【建設業の人材確保戦略】人手不足を解消する施策・考え方とは
最終更新日:2022年03月21日
建設業において人手不足が嘆かれる昨今、人材確保にお悩みではありませんか?
人材確保が必要になった理由としては、リーマンショックによる就業者数の減少や、若年層の入職率が低く、また入社しても3年以内に離職する人が多いことが挙げられます。
また、国土交通省・厚生労働省による「建設業の人材確保・育成に向けて(令和3年度予算概算要求の概要)」という資料によると、建設業の技能者の約3分の1が55歳以上となっており、高齢化が進行しています。
将来の建設業を支える「担い手」となる人材確保が急務となっているのです。
※参照元:建設業の人材確保・育成に向けて|厚生労働省
このように、人手不足の解消は建設業者の存続において喫緊の課題であり、早急な対応が求められます。
本記事では、建設業における人材確保の方法や、採用マーケティングのポイントなどをまとめてご紹介します。
あわせて自社にマッチする人材確保の施策として、ポジショニングメディア戦略についてもご紹介しています。
ポジショニングメディアではターゲット人材に向けて、自社ならではの魅力をわかりやすく伝えられるため、意欲の高い人材を狙って集めることが可能です。
上記のようなメディアの特徴から、ポジショニングメディア経由の応募は採用率や定着率も高まる傾向があります。人材確保がうまくいかず悩んでいるという場合には、ぜひあわせてご覧ください。
ポジショニングメディアを活用した採用事例
建築業界 従業員100名以下
転職エージェントや求人広告媒体だとどうしても魅力的な競合他社に流れてしまいがちな建築系人材を少しでも自社で確保したく、採用ポジショニングメディアを導入しました。とはいえ、競合他社と同じような求人広告展開をしてしまうと、採用単価がかなり上がってしまうことも懸念でした。そこでポジショニングメディアを導入した結果、公式サイトから月1件エントリーが来ていれば御の字だったのですが、導入後は月に10件エントリーが取れています。
建設業の人材確保の課題とは
建設業における人材確保の課題は、おもに下記の3つが挙げられます。
就業者の高齢化
冒頭でも述べたように、建設業の就業者は、国土交通省・厚生労働省のデータによると、55歳以上が約34%であるのに対し、29歳以下は約11%となっており、次世代への技術の継承が大きな課題となっています。
今後、経験を積んだ職人が定年を迎え大量離職することで就業者数の減少が加速する懸念もあるため、対策が求められています。
若年労働者の開拓不足と離職率の高さ
上記のように、建設業において29歳以下の若年労働者の割合は11%と、他の産業に比べても低くなっています。
建設業は3K(きつい、きたない、危険)のイメージが根強く、また福利厚生があまり充実していないことから、建設業への就職を希望する若者が少ないと考えられています。
また、厚生労働省の新規学卒就労者の離職状況によると、2016年3月新規高卒の建設業における離職率は45.3%となっており、平均よりも高くなっています。
※参照元:新規高卒就職者の離職状況(2016年3月卒業者)|厚生労働省
こういった若年労働者のマイナスイメージを払拭するためには、実際に現場を見てもらい、建設業の魅力をアピールするといった働きかけが必要になります。
労働環境の厳しさ
若者の離職率が高い理由として、長時間労働であり、休日が少なく、体力面が厳しく賃金が安いなどが挙げられます。これらはおもに中小企業における課題となっています。
建設業の2016年度における年間総実労働時間は2056時間と、調査対象の全業種の平均よりも300時間ほど長いことが分かります。(国土交通省の調査による)
建設工事全体では、約65%が4週4休以下で就業しています。
※参照元:所定内労働時間及び所定外労働時間の推移|厚生労働省
また、建設業の現場では季節や天候関係なく、外での長時間労働を強いられます。
間違えれば命にかかわる作業も少なくなく、精神的な疲労も心身に大きく影響します。
こういった過酷な労働環境のイメージが先行しており、若者を遠ざけてしまう一因となっているのです。
【建設業編】人材確保の方法
建設業における人材確保・人手不足解消の方法を、上記の課題になぞらえて解説します。
IT技術を導入する
慢性的な人手不足に悩まされる建設業において、作業工程の自動化(オートメーション化)は重要になります。
ICT(情報通信技術)は、ITにコミュニケーションの要素を含めたものです。
例として、作業工程や図面をスマホやタブレットで共有することで、それらを駆使して遠隔地から現場への業務指示が可能になり、生産性の向上やコスト削減にも繋がります。
若手職人の処遇改善や社内制度の整備
国土交通省による「建設業の働き方として目指していくべき方向性」という資料によると、技能労働者の雇用条件は、月給制が34.6%で、日給制が63.6%と、日給が半数を占めています。(2016年12月時点)
また、平均的な休暇日数も5.16日/4週となっています。
※参照元:建設業の働き方として目指していくべき方向性|国土交通省
固定月給制・週休2日制にすることで安定して働ける環境づくりが必要であり、ライフワークバランスの見直しが望まれます。
また、社会保険への加入など、労働に見合った処遇や福利厚生の拡充によって、若年者の早期離職を防ぐことが期待できます。
また、建設業は力仕事のイメージがありますが、安全管理や施工管理といった管理業務もあります。
女性や高齢者、外国人労働者など、多様な人材を適材適所に活用することも有効な手段です。
行政の取り組みの活用・連携
冒頭でもご紹介している2021年度予算概算要求の資料では、国土交通省と厚生労働省が連携して、
- 建設産業の働き方改革の実現
- 誰もが安心して働き続けられる環境整備
- 建設キャリアアップシステムの普及・活用
- デジタル・ガバメントの推進
- 建設事業主等に対する助成金
など、建設事業者に対して建設業に特化した支援施策が示されています。
こうしたバックアップも活用していきましょう。
オウンドメディアやSNSを活用した求人情報の発信
3Kなど定着した負のイメージを払拭するため、また上記の取り組みを外部に伝えるために、オウンドメディア(自社メディア)による自社の魅力の発信や、SNSの活用によるアピールなど、Webを通して求職者に積極的に働きかけることが大切です。
スマートフォンを個人で持つのが当たり前になっている昨今、求人情報の収集はWEBで行うのが一般的になっています。
従来のハローワークや求人情報誌での求人募集だけでなく、若年層が日常的に利用するTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSも有効活用しましょう。
採用マーケティングで狙いを定めた求人を行う
優良な人材を獲得するためには、自社と相性の良い人材や、自社が欲しい人材に絞り、応募者の質を上げることが重要です。
求職者へのアピールポイントになる「自社のビジョン」を明確にし、「自社の強み」を活かしてターゲティングを行うことで、採用率・定着率が上がるといったメリットも生まれます。
採用マーケティングを行おう
採用マーケティングとは、従来のマーケティングの考え方を採用にも取り入れることです。
商品やサービスの提供、集客戦略にマーケティングが有効なように、採用においてもマーケティング戦略を取り入れると効果的な活動・施策ができます。
これからの時代は特にWebマーケティングに注力し、採用に特化したオウンドメディアを立ち上げるなど、「求職者に選ばれる」施策が重要になります。
応募の段階でしっかり自社の魅力を伝えることで、効率的・効果的な求人が可能になるのです。
自社にあった人材確保のための戦略
自社に合った人材を確保する具体的な方法として、「採用オウンドメディア」と「ポジショニングメディア」をご紹介します。
採用オウンドメディア
採用オウンドメディアとは、採用情報に特化した自社メディア、つまり自社の情報を求職者に伝えるための「採用サイト」です。
オウンドメディアであれば自社が伝えたいことをより詳細に、自由に発信ができるため、自社の魅力や強みを伝えやすくなります。
そのため自社とマッチする人材を確保しやすくなるのです。
メルカリ(https://mercan.mercari.com/)やLINE(https://line-online.me/)といった大手企業も採用オウンドメディアの活用に力を入れています。
すぐにWebメディアの立ち上げは難しそう、という場合はまずSNSで自社情報の発信を始めてみるといいでしょう。
自社の雰囲気や魅力が伝わる投稿を続けることで、より具体的なイメージを持ってもらえます。
ハッシュタグなどを活用することで、自社を知らない人材が情報を見つけやすくする工夫も大切です。
一貫した情報発信や投稿などはブランディング効果も期待できます。
ポジショニングメディア
採用オウンドメディアは自由度が高いのですが、それだけでは人材を確保することは難しいでしょう。
なぜなら、ほとんどのユーザーは自社のサイトを一通り見たあとに、「他の会社は?」と競合のサイトも見ていくためです。そもそも自社の採用サイトを競合も掲載されているポータルサイト経由で見つけるユーザーが多いでしょう。そのような流れでは、自社はどうしても競合他社との比較対象となってしまいます。
ポジショニングメディアはそのような課題を解決すべく、競合と差別化を図りながら、自社と相性の良いユーザーだけを集客することに特化したWebメディアです。
ポジショニングメディアでは「建設 求人」広い検索キーワードではなく、ユーザーのニーズが垣間見えるものをもとに設定します(たとえば「建設業 モチベーション」)。そして自社で集めたい人材を明確にした上で、そのようなユーザーのニーズに沿ってメディアの中で仕事の選び方などを客観的に解説していきます。
「建設業のこのようなところにモチベーションを感じる人なら自社」と位置づけを行うことで、競合との差別化と差別化を図りながら集客することができます。そのような流れで獲得したユーザーは自社を選ぶ理由が分かった上でエントリーするため、採用率・定着率が高い傾向にあります。
ポジショニングメディア立ち上げの流れや導入事例を見たい方には、下記のページにて参考資料を用意しております。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
建設業の人材確保については、現状の課題や懸念を払しょくする正しい情報を求職者に届けることが重要です。
そのためには採用マーケティングの考え方を取り入れ、自社のことを知ってもらいたい人(ターゲット)に情報を届ける最適な手段を考えてみてください。
記事内ではオウンドメディア、ポジショニングメディアという人材確保の施策を紹介してまいりましたが、なによりもまず自社の魅力とは何かを明確化し、かつ差別化できていると良いでしょう。
やみくもに応募者数やエントリー数を追うのではなく、自社に興味を持ってくれる方ひとりひとりの質を上げること、マッチ度を上げることが結果として定着してくれる人材、活躍してくれる人材の確保につながります。
建設業での人材確保でお悩みなら
Zenkenでは、クライアントならではの強みを軸とした、マーケティング戦略のご提案をおこなっています。いままでに120業種を超えるクライアント企業の集客・採用・マーケティング戦略を支援してまいりました。
そのノウハウを活かし、貴社の魅力を徹底的に分析した上で、最適な採用戦略・人材確保施策をご提案させていただきます。
競合に埋もれてしまって中々応募が集まらない、採用しても定着してくれない…、そのような課題やお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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