オウンドメディアの目標・KPI設定は重要!方法や指標を解説
最終更新日:2024年02月21日
マーケティング戦略の要ともいえるオウンドメディアですが、メディアを制作したものの、「どう活用するか方針が固まっていない…」「成果を上げるためにどう運用すればいいかわからない…」とお悩みの方も少なくありません。
オウンドメディアはただ漠然と運用するのではなく、目的や目標となる数値などを具体的に設定することで、成功へと導くことができます。
本記事では、オウンドメディアにおける目標設定の重要性をご説明するとともに、目標設定に役立つツールや、運用のポイントなどをご紹介します。
オウンドメディアをつくる目的
オウンドメディアをつくる目的としては、
- 自社の認知向上
- 商品やサービスのブランディング
- 集客やリードの獲得
- 優良顧客の獲得や育成
- 採用
などが主な例として挙げられます。
近年ではその中でも「採用」に関するオウンドメディアが注目を集めており、従来の顧客を獲得するためのメディアが、優良人材を獲得するためのメディアとしても運用されつつあります。
オウンドメディアの目標設定の指標とは
上記のオウンドメディアをつくる目的に照らし合わせると、目標設定の指標が定まってきます。
指標とは、「設定した目標の達成の度合いを測るもの」です。
例えば、アクセス数がいくらか、その数は想定の何割を満たしているか、などを測定することで、オウンドメディアの運用状況、成功率などを明瞭な数値として知ることが出来ます。
自社の認知向上・商品やサービスのブランディングの指標
UU(ユニークユーザー)数
ページに訪れたユーザー数のことです。1人のユーザーがパソコンで1回、スマートフォンで1回アクセスしても、基本的にUU数は1となります。
PV(ページビュー)数
ページへアクセスした単純数のことです。同じユーザーが2度アクセスすれば「2カウント」となるので、必要なデータに応じてUU数との使い分けが必要です。
他には、コメント数やSNSでのシェア数(拡散数)、キーワード検索数などがあります。
集客やリード獲得の指標
CV(コンバージョン)数
商品購入や採用応募などの成約数、資料のダウンロード数、問い合わせ数などを指します。
UU数やPV数、メールマガジンの登録数、商品・サービスの販売数なども挙げられます。
優良顧客の獲得や育成の指標
会員登録数に対する退会率や、他ユーザーの紹介数、商品やサービスのリピート購入数・利用数などが挙げられます。
採用に関する指標
オウンドメディアからの選考応募(エントリー)数、説明会の参加人数、面接・内定辞退数などが挙げられます。
指標に沿ったKGIとKPIを設定する
オウンドメディアの目標設定には、各指標に沿ったKGIおよびKPIの設定が大切です。
KGI(キー・ゴール・インディケーター)
最終目的・最終目標のことを指します。
販促(プロモーション)戦略の場合は、例として「年間売上を前年比150%にしたい」というKGIを設定し、そのためにはどのようなKPIやPRプランを立てる必要があるのかを検討することで、戦略的なオウンドメディアの運用が可能になります。
KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)
KGI(最終目標)を達成するための中間指標であり、「重要経営評価指標」などと訳されることがあります。
例えば、「年間売上を前年比150%にしたい」というKGIを達成するために、
- 広告など、商品を対外的にアピールする機会を増やす
- 他の商品とセット価格で売り出す
- 定期的にセールを行う
- 商品の質を見直す
などのKPIが挙げられますが、これはあくまでデータに基づいて分析したうえでKPIを設定するのが重要です。
思い付きでKPIを設定しても、課題の本質が見えていなかったためKGIが達成できなかったという事態は、コストを抑えるためにも避けたいものです。
UU数やPV数、CV数などのデータの他、ユーザーアンケートを参考にするなど、KPI設定の根拠となるデータを揃えましょう。
KPIを設定する際のポイント
KPIを設定する際のポイントとしては、上述の「データをもとに分析する」ことが挙げられますが、そのためにはSMARTの法則に照らし合わせると、KPIの効果を高めることが出来ます。
SMARTの法則とは、
S(Specific):具体的であるか
M(Measurable):計測可能か
A(Achievable):達成可能か
R(Relevant):KGIと関連しているか
T(Time-bound):期限があるか
これらの頭文字をとったものです。
「具体的であるか」というのは、使用する専門用語を揃えることや、関係者が共通認識を持っていることなどが挙げられます。
また、「期限があるか」とは、いつまでに何を達成するのか、というのを最初に明確にしておくことを指します。
データ分析の他には、オウンドメディア運営に関わるチームの、上司と部下での目標達成の基準など、認識のすり合わせも重要になってきます。
KPIツリーで関係性を可視化する
KPIツリーは、組織や企業の大きな目標であるKGIを頂点とし、その実現に向けて必要なKPIとの関係を、ツリーの形式で視覚的に表現したものです。 KGIを中心に、それを支えるKPIが枝や葉として配置され、目標達成への経路や進捗状況が一目で把握できます。
KPIの分類
KPIは大きく「トラフィック」「エンゲージメント」「コンバージョン」の3つのカテゴリに分類されます。
トラフィック:オウンドメディアへのアクセスや閲覧数を測定します。
エンゲージメント:ユーザーがコンテンツとどの程度やり取りしているかを測定します。
コンバージョン:ユーザーが望む行動(購入、登録、問い合わせなど)をどの程度達成しているかを測定します。
KPIツリーの構築
KPIツリーは、目標から始まり、その目標を達成するためのKPIを階層的に組み立てるイメージです。例えば、目標が「リード獲得の増加」であれば、その下に「ウェブサイト訪問者数」「コンテンツダウンロード数」「登録フォームの提出数」などのKPIを配置します。
データの収集と分析
KPIツリーを作成したら、実際のデータを定期的に収集し、分析します。この段階では、KPIの達成度合いやトレンドを把握し、戦略やタクティクスを調整するための洞察を得ることができます。
改善の実施
最後に、分析結果をもとに必要な改善を実施します。例えば、特定のコンテンツが注目されていない場合は、そのコンテンツを改善するか、より効果的なプロモーション戦略を考えることができます
KPIツリーの構築は、組織が目標に向かって効果的に進むための重要なステップです。
キャククルが手がけるオウンドメディアとは?
120業界・8,000サイト以上の実績があるキャククルのオウンドメディア。
認知度向上、他社との差別化、従来と異なるターゲットにアプローチしたいなど、様々な目的で制作することができます。詳しくは以下のページでご確認ください。
オウンドメディアの目標設定・チェックに活用できるツール
オウンドメディアの目標設定・チェックに活用できるツールとして、下記のものがあります。
Googleアナリティクス
GoogleアナリティクスはGoogleのアクセス分析ツールで、無料で利用できるため、オウンドメディアの運用には欠かせないツールであると言えます。
PV数やUU数、ユーザーがサイトを訪問してからどのようなページ遷移をしたかなどが確認できます。
Googleサーチコンソール
GoogleサーチコンソールもGoogleが無料で提供するツールであり、オウンドメディアの分析には非常に有用です。
グーグル検索のサイトの掲載順位を管理・改善するなどSEO対策に役立つほか、サイトが検索される頻度や、検索クエリに対してユーザーがクリックする頻度などを知ることが出来ます。
MA(マーケティングオートメーション)ツール
MAツールとは、顧客情報を一元管理するツールのことであり、多くの顧客へのアプローチが必要なオウンドメディアと相性がいいと言えます。
MAツールはBtoB向けとBtoC向けで機能が大きく分けられます。
BtoBは顧客の育成と管理に焦点を当てたものが多く、BtoCは見込み客の行動履歴や購買データを扱うものが多いのが特徴です。
MAツールでは、顧客ごとのランディングページやCVしたページを確認することが可能。例えばリード管理機能では、企業名や氏名、役職などの他に、性別や年齢、趣味や好みなどのフィールドを自由に設定して顧客属性を管理することもできます。
Googleアナリティクスよりも、更に細かく顧客の動きを追いかけることが可能であり、顧客のフェーズ毎に目標設定したい場合など、より詳細な指標で目標を追う場合に便利です。
Webマーケティング初心者の場合
「オウンドメディア以外の集客方法を探している」「これからWebマーケティングを始めようと思っているが何をすればいいかわからない」「業界内で独自のポジションを確立したい」と考えている企業の担当者に向けて、この記事ではポジショニングをベースとしたキャククルのWebマーケティング施策「ポジショニングメディア」についても紹介しています。
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
といった成果があるWeb施策についてご興味のある方は、以下で詳しく解説しております。ぜひご確認ください。
目標達成のためのオウンドメディア運用のポイント
目標を達成するためのオウンドメディア運用のポイントを3つご紹介します。
ユーザーニーズに応えるコンテンツ作りを心掛ける
まずは広く商品を知ってもらおうとしてコンテンツの内容が自社の宣伝だけに注力してしまうと、ターゲティングが上手くいかず、結果として顧客の離脱を招く場合があります。
誰もがインターネットに触れられる昨今、ユーザーへの情報の押しつけではなく、ユーザーから選んでもらうコンテンツの提供が必要です。
潜在層へのアプローチも念頭に置きながら、ユーザーが求めていることに応えるコンテンツを意識しましょう。
長期的に役立つ情報をユーザーに提供する
オウンドメディアのコンテンツは、一度アップすれば削除しない限りネット上に残り続けることになります。
一度限りの使い捨てのようなコンテンツや記事をアップするのではなく、ユーザーにとって長期的に役立つ情報を発信し、状況に応じて更新していきましょう。
上述のGoogleサーチコンソールなどを用いて、自社のオウンドメディアが市場でどのような位置にあるのかを随時把握し、こまめなSEO対策を取ることも重要です。
ユーザーが安定的にサイトへ訪問してくれる環境を整えましょう。
また、GoogleアナリティクスやMAツールを用いてユーザーのサイト上の動きを把握し、コンバージョンに繋がるような動線を設計することも大切です。
オウンドメディアは制作から効果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアの弱みとして、運営体制を構築するのに大きな金銭的・時間的コストがかかることが挙げられます。
早いうちに「効果が出ないから」と見限ってしまうと、時間も費用も無駄になってしまいます。
社内で「オウンドメディアは効果が出るまでにある程度の時間と費用がかかる」ということ認識を一致させておき、腰を据えて取り組むようにしましょう。
オウンドメディア制作や運用、記事代行などの外注サービスを利用するのもひとつの手です。
この記事のまとめ
オウンドメディアの目標設定についてご紹介してまいりましたが、いかがでしょうか。
この記事では、
- オウンドメディアの目的別に指標を設定することが大切
- KGIやKPIの設定には、UU数やPV数、CV数などKPI設定の根拠となるデータを用いる
- Googleアナリティクスやサーチコンソール、MAツールを活用する
- オウンドメディアはユーザーニーズに寄り添ったコンテンツ制作を心掛けることが重要
ということをポイントとして挙げてまいりました。
オウンドメディアの目標設定は数値を用いて明確にし、後から達成度合いが測りやすいようにしておきましょう。
最初にしっかりと目標設定をしておかないと、意図とは異なるオウンドメディアができてしまったり、運用していく中で認識がずれてしまったり、成果を阻害するリスクを抱えることになってしまいます。
成果を出すためのオウンドメディア制作・運用でお悩みなら
キャククルを運営するZenkenでは、いままでに120業種を超える企業のWeb集客やマーケティング戦略を支援してまいりました。
そのノウハウを活かして、クライアント企業が求める成果を達成するオウンドメディアの戦略提案・設計が可能です。
メディア制作前の市場分析から、戦略提案、メディアの設計・デザイン、コンテンツの制作、公開後の継続的な運用まで、すべてワンストップで対応可能です。
「オウンドメディアでこんなことがしたい」「こんなオウンドメディアがつくれるだろうか…」など、メディア制作についてお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
ブランディングと集客を両立するオウンドメディア戦略
Zenkenでは、培ってきたマーケティングやSEOのノウハウを活かし、クライアント企業のブランドイメージを市場内で確立しながら、コンテンツSEOによってクライアントと相性の良いユーザーを集客する「ブランディングメディア」を提供しています。
クライアント企業の強み、市場環境、ユーザーニーズなどを徹底的に分析し、売上や成約・購入といった成果につながりやすいオウンドメディアを制作可能です。
「自社ならではのオウンドメディアが欲しい」という企業様は、ぜひブランディングメディアについてもご覧ください。
ブランディングメディア事例
画像引用元:Zenken「音と、暮らす。〜防音室のある家〜」(https://www.living-withsound.net/)
Zenkenで制作したブランディングメディアの事例をひとつご紹介いたします。
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ディレクター、デザイナー、アナリスト、ライターなど、それぞれ専門のプロがチームを組んでメディア制作にあたっています。貴社がオウンドメディアを通じて伝えたい、メッセージや強み・価値など、ぜひお聞かせください。