商社の新規開拓を成功させる営業方法に不可欠な手法とは?
最終更新日:2024年03月08日
商社もほかのBtoB事業と同じように新規開拓が重要課題になっており、旧態依然としたテレアポ攻勢だけではおのずと限界が訪れてしまうでしょう。
世界の情勢は刻一刻と変化しており、商社マンには「機を見るに敏」なスキルが求められています。新規獲得を成功させる営業方法は、意外なところにあるかもしれません。
そこでこのページでは、商社の新規営業の課題を解決する方法として、具体的なマーケティング施策について解説していきます。
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相次ぐ資材の高騰やや急激な円高など今後も市場の不安定さが危ぶまれる昨今ですが、こんなときだからこそ「まいておくべき種」もあります。目の前のことばかりに気をとられていると、ライバル会社に後れを取りかねません。
そこでここでは、商社が抱える新規開拓の課題と、生き残る商社になるために必要な営業方法について解説していきます。
商社の新規開拓営業の課題
スマートファクトリー市場やFA市場のニーズがますます高まる中、顧客が求めるものにも変化が表れてきています。その変化にいち早く気づき顧客のニーズに応えられるようでなければ、商社であっても新規開拓は難しくなります。
ただ商品を買ってもらうのではなく、「顧客の課題を解決する」コンサルテーション能力がより一層重要視されるようになってきているということです。
大手商社と競争可能な専門商社であっても、営業している顧客に対して「課題が解決できて売上増大が見込める」イメージが伝えられないと、新規顧客の開拓は難しい、というのが現状なのです。
既存のオフライン営業による新規顧客開拓が困難に
内製化し自社調達する大手企業が増える中、商社は内製化が難しい中小企業をターゲットにする必要があります。徐々に展示会などリアルに対面できるビジネスシーンも復活してきていますが、コロナ前と同じというわけにはいきません。
いま売り上げ拡大を狙う中小企業で検討が進んでいるのは、さまざまなツールや技術を導入した業務効率化によるコスト圧縮と、人員不足を補うソリューションの導入(もしくは導入検討)です。
昨今ではDX化(デジタルトランスフォーメーション)が取りざたされている事からも、「無駄をなくし既定路線を見直すことによる業務効率化が喫緊の課題」という中小企業が一気に増えています。
これまで蓋をしてきた無駄な業務や慣習にメスを入れるきっかけを、ある意味コロナ禍がくれたと言っても過言ではないのです。
営業戦略が定まっていない・存在意義を見失っている
自社調達する企業が増えた事から、自社の存在意義を見失っている商社が出てきています。そうした商社では、自社の強みだけでなくターゲットも不明瞭、マーケティングの方向性が曖昧になっていて戦略がうまく立てられないケースもみられます。
しかし、商社には幅広い業界と繋がっている強みがあります。
総合商社の場合、石油・製造・電力・ヘルスケア・DXなど、幅広い業界と繋がっているパイプを活かすことができます。専門商社の場合も、世界経済の影響を受けつつも、安定的に供給できるという強みがあります。
世界経済のニーズに合わせ、プル型営業であるインバウンドマーケティングも取り入れ、勝機を逃がさないようにする準備をしておくことが重要です。
これが先述した「種まき」です。
商社の新規開拓営業にもデジタルの波が
インターネットが普及した事で直接仕入れができるようになり、仲介を通さない企業が増えてきました。そうなると、商社の立ち位置も微妙です。
商社にとってインターネットは脅威となりますが、逆にインターネットを活用して強みをつくる方法もあります。
強みと弱みは表裏一体。旧来通りの営業分野で商社の需要が下がったとしても、インターネット上では新たな需要が生まれています。したがって、新たな需要を巻き取れるかどうかが大切です。
商社でもDX化は進んでいると思いますが、営業分野でもデジタルマーケティングの促進が急務です。
自社調達にデメリットを感じる企業を新規開拓
投資ができる総合商社とは異なり、専門商社や中小の商社は限られたパイの中で自社を選んでもらう必要があります。事業を継続的に成長させるには、時代や社会の変化に対応するためにも、新規の顧客を開拓し続けなければなりません。
ただ、自社調達にデメリットを感じる企業も存在するため、ターゲットを絞り込んで新規開拓をすれば成約数は伸ばせます。専門商社だから、中小の商社だからと諦める必要はありません。
時代の変化で仲介が不要になったのではなく売れる層が変わっただけであり、従来の営業方法では通用しなくなってきただけです。
これまで営業をかけたことがない業界や地域、国への営業で活躍するのは、インターネット上での情報発信であることは間違いありません。
商社の新規開拓営業戦略のポイント
社内で自社の強みをきちんと理解している人は何人いるでしょうか。社員が自社の強みを理解していない状態では、顧客に伝わるはずがありません。
まずは自社の強みは何か理解し、見込み客にきちんと伝えるところからスタートする必要があります。それが、新規開拓の土台になります。
顧客が求めている「強み」を明確にする
自社の商社としての強みは何でしょう。対応の速さ・海外製品の仲介・サポートなど、自社と取引するメリットはたくさん挙げられるはずです。しかし、これらは自社のサービスの特徴であって強みではありません。
強みとは顧客にとって利益となるものであり、「迅速な納品で急な発注でも納期に間に合う」とか「海外製品だから導入コストが安い」「サポートが手厚く指導が受けられる」といった、相手にとってのベネフィットを指します。
また、いくら自社が強みだと感じていても、競合商社との差別化ができていなければ自社を選んでもらう決定打にはなりません。
既存顧客を分析し、自社に期待されている強みから狙うべきターゲットを明確にしていきましょう。
自社の課題を分析して、弱みを補える強みを見つけ出す
商社がマーケティング戦略を立てるうえで、自社の課題を分析することは欠かせません。課題を明確にし、自社の弱みをカバーできる営業戦略を立てることが必要です。
たとえば、マージンの発生が弱みだった場合、購買データを分析して需要開発を支援するなど、それをカバーできるだけの強みがあれば十分集客できます。
見込み客のニーズや悩みに応えられる価値とはなにか、自社の課題・競合他社の課題・顧客が求める価値を照らし合わせて、マーケティング戦略を立てていきましょう。
たとえば以下のような流れで分析していきます。
- 弱み
・マージンの発生
・海外ブランド一種類の仲介のみ - 強み
・購買データから需要開発を支援
・国内ではほとんど取り扱いがない海外ブランドを仕入れられる
・面倒な海外とのやり取りは全てお任せ、保証も全て対応 - 顧客の求める価値
・マーケティングに弱く、仕入れから分析まで全て任せたい
・海外ブランドを仕入れたいが、外国語対応を丸投げしたい
業界内でブランドポジションを確立できる集客メディア
競合他社と差別化したい、アプローチできていない層に自社の名前をアピールしたいといった集客の課題を持っている企業はぜひ資料をご覧ください!
新規開拓につなげる営業方法
自社が提供できる価値、競合商社との差別化ポイントが明らかになったら、新規開拓の営業方法をいくつか並行して試していきます。
リスト化しておき相手が必要な時期を見計らってアクションを起こす
飛び込み営業、テレアポでは顧客の反応をリスト化していくことが重要です。なぜなら、たとえ門前払いされたとしても、時期が変われば顧客の状況が変わり必要になっている事もあるからです。相手が必要な時期にアクションを起こせば、見込み客の刈り取りにつながる可能性があります。
ただし、営業の力量に依存する方法なので、社内で対応をマニュアル化し、新規見込み客を獲得するフローを整えて社内で営業をサポートするインサイドセールスチームを立ち上げるなど、営業体制の構築は必須です。
連鎖式で営業範囲を広げる
既存顧客の分析から、既存顧客の取引先に声をかける手法があります。既存顧客の取引先も同様に他社から調達している可能性があるため、営業をかけて反応を確かめます。
既存顧客とすでに取引実績があるので、メリット次第で他社から乗り換えてくれる可能性があります。
既存顧客が自発的に紹介したくなる環境を提供
既存顧客から新規見込み客を紹介してもらう方法があります。ただし、既存顧客が自発的に紹介するケースは少ないため、紹介したくなる環境を整えることが重要です。
継続的に自社が提供するベネフィット(利益)を伝え続けると、ふとした会話の中で自社を周囲に紹介してもらえる可能性が高まります。
たとえば、「△△を扱う専門商社」といった情報だけインプットされている場合と、「海外対応・保証対応を全て丸投げできる専門商社」という情報がインプットされている場合は圧倒的に後者の方が紹介しやすくなります。
人は忘れる生き物なので、繰り返しベネフィットを伝え続ける企業努力が必要です。
インバウンドでの新規開拓に注力する
規模が大きい商社でない限り、リストを作成して直接営業をかけるスタイルには限界がありますので、旧態依然とした人海戦術は今の時代では現実的ではありません。
そこで、自社に関心を寄せた新規見込み客にターゲットを絞る「インバウンドマーケティング」が重要となってきます。新規見込み客を開拓し、リードナーチャリングと呼ばれる見込み客の育成を経て最終的に顧客になってもらうマーケティング手法です。
インバウンドマーケティングは、ホームページやオウンドメディアなどのWebサイトやブログ、SNS上で顧客にとって有益な情報を発信し、顧客のほうから「見つけてもらう」ところからスタートします。
かける労力・人材が少なくても取り組める
新規開拓の方法としてインバウンドマーケティングが重要視されるわけは、かける労力や人材が少なく、人的リソースを絞り込める点です。
一社一社に働きかける営業は、人手と時間を要します。一方、インバウンドマーケティングでは興味を持った新規見込み客が自発的に集まるため、自社で負担するのはインターネット上にコンテンツを用意する手間やコストのみです。
人をたくさん集めて営業をかけるよりもコストを大幅に抑えられるので、中小の商社でも取り組みやすい営業手法といえます。企業への問い合わせや資料ダウンロードの導線を設置しておけば、24時間365日見込み客を獲得してくれます。
自社が提供できる価値をしっかりアピールすることが大事
インバウンドマーケティングを実行するには、ブログ・SNS・ホームページ・比較サイト・メルマガ・オウンドメディア・オンラインセミナーなどさまざまな方法があります。
しかし、どの方法で情報を発信するにしても、自社の提供できる価値についてしっかりアピールすることが大事です。自社・競合・既存顧客を分析して、自社にしか提供できない価値を発信します。
その際に注意しなければならないのが、自社の宣伝にしないことです。顧客はインターネット上でのゴリ押しにうんざりしている可能性もあるので、プッシュ型営業が心理的なマイナスを生む可能性があります。
待ち受け型、プル型営業が機能するかしないかは、このインバウンドマーケティングの成否にかかっています。
変化する需要を取り込むために、オウンドメディアで発信し続ける
需要は常に変化していくため、継続的に新規開拓が必要です。継続的に自社の魅力を伝え続けるなら、インバウンドマーケティングの中でもオウンドメディアが取り組みやすいです。
オウンドメディアは自社で保有する独自メディアのことで、自社の魅力だけでなく、アップデートした情報を発信し続けられます。
展示会への出展やBtoBのマッチングイベント、プレスリリースといったかたちで、顧客との接点を増やしていけるのが大きなメリット。自社がターゲットとする特定の人に向けて自社が提供できる価値を発信し続ければ、貴社に興味を持った見込み客を育て顧客化していくこともできるのです。
オウンドメディアをインバウンドマーケティングに活用して営業につなげるメリットは、以下の通りです。
- リード(見込み客)が自らの判断で問い合わせや資料請求をしてくれる
- 貴社が発信する情報への信頼度が醸成され、企業のブランディングにつながる
- 冷やかしや参考程度の資料ダウンロードではなく、顕在性の高い反響が得られる
- オウンドメディアを介して企業同士のコミュニケーションが円滑にできる
- 従来の新規開拓営業のようなプッシュ型営業ではなく、プル型営業ができる
テーマや業界を絞り込むという点では、総合商社よりも専門商社に向いているWeb集客戦略であると言えます。
キャククルが手がけるオウンドメディアとは?
120業界・8,000サイト以上の実績があるキャククルのオウンドメディア。
認知度向上、他社との差別化、従来と異なるターゲットにアプローチしたいなど、様々な目的で制作することができます。詳しくは以下のページでご確認ください。
顧客の気持ちを動かして、販売チャンスに繋げる
オウンドメディアの制作と運用でもっとも重要なことは、顧客に購入する理由を与えてあげることです。なかなか決断できない時などの決定打になります。
タッチポイント(顧客接点)を増やし、販売チャンスを広げるだけでは不十分。そのオウンドメディアの中に、「この市場に関することならここに任せたほうが良さそうだ」と感じてもらえるような要素が必要です。
エモーショナルなコンテンツで、顧客のニーズだけでなく心もつかむことができれば、自社のファンになってくれるかもしれません。
いきなり独自メディアを立ち上げるのはハードルが高い、スモールスタートしたいという企業は、自社ホームページにコンテンツマーケティングを実装する方法も有効です。
Zenkenでは、顧客の心理やニーズに沿ったコンテンツマーケティングを多数手がけ、これまでに120業種・8,000サイトのマーケティング支援を行ってきた実績がございます。
弊社のコンテンツマーケティングを支援の独自メソッドやコンテンツ支援の具体的な内容がひとつの資料にまとまっています。
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商社の新規開拓営業を成功させたいのであれば
時代や社会の変化に伴い、需要は刻一刻と変化していきます。失われた需要にため息をつくよりも、新たな需要を取り込むための新しい戦略を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
商社の新規開拓にも、時代やニーズに合わせて新しい営業方法取り入れるべきタイミングがあります。しっかりと自社と競合他社を分析して、自社にしか提供できない価値を顧客に伝え続けましょう。
そして今後は自社に興味を持つ新規見込み客にターゲットを絞れる、「インバウンド型のマーケティング」にも力を入れていくことをおすすめします。
顧客がなにを求めているかをリサーチするところから、Zenkenがお手伝いさせていただきます。