サプリメント・健康食品の広告対策で注意すべきポイント
最終更新日:2024年04月08日
サプリメント・健康食品の広告対策に必須な関連法規の知識
サプリメント・健康食品の販促対策でもっとも悩ましいのが広告に課せられたさまざまな規制です。いわゆる関連法規という言葉でくくられる各種法令で定められた約束事を守らなければ、サプリメントの広告は打てません。
ひとことでサプリメントといっても、「いわゆる健康食品」「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養補助食品」「健康補助食品」「保健機能食品」「栄養機能食品」「特別用途食品」といった具合に、さまざまなカテゴリに分けられています。
また過度にその効果を期待させるような広告で消費者を誤解させることがないよう、サプリメントの広告は法律によって厳しい規制がかけられています。
サプリメントを広告する場合に抑えておきたい、薬機法(薬事法)や健康増進法について具体例を交えながら説明していきます。
薬機法(薬事法)による広告制限
医薬品、医薬部外品などの製造や広告に関する法律である薬事法は、2014年11月25日に「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」(厚労省)と改定され施行されました。
健康食品であるサプリメントは、医薬品と混同させないようにルールを守った表示をしなければなりません。商品本体、パッケージ、広告DM、POP、チラシ、広告すべてにおいて、医薬品用の効果をうたうことはできません。
たとえば「便秘が治る」「アトピー性皮膚炎が治る」「血圧が下がる」「糖尿病が治る」というように特定の疾病や症状名を出して効果効能をアピールすると、食品のカテゴリに属するサプリメントを医薬品と誤認させることとなり、薬機法に抵触することになります。
以下に薬機法の一部を抜粋して紹介します。
誇大広告の禁止(第66条)
- 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
- 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
- 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
引用元:e-GOV法令検索 厚労省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)第十章 医薬品等の広告(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145)
サプリは医薬品ではないといいながらなぜ薬機法で規制されているかというと、薬機法第66条に「誇大広告の禁止」という条項があるためです。「医薬品のように身体に変化(症状の改善や疾病の治癒)を宣伝することは誇大広告につながります。
違反した場合は、罰金や製品の回収、広告の停止といった罰則が科せられることがあり、サプリ販売ビジネスに大きな痛手を負うことになります。
健康増進法(健増法)による広告制限
健康増進法とは、広く国民の健康管理のありかたを規定する法律で、2020年4月1日に施行される受動喫煙を防止するルールも健増法の一部が改正されて全面施行されるものです。
健増法の目的は国民の健康を増進させるためにあるため、サプリを摂取するだけであたかも病気が消えてなくなるような誇大広告や、著しく事実と異なる効果発現をうたうことにより、国民が健康被害を被ることがないように虚偽・誇大表示を禁止しています。
もしも、健康増進法に違反すると、厚生労働大臣からの勧告があります。適切な処置をとらずにいると、最終的には6か月以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられます。
景表法(景品表示法)による広告制限
薬機法や健康増進法同様かそれ以上に重要な法令に、景品表示法、いわゆる景表法があります。景表法は優良誤認や有利誤認を防ぐ消費者保護法のひとつですが、サプリメントの場合この景表法に細心の注意を払わなければなりません。同様に化粧品にも適用されます。
景表法では消費者に誤解を与える下記内容について、禁止しています。
景品表示法 不当な表示の禁止
【優良誤認】
- 実際のものよりも著しく優良であると示すケース
- 競争業者のものよりも著しく優良であると示すケース
- 体験談やアンケートのねつ造
- 効果効能のねつ造
【有利誤認】
- 実際のものよりも著しく有利であると誤認を与えるケース
- 不当な二重価格表示の禁止
- 競争業者のものよりも著しく有利であると誤認を与えるケース
【その他 誤認されるおそれのある表示】
- 無果汁の清涼飲料水等についての不当な表示
- 商品の原産国に関する不当な表示
- おとり広告に関する不当な表示
抜粋元:薬事法広告研究所「景品表示法 不当な表示の禁止」(http://www.89ji.com/law/2926/)
ここまで説明してきておわかりいただけたとは思いますが、どんなにすばらしいサプリであっても、効果や機能性を広告に使うことはできない、というのが大前提です。
科学的根拠(エビデンス)が認めらトクホや機能性表示食品の認可を厚労省からもらったとしても、広告に使える文言には厳しい制約が設けられています。
正直に申しますとサプリメントの広告ほど難しいものはなく、関連法規に沿いつつギリギリのラインを攻めるというハードルの高いプロモーションが求められます。
したがってメーカー内に関連法規担当がいる場合でも、薬機法などに明るい広告代理店や薬機法コンサルなどの外部パートナーに依頼して、広告の運用を依頼するケースがほとんどです。
サプリメント・健康食品の広告でNGな表現
基本的な考え方としては、「医薬品であるかのような誤解をさせない」「事実と異なることを伝えたり、過剰に期待させたりしない」という2つの観点を踏まえた上で広告を作成していきますので、次のような表現は規制対象となります。
- 「病院で受けた検査で、○○値が下がっていた」という体験談を引用した広告。商品に、病気を治療する効果があるかのように思わせる表現である
- 「一日3回3粒を食後に摂取する」と商品パッケージに記載。サプリメントは食品であるにもかかわらず医薬品と同様の扱いであるかのように誤解を与える記載である
- 「身体の疲れがとれる。心の疲れに効く」と説明する。疲労が回復できると誤認してしまうため、病気の治療や予防に効果があるような表現になる
- 「抗アレルギー作用がある。」「かゆみとくしゃみを引き起こす、ヒスタミンを抑える効果がある」と表記。身体の機能を増強させる、または促進できるかのように消費者に誤解させてしまう
例にあげたもののうち、上の3つの例は病気を治したり、予防したりする効果があると思わせてしまうので、「医薬品であるかのような誤解をさせない」に反しています。
また、たとえそれが本当に消費者の体験談であっても、優良誤認や有利誤認(消費者に効果があると思わせ商品購買に意図的に誘導する)につながるため、原則口コミや体験談は広告には使用できません。
一番下の例は、その商品に身体の機能を増強、または促進させる効果があるように誘導してしまうので、「事実と異なることを伝えたり、過剰に期待させたりしない」に反します。
例を見ていただいてわかるように、表現方法がOKかNGかの判断基準が個別具体的なものになるため、サプリメントの広告は難しいのです。
サプリメント・健康食品の広告対策で注意すべきポイントまとめ
さまざまな関連法規をクリアしたうえで、法令に抵触せずに広告コピーを作成したりパッケージの文言を決めたりするのは、なかなかハードルの高い作業です。どうすればよいか途方に暮れてしまう前に、以下のような方法があることを知っておきましょう。
- 各地方自治体の保健福祉局(東京都の場合は健康安全部薬務課監視指導担当)に連絡、関連法規に抵触していないか広告やパッケージを提出して相談する
- 薬機法のコンサル会社に商品設計からパッケージの表示、広告に至るまで関連法規のチェックや指導を依頼する
- サプリメントや化粧品などの法的規制に詳しい弁護士と顧問契約を結び、すべての表記や文章を法令に照らし合わせてチェックしてもらう
- 健康食品などの関連法規に詳しい制作会社や広告会社とタッグを組んで販売戦略を立てる
どれをとってもなかなか大変な作業であり手間もお金もかかりますが、これらのルールを無視してサプリを販売するリスクの高さを考えれば、避けられないことと考えるべきでしょう。
開発の段階から商品設計の骨子や広告戦略を専門家の知恵を借りて実施していくほうが、かえって近道となる場合も多いのです。
サプリメント・健康食品の広告で効果的な手法とは
通販サイトや公式サイト、アフィリエイト、ブログなどさまざまな販促プロモーションを展開していると思いますが、やはりネックとなるのが薬機法を含む関連法規による規制です。
ひとつの方法として考えられるのは、Webメディアによる広告戦略です。サプリのポータルサイトに掲載するという方法もありますが、競合に比べて圧倒的に価格が安いなど明確な優位性がない限り、大手メーカーに勝ちにくいという現状があります。
弊社でおすすめしているのは、ユーザーの悩みや困りごとにスポットを当て、ターゲットを絞り込んで制作する「ポジショニングメディア」というです施策です。
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ポジショニングメディアはターゲットや地域を絞り込んだ戦略的メディアです。
ダイレクトに商品の効果効能をうたうことはできませんが、消費者のQOL向上に役立つ情報の発信や成分訴求などの切り口で、興味関心の高まった消費者をLP経由で送客することが可能です。
ポジショニングメディアの仕組みや広告手法詳細に関しては、下記ページで解説しています。よろしければこちらもお読みください。
またポジショニングメディアの事例や具体的な施策内容に関しては、下記よりお問い合わせをおねがいします。
サプリメント・健康食品の広告戦略を見直してみる
サプリの広告戦略を立てるためには、まずその商品のどこが優れていて、競合と比較して優位性は何なのか、社内で徹底的に議論する必要があります。
そのうえで、自社商品をどのターゲットに届けるのか、表現できる内容が限られている中で戦略を組み立てねばなりません。
その準備段階として、サプリ拡販のヒントになる差別化戦略について、簡単な資料にまとめてみました。下記よりダウンロードページに飛ぶことができます。ぜひお試しください。
サプリメントを売るための差別化戦略資料
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