デマンドジェネレーションとは?3つのプロセスと事例からわかる成功のコツ
最終更新日:2022年02月25日
営業活動や新規顧客獲得のため、「デマンドジェネレーション」について調べている経営者やマーケティング担当者のかたが知りたいのは、どのようなことでしょうか?
おそらく顧客をいかにして効率的に見込み客として成約につなげいけばよいか、その具体的な方法について参考になる事例などを探しているのではないかと考えます。
そこで今回は、デマンドジェネレーションの3つのプロセスと成功事例、実施するにあたっておさえておくべきポイントなどについても解説していきます。
デマンドジェネレーションに興味関心のあるかたは、ぜひ参考になさってください。
デマンドジェネレーションとは?3つのプロセスを解説
企業におけるマーケティング部門で実施されているデマンドジェネレーションとは、あらゆる方法を用いて、受注・成約に至る可能性の高い見込み客を創出する、マーケティング活動のことをいいます。
デマンドジェネレーションでは、顧客が自発的に「この会社の製品やサービスが必要」と思ってもらうことを目指します。このデマンドジェネレーションは、BtoBマーケティングの主役ともいえる戦略です。
デマンドジェネレーションには、以下の3段階があります。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
ではそれぞれの段階について、くわしく説明していきましょう。
リードジェネレーションとリードナーチャリングに関しては、成功事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
リードジェネレーションとは
自分たちが提供している商品・サービスに興味のある見込み客を獲得することを、リードジェネレーションといいます。リードは「見込み客」という意味です。
自社の商品について伝えるには、まずは顧客を獲得しなければなりません。したがって、リードジェネレーションは、マーケティングで非常に大切な第一関門のプロセスです。
具体的には、イベントや展示会、セミナー―などを開催し、見込み客の名前や会社名、電話番号など見込み客になり得るターゲットを集めます。
オンラインマーケティングの場合は、資料請求や問い合わせフォームに誘導するランディングページやオウンドメディアを活用して、リードジェネレーションを行います。
リードジェネレーションの成功事例
リードジェネレーションの成功事例として挙げられるのが、株式会社マクロミルの事例です。マクロミルは、マーケティングリサーチ事業やグローバルリサーチ事業などを展開する企業。
マクロミルは、あまり競合がおらず、たくさんの顧客獲得につながるキーワードを選定するといったSEO施策に注力しました。その結果、さまざまなコンテンツが上位表示され、集客と収益アップにつながったのです。
また、マーケティングオートメーションツールの開発や販売を行うSATORI株式会社も、リードジェネレーションで成功した企業のひとつ。
自分たちで運用するブログにて有益な情報を発信したり、資料のダウンロードページを伝えたりする、といった形でリードジェネレーションを実施しています。
リードナーチャリングとは
展示会を実施したり、コンテンツを発信したりするといったリードジェネレーションによって、獲得した見込み客の育成することをリードナーチャリングといいます。
近年、数多くの商品・サービスが販売されており、人の興味は移り変わりが激しくなっています。そのため、見込み客を獲得できたとしても、売上に至らないことも少なくありません。
そこで見込み客を放置せず、購買意欲の高い顧客に育成する必要があるのです。
リードナーチャリングでもオウンドメディアやSNS、セミナーなどが用いられますが、BtoBマーケティングの場合は、なかなか成約に結び付かないこともあります。
したがって、メルマガの配信やコンテンツのプッシュ通知をするなどのアクションで長期的にフォローして、顧客と接点を長く持ち続けることが大切です。
リードナーチャリングの成功事例
リードナーチャリングでの成功事例としてよく知られているのが、イスラエルのOktopost社です。BtoBのソーシャルメディア・マーケティング・プラットフォームで知られている企業です。
Oktopost社では、無料で提供している商品を、まだ使っていない人、既に使った人といった形で分類し、見込み客の使用状況に合わせた情報の配信を行っています。
さらに、顧客の関心度を図ってアプローチ法を変えたり、リターゲティング広告を駆使したりして、メール経由の申し込みが急増し、売上230%増達成という成功を収めています。
また、NEC(日本電気株式会社)では、製造業を対象とし、リードナーチャリングを実施しました。リードナーチャリングためのサイトを再構築、サイトに訪れた人の行動を追って見込み客の育成を行い、顕在性の高い自社の見込み客を抽出。
その後見込み客にメール配信を行ったり、テレアポをとるなどのアクションを強化しました。その結果、通常の施策よりも商談に至る確率が倍になったといった成功をおさめています。
リードクオリフィケーションとは
リードナーチャリングで育成した見込み客から、成約に至る可能性が高い顧客を選び、営業部門に引き渡すプロセスのことを、リードクオリフィケーションといいます。
リードクオリフィケーションで顧客を選択する際、顧客の興味、行動、属性などにあわせてスコアを付与する、スコアリングと呼ばれる方法が使われます。スコアが基準に到達した顧客を抽出していくのです。
スコアリングの際には、自社サイトへの訪問履歴やセミナーへの参加状況、メールに対する反応などを確認して行います。
ただし、見込み客の人数が多ければ、そのぶん労力や時間がかかってしまうので、マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入するのが効率的です。マーケティングオートメーションツールについては、後述します。
このように、購入可能性の高い見込み客を絞り込んでいくことで、まだ買う気になっていない顧客に対する営業アプローチを避けられるなど、効率的なセールス活動が行えます。
デマンドジェネレーションの確度を上げる準備
つづいて、デマンドジェネレーションの確度を上げるために必要な3つの準備、「コンテンツ制作」「ツールの導入」「体制づくり」ついて説明していきましょう。
コンテンツ制作
見込み客を獲得するリードジェネレーションのプロセスにおいて、非常に大切なのが、コンテンツ制作です。
見込み客のニーズを把握して、求められている情報をコンテンツに盛り込みます。そして、見込み客を惹きつけて、満足させられるコンテンツを作っていきましょう。
たとえば、自社製品やサービスの必要性を伝えられるコンテンツや、ターゲットの悩みとその解決方法を掲載したコンテンツなど。
さらに、SEO対策も不可欠です。SEOに強い記事を作成することで、検索結果での上位表示を狙えます。多くのコンテンツを上位表示させることができれば、サイトへの流入数アップや集客数アップが図れ、成約へとつなげる顧客の母数も増やせます。
ただし、企業によってはSEO施策を行うための、ノウハウがないところもあるでしょう。本来やるべき業務がたくさんあり、とてもコンテンツ制作に時間や労力を割けない場合もあるかもしれません。
その場合は、コンテンツ制作やSEO対策を外部の専門会社に委託する、という選択肢もあります。
ツールの導入
デマンドジェネレーションを実施するにあたって、マーケティングオートメーションツールの導入はマスト、かもしれません。BtoBマーケティングを行う企業のなかで、このツールを導入する企業が増加傾向にあります。
マーケティングオートメーションツールがあれば、成約する可能性が高いリードを抽出し、リスト化することが可能です。このリストを用いて顧客にアプローチしていくことで、効率良く営業活動が行えます。
さらに、ツールを使えば、膨大な情報の分析や処理のほか、メール送信を自動で行うことも可能です。見込み客の一元管理もできます。
また、見込み客のサイト閲覧履歴、メール開封率、クリック率などがわかるので、顧客が商品やサービスを認知してから興味を持つまでの、過程を知ることが可能。改善のPDCAも回しやすくなります。
ただし、高度な機能が搭載されたマーケティングオートメーションツールを導入する場合、使いこなすためにはある程度の専門知識が必要です。
また、成果を出すためには自分たちの抱えている課題を明確にして、成約確度を上げるための戦略を立てる必要があります。
体制づくり
デマンドジェネレーションでは、セミナーや展示会、オウンドメディアやブログのコンテンツなどを用いて、見込み客を獲得するリードジェネレーションを行います。
次に、メルマガ、ブログ、セミナーなどを実施して、獲得した見込み客を育成。
最後に、リードナーチャリングで選別された顧客に向けて、営業活動を行います。この一連のプロセスを行うための体制づくりが、必須です。
デマンドジェネレーションを実施するには、関連部署の連携が重要となってきます。たとえば、マーケティング部や営業部のほか、インサイドセールス部、クリエイティブチームなど。
各部門でどのプロセスに対応するのかを決めておき、連携できるような体制を整えておきましょう。
一般的には、マーケティング部署でリードジェネレーションを行い、インサイドセールス部署がリードナーチャリングを担当。そして、営業部がリードクオリフィケーションのプロセスで、営業アプローチを行います。
デマンドジェネレーションを成功させるポイント
ここからは、デマンドジェネレーションを成功させるために、押さえておくべきポイントをご紹介します。以下のポイントを踏まえつつ、デマンドジェネレーションを実施してみてください。
シナリオ設計
デマンドジェネレーションを行う前に、シナリオを設計しましょう。シナリオ設計とは、見込み客に自社について知ってもらい、商品やサービスを購入するまでの過程を設計することです。
デマンドジェネレーションの3つのプロセスは、互いに連動しています。そのため、事前に戦略的なシナリオが設計されていなければ、なかなか結果を出すことが難しいのです。
ターゲットの思考や行動に合わせて、どのように見込み客を獲得し、育成して抽出し、購買へと結びつけるのか。このシナリオをあらかじめ考えておくことが、デマンドジェネレーションを成功させるポイントです。
なお、デマンドジェネレーションのシナリオは、先ほどお伝えしたマーケティングオートメーションツールを用いて設計することも可能です。
リードジェネレーションに力を入れる
見込み客を育成して選別し、売り上げに結び付けるには、当然見込み客の獲得が必要です。したがって、デマンドジェネレーションを成功させるには、リードジェネレーションに力を入れることが重要です。
リードジェネレーションのプロセスにおいて、ある程度の数の見込み客を獲得できなければ、商品の成約につなげることが難しくなります。
リードジェネレーションを行う際は、ある程度ニーズのある商品・サービスで実施しなければ、失敗する可能性があります。したがって、事前にターゲット顧客のニーズをしっかり調査しなければなりません。
リードジェネレーションで多くの見込み客を獲得することか、それとも顧客の質を優先させるのか、優先すべき目的を決めておくのも、デマンドジェネレーションを成功させるポイントです。また、強めのPRや強引な売り込みも控えましょう。
ターゲット顧客を明確にする
自社製品・サービスのターゲットとなる顧客を明確にしておくのも、デマンドジェネレーションを成功させるポイントです。ターゲットが明確になっていなければ、効率的な営業活動ができなくなります。
また、リードナーチャリングのプロセスにおいて、効果的な施策が立てづらくなってしまいます。
自社が販売する製品やサービスを購入する可能性の高い人たちを見極め、市場や地域性なども考慮しながらターゲットを絞り込みます。
このときマーケティングの調査など数的根拠に基づいた分析を行わないと、自社と親和性の高いターゲット設定が行えないため、思い込みだけでターゲティングしないよう注意が必要です。
コンテンツの定期的見直しと追加
デマンドジェネレーションで自社サイトやブログを活用する際は、定期的にコンテンツの見直しや追加を実施しましょう。
コンテンツには、読者にとって必要な情報が盛り込まれている必要があります。見込み客にとって本当に価値のある情報がそのコンテンツに含まれているか、自分たちが伝えたいことばかりが述べられていないか、改めて確認しましょう。
また、読みやすく、わかりやすいコンテンツであるかどうかも、あわせてチェックしてください。
さらにアップしてから時間が経っている記事は、リライトする必要がある可能性が高いので、古い情報を新しい情報に書き換えましょう。
コンテンツを見直す時間が捻出できない場合は、コンテンツ制作も含め、プロに依頼してしまいましょう。
デマンドジェネレーション事例とポイントまとめ
デマンドジェネレーションには、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションの3つのプロセスがあることがわかりました。
また、実施する際は、コンテンツ制作やツールの導入、体制づくりなどの準備が必要です。
デマンドジェネレーションを行えば、受注する可能性の高い見込み客を抽出できるため、効率的な営業活動が可能です。
ご紹介したマクロミルやOktopost社などのように、デマンドジェネレーションによって成功をおさめた事例もたくさんあります。
ぜひ、本記事でお伝えした内容を参考にし、デマンドジェネレーションに取り組んでみましょう。
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