コンテンツマーケティングのペルソナ設定方法や注意点を詳しく解説

最終更新日：2022年07月06日

ペルソナは自社の理想の顧客像を具現化したものです。ペルソナを明確にすることで、コンテンツをユーザー層に効果的に発信できればコンテンツマーケティングはより効果的なものになります。この記事ではペルソナの設定方法や注意点など効果的なペルソナ設定について詳しく解説します。

コンテンツマーケティングにおけるペルソナとは

コンテンツマーケティングにおけるペルソナとは「サービスや商品を利用する典型的な顧客像」のことです。
ビジネスでよく使われる「ターゲット」と混同する人もいますが、ターゲットが30代男性の美容師といった顧客層を設定するのに対して、ペルソナの設定は、特定の個人に絞り込むまで詳細に設定する点が大きく違います。

性別・年齢・職業・居住地・家族構成などの属性情報だけでなく、生活スタイルや悩み考え方など内面も含めて詳細に人物像を作り上げます。

ペルソナの役割は、詳細な個人を想定することでユーザーのニーズを的確に把握し、マーケティング戦略に活かすことです。

またイメージする顧客を具現化することで会社内やプロジェクト内で共有し、一貫したマーケティング活動につなげられる点も特徴です。

ペルソナを設定するメリット

ペルソナを設定することで以下のようなメリットがあります。

顧客理解を深めることができる

顧客視点でコンテンツを作成できる

生産性が向上する

社内で共通認識を持つことができる

それぞれ詳しく解説します。

顧客理解を深めることができる

1つ目のメリットは顧客理解を深めることが出来る点です。ペルソナ設定では、詳細に人物像を作り上げます。その内容は属性や外見だけにとどまらず、考え方など内面にも及びます。

こうして作られた人物像であれば、ペルソナがどんなことに興味があって、どんな悩みを抱えているのかなど、顧客の理解が深まり、マーケティングやコンテンツ提供に活用できるでしょう。

顧客視点でコンテンツを作成できる

2つ目のメリットは顧客視点でコンテンツを作成できる点です1つ目のメリットで述べた通り、ペルソナ設定を詳細に行うことで顧客のニーズや悩みを理解することができます。
顧客が本当に求めていることや解決したい悩みが何かを理解できれば、それに合わせて有効なコンテンツ提供が可能となるでしょう。

あらゆるサービスや商品があふれる現代において、商品価値は「機能・性能」ではなく「顧客ニーズの充足」へと変化しています。

自社の売りたい商品・サービスを売るのではなく、顧客にとって必要な商品・サービスを提供する上で、ペルソナ設定は非常に有効です。

生産性が向上する

3つ目のメリットは生産性が向上する点です。コンテンツマーケティングにおいては、どのような商品・サービスを開発し、どうやって認知してもらい、どうやって販売につなげるか、さまざまなシーンで戦略を検討しなければなりません。

ペルソナを設定しておくことで、開発する製品のコンセプトやマーケティング戦略などの方向性が明確になるため、効果的な戦略をある程度絞り込んだ状態で検討できます。

マーケティング戦略立案に必要なデータ収集や戦略検討を効率的に進めることができるため、時間やコスト面での効率化も期待できます。

社内で共通認識を持つことができる

4つ目のメリットは社内で共通認識を持つことができる点です。コンテンツマーケティングは、意思決定者や商品開発チーム、マーケティングチームなどさまざまな部署が連携して行うことも少なくありません。

ペルソナが具体的に設定されていれば、関係者間で共有することで、コンテンツの発信精度は向上するでしょう。
また、認識が共有されていることで判断や合意も迅速に得られやすくなる点もメリットです。

ペルソナを設定する際の注意点

ペルソナ設定は、自社のユーザー層にあった現実的なものを設定する必要があります。あまりにも現実のユーザー層と乖離してしまうと、有効なマーケティングにつながらないということにもなりかねません。

ここではマーケティング戦略に有効なペルソナを設定するうえでの注意点について解説します。

主観や自社都合で設定しない

ペルソナ設定において、一番失敗しやすいのが「主観や自社都合で設定してしまう」ことです。自社の商品やサービスありきでペルソナを設定してしまうと、自社の理想とする顧客像を作り込んでしまったり、都合の良いデータのみを反映させてしまったりと、実際の顧客層とかけ離れてしまいます。

ペルソナ設定は、自社の顧客層へのインタビューやアンケートの実施、SNSや口コミのリサーチなど、実際のデータをもとに客観的に作成することが重要です。

ユーザー情報を深掘りしすぎない

2つめの注意点は「ユーザー情報を深堀しすぎない」ことです。ペルソナの設定で検討する内容は、顧客となる人物像そのものですので設定項目は膨大な情報量となってしまうことも少なくありません。

ペルソナの目的は自社のマーケティング戦略をより有効にすることにあります。ペルソナの設定にこだわりすぎて、膨大な情報を詰め込みすぎると逆にニーズや方向性を見出すことができなくなり、顧客像の共有も難しくなってしまいます。

マーケティング戦略の検討に必要な情報だけに絞り、ペルソナ設定をするよう心がけましょう。

共通イメージが持てるようにする

共通イメージが持てるようにすることも重要です。商品開発やマーケティング活動は、営業や開発担当、マーケティング担当などさまざまな人材が関わります。

ペルソナの設定が複雑だったり曖昧だったりすると、当事者間でイメージするユーザー像にズレが生じてしまい、方向性が一致しないことも考えられます。

ペルソナは具体的に設定することで、顧客となるユーザー像を共有できる点がメリットです。当事者間でしっかりとイメージを共有できるペルソナの設定を目指しましょう。

ブラッシュアップをし続ける

ペルソナ設定は一度作成したらそのままにするのではなく、定期的に見直しブラッシュアップし続けることが重要です。時間の経過や社会・環境の変化によって、同じユーザーでも価値観やニーズは刻々と変化していきます。

常に狙ったユーザー像に刺さるコンテンツを提供し続けるためには、ユーザーの変化を敏感に察知し変化していくことが求められます。

コンテンツマーケティングを成功させるペルソナ設定方法

では次に具体的なペルソナ設定の流れについて見ていきましょう。

必要情報を集める

ペルソナ作成を始めるにあたり、まずは必要な情報を集めることからはじめましょう。ペルソナ設定において、情報の収集は重要なポイントとなるため、徹底的に行うようにしてください。

自社データを分析する

1つめの情報収集は自社データを徹底的に分析することです。自社に蓄積している既存顧客の情報から定量的なデータを抽出し、グループに分けてみます。
データのグルーピングにはさまざまな切り口が考えられますが、以下のようなものでグルーピングするのが一般的には有効です。

年齢、性別

居住地

購入した商品・サービス

購入額

顧客の声を聴く

顧客のグルーピングができたら、グループの中からそのグループの典型的な顧客を選んで、顧客の生の声を聞いてみましょう。できれば全ての顧客にインタビューできれば情報の精度はあがります。しかし実際のところはコストや手間を考えると難しいでしょう。

ペルソナ設定の目的は、理想的な顧客を具現化することです。自社のサービスを必要としている理想的な顧客にしぼってインタビューすれば十分です。

また興味を示したものの顧客とならなかったユーザーやSNSでの発信内容、営業担当からの顧客のニーズのヒアリングなどもユーザーの生の声として、有効活用できるでしょう。

インタビューをする際には、ペルソナ設定に必要な情報をあらかじめ検討しておくとスムーズに情報収集が可能です。

集めた情報の共通項を見つける

情報収集ができたら、集めた情報の中から多くのユーザーに存在する共通項を見つけます。共通項をみつけるために重要なのは「ユーザーに共通する典型的なこと」を探すことです。

性格面や行動習慣、どんな悩みや課題を抱えているのか、どんなニーズをもっているかなどに着目して、共通項を見つけ出してみましょう。

ペルソナの属性を埋めていく

共通項が見つかったらそれを元にペルソナの属性を埋めていき、具体的なユーザー像を作っていきます。
年齢・性別・職業・収入・学歴といった属性情報から、休みの日の行動や人間関係、習慣などの行動属性、価値観や倫理観、現在の悩みなど、普通の人なら誰もが持っている経歴や考え方などを設定していきましょう。
作成のうえでのポイントは、実在の人物のようにバックグラウンドにあるストーリーも含めて想定することです。

場合によっては名前やビジュアルなどもあてはめ、あたかも存在する人のように作成していくことで、よりイメージを共有しやすくなるでしょう。