ブランディングが売上向上につながる理由と大手企業の成功事例5選
最終更新日:2024年03月21日
この記事では、ブランディングによる売上向上の仕組みと、大手企業のブランディング成功事例について解説しています。「ブランディングを始めたいが、どう進めればいいのかわからない」という企業の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
また、親和性の高いユーザーに絞った認知度の向上と、購買意欲や利用意欲のあるユーザーにも同時にアプローチできる「ブランディングメディア」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ブランディングが売上向上につながる理由
ブランディングは、売上向上につながるさまざまな効果をもたらします。
知名度の向上
最もわかりやすい効果といえるのが、知名度の向上です。現在よりも多くの消費者に商品やサービスの存在を知ってもらえるため、販売拡大につながります。
ほとんどの消費者は、何かしらの商品を購入するときに複数の商品を比較します。名前やベネフィットを知っている商品は初めて見る商品よりも安心感が得やすいため、選ばれやすい傾向にあります。
競争力の向上
競争力の向上もブランディングがもたらす効果の1つです。ブランディングでは自社の商品を、他の商品では得られない特別な価値と結び付けます。その特別な価値を求めている客層にアプローチできれば、競合他社の商品のほうが安くても自社商品を選んでもらう状況が作り出せます。
また、ブランドを強化すれば、競合他社の商品と比較さえせず自社商品を選ぶ「指名買い」も増やせます。
こうしてブランディングにより価格競争から抜け出し、販売単価を維持・向上できる可能性があるのです。
リピート率の向上
上記の2つの点の結果として起こるのは、リピート率の向上です。ブランディングが成功すると、消費者は自社商品・サービスに一種の愛着を抱くようになります。「〇〇は、A社に限る」と感じるようになるのです。
特定の商品・サービスに愛着を抱いた消費者であれば、自社商品を複数回(あるいは長期にわたって)購入・利用してもらえます。顧客一人一人の「生涯価値」(※)が上がるにつれて、売上も上がっていきます。
※顧客生涯価値(LTV, Lifetime Value)= 1人の顧客が特定の期間内に同じ会社の商品やサービスを購入・利用した総金額
売上向上につながるブランディングの5つのポイント
ブランディングを売上向上につなげたい場合、どのようなことに気を付けば良いのでしょうか。押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
1.ブランディングの目的や目標を明確に定める
最初にブランディングの目的や目標を設定します。ここでいう目的や目標は、ユーザーがブランド名やロゴなどを見たときに連想してほしい事柄(= ブランドアイデンティティ)です。
連想してほしい事柄はブランドによりさまざまですが、一般的には製品の特性や品質、生産国、ユーザーなどに関連するものが多いでしょう。
例えば「多機能な家電といえばA社」「商品Bは日本の伝統技術を用いて作られている」「商品Cは海外王室御用達の名品」などが考えられます。
ブランドアイデンティティは企業が主体的に創造するものですが、それとは別に消費者がある商品と接したときにイメージするもを表す「ブランドイメージ」があります。ブランディングの効果が最大化するのは、ブランドアイデンティティとブランドイメージが合致した際です。
ブランディングで自社商品に対するイメージを変えることもできます。しかし、既存のイメージと合わない要素が多いと、ブランディングが失敗する可能性もありますので、注意が必要です。
2.ターゲットとポジションも具体的に定める
次にブランドのターゲットとポジションを決定します。ターゲットの設定方法はさまざまですが、一般的なのは見込み顧客の年齢や、年収、ライフスタイル、職業などの切り口で市場を細分化したうえで、ターゲットとするセグメントを選定するアプローチです。
市場規模は大きければ大きいほど良い、と思われがちです。しかし市場の規模が大きくなると、消費者のニーズにバラつきができやすくなります。そしてニーズがあまりにもかけ離れていれば、一つのブランドで対応しきれない可能性が上がっていきます。
市場を細分化してターゲットを決める
規模の大きな市場は多くの場合、財力のある大手が支配されています。特に中小企業・中堅企業として新商品を投入する際は、市場を細分化して特定のセグメントを狙うことが重要です。
より詳細にターゲティングを行いたい場合は、ブランドにとって理想的な顧客像(ペルソナ)までターゲットを絞り込むと良いでしょう。
市場における自社のポジションを決める
ターゲット市場が決まったら、自社ブランドのポジションを決定します。ポジションとは、同じ市場セグメント内の競合商品に対する、自社の商品の立ち位置です。ポジションを明確にしていくプロセスは、ポジショニングと呼ばれます。
自社のポジションは、大げさなものである必要はありません。例えば「使いやすい」「種類が多い」「すぐに届く」などが考えられます。重要なのは、ターゲット顧客が競合他社ではなく自社を選ぶべき理由を明確することです。
3.従業員にブランド価値を浸透させる
ブランディングの方向性が決定したら、従業員に対してブランディング施策を実施します。従業員に対するブランディングをインナーブランディングといいます。
インナーブランディングの目的は、ブランドに対する理解を深めて日々の業務に反映させることです。優れたブランドアイデンティティを掲げていても、従業員の行動が伴っていなければブランド力は高まりません。
例えば「王室御用達」を売りにしているブランドの従業員がいい加減な接客をしていると、見掛け倒しと評価されることになるでしょう。ブランドに対する評価は、従業員の行動によっても作られます。したがって従業員からブランディング施策を実施していく必要があるのです。
4.メディアを組み合わせて広告を発信する
ブランディングの方向性が決定しても、具体的なアクションを起こさなければ消費者には伝わりません。メッセージを伝える有効な方法のひとつが広告の活用です。
ブランディングの方向性に合致する複数のメディアを組み合わせてメッセージを発信すると良いでしょう。ポイントは、適切なメディアを選択することと各すべてのメディアで一貫したメッセージを発信することです。
例えば「最高級」を掲げる食品ブランドが格安スーパーで試供品を配布すると、伝えたいメッセージと消費者が抱くイメージの間に齟齬が生じてしまいます。
同様に読者層が異なる複数の雑誌で広告を配信すると、誰に向けたメッセージかわからなくなってしまいます。メディアの選択には十分な注意が必要です。
5.顧客へ感情的に訴えかける
ブランディングでは、消費者の感情に訴えかけることも重要になります。感情も消費者の行動に影響を与えているからです。
具体的な方法として、商品誕生までの苦労話を公開するなどが考えられます。
あるいは先進的な取り組みを進めて消費者にグループの一員になりたいと感じてもらう手法も有効でしょう。いずれにせよ共感を生み出すことで、結びつきがさらに強くなる可能性があります。
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売上向上につながったブランディング戦略の成功事例
ここからは、売上向上につながったブランディング戦略を紹介します。
スターバックス
スターバックスは、従業員に投資をすることでブランド力を高めたコーヒーチェーンとして知られています。例えばアルバイトの研修時間は80時間以上もあります。一般的なコーヒーチェーンの研修時間は数時間程度しかありません。
スターバックスで働くアルバイトは、研修期間中に業務に必要な知識や技術のほか、スターバックスが掲げるビジョンなどを学びます。したがって飲食業の経験がないアルバイトであっても、業務や店舗についての理解を深めたうえで勤務をスタートできます。
スターバックスが従業員への投資を重視している理由は、従業員を通して消費者にメッセージを伝えられるからです。従業員が提供するサービスはスターバックスのブランドの一部となり、が売上の向上につながっています。
アップル
アップルは、独自性の高い製品を生み出すことでブランド力を高めています。代表的な製品といえるのがiPhoneやiPadです。現在では当たり前になりつつある製品ですが、発売当初は常識を覆す革新的な製品でした。
他社が真似できない製品を生み出せた理由は、自社のビジョンなどをもとに製品を開発するプロダクトアウト戦略を採用していたからです。アップルは自社のビジョンに基づき、シンプルで洗練されたデザインの独自性が高い製品を次々と誕生させています。
「独自性の高い製品」「シンプルで洗練されたデザイン」は、多くの消費者が抱くアップルのブランドイメージといってもよいでしょう。消費者が価値を感じるブランドイメージを構築したことで、アップル製品はステータスのひとつとなっています。
無印良品
無印良品は、「シンプルな生活」「これでいい」といったメッセージを活かした巧みなブランディング戦略で売上を向上させています。ポイントは、商品・店舗・オンラインショップ・広告などで一貫したメッセージを発信していることといえるでしょう。
無印良品は衣料品・生活雑貨・家具・食品などを幅広く取り扱っていますが、全ての商品から無印良品らしさを感じられます。実際に使ってみても、比較的低価格なのに高品質、シンプルで使いやすいなどのように無印良品らしさを感じられます。
店舗・オンラインショップ・広告なども同様です。あらゆる場面で一貫したメッセージを発信することで、ブランドイメージを確立するとともにコアなファンを獲得しています。参考にしたい点が多いブランディング戦略といえるでしょう。
レッドブル
レッドブルは、ブランディング戦略で新たな市場を創造することに成功しています。レッドブルが登場するまで、栄養ドリンク(清涼飲料水)は主に中高年が飲むものと捉えられていました。
レッドブルは、若者に人気が高いマイナースポーツのイベントを開催することや試供品を配布するレッドブルカー(派手なサンプルカー)を走らせることなどで従来の栄養ドリンクとは一線を画すことに成功しました。
ブランディング活動を通じて、レッドブルは若者に支持される栄養ドリンクというポジションを構築しました。独自のポジションを築くことで、現在では指名買いされるブランドへと成長しています。
星野リゾート
星野リゾートは、ブランド力を生かし赤字に陥った宿泊施設を次々と再生させています。会社ビジョンに掲げていた「リゾート運営の達人」を体現しているといえるでしょう。
現在の会社ビジョンは、「ホスピタリティ・イノベーター(Hospitality Innovator)」に変更されています。つまりおもてなしに革新をもたらすことを会社ビジョンとしているのです。
具体的には消費者が求めるおもてなしを提供するだけではなく、星野リゾートが考えるおもてなしを提供することを意味します。独自の価値を提供することで、星野リゾートはファンを創出しています。
ブランディングが売上向上につながる理由まとめ
ブランディングには知名度や競争力の向上、リピート顧客の獲得など、売上向上に直結する効果があります。その効果を得るには、ブランドアイデンティティを明確にしたうえでターゲット市場や市場内のポジションを設定することなどが必要です。
ブランディングに注力したいと考えているのなら、まず自社の強みを洗い出すところから着手すると良いでしょう。自社にしかない、独自の強みを見出すことができれば、それをもとに強力なブランドを築くことが可能になります。
一方、ブランディングの基本が把握していても、成功するブランドを作り上げるのは決して容易ではありません。たとえば自社に合わないをターゲット市場を選定した際は、ブランディングに投資した費用に対する効果がゼロに近い結果となった…といったケースも考えられます。
「これで成功する」と確信できるためのツールや経験・ノウハウが自社にない場合は、外部のプロに相談するのも選択肢の1つです。第3者の視点を取り入れることで、それまでに気づいていかった自社の強みや自社の価値を発信する効果的な方法が見つかることもあります。
ブランドは無形ですが、戦略的に作り上げることで大きなメリットが得られます。自社で対応できる部分と外部のパートナーにヘルプとして入ってもらう部分を見分けて、確実に成功するブランドを作り上げましょう。
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通常、ブランディングをする場合は何千万単位の制作費や広告費、そして時間を掛ける必要があります。しかしブランディングに失敗してしまえば、効果が出ず莫大な費用を失うだけでなく、間違った印象がついてしまう可能性も。
ブランディングメディアとは、親和性の高いユーザーに絞った認知度の向上を行い、ニーズが顕在化した際の第一想起されるブランドとして広めていきます。
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