オウンドメディア企画を通すためのポイントと立案方法
最終更新日:2022年03月08日
オウンドメディアの企画は、効果的なメディア運用のために必要不可欠です。この記事では、成果に繋がりやすい企画のポイントと立て方について解説しています。企画が一発で通るように、準備を万全にしておきましょう。
オウンドメディアの企画を通すためのポイント
マーケティング活動にオウンドメディアを導入することを提案する場合、マスマーケティング活動との違いを理解してもらえず効果を疑問視されてしまうことがあります。
ここではまず、マーケティング戦略会議などにおいてオウンドメディア企画を通すためのポイントをご紹介します。
自社にオウンドメディアが必要な理由を言語化する
まず自社にオウンドメディアが必要な理由を言語化することで、マスマーケティングとの違いやオウンドメディアの解決できるマーケティング課題を理解してもらいましょう。
オウンドメディアはWebマーケティングの手法であり、下記のような課題を解決することができます。
- ブランディングの課題:商品・サービス市場において自社ブランドの認知度が低い
- 集客・販売の課題:実店舗やECサイトへの集客が少なく販売数が増えていない
- 求人採用の課題:採用市場においてスキルのマッチする求人応募が集まっていない
- デジタル収益の課題:Webサイトを活用してWeb広告・デジタルコンテンツ収益を上げたい
またオウンドメディアはコンテンツマーケティングの一種でもあり、価値あるコンテンツを提供することでユーザーを集めて、購買意欲を高めながら購買行動を喚起することが主な目的です。
コンテンツマーケティングは、記事・動画などのコンテンツ経由で顧客が集まるインバウンドマーケティング形式の手法です。一度作成・公開したコンテンツは半永久的に「資産」として残るため、継続的に広告費などをかける必要はありません。 アウトバウンドマーケティングに比べて宣伝・広告費を削減することが可能です。
自社の課題を数値に表して議論する
次に言語化された自社マーケティング課題を具体的な数値に表して議論することで、到達したい目標を定めて評価・改善できるようにしましょう。
上記で紹介したマーケティング課題ごとに用いられる指標は、下記の通りです。
- ブランディングの指標:オウンドメディア全体のユーザーアクセス数やページビュー数、滞在時間など
- 集客の指標:各コンテンツのリード獲得数や問い合わせ数、資料ダウンロード数、セミナー・メルマガ申込数など
- 販売(成果)の指標:販売ページのユーザーアクセス数やページビュー数、コンバージョン数など
- デジタル収益の指標:広告・コンテンツのクリック数やコンバージョン数など
例えば公式サイトからの問い合わせ月間100件という集客課題に対して、オウンドメディアからの問い合わせ月間200件という目標を設定します。
またブランディングの効果測定として街頭や電話による消費者アンケートが行われてきましたが、オウンドメディアのサクセス数をブランド認知度の分析に活用可能です。
オウンドメディアを既存のマーケティングの改善策として提案する
企業のマーケティングは、様々なチャネルで行われます。成果を出すには、それらを組み合わせて多角的なアプローチを取ることが有効とされています。マーケティング戦略で活用されるメディアは、PESOで分類できます。
- P(Paid Media、ペイドメディア):Web広告、リスティング広告、紙媒体広告など
- E(Earned Media、アーンドメディア):報道やインフルエンサー・ブロガーなど
- S(Shared Media、シェアドメディア):SNSや口コミサイトなど
- O(Owned Media、オウンドメディア):自社のコーポレートサイトやブログサイトなど
PESOのそれぞれのメディアには、強みと弱点があります。たとえばアーンドメディアやシェア度メディアは集客効果が高いですが、第3者に依存しているため自社で100%コントロールできないというのが弱点です。ペイドメディアはコントロールしやすいですが、費用が高くなりがちです。オウンドメディアは自社で制作・運用するため4つの中で一番コントロールしやすく、比較的低いコストで運用が可能です。
オウンドメディアを制作・運用することは、第3者に依存しないPDCAが回しやすいマーケティングチャネルを保有することを意味します。うまく運用できれば、継続的に売り上げに繋がる集客の基盤となります。
オウンドメディアを自社のマーケティングチャネルにバランスを持たせる施策として提案すれば、理解が得やすくなるでしょう。
オウンドメディア企画担当者を配置する
最後にオウンドメディアを企画する担当者を配置することで、継続的にPDCAサイクルを回せるようにしましょう。
オウンドメディアを開設するためにはデザインやコンテンツ制作などの多くの業務が存在し、人員と予算が必要です。オウンドメディアを統括する企画責任者がいることで、スタッフ間の調整や予算管理などをすることができます。
またオウンドメディア開設はスタートであり、マーケティングのゴールではありません。コンテンツを制作しながらオウンドメディアを運用することで、マーケティング課題を解決することができます。オウンドメディア運営を定期的に評価・改善することが、企画担当者の重要な役割です。
オウンドメディア運営に失敗しないように、Webマーケティングの知識・経験のある人材をオウンドメディア担当者に配置しましょう。
オウンドメディアの企画立案方法
オウンドメディア運用の失敗として、オウンドメディアを開設することが目的になってしまったり、コンテンツ制作に一貫性がなかったりすることで、成果が上がらないことがあります。
そこでマーケティング成果を上げるために、オウンドメディア企画を通すためのポイントを踏まえた企画立案方法をご紹介します。
目的・目標の設定
まず自社マーケティング課題を踏まえて、オウンドメディアの運営目的を選びましょう。
- ブランディング:商品・サービス市場において自社ブランド認知度を高める
- 集客・販売:実店舗やECサイトに集客して販売数を増やす
- 求人採用:採用市場においてスキルのマッチする求職者を効率的に採用する
- デジタル収益:Web広告やデジタルコンテンツの収益を上げる
次に選択した運営目的を評価するために、オウンドメディア運営目標を設定します。
- ブランディングの目標例:月間ユーザーアクセス数10,000人、平均滞在時間10分など
- 集客・販売の目標例:問い合わせ月間1000件、販売数100件など
- 求人採用の目標例:求人情報メルマガ登録月間200件、求人応募月間100件など
- デジタル収益の目標例:アフィリエイト報酬月間20万円、広告枠契約月間30万円など
なお一つのオウンドメディアを運営することで、複数の目的(たとえばブランディングとデジタル収益)を果たすことも可能です。
ターゲット・コンセプトの設定
自社のオウンドメディア運営目的を果たすために、ターゲットとコンセプトを適切に設定しましょう。
自社商品・サービスの価値を認める顧客や自社で働きたい求職者が、自社オウンドメディアのターゲットです。インターネットユーザーは、悩みや問題を解決するためにネット検索します。オウンドメディアを成功させるには、特定のターゲットに対して価値あるコンテンツを発する信ことが必要不可欠です。
ターゲットを明確せずにオウンドメディアを運用すると、
- コンテンツを公開し続けてもユーザーが集まらない
- 競合となかなか差別化ができない
といった問題が発生してしまいます。
ターゲットとする顧客像をなるべく絞って、コンテンツの価値を感じてもらうユーザーを集めましょう。
またコンテンツはユーザーの悩みを解決するだけではなく、自社商品・サービスの魅力やブランド価値が反映されたコンセプトに基づかなくてはなりません。
なぜなら自社の商材にマッチしていないコンテンツを提供すると、メディアの認知度が上がりサイトへのアクセスが増えても成果(商品の購入、入会、エントリーなど)に繋がらないからです。
なおオウンドメディアのターゲット・コンセプトの設定方法として、STP分析を活用できます。
PDCAサイクルの設計
コンセプトに沿ったコンテンツをターゲットへ提供し続けるために、オウンドメディア企画立案段階から評価対象・時期・方法を決めて、PDCAサイクルを設計しましょう。
- P(計画):コンテンツ制作・配信の時期や方法を計画する
- D(実行):計画に従ってコンテンツを制作し配信する
- C(評価):配信コンテンツの目標達成状況を評価する
- A(改善):評価に従ってコンテンツやサイト設計を修正する
オウンドメディアを評価・改善するために、Googleアナリティクス・サーチコンソールなどのアクセス解析ツールを活用できます。
サイト全体や各コンテンツのアクセスデータを取得して分析しながら、オウンドメディアの目標達成状況を評価してコンテンツを改善しましょう。
なおオウンドメディアの目的・目標を効率的に達成できない場合には、コンセプトやターゲットが適切であるか見直しましょう。コンテンツがコンセプトから外れていたり、ターゲットにコンテンツが届いていなかったりすると、成果を上げられないからです。
管理・運用体制の構築
コンテンツ制作のPDCAサイクルを継続して回すために、オウンドメディアの管理・運用体制を構築しましょう。
まず自社オウンドメディアの責任者や担当者を設置します。下記の例のように、各ポジションの人数や分担を明確にしましょう。
- プロデューサー1人:オウンドメディアを企画・統括する責任者
- ディレクター 1人:オウンドメディア管理・運用の責任者
- エディター 2人:コンテンツ制作の進行管理や編集の担当者
- クリエイター 6人:コンテンツのデザイン、コーディング、ライティング、写真撮影などの制作者
次に責任者や担当者を採用・配置します。自社スタッフに担当させるポジションと外注する業務を区別して、オウンドメディア企画に盛り込みましょう。自社スタッフが業務を担当すれば、即座に問題に対応したりスキルを蓄積したりできます。
しかし業務委託することで、WebデザインやCMS管理などの自社に対応できないスキルを補ったりコストを削減したりすることが可能です。
企画が通ってからのコンテンツ制作が大事
自社マーケティング戦略会議においてオウンドメディア企画が通ったら、設計したPDCAサイクルに従ってコンテンツ制作を始めることが大事です。なぜならユーザーに提供するコンテンツの質と量によって、オウンドメディアマーケティングの成果が大きく変わるからです。
ユーザーを集めることのできるコンテンツを制作するためにネット検索結果や競合サイトを分析して、自社オウンドメディアのターゲット・コンセプトに当てはまるキーワードを選定し、ユーザーにとって使いやすいサイト構造を設計しましょう。
計画したオウンドメディア管理・運用体制の下で、ディレクターとエディターが担当します。次に選定した各キーワードに沿ったコンテンツを制作・配信しましょう。設計したサイト構造を踏まえて、各コンテンツやサイト全体にフォーム・資料ダウンロードのボタンや販売ページへのリンクを設置します。
最後に配信している各コンテンツやサイト全体を評価・改善しましょう。成果の上がらないコンテンツに対しては、内容を修正するだけではなくSNSやWeb広告とリンクさせて集客を改善します。
成果の上がるオウンドメディアを企画しよう
オウンドメディア運用の成果を上げるためにはマーケティング戦略に導入する目的・目標だけではなく、導入後の運営方法を綿密に企画することが大切です。
オウンドメディアの立ち上げ・運用でお困りなら、ぜひキャククルの運営元であるZenkenへごお問い合わせください。120以上の業界で8,000を超える集客実績を上げてきた経験をもとに、成果に繋がる戦略を提案いたします。