価値を十分に把握できていなかったことです。99年間の長きにわたって愛されてきたコーラの味は、すでにユーザーにとって重要な価値で、ただ美味しいものを求めているわけではありません。
ユーザーは新しく美味しいものではなく、コーラがコーラであることを求めていたということでしょう。
ドクター・ペッパー
3つ目の事例はアメリカの炭酸飲料メーカーのドクター・ペッパーです。ドクター・ペッパーは、2011年に低カロリーを売りにした「ドクターペッパー・テン」を発売します。
「ドクターペッパー・テン」の発売にあたり、「It’s Not For Women」(女性には向いていません)のキャッチコピーを掲げ、CMやSNSなどで完全に女性を排除した男性限定のマーケティングを展開しました。結果として、ドクター・ペッパーは女性から大きな批判を浴びることになりました。
2011年といえば、すでに性差別排除の意識が溜まっている時代です。特定のグループを排除する取り組みが批判を浴び、リブランディングが失敗に終わるのは当然とも言える結果でしょう。
GAP
4つめの事例は、アメリカのファストファッションブランド「GAP」の事例です。GAPは2010年にロゴのリデザインを発表し、SNS上で大きな批判にさらされました。
結果、GAPは新ロゴをわずか6日間で元のデザインに元に戻し、100億円以上の損失を出すことになりました。
ここでさらにまずかったのが、批判に対してGAPは柔軟な姿勢を示したことです。GAPとしては、ユーザーに寄り添う姿勢を見せたつもりでしょうが、逆に優柔不断な企業という印象を持たれてしまい、さらに状況を悪化させてしまいました。
リブランディングにおいてユーザーのイメージの把握が重要なのと、批判にさらされても背景を説明してやり通す強い意志を持つことの大事さが伝わる事例です。
バーガーキング
最後にご紹介するのは、ハンバーガーショップの「バーガーキング」です。
バーガーキングは2013年に自社のポテトをアピールするマーケティングキャンペーンの一環としてのロゴをフライドポテトに変更し、名前を「フライズキング」に変更することを公式サイトやSNSで突如発表しました。また、ポテトのロゴは店で使われるコップやバーガーキングが販売しているTシャツにも印刷されていました。
しかしこの発表は話題にもならず、失敗に終わります。
バーガーキングの失敗は、同社の主力商品であるハンバーガーをブランドから外し、冗談とも本気とも取れない変更でユーザーを混乱させてしまったことです。仮に話題作りのキャンペーンだったとしても、ユーザーが混乱し反応がないものは失敗です。
リブランディング失敗事例に共通する問題点
ここまでリブランディングの失敗事例について、ご紹介しました。リブランディングに失敗する際には、いくつかの共通する問題点があります。ここでは、リブランディング失敗事例に共通する問題点についてご説明します。
自社ブランドを客観視できていない
1つめの問題点は、自社ブランドを客観視できていないことです。
トロピカーナやコカ・コーラの事例からもわかるように、ユーザーはブランドに対してイメージや求める価値を定義しています。ユーザーが最も価値を感じているブランドイメージやブランド価値を変更するようなリブランディングでは、成功する可能性は低くなるでしょう。
まずは自社ブランドがユーザーにどう認知されているのかを、しっかりと把握したうえでリブランディング手法を検討することが重要です。
自社ブランドの課題を解決できていない
2つめの問題点は自社ブランドの課題を解決できていないことです。
リブランディングを検討する際に重要なのは、自社ブランドに不足しているもの、つまり課題を明確にすることです。
ブランドにおいて守るべきものと変えるものを明確にしておかなければ、上記でご説明した事例のように、ユーザーの期待を裏切ることになり、リブランディングは失敗に終わるでしょう。
長年愛されてきた点を変更してしまう
3つ目の問題点は長年愛されてきた点を変更してしまうことです。
コカ・コーラやGAPの例でもわかるように、ユーザーはブランドに対しある種の愛着を感じ、それ自体がブランド価値となっています。長年愛されてきたものであれば、あるほどその価値は高いと言えるでしょう。ユーザーの愛着を無視するようなリブランディングは、受け入れられず失敗する要因となるでしょう。
一方、企業が「ユーザーに愛されている」と思い込んでいるだけで、リブランディングをしないことで返って認知拡大や売上拡大のチャンスを逃してしまうケースも考えられます。リブランディングを成功させるには、ユーザーに評価されている点とそうでない点をはっきりしたうえでの対応が求められます。
ブランドコンセプトがあいまいである
4つめはブランドコンセプトがあいまいである点です。
バーガーキングの失敗事例にあるように、ブランドとして何を強みとしたいのか、ブランドイメージとして定着させたいのかがよくわからない状態は、ユーザーを混乱させてしまいます。
結果として、ユーザーからの反応は得られず、リブランディングは失敗に終わるでしょう。
リブランディングを行ううえで、それまでに長年使ってきたロゴをガラッと変えたり、頑張って作ってきたコンテンツをバッサリと切り捨てたりする対応が求められる場面もあります。「昔からあるので、新しいものに加えてこれも」というアプローチでは、ブランドに対する理解度が低下しやすいので要注意です。
自社に適した手法を実践していない
最後の共通点は自社に適した手法を実践していないこと。
リブランディングは、自社が長い期間をかけて積み上げてきたブランドイメージのうえで、新たなイメージを積み重ねることです。先進的なものやおしゃれなものであっても、ユーザーが抱くイメージや伝わり方によっては、思い通りの結果は得られません。
例えば、GAPのロゴ変更はユーザーに受け入れられず失敗に終わりましたが、逆にスターバックスのように時代とともにロゴデザインを変更し、受け入れられているものもあります。
つまり、どのようなリブランディングをするかだけでなく、リブランディングを通じてユーザーに対してどのメッセージを伝えるかが重要です。
効果的なリブランディングはユーザー目線が重要
今回の記事では、リブランディングの失敗事例と、失敗事例に共通する問題点について詳しく解説しました。
リブランディングにおいては、ユーザーが自社に抱く既存のブランドイメージを正しく把握したうえで、新たな価値をブランドに付加することが重要です。
リブランディングの内容がユーザーが抱えているイメージとあまりにもずれていると、今回の失敗事例のように大きく信頼を損なってしまう可能性もあります。また、リブランディングにかけた多くの費用も無駄になってしまいます。
リブランディングと聞くとロゴやデザインのリニューアルが思い浮かびやすいです。製品の説明に使う言葉を変えたり新しいブランドイメージの土台となるランディングページを1枚作ったりなど、もっと地道な方法もあります。リブランディングを行う前にはユーザー調査やマーケット調査などを行い、自社の成果に繋がる戦略を考えましょう。
なお、「リブランディングをしたいが、どこから始めればいいのかわからない」「戦略を考えたが、果たしてこの方針で良いのかわからない」という場合は、外部のプロに相談してみることをおすすめします。費用はかかりますが、リブランディングが一発で成功すれば、そのリターンも大きくなるでしょう。
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キャククル運営元のZenkenでは、これまで120以上の業種で8,000のWeb制作実績を上げて参りました。得意としているのは、クライアントとクライアントならではの強みを求めるユーザーをマッチさせる戦略づくりです。提供サービスの一つには、ブランドイメージ強化を目的とする「ブランディングメディア」の構築もございます。
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