人間ドックの経営戦略・戦術を市況を踏まえて考える

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経営戦略立てる前に人間ドック市場が置かれている状況を知る

人間ドック市場はコロナ前とコロナ後で大きく変化をしました。市場規模がどのように変わったのかコロナ前とコロナ後に分けて解説してきます。

コロナ前の市場規模は横ばい

株式会社矢野経済研究所の調査によると、コロナ前における健康診断・人間ドック市場は横ばいです。

年度 市場規模
2015 9,040億円
2016 9,100億円
2017 9,100億円
2018 9,160億円(見込み額)
2019 9,160億円(予測額)

コロナ前の過去5年間の市場規模を見ると約9,000億円で安定しています。年々増加傾向にありますが微増の範囲です。仮に2020年にコロナが発生していなくても、人間ドックの市場規模は9,000億円前後でとどまっていたと考えられます。

参考:参考:健診・人間ドック市場に関する調査を実施(2019年) | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2300)

コロナ禍による受診控えが増加

ヘルスチェックベンチャーのハルメク・ベンチャーズ株式会社のアンケートによると、コロナ禍での受診率は2人に1人でした。

健診受診意向 割合
受診を控える、控えた 54%
通常通りに受診した 46%

参考:参考:【調査リリース】コロナ過における「健康診断受診意向」は2人に1人が「受診を控えたい」と回答。|ハルメク・ベンチャーズ株式会社(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000028690.html)

普段から人間ドックを受けている人の2人に1人が受診を控える理由は、主に院内感染のリスクを恐れているからです。自らのコロナ感染を恐れて、人間ドックを受けたくても受けられないと考える方もいらっしゃいます。

また2人に1人が人間ドックの受診を控えているので、市場規模が半減しているとも言えます。コロナによる人間ドック市場の影響は大きいです。コロナが完全に落ち着くまで影響し続けるでしょう。

コロナ禍で人間ドックを経営するには、経営戦略をおさえなければ立ち向かえません。コロナ禍で自社を選んでもらう戦略を検討することが大切です。

人間ドックを実施するクリニック・施設がおさえるべき経営戦略

人間ドックを実施するクリニック・施設がおさえるべき経営戦略

人間ドックを実施する際におさえるべき6つの経営戦略を順番に解説していきます。

オプション検査による他施設との差別化

ライバル社との差をつけるためには、人間ドックとは別にオプション検査も用意することが大切です。人間ドックに訪れる人は、この機会に体を徹底的に検査してもらいたいと考える人もいます。

例えば血圧やX線だけでなく、骨密度や腫瘍マーカーなどの検査をまとめて受けたいと考える人もいます。一度に体の健康状態を診てもらいたい人にとって、オプション検査の充実度が選ぶポイントです。

特にこれから需要が高まりそうなオプション検査を取り入れると、ライバル社と良い差別化を図れるでしょう。

ちなみに株式会社矢野経済研究所が行った健康実施施設60件を対象にしたアンケートでは、5つのオプション検査が人気でした。

順位 オプション検査 導入率
1 乳房触診+乳房画像診断 51.7%
2 腫瘍マーカー/PSA 50.0%
3 骨密度検査 48.3%
4 婦人科診察+子宮頚部細胞診 45.0%
5 腫瘍マーカー/シフラ 43.3%

参考:健診・人間ドック市場に関する調査を実施(2019年) | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2300)

医療機関との連携

医療機関との連携

人間ドックで病気が見つかった際には、2次検査や自社での治療に進むのが理想的です。しかしクリニックの規模から、自社ではアフターフォローができないこともあるでしょう。

アフターフォローが行えない場合は、複数の医療機関と提携して適切に紹介することが大切です。医療機関と提携しておけば、受診者に病気が見つかった際にもスムーズに対応してもらえます。

ただ医療機関と提携する際には、クリニックと医療機関の関係性を構築しなければいけません。上手に連携が取れていないと、受信者は医療機関で再検診することになる可能性もあります。

再検診は受診者にとって大きな負担なので、結果的に医療機関を紹介した自社の信頼性も損ないます。受診者にとって利用しやすい環境を整えるためにも、医療機関とは密な関係を築いておきましょう。

健康保険組合に選ばれる施策の実施

会社員が加入する社会健康保険で人間ドックを受診すると、健康保険組合は人間ドックの費用を一部負担します。健康保険組合の加入は節約して人間ドックを受けたい方にぴったりです。

しかし最近では高齢者や医療を必要とする人の増加が原因で、医療費の負担が増加傾向にあります。医療費負担の増加によって、財政難に苦しむ健康保険組合も増加中です。

ただ見方を変えると、人間ドックの受診は重い病気の早期発見につながるので、人間ドックの受診率増加で健康的な人も増えます。健康的な体になると病院にお世話になることもありません。

健康保険組合の医療費負担額が減るので、健康保険組合に選ばれるメリットは大きいです。健康保険組合を設立するには従業員数が関係するので難しいですが、設立条件を満たしている場合は、地方厚生局に相談してみてはいかがでしょうか。

コロナ禍に対応した検診体制づくり

人間ドックを運営するにあたってコロナ問題は避けられません。2人に1人がコロナを恐れて人間ドックの受診を控えているといわれる現状では、受診率の低下を防ぐためにもコロナ対策を徹底することが大切です。

例えば1日の受診数を減らしたり、密を避けた環境整備はもちろん、オンラインで人間ドックを受けられる環境を整えることもコロナ対策には効果的です。

オンライン診療の一部導入

コロナを機に日本のオンライン化は一気に進み、最近ではオンラインで人間ドックを取り入れている企業も増えてきています。オンライン診療では自宅で血液や尿を採取し、郵送された血液や尿をクリニックで検査する流れです。

すべての検査をオンラインで完結することは現状では不可能ですが、一部の検査をオンラインで行うだけでもお客さんからの印象は変わります。

オンラインを活用した広告宣伝活動

今は人間ドックを行っているクリニックや施設はたくさんあります。すでに大手のクリニックや施設がある中で、新規や小規模で人間ドックを行っても見向きもされないでしょう。

人を集めるためには広告で宣伝するのが効果的です。広告を出すことによってクリニックの認知度を向上させられるので、足を運ぶ人も増えます。

しかしただ単に広告を出しても効果は薄いです。ライバル社と比較して、自社にどのような強みがあるのか打ち出さなければいけません。

受診者は人間ドックを選ぶ時に、よりニーズに合った場所を選びます。たとえば、乳がんの検査に優れている施設はどこなのか、とさまざまなクリニックを比較します。

クリニックを比較して最終決断にいたるので、自社を選んでもらうためにはライバル社にないものが必要です。ライバル社にはない自社の強みを大々的に宣伝することで、利用者の目にとどまりやすくなります。

ポジショニングメディアを活用することで、自社と親和性の高い、しっかり人間ドックを受けてくれるユーザーを効率的に集客することができます。
新しいマーケティング方針に舵を切る際はもちろん、既存事業の売上強化の際にはマッチしたWeb施策となります。

ポジショニングメディアに興味を持ち、より詳しく知りたい方はポジショニングメディアについてまとめた資料も別途ご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

人間ドックの経営にはコロナ対策と広告宣伝が必須

人間ドックの経営にはコロナ対策と広告宣伝が必須

人間ドック市場の現状や、人間ドックを行う際に効果的な経営戦略について紹介してきました。コロナ後の人間ドックの市場規模は、院内感染のリスクを恐れている人が多いので減少傾向にあります。

今後コロナがすぐに落ち着く保証はないので、人間ドックを行う際にはコロナ対策が必須となります。またコロナ対策とは別で、適切な広告宣伝活動も必要です。

人間ドックはさまざまな場所で行われているので、自社の強みがなければお客さんを引き付けられません。自社の人間ドックを受診してもらうためにも、ライバル社との違いや自社の強みを明確にした宣伝が必要です。

しかし効果のある宣伝を行うことは簡単ではありません。お金を出して宣伝したのに失敗する可能性もあります。広告宣伝で少しでも成功率を上げたい方は、下記ページをぜひご覧ください。

人間ドックの集客(集患)には
顕在顧客の分析がマスト

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