広告代理店の選び方と失敗しないためのチェックリスト
最終更新日:2024年05月28日
広告代理店を選ぶ前に確認したいこと
商品やサービスの売れ行きを左右する要素のひとつに「広告」があります。多くの企業が広告媒体の選別や広告制作から運用までを広告代理店に委託しています。
少し乱暴な言い方をすれば、「広告の予算を確保して広告代理店に丸投げ」している会社も少なからずあるはずです。広告運用のエキスパートに任せるのはいいとして、広告代理店ならなんでもOKというわけではないことを知っておくべきです。
広告代理店を選ぶまえに、まずどのような目的で広告代理店を探しているのかを改めて整理しておく必要があります。
広告代理店と言ってもさまざまなタイプがあり、それぞれ得意としている分野が異なります。まず大きく分けて3タイプの広告代理店があります。
- 総合広告代理店
- 専門広告代理店
- ハウスエージェンシー
またインターネット広告においては、更に細かく得意分野が分かれます。
- 総合ネット広告代理店
- 特化型ネット広告代理店
- SEO型広告代理店
これとは別に、特定の業界に特化したコンサルティング会社が広告代理店を兼ねるようなサービス形態もありますので、自社の事業スタイルや商材、サービスなどにマッチする広告代理店を選ぶようにします。
総合広告代理店
総合広告代理店はあらゆる媒体の広告を総合的に扱っています。
テレビやラジオのCMから、新聞や雑誌の広告、街看板、インターネット広告に至るまで、どのような媒体においても相談が可能です。
媒体を組み合わせて広告にレバレッジをかけ、効果があると判断できれば同じ広告に予算を追加していくこともできます。総合的なノウハウを持ち合わせている点で、大きなプロジェクトを任される代理店が多い傾向があります。
自社の広告戦略において、どのような媒体を活用すれば成果を出しやすいかといった広告戦略についてアドバイスをもらうこともできます。
専門広告代理店
専門広告代理店は、特定の分野やジャンルに特化した広告枠を提供する広告代理店です。
紙媒体専門、デジタル媒体専門というケースや、更に細かく雑誌広告専門、ネット広告専門という場合もあります。
また特定の地域にだけ限定してサービスを提供している専門広告代理店もあります。
そのため総合広告代理店のように、あらゆる媒体を組み合わせる広告戦略は不向きな傾向にあると言えます。
さまざまな媒体を組み合わせての総合的な広告戦略が不向きであるが故に、自社にある程度広告に関する知識やノウハウの持ち合わせがないと、ターゲットの性質にマッチしない広告を出稿されてしまうことにもなります。
専門広告代理店を活用する場合は、予めどのような広告を出稿するとターゲットに届きやすいかを把握できている必要があり、ROASの得られる公算が大きい場合にのみ利用することをおすすめします。
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、使った広告費に対して得られた売上をパーセンテージで表したものを指します。
ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーは、特定の企業や特定の組織の広告しか取り扱わない広告代理店です。いわば「お抱え広告代理店」、その企業の専属広告代理店となります。
例えば大企業の広報部などを独立させて子会社化し、ハウスエージェンシーとして運用するケースもあります。
総合広告代理店を利用する場合に比べ、情報漏えいのリスクが少なく、また仲介料も大幅に削減できます。
しかしながらハウスエージェンシーは、自社内においてワンストップで運用を行うため、他企業の情報があまり入って来ず、客観性に乏しい広告となることもあります。
総合インターネット広告代理店
総合インターネット広告代理店は、オンライン上でのあらゆるインターネット広告を取り扱います。オンライン上での広告出稿であれば媒体は問いません。
広告制作から運用までワンストップで受注するタイプの広告代理店ですが、役務の種類や運用スタイルなど契約前に細かく確認しておくことをおすすめします。
特化型インターネット広告代理店
特化型インターネット広告代理店はオンライン上の広告において、取り扱うジャンルや分野、業界を限定している広告代理店です。
例えばSNSに出稿する広告のみ、リスティング広告の運用のみ、など各企業で得意分野と不得意分野が分かれています。
SEO型広告代理店
SEO型広告代理店は、SEO施策に強みを持つ広告代理店です。SEOを軸としてさまざまな広告における上位表示を目指していきます。
通常の広告代理店と比べSEOに特化しているため、検索エンジンに好まれる広告戦略の立案が期待できます。
広告代理店の選び方とチェックポイント
広告代理店は依頼しようとする代理店の運営体制や性質を見極め、広告にかけられる予算とよく比較検討した上で選定しなければなりません。
ここでは広告代理店の選び方やチェックポイントを紹介していきます。
広告代理店選びの比較検討ポイント
広告代理店を比較検討する要素としては以下が挙げられます。
- 広告予算
- 広告代理店の経営スタイル
- 契約内容
予算
まず自社で広告出稿にかけられる予算を算出します。
基本的に広告代理店では広告費の2割程度の手数料を取るとされていますが、数万程度から運用を開始してくれるところもありますので、広告代理店によってさまざまです。
広告代理店選びのポイントとして、必ずしも安かろう悪かろうとはならないことです。このあたりは自社商品と広告代理店との相性もあります。また複数要素の兼ね合いによっても効果は変わってきます。
逆に広告単価が高ければ、よい広告代理店とも限りません。
ひとつの基準として意識するべきは、予算がかけられない場合は広告媒体を絞って、特定分野のみしっかりと対応してくれる広告代理店を選定することです。
一方で、ある程度予算に余裕がある場合は、幅広い分野や媒体での広告出稿と総合的なサービスを展開してくれる広告代理店を選定することです。
広告代理店の経営スタイル
広告効果は広告運用担当者の力量によっても変わってきます。
過去の広告運用経験や蓄積してきたノウハウ、知識、実際に運用ができる媒体など、広告運用担当者に確認するべきポイントはいくつかあります。
その他に広告運用歴、広告運用の経験がある業界などの項目が確認できるとよいでしょう。
この基準の他にも、例えばクライアントは何社ぐらい抱えているか、運用担当者は何人いるか、という要素で見極める場合もありますが、もっとも大切なのはフィーリングと言ってもよいでしょう。
ビジネスではやり取りを行っていく中で、この人であれば信頼ができる、一緒にビジネスを進行していきたい、と感じることがあると思います。
そのような理屈では表せない相対する人材に感じるフィーリングを大切にすることも、ビジネスを行っていく上では重要な感覚です。
広告は出稿したら終わりではなく、長期間運用し続けなければならないため、広告運用担当者との信頼関係があるかないかは、今後の仕事のやりやすさにも少なからず影響してきます。
契約内容
広告代理店に依頼するときは契約期間にも注意する必要があります。契約期間が取り決められていたり、制限があったりする場合は、途中で解約ができない場合があります。
例えば「これ以上広告を出し続けていても成果が見込めない」というような場合でも、契約期間に制限があれば解約はできません。そのため契約期間があまりにも長い場合は、少し注意する必要があります。
インターネット広告の比較検討ポイント
インターネット広告の場合の比較検討ポイントとしては以下が挙げられます。
- 料金体系
- サービス内容
- 資格の有無
料金体系
インターネット広告の料金体系は、複数の形態があるため依頼する前に入念に調べておく必要があります。
テーブル制や固定制、また成果報酬型というのもあります。特に成果報酬型に関しては、手数料の計算式も複雑で、試算がわかりづらい傾向にあるため、細かくチェックしておきます。
サービス内容
どこまでのサービスをおこなってくれるのか、というサービス内容の確認もチェックポイントとして重要です。
アカウント構成や媒体の提案はしてくれるのか、アクセス解析の分析は行ってくれるのか、レポートは定期的に発行してくれるのか、などサービスの度合いも調べておきます。
資格の有無
オンライン上においての広告運用に関しては、明確に実力がわかる資格があります。
例えば「Google 広告の認定資格」を保有していれば、広告運用に関してGoogleからプロフェッショナルと認定された証拠となります。
またYahooの「Yahoo!プロモーション広告 プロフェッショナル認定資格」を保有していれば、同じくYahooより広告運用のプロフェッショナルと認定された証拠となります。
さらに「GAIQ(Googleアナリティクス個人認定資格)」を保有していれば、アナリティクスにおける高度な分析テクニックと情報収集能力を身につけていることになります。
人柄や相性という抽象的な判断材料ではなく、上記のような資格があるかないかも、比較検討の要素になることを覚えておきましょう。
広告代理店との契約前に必ず確認すべきこと
広告代理店へ依頼する前に、上述を参照に改めてチェックポイントを確認します。まずは、しっかりと料金体系を確認しましょう。
テーブル制なのか固定制なのか、もしくは成果報酬型なのかを把握しておきます。
次に運用体制も確認します。しっかりとしたサービスを行ってくれるのか、資格を保有した広告運用担当者は在籍しているか、などの確認を行います。
そしてレポートの納品頻度や広告アカウントの開放などについても、消去法で確認していきます。
広告代理店の選びに失敗しないためのチェックリスト
新たに広告代理店を探している、または広告代理店のリプレースを考えている場合に、チェックしておきたいポイントをまとめました。
広告代理店の選定は、自社の大切な案件が失敗に終わるか否かの命運がかかっていると言っても過言ではありません。
特に広告をアートやクリエイティブという捉え方をしている広告運用担当者もおり、ROASが全く考察されていないことも多々あるのです。
このような広告運用担当者に大切な案件を預けてしまうと、失敗に終わる可能性が高まります。
ECのミカタ「広告代理店に潰されるな!広告業界の闇と【広告代理店とのつき合い方】を大公開」特集記事の中に、下記のような一文があります。
「広告をアートやクリエイティブだと考えている広告マンが多くいる。広告主の売り上げよりも自分の趣味を優先している『賞狙い』のミーハーな広告代理店に依頼してはいけません」
引用元:ECのミカタ(https://ecnomikata.com/original_news/22091/)
少し手厳しい言い方かもしれませんが、広告効果を顧みないクリエイティブなど広告費用をドブに捨てるようなものです。
広告代理店の規模の大きさやこれまでの実績にばかりとらわれず、広告効果を数値化して見せてくれる広告代理店を選ぶようにしましょう。
以下は広告代理店選びで失敗しないためのチェックリストです。
- ☑広告代理店への案件丸投げは厳禁
- ☑広告代理店は知名度ではなく人で選ぶ
- ☑コンサル経験の有無は重要
- ☑「企業のイメージアップ」が重要という広告代理店はダメ
広告代理店への案件丸投げは厳禁
「こちらはお金を払って依頼しているのだから」と自社案件を広告代理店に丸投げする企業もあります。しかしこれを行うのは厳禁です。
広告代理店は広告案件の運用に関してだけは任せられますが、自社のマーケティング戦略までを把握しているわけではありません。
そのためすべてを丸投げした場合、自社のマーケティング戦略と広告戦略の間にズレが生じ、思うような成果が得られない可能性があります。
広告代理店は自社案件の一部をお手伝いしているだけに過ぎませんので、パートナーとして一緒にビジネスを行っていくという気持ちで依頼するのが好ましいと言えます。
広告代理店は知名度ではなく人で選ぶ
ビジネスでは「フィーリング」も隠れた重要な要素です。広告運用担当者の人柄はどうか、一緒に仕事を行いたいと思える人なのか、を感じ取ることも、依頼後の仕事のしやすさに影響が出てきます。
「コミュニケーション能力があり信頼できそうな人」を見極める目もときには必要です。
コンサルティング経験の有無は重要
広告の運用だけとは言え、依頼された企業の商品やサービスについて最低限知っておく必要はあり、その業界や市場への理解は必要です。
そのため過去にコンサルティング業などを経験してきた広告運用担当者は、商品やサービスへの理解が早く、徹底した市場調査を行なうなどロジカルな広告運用を行ってくれる可能性もあります。
「企業のイメージアップ」が重要という広告代理店はダメ
「企業のイメージアップ」で長期的に売り上げが上がっていきます、と「あくまで売り上げが上がるのは依頼側の要素の問題」とするような広告代理店は避けたほうがよいでしょう。
ブランディングを広告代理店に依頼するケースもありますが、売上に直結する広告を任せることのほうが圧倒的に多いはずです。
広告代理店としては、データ検証に基づいて効果的に広告を運用してもらう必要がありますので、成果を出すことにコミットしている広告代理店を選ぶとよいでしょう。
広告代理店の選び方まとめ
広告代理店選びは自社のビジネスが成功するか否かを左右しかねない重要な選択です。しっかりと料金体系を調べて、自社商品やサービスとマッチするような広告を出稿してくれる広告代理店を選定したいものです。
最初は広告代理店選びに失敗することがあるかもしれませんが、なんとなく契約を継続させてしまっている場合は、この機会に広告代理店のリプレイスを検討してみるのもひとつの方法です。
広告代理店でなくてもWeb広告の運用はできる
成約になる見込み顧客を獲得したいのであれば、120業種以上のマーケティング支援を行ってきたZenkenのノウハウが役に立ちます。
Zenkenは広告代理店ではありませんが、Webマーケティング戦略の立案からWeb広告の制作・運用までワンストップでお手伝いさせていただけます。
Web広告の制作や運用に関しては、広告代理店業界も玉石混交の状態であり、非常に有能な広告代理店ばかりではありません。
SEOの知識だけでなく、どのマーケットを攻めるべきか、どのポジションで戦うべきか、ユーザーの頭の中にある「価値」とはなにかといった要素まで分析しきれていない場合もじつは少なくないのです。
Webマーケテイングの導入を検討されているかた、広告代理店の成果に満足できていないかたは、Webマーケティングのプロ集団であるZenkenまで、一度ご相談ください。