Web広告費用対効果の測定が必要な理由と目的ごとの測定指標を解説
公開日:2021年07月25日
広告は費用対効果の測定が必要不可欠
Web広告を出そうと考えた際に検討しておかなければならないのが、費用対効果に関することです。ただ単に売り上げが上がった、販売数が増えただけでは、具体的にどれくらいの効果があったのか判断が難しくなります。
目標として数字を明確に定めておき、その数字をどの程度実現できたのかによって効果を測定しましょう。
ここで注意しなければならないのが、どのような形で効果が現れるのかが変わる点です。例えば商品を販売するビジネスであれば、売上や販売個数などで確認することができます。一方BtoBの事業の場合は、商談機会が増えるなどの形で効果を実感することができます。
そのため自社の事業にとって何が増えれば成果といえるのか判断し、数字を設定しましょう。その際、成約率や商談化率など、より売り上げに直結しやすい数字を目標とすることが重要です。
Web広告は費用対効果の測定を行いやすい
Web広告はオンラインということもあり、数字のデータで効果を測定することができます。そのためオフライン広告に比べると、Web広告のほうが費用対効果の測定が容易だといえるでしょう。
もし現在Web広告ではなくオフライン広告を出していて具体的な効果を測れずにいるのであれば、Web広告への切り替えについても検討してみてはいかがでしょうか。
Web広告全般の費用対効果測定の指標
Web広告全般において活用できる費用対効果測定の指標は「ROAS」「ROI」「CPA」の3つです。それぞれ解説します。
ROAS(広告費用回収率)
ROAS(Return On Advertising Spend:リターン オン アドバタイジング スペンド)とは投資した広告費用が何倍になって返ってきているのか広告費用の回収率を示すものです。
【計算方法】売上÷広告費用×100
ここでいう売上とは、広告経由で得た売上のことです。ROASが高ければ高いほど、売り上げに結びつく効果的な広告を出すことができたと判断できます。
ROI(投資利益率)
ROI(Return on Investment:リターン オン インベストメント)は、得られた利益が投資が投資額の何%分だったかを示すものです。注意点としてROIで判断できるのは売上に対する効果です。売り上げが上がっているからといって必ずしも利益に繋がるわけではないので、この点に気をつけましょう。
【計算方法】利益÷投資額×100
ここでいう投資額とは広告費だけでなく、マーケティング施策に費やした費用なども含まれます。ROIは0%を基準にしてどの程度効果があるかを判断可能です。もし1未満であれば利益がマイナスであるため、広告の見直しが必要だといえます。
CPA(顧客獲得単価)
CPA(Cost Per Acquisition:コスト パー アクイジション)は、1コンバージョンあたりどれくらいのコストがかかっているかを示すものです。
【計算方法】広告費用÷コンバージョン数
数値が低いほど費用対効果が取れていることになります。CPAの数値が高い場合、1件のコンバージョンを獲得するのに多くの費用をかけていることになってしまいます。できる限り数値を小さくするための取り組みが必要です。
複数の広告を出している場合、CPAの数値を比較することにより、最も安くコンバージョンを獲得できている広告はどれなのか見極めることもできます。
「認知拡大」を目的としたWeb広告の費用対効果測定の指標
認知拡大を目的とした場合、費用対効果測定の指標として注目したいのは「imp」と「CPM」です。
imp(広告表示回数)
imp(Impression:インプレッション)とは、そのWeb広告が表示されることをいいます。認知拡大が目標の場合、たくさんの方に自社の商品やサービスを知ってもらわなければなりません。インプレッション数が多いほどたくさんの方が広告をみてくれた証になるので、注目すべきポイントの一つです。
CPM(広告1,000回表示単価)
CPM(Cost Per Mille:コストパーミル)とは、1,000インプレッションあたりの単価のことをいいます。
【計算方法】(広告費÷広告の表示回数)×1,000
広告によっては10円以下に抑えることもできますが、ライバルが多いものなどについては数百円程度を設定しなければならないこともあります。
広告が表示された回数によって広告費が決まるのが特徴で、広告を見たユーザーがクリックなどの行動をしなかったとしても費用が発生します。しかし閲覧されたことによってユーザーの印象に残れば、認知拡大につなげることができます。
「サイト誘導」を目的としたWeb広告の費用対効果測定の指標
広告の目標がサイトへの誘導であれば「CT」「CTR」「CPC」を費用対効果測定の指標としましょう。
CT(クリック数)
CT(Click Through:クリックスルー)は、広告が何回クリックされたかを指します。広告のCTが多ければそれだけ多くの人をサイトに誘導できたことになります。
CTR(クリック率)
CTR(Click Through Rate:クリックスルーレート)は表示した広告に対し、どれだけクリックされているのかを見るための指標です。
【計算方法】(クリック数÷インプレッション数)×100
広告の目的がサイトへの誘導になるのであれば「何回広告が再生されたか」よりもCTRを重視する必要があります。注意点として、ただ単にCTRが高ければ良いとはいえません。重要なのは適切なターゲットがクリックしてくれているかであるため、可能であればターゲットのクリック率も確認しましょう。
求めているCTRを達成できない場合、ターゲットとしているユーザーの検索語句と広告文の内容が合っていない可能性が考えられます。他にも、広告を閲覧したユーザーがクリックしたいと思えるような内容になっていない、広告が上位表示されず目にとまらないなどの理由でCTRが獲得できないケースも多いです。
CPC(クリック単価)
CPC(Cost Per Click:コストパークリック)は、1クリックあたりにかかる平均単価を指します。リスティング広告などクリック課金型の広告で使用される指標です。なおCPCはクリックされなければ料金が発生しません。
【計算方法】広告費÷クリック数
CPCの大きな特徴が、入札制の広告だということです。希望する広告表示枠において、自社で設定した額が他社より高ければ広告が掲載されることになります。そのためCPCの設定金額を低くしすぎてしまうと入札で勝ち残ることができず、表示されなくなってしまうので注意が必要です。
「成果獲得」を目的としたWeb広告の費用対効果測定の指標
成果獲得を目標にWeb広告を出すのであれば「CV」「CPA」「CVR」の3つが重要な費用対効果測定の指標となります。
CV(成果獲得数)
CV(conversion:コンバージョン)とは、広告出稿によってどれほどの成果が得られたかを見るための指標です。何を成果として設定するかについては目的によって違うのですが、おもに商品購入や会員登録、お問い合わせなどが挙げられます。
CPA(成果獲得単価)
CPA(Cost Per Acquisition:コストパーアクウィジション、または Cost Per Action:コストパーアクション)は、一件のコンバージョンを達成するのにかかった費用対効果を見る指標です。
【計算方法】広告掲載費用÷コンバージョン数
数値が低いほど高い広告投資効果が得られていると判断できます。
CVR(成果獲得率)
CVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)は、Webサイトなど目的のページに訪れたユーザーのうち、どの程度がコンバージョンを達成できているかを見るための指標です。ここでいうコンバージョンとは、商品の購入や資料請求などを指します。
【計算方法】(コンバージョン数÷セッション数)×100
CVRが低い場合、サイトやページを訪れたユーザーが何らかの理由でコンバージョンにいたることなくサイトを離れていることになります。
商品やサービス自体に興味を持ってくれたものの、それを購入することなく離れてしまったということは、今一歩決め手に欠けていたか、何らかの問題があると考えられます。原因を追求し、CVRを高めるための組みを行いましょう。
売上を重視した指標を随時チェックしながらPDCAサイクルを回す重要性
ご紹介した指標について随時チェックしてみてください。そのうえでPDCAサイクルを回していくことが重要です。繰り返し計画、実行、効果検証、改善行動を行うことにより、広告の効果を高めていくことが期待できます。
Web広告において費用対効果を高めるためには改善点を探し出し、コストを抑えながら効果を高めるための取り組みを行わなければなりません。
広告を出した際に思うような成果が得られなかった場合は、広告文やキーワードの見直しを行い、改善によってどういった変化が得られたか分析しながら取り組んでいきましょう。PDCAサイクルを回す大きな魅力は、広告の質や成果を少しずつ高めていける点です。
初めから完璧な形で広告を出すのは非常に難しいことであるため、PDCAサイクルを回しながら少しずつより良い形に近づけていきましょう。
また、一番最適な形で目指すべき費用対効果最適化のゴールは、対売上における費用対効果を持ってWeb広告を最適化できると事業貢献度が上がります。
効果的なWeb広告で自社ならではの魅力をアピール
成約率や商談化率を上げるためには、他社との差別化ポイントともいえる「自社を選ぶべき理由」が伝わる広告にすることが重要です。他社との違いや魅力がわからないようだとユーザーはなかなかクリックやコンバージョンに繋がる動作を行いません。
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