【3分で分かる】星野リゾートのブランド戦略について解説
最終更新日:2024年03月21日
日本国内と海外で温泉旅館リゾートやホテルを運営する「星野リゾート」。競争が激しいホテル業界において、独自のブランドポジションを確立し、多くの人に選ばれ続けています。
この記事では、そんな星のリゾートのブランド戦略について考察しています。中小企業にも応用できる戦略なので、ぜひ自社のブランディングの参考にしてください。
また、親和性の高いユーザーに絞った認知度の向上と、購買意欲や利用意欲のあるユーザーにも同時にアプローチできる「ブランディングメディア」も紹介しています。
星野リゾートのブランド戦略のポイント
星野リゾートは、開業して100年以上の歴史を持つ日本が誇る総合リゾート企業です。
この記事では、今もなお成長を続ける星野リゾートのブランド戦略について解説していきます。
5つのサブブランドを展開
星野リゾートは、複数のサブブランドをもち、それぞれ様々な顧客のニーズに対応しています。サブブランドは主に以下の5つです。
- 星のや:国内外に8施設があり、日本発の”圧倒的非日常感”を追い求めたラグジュアリーホテル
- 界:全国に展開される、各地域の魅力のつまった高級旅館
- リゾナーレ:子供連れ家族旅行をターゲットにした、豊富なアクティビティをそろえる西洋風のリゾートホテル
- OMO:都市を中心に展開される都市観光ホテル
- BEB:若い世代をターゲットにした「居酒屋以上 旅未満」の感覚でゆったりとルーズに過ごすホテル
サブブランドをつくる理由2つ
1つは、各施設をブランド化することで、どういった施設であるかを明確にすることができ、顧客が自分に会うものを容易に選択できるようになるということ。
もう1つは、同じ施設のリピーターを増やすのではなく、グループ全体でのリピーター増が期待できることです。「いろんなところに泊まってみたい」という顧客のニーズを考え、今年は『星のや軽井沢』、来年は別の『星のや』、その次は『界』『リゾナーレ』…と、全国で星野リゾートを楽しんでいただけます。
世界を見据えながら、国内の顧客を大切に
世界ではインバウンドマーケットが伸びていますが、星野リゾートは国内の顧客を大切にしています。
2019年の日本の観光市場は27.9兆円ですが、インバウンドはそのうち4.8兆円に過ぎません。
星野リゾートは、「今後インバウンドマーケットが伸びることに対応は必要であるものの、そこだけに依存してはならない」としています。あらゆる国々に集客を分散させることで安定につながると考えているのです。
日本人のお客様に満足していただくには、質の高い”本物のサービス”が求められるもの。そこで磨かれた細かなサービスや”おもてなし”の精神が、海外のお客様に高評価されている理由でもあります。
「マルチタスク」を採用し、”スタッフ全員が女将さん”に
星野リゾートでは、一組のお客様に対して一人のスタッフが担当する「マルチタスク」を採用しています。一見、”掛け持ち”という響きのよくないものがイメージできます。
ですが、あらゆる業務に精通したスタッフが、一組のお客様に一貫してお食事からチェックアウト業務、客室業務まですべてを担当するため、柔軟かつ親身な”おもてなし”が叶います。
SNSを積極的に活用
星野リゾートは、若者の顧客を増やすためにSNSを活用。
実際に、若者をターゲットにした施設の「BEB軽井沢」では、SNSだけで告知をしています。利用した顧客がSNSで自ら発信してくれる場合も多いため、SNSで大きな広告効果を得ています。
SNSを活用することによって、若者を早い段階で星野リゾートのファンにすることが可能になるのです。
また、若いうちに星野リゾートを利用してもらうことで、「次はお金を貯めて『星のや』や『界』を利用してみたい」といったリピーターにもつながります。
星野リゾートのブランド戦略まとめ
一軒の旅館から、日本が誇る総合リゾート企業となった星野リゾートの成長の背景には、様々な顧客のニーズや時代に合わせた戦略が行われていることがお分かりいただけたと思います。
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