競合他社の潰し方とは?自社が勝ち抜く戦略の立て方
最終更新日:2024年04月24日
ビジネスを行ううえで競合他社との競争は避けられません。「どうにか競合を潰せないものか…」と攻撃的に考えてしまうこともあります。
ただ「潰す」といっても、真正面から殴り合うような戦い方では自社も疲弊してしまいます。そこでこの記事では賢く競合他社を出し抜き、自社が勝つための考え方や戦略のヒントを紹介。
潰す選択肢以外にも、自社と競合他社の立ち位置を切り分けるポジショニング戦略と呼ばれる施策も検討すると良いでしょう。
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競合他社とは
競合他社とはビジネスにおける競争相手のことで、同じ市場で顧客を取り合うライバルです。
自社と同様の商材を扱う企業だけでなく、自社がターゲットとする顧客のニーズに対して別のアプローチから商材を訴求する企業まで含まれます。
競合他社は大きく以下の2つに分けることが可能です。
- 直接的競合他社:自社と同様の商材を取り扱う企業のこと
- 間接的競合他社:商材は異なるが、ターゲットとする顧客が共通する企業のこと
直接的競合他社の代表的な例は、自社とビジネスモデルや規模が似ているベンチマーク企業です。経営戦略や業績を比較する際の指標となるため、イメージしやすいでしょう。
またビジネスモデルや規模にかかわらず、自社と同様の製品・サービスを展開する企業はすべて直接的他社に含まれます。
これに対して、間接的競合他社は取り扱う商材が異なっており、ターゲットとする顧客のみ共通しているのが特徴です。
例えば、提供の早さを売りにするハンバーガーショップの間接的競合他社としては、同じファストフード業界に存在する牛丼屋やセルフ方式のうどん屋などでしょう。
商材は異なっていますが、満たそうとしている顧客のニーズは共通しています。
競合他社に対してどのような経営戦略を立てるべきかを考える前に、競合と考えている企業を明確にすること、あわせて想定していなかったが実は競合だったという企業がないかを整理してみましょう。
競合他社の潰し方・倒し方の戦略
競合他社の潰し方としてまず考えられるのは、価格戦略や同質化戦略です。
価格戦略ではその名のとおり、競合他社よりも低価格で製品・サービスを展開します。
同質化戦略では、競合他社が新たな製品やサービスを世の中に送りだした際に、すぐさま同じ商材を投入する戦略です。
中小企業が展開した新商品のコピーを、大企業が市場に投入する戦略をよく見かけるでしょう。
これらはランチェスター戦略における強者の戦い方であり、弱者である企業が真似できるものではありません。このような戦略では消耗戦になり、資金や人材の数で劣る中小零細企業にとっては厳しい戦いとなってしまいます。
弱者が強者である競合他社に打ち勝つには、真正面から戦わずに市場やターゲットを巧みにズラして経営戦略を実行することが重要です。
弱者が強者に打ち勝つ手法として、以下3つの経営戦略は必ず理解しておきましょう。
- 差別化戦略
- ニッチ戦略
- セグメンテーション
まずは上記3つの戦略に取り組み、特定の市場でNo.1を目指す必要があります。小さな実績をひとつずつつくって、競合に打ち勝てる製品・サービスを作り上げていきましょう。
差別化戦略
差別化戦略では、競合にはない自社独自の価値を提供できている状態を目指します。
この戦略では価格以外の部分に際立った特徴を持たせるため、打ち出したオリジナリティ次第で弱者が強者に勝てるのがメリットです。商品やサービスの価格を下げずにビジネスを行うため、激しい価格競争に巻き込まれる心配もありません。
他社との明らかな特異性を創出できれば市場で優位な立場となり、価格が高くても価値を感じて購入してもらえるようになります。
差別化戦略に成功した例としては、大手ハンバーガーチェーンのモスバーガーが挙げられます。
モスバーガーでは、マクドナルドやロッテリアほどのプロモーションを行っていません。しかし、しっかりと顧客を獲得しており、No.2のポジションを守りつづけています。
その理由は、提供の早さや利便性を売りとするマクドナルドやロッテリアとは異なり、国産素材や美味しさを追求し差別化したことです。
ファストフードではなくハンバーガーレストランというポジションを取ったことで、競合他社との差別化に成功しています。
ニッチ戦略
ニッチ戦略では他社との競争が発生しないスキマ市場を狙ってビジネスを展開していきます。そもそもライバルが存在しない市場に参入するため、戦わずして勝てるのがニッチ戦略の特徴です。
自社だけのオリジナリティを出すなどの差別化も必要なく、長期的にビジネスを維持できます。
ニッチ戦略では市場のシェアを独占しやすいため、高い収益性を見込めるのがメリットです。多くの顧客を獲得できれば販売数が増え、利益の上昇も見込めます。
ニッチ戦略で業績を伸ばした企業の例は、世界的に有名な自動車メーカーのフェラーリ社です。
フェラーリ社では日本のトヨタや日産のように、自動車の量産を行いません。生産・供給量をコントロールすることで希少価値を創り出し、高級スポーツカーという市場を独占しています。
巨大な自動車市場において、限定生産というスキマ市場を上手く創出した例です。どのスキマ市場に目をつけるかで、弱者でも強者に勝てる可能性が高まります。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、自社が狙う市場を顧客のニーズや性質ごとに分類する手法です。
特定の市場において、どの顧客のニーズを満たすかによって競合となる企業が異なります。競合他社が強すぎると厳しい競争は避けられないため、自社が勝てる市場を見極めなければなりません。
セグメンテーションが必要な理由は、時代に合わせて多様化してきた顧客のニーズに応えるためです。従来のマーケティングのように、年齢や性別で顧客を分類するだけでは多様化したニーズに対応しきれません。
より細分化された顧客のニーズを満たすことで、利益を最大化するという考え方が重要です。
セグメンテーションを成功させた事例としてユニクロの戦略を紹介しましょう。
ユニクロではファッション業界を以下4つのセグメンテーションに分けました。
- カジュアル
- フォーマル
- トレンド
- ベーシック
上記4つからベーシック・カジュアル市場を創り出し、顧客の「気軽に着られて長持ちする服が欲しい」というニーズを上手く満たしています。
競合を分析し自社独自の武器を明確にしよう
長期的なビジネスでは競合分析を徹底的に行い、自社独自の強みを明確にしなければなりません。そこで必要となるのがUSPという考え方です。
USPはUnique Selling Propositionの略で、日本語では自社の商品やサービスが持つ独自の強みのことを表します。単なる強みではなく「顧客に対して自社が提供できる価値」のことです。
USPは1960年代に、アメリカのコピーライターであるロッサー・リーブスにより提唱されました。定義が誕生してから60年ほど経っていますが、現在でもマーケティング戦略の考え方として広く活用されています。
自社のUSPを考える際には、以下3つの基準に従うことが大切です。
- 広告は顧客への提案であること
- 提案に独自性があること
- 提案が強力であること
USPは自社ならではの強みではなく、自社だからこそ提供できる価値です。そのため、他社には提供できない価値を分析して、顧客に対し上手く訴求する必要があります。
顧客が自社だけの魅力を感じてくれれば、製品やサービスに対して自然と興味・関心を持ってくれるでしょう。
またUSPにおいて顧客への提案は、強力なものでなければなりません。伝える内容は同じでも、顧客の興味・関心を強く惹きつける提案を考えることが大切です。
独自の強みを伝える方法
自社の強みと相性の良いユーザーに効率良くアプローチをかけるには、自社が狙うべき市場を分析してターゲットを明確に定めなければなりません。顧客のニーズを徹底的に理解して、自社が解決するべき課題を設定してください。
その後は情報発信を通じて自社の独自性を伝え、製品やサービスのファンを獲得することが大切です。
Webを活用して独自の強みをターゲットユーザーに伝える方法としては、以下の3つが考えられます。
- リスティング広告
- SNS運用
- コンテンツマーケティング
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果に連動して表示させる広告のことです。特定のキーワードに対して広告を表示するため、ニッチなキーワードを狙えば親和性の高いユーザーにアプローチできます。
企業のブランディングを実施したい場合は、SNSを運用するのが有効です。SNSではいいねやリツイートなどでユーザー同士の共感を獲得でき、アカウントのコンセプトが明確、かつ求めるユーザーがいれば認知度の拡大にもつながるでしょう。
近年は検索エンジンよりもSNSで情報収集を行うユーザーも増えています。検索エンジンからの流入に頼るだけでなく、SNS運用にも力を入れておかなければなりません。
またオウンドメディアや自社HPでのブログ運用なども、自社の独自性を伝えるためには必要な手段です。
ターゲットユーザーが知りたい情報や解決したい課題についての有益なコンテンツを発信することで、答えや解決手段を求めるユーザーの流入が見込めます。
自社のサイトやメディアであれば発信できる内容の自由度が高く、相性の良いユーザーを効率良く獲得できるでしょう。
自社の独自性を顧客に伝えるには、ひとつの方法に絞るのではなく複合的に施策を実施することが大切です。
【必読】実は間違いだらけ!最終成果に繋がるWebマーケティングの考え方
上記では「リスティング広告」「SNS運用」「コンテンツマーケティング」といったWebマーケティング施策を紹介していますが、実はこの考え方には落とし穴があります。
というのも、SEO施策や各広告施策はあくまでも手段になります。これをやれば必ず成果に繋がるものではありません。
では、どうすれば成果に繋がるかというと、この施策の前段階として、
自社の商品やサービスは誰にとってナンバー1なのか
を考え、その市場を作り上げることに成功の秘訣があります。
私たちが普段商品を購入するときも、無意識に何かしらの条件でナンバー1の商品を選んでいます。
家電であれば、価格が安いもの、性能がいいもの、新しいモデルのものなど、ある条件の中でナンバー1の商品を選んでいる経験は誰もがあるのではないでしょうか。
大切なのは、どんなニーズを持っているユーザーに対してのナンバー1かを明確にすることです。
- 費用を押さえたい…ビルメンテナンス費の安さナンバー1の企業
- 清掃の質で選びたい…最新清掃技術ナンバー1の企業
- スポットで利用したい…最短依頼ナンバー1の企業
このように、誰のためのどんな要望においてナンバー1なのかをブランディングして他社と差別化を図ることで、自社にマッチした顧客だけを獲得することができます。
これは、ニッチトップマーケティングという考え方に基づいた戦略となります。
ニッチトップマーケティングとは
自社の強みがあり、ニッチな市場で他の企業が追随できないシェアを独占していく戦略のこと。
ニッチとはもともと生物学用語。地球上の生物や植物は生息する環境の中でナンバー2やナンバー3になると生き残ることはできず、ナンバー1になる必要があります。
ナンバー1になり生き残るためには、生きる環境(市場)を変えたり、自分が変化したりすることでナンバー1を築く必要があり、この考えを基にしたマーケティング手法がニッチトップマーケティングです。
当メディア「キャククル」の運営元のZenken株式会社では、このニッチトップマーケティングを取り入れた「WEBマーケティング支援」で120業種以上の支援実績があります。
「自社も誰かのナンバー1になれるかな?」とお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事のまとめ
自社の製品・サービスが市場で生き残るためには、競合他社を潰すための局地戦的な戦い方だけを行ってはいけません。競合他社に勝てたとしても、知らないうちに自社もダメージを受けてしまいます。
差別化戦略やニッチ戦略などを取り入れ、まずは自社が勝てる市場をつくりだすことが大切です。その市場で自社がNo.1を獲得できれば、大きな市場においても自社のシェアを広げられます。
競合他社に打ち勝つためには無駄な戦いを避けて、特化した市場で力を蓄えましょう。自社ならではの強みと実績が武器となり、競合にとって脅威的な存在へと成長できます。
自社が攻めるべき市場やターゲット選定にお悩みなら
「たしかに自社に有利な市場でナンバーワンになる戦略は有効そうだ」と感じても、じゃあその市場はどうやって見つけ出すのかという点で、悩んでしまうものです。
もしマーケティング戦略やその施策の実行でお悩みでしたら、ぜひZenkenへご相談ください。
当メディア「キャククル」を運営するZenkenでは、これまでに120業種を超えるクライアントのWebマーケティングを支援してまいりました。
8,000件以上のWebサイト運用実績もあり、コンテンツSEOによるターゲット市場・顧客を狙い撃ちにするWebマーケティングを得意としています。
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