売上アップにつながるシステム開発会社の営業・マーケティング方法
最終更新日:2024年04月18日
システム開発会社が目標とすべき案件
クライアントの要望に沿ってシステムやアプリなどを開発する受託案件は、クライアントにシステム開発スキルがなくても希望するシステムを開発できるため一定のニーズがあることは間違いありません。
システム開発会社は、下請け案件ではなく利益率の高い受託案件の獲得を目指していると思います。
しかし簡単に受託することができれば苦労はありません。競合企業ではなく自社を選んでもらう必要があり、そのための戦略が必要になります。
この記事では選ばれるシステム開発会社になるための集客戦略・マーケティング戦略についてのポイントをまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
システム開発会社におけるマーケティング戦略
システム開発会社が受託案件を獲得するには営業活動が必要です。ただし自社から積極的にアプローチを図るプッシュ型営業の必要性は高くありません。
システム開発会社に求められるのは、顧客が自社のサービスに興味を持つように働きかけて問い合わせなどを待つプル型営業です。
受託案件の場合、正しい方法で自社のスキルや実績を発信すれば興味をもってくれる企業が見つかります。クライアント側がニーズを満たせるシステム開発会社を積極的に探しているからです。
ただし闇雲に情報を発信すればよいというわけではありません。以下の点に気を付けることが重要です。
ターゲットを選定する
最初にターゲットを選定する必要があります。ターゲットが不明瞭だと、アピールするべき強みや適切なコミュニケーション方法などがわからないからです。基本的なターゲットの選定方法は以下の通りです。
- 自社を取り巻く環境を分析する
- 様々な切り口で市場を細分化して、それぞれの市場が抱えるニーズを把握する
- 細分化した市場の中から自社のサービスでニーズを満たせるターゲット(市場)を選定する
自社を取り巻く環境は、既存顧客をヘビーユーザー・ミドルユーザー・ライトユーザーに分類してニーズをつかむHML分析、自社を取り巻く環境を内部環境(自社の強み・弱み)、外部環境(自社にとっての機会・脅威)に分けて分析するSWOT分析などを活用すると把握できます。
市場の細分化は、業界や企業規模、取引履歴・取引頻度・社風などを切り口に行うとよいでしょう。ターゲットを選定したら、ターゲットのニーズを充足できる自社だけの価値を明確にします。
リファラルマーケティングを活用する
受託案件を獲得したい場合は、リファラルマーケティングも有効といえるでしょう。リファラルマーケティングとは、既存顧客やパートナー企業のネットワークを活用して新規顧客を獲得するマーケティング戦略です。
つまり既存顧客などから新規顧客を紹介してもらう形が基本になります。リファラルマーケティングは以下の点で優れています。
- 既存顧客はよく似たニーズを抱える顧客とつながっている可能性が高い
- 紹介であるため新規顧客と信頼関係を構築しやすい
- 紹介であるため成約につなげやすい
例えば顧客に成功報酬を支払う条件で新規顧客を紹介してもらう方法や、パートナー企業に手数料を支払う条件で新規顧客を紹介してもらう方法などが考えられます。
特定の企業をターゲットに選定している場合などで、特に有効なマーケティング戦略と考えられます。
自社の強みや実績をインターネットで発信する
受託案件を獲得するため、自社の強みや実績などを発信することも欠かせません。顧客に自社の強みや実績などが伝わらないと、どれだけ優れたスキルを有していても問い合わせなどにつながらないからです。
システム開発会社が自社の強みを発信するときに活用したいのがWebサイトなどです。Webサイトなどを活用したい理由は、BtoBビジネスでも最初にWebサイトなどで情報を集めるケースが増えているからです。
Webサイトなどの情報をもとに比較検討を済ませてから問い合わせをしている企業が少なくありません。
以前よりもWebサイトなどで情報を発信する重要性は高まっています。受注案件を獲得したい場合は、Webサイトなどで自社の強みや実績を発信しましょう。
システム開発会社が意識すべき営業方法
システム開発会社が適切な情報提供を心がければ、興味を持った企業から問い合わせがはいります。受託案件の受注に結び付けるため重要になるのが営業です。
受託案件は取引額が高額になるケースが多いため、意思決定は慎重に行われる傾向があります。意思決定を促すため、営業でどのような点を意識すればよいのでしょうか。
顧客の課題点を明確にする
受託案件の営業では、顧客から情報を聞き出して課題を明確にすることが重要になります。顧客の課題をもとにシステムを構築していくからです。
聞き取りが不十分で課題を明確にできないと、何度も修正を依頼されるなどのトラブルに発展する恐れがあります。聞き出した課題は、自分の言葉で言い直して内容に誤りがないことを確かめましょう。
ただしすべての顧客が自社の課題を認識しているわけではありません。また多くの顧客は課題を認識していても、解決方法までは把握していません。
受託案件の営業では聞き出した情報をもとに課題(ゴール)を明確にして、解決方法を提示することが求められます。
顧客が自社の課題や解決方法を認識していない場合は、3C分析を活用するとよいでしょう。
3C分析とは、Company(顧客)・Competitor(競合他社)・Customer(顧客のターゲット市場)にわけて市場を分析するフレームワークです。
あるいは他社の事例を紹介して情報を引き出す方法や「はい」と「いいえ」でこたえられる簡単な質問をきっかけに情報を引き出す方法も有効です。
顧客が求めるメリットを提示する
顧客の課題が明らかになったら、顧客が求めるメリットを提示します。ここでいうメリットは、顧客の課題を解決する自社の強みです。顧客が自社を選ぶ理由と言い換えてもよいでしょう。
ポイントは顧客の課題を起点に自社の強みを伝えることです。単純に自社の強みを伝えるわけではありません。顧客が知りたいのは自社の強みではなく、自社の強みが課題の解決にどのように役立つかです。
具体的には売上拡大やコスト削減などにつながるかどうかを知りたいと考えています。受託案件の営業では、自社が伝えたい情報ではなく顧客が知りたい情報を伝えることが重要です。
顧客がわからない単語は避ける
システム開発会社の営業では、顧客の知識レベルに合わせて使用する言葉を選択します。基本的には専門用語の使用を避けるべきといえるでしょう。システム開発会社で使用されている専門用語が、他の業界に浸透しているとは限らないからです。
専門用語をそのまま使用すると、顧客をわかった気にさせてしまうことや顧客を混乱させてしまうことがあります。専門用語の使用は、受託案件受注の妨げになる恐れがあると理解しましょう。
専門用語の中には、適切な日本語訳を見つけられないものがあります。専門用語を使わざるを得ないときは、相手の反応を見つつ必要に応じて補足説明を加えると理解を促せます。
例えば「先ほど述べた○○は□□という意味です」「□□という意味で○○という専門用語を使用しました」などの補足説明が考えられます。
あるいは専門用語をわかりやすく説明した資料を用意してもよいでしょう。システム開発会社の営業では、顧客目線でコミュニケーションを図ることが求められます。
顧客の課題から機能を構築する
システムの機能は顧客の要望をもとに構築します。ただし要望をそのまま受け入れるわけではありません。要望の背後にある課題まで考えて、解決策にあたる機能を構築します。つまり「なぜその機能を必要としているか」まで考える必要があるのです。
システム開発の専門家ではない顧客の要望は、限られた知識の中から導き出された解決策であることが少なくありません。要望を鵜呑みにせず、営業で最適な解決策を提示するべきといえるでしょう。
問い合わせ数・成約率を高めるにはバリュープロポジションを明確に
システム開発会社の問い合せ数などは、バリュープロポジションを明確にして積極的に発信することで増やせる可能性があります。
バリュープロポジションは、自社の製品やサービスが提供する価値を意味します。バリュープロポジションの明確化により問い合わせ数などを増やせる理由は、顧客が自社を選ぶ理由が明確になるからです。
バリュープロポジションの考え方のポイントは、顧客のニーズを満たす自社だけが提供できる価値であるということです。
競合他社が提供できていない価値であるため、ニーズを満たしたい顧客は必然的に自社を選ぶことになります。有効なバリュープロポジションは、競合他社との差別化につながります。
バリュープロポジションを明確にするときは、顧客目線から自社のサービスを見直すことが重要です。自社だけが提供している価値であっても、顧客が求めていなければ問い合わせ件数の増加などにはつながりません。
また競合他社の分析も必要といえるでしょう。顧客のニーズを満たしていても、競合他社が提供していれば有効なバリュープロポジションにはならないからです。
市場で独自のポジションを確立できれば、プッシュ型営業を行わなくても問い合わせ件数などは増えます。受託案件を獲得したいシステム開発会社は、バリュープロポジションを明確化しましょう。
バリュープロポジションの考え方を活かした成約率重視のWebマーケティング施策として、ポジショニングメディア戦略があります。
現在のWebマーケティングがなかなか成果につながっていないようでしたら、ぜひ検討してみてください。
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