5P分析とは?そのやり方とマーケティング戦略への活用法を解説

5P分析とは?そのやり方とマーケティング戦略への活用法を解説
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この記事では、自社のマーケティングミックスの明確化に役立つ「5P分析」の概要と、名前が似ている「4P分析」の違いを解説しています。自社のマーケティング戦略を改善して営業効率化を図りたい方は参考にしてみてください。

なお、5P分析はあくまでもマーケティング戦略を策定する流れの一部で、ターゲット顧客や競合環境などが把握できた後で行う作業です。自社のマーケティング戦略を全体的に見直したいという方には、自社・顧客・競合を整理していく「3C分析」から始めることをおすすめします。

競合にはない、自社だけの強みをどの顧客にアピールすべきかを明確にしてからマーケティングミックスを決める4P分析を行うことで、一貫性のある戦略ができやすくなります。

下記のページには3C分析が記入するだけで簡単に進められるワークシートを用意しておりますので、ぜひ活用してみてください。

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5P分析とはどのようなもの?

自社製品・サービスを販売するために、5P分析というフレームワークを取り入れ、自社のマーケティング戦略に役立てることが可能です。

5P分析はターゲットに向けた製品やその値段、販促方法など、5つの要素を組み合わせて行うマーケティング戦略により、自社が消費者に訴求する力を加速させます。自社のマーケティング戦略を実りあるものにするには、5P分析を取り入れ、自社や製品にとって適切な施策を行うことが大切です。

ではまず、5P分析とはどのようなものか、4P分析とはどう違うのかについて解説します。

5P分析とは「4P+1P」

5P分析とは「4P+1P」
5P分析とは、4P分析をもとに考える枠組みです。4Pとは、4つのPからはじまる要素の頭文字をとったもの。米国のマーケティング学者、エドモンド・ジェローム・マッカーシーにより提唱されたマーケティング戦略のコンセプトです。

4P分析には、以下の要素が挙げられます。

  • Product(製品・サービス)
  • Price(価格・料金)
  • Place(流通・店舗・エリア)
  • Promotion(販促・広告・営業)

それぞれ顧客のニーズに応えた提供することで、顧客の購買意欲を高め販売します。これら4つのPに、もうひとつ加えたものが5P分析です。4P分析については、下記ページで解説していますので、こちらをご覧ください。
4p分析とは?事例から学ぶ
マーケティング戦略立案のヒント

5P分析のやり方

5P分析のやり方は4P分析の要素に5つ目の「P」を加えるかたちになりますが、実際には以下のような流れで分析を実施して、その分析結果を具体的な施策に落とし込んでいきます。

大きく分けてだいたい6つの構成要素があります。

  1. 市場リサーチ(環境分析)
  2. セグメンテーション(STP分析)
  3. ターゲティング(STP分析)
  4. ポジショニング(STP分析)
  5. マーケティングミックス(実行戦略)
  6. 施策の実施と効果検証

まず、自社製品やサービスを購入や契約に結びつけるために市場をリサーチし、セグメンテーションを行います。具体的にターゲットを決めたのち、ポジショニングを定めどのポジションであれば他社との差別化が図れるかを明確にします。

この分析ステップを踏まずにマーケティングミックス(実行戦略のこと)を実行するのはリスクがあるので注意が必要です。

ターゲットが誰なのか、どのような魅力を伝えるべきなのかを踏まえなければ、どのターゲットにも刺さらない製品やサービスになる可能性があるからです。

5P要素に矛盾点がないか確認する

自社のマーケティング施策において、5P分析の要素に一貫性があるかどうかが重要です。5Pの中に矛盾点やちぐはぐ感があれば、消費者や顧客が納得する製品やサービスにはなりません。

たとえば飲食店の場合を例に挙げてみます。ドレスコードが必要な高級志向のレストランなのに、食材へのこだわりが感じられなかったり、価格が中途半端に安かったりすると、どこかちぐはぐな印象をお客さんに与えてしまいます。

フレームワークを使った分析が実情とかけ離れていれば、単なる机上の空論になりかねません。理想論ではなく、現実を見据えたマーケティング分析になるように、要素同士が矛盾せず釣り合いがとれているかどうか、いま一度確認しておきましょう。

顧客目線で考える

マーケティング施策に取り組む際にもっとも重要なのは、徹底した顧客目線でマーケティング分析を行うことです。マーケティングミックスでときおりデメリットになるのが、顧客からの視点を反映しにくい点です。

顧客からどのように見えるかを想定して分析しても、実際には異なる反応が返ってくることがありますので、販売戦略などには随時見直しを図ります。

たとえばこんな事例があります。

ドラッグルート向けにエイジングケアのアイクリームを手ごろな価格で販売したところ、若い男性が購入する頻度が高かったといいます。コスメメーカーが想定していなかったターゲットでした。

メンズコスメの存在が浸透しているにもかかわらず、メンズ向けアイクリームなどのエイジングケア商品がほとんどなかったことが、その背景にあると言われています。

このように実際に売り出してみないとわからない市場の動きや消費者のニーズがありますので、マーケットに合わせてPDCAを回すという意識が重要です。

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マーケティングミックスとは?

マーケティングミックスとは?
マーケティングミックスの定義は、いくつかの構成要素(4P、5Pなど)が違和感なくベストマッチな組み合わせになるように戦略を立てること。複数のマーケティングをミックスするという意味があります。

4P、5Pについてはここで説明していますが、6P、7Pという構成要素を分析する場合もあります。復習になりますが、改めて4Pは何を示すか見ていきましょう。

Product(製品・サービス)

顧客に提供する製品やサービスの特徴、価値、機能などの要素です。Productにはサポートやアフターサービスも含まれます。

ターゲットにどのようなコンセプトをもって販売するのか、ターゲットは何に使うために製品を求めているのかを考えましょう。

Price(価格・料金)

製品の価格や割引、支払いに関する要素です。

  • コストのバランス
  • ターゲットの価格に対する価値観
  • 競合他社との比較
  • ブランディングによる付加価値

製品の仕入れ値や販売価格はバランスが取れているかどうかが大切です。またターゲットが製品を購入するにあたり、製品の価格が適正かどうかも重要。ターゲットの価格に対する価値観をリサーチするには、アンケート調査による方法があります。

さらに、競合他社の製品よりも自社製品の価格を低く設定すれば、ターゲットが他社と自社製品を比較した際に価格で選んでもらいやすくなります。ただし、価格競争にはリスクを伴いますので、ただの安売りにならないよう注意が必要です。

ブランディングによる付加価値をターゲットに感じてもらうことができれば、価格競争に巻き込まれず、高価格帯の製品やサービスが展開できます。ただし、唯一無二の存在である、高価格である理由にだれもが納得するといった条件をクリアしないと支持されません。

Place(流通・店舗・エリア)

製品とターゲットがつながる流通経路(チャネル)や販売する店舗、エリアを決める要素です。チャネルには、顧客と製品につながりを持たせる経路をひとつに絞らず、幅広い範囲で流通させる方法や、状況に応じて複数のチャネルを活用する方法があります。

また、自社の店舗が複数あるなら、どの店舗で販売するのか、製品を販売するエリアはどこなのかを決めましょう。

Promotion(販促・広告・営業)

ターゲットのニーズを踏まえ、どのチャネルであれば顧客との接触機会が多いか、費用対効果のいい販促手法や広告手段を検討します。どのような広告、販促施策や営業方法でターゲットにアプローチしていくのか、中長期的な視点でプロモーション戦略を決めます。

広告や販促施策には以下の方法が挙げられます。

  • オフライン広告
  • オンライン広告
  • Webメディアの活用
  • イベント・セミナー・展示会
  • アウトバウンドセールス(BtoB)

それぞれのくわしい内容は説明を省きますが、最近注目されることが多いのは、動画を使ったインバウンドマーケティングや、BtoB向けでありながら知名度アップを狙ったテレビCMなどがあります。

メディア戦略のなかでは、オウンドメディアを集客や販促に活用する事例が増えてきています。ターゲットが求めている情報に合致したキーワードを選び、コンテンツマーケティングを実装して集客。

短期集中のプロモーション戦略と異なり、中長期的な集客や販促に役立つ施策であるため、イニシャルコストはかかりますが、公開後は期間の縛りなく販促が継続できる点が最大のメリットです。

BtoB向けの販売戦略であれば、アウトバウンドセールスのほかに展示会やセミナー開催といった従来通りの販促施策も有効ですが、人員の削減や作業効率を考えオンライン施策も同時進行して、コストを圧縮する工夫をしていきましょう。。

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フレームワークや事例を紹介

5P(5つ目のP)はひとつではない

5P(5つ目のP)はひとつではない
4P分析に追加されるもうひとつの「P」は、これでなければいけないという決まりがありません。自社の事業方針や販売する製品、ターゲティング、セグメンテーションによって変わります。

追加要素は複数あり、6Pや7Pと多角的な分析をする場合もあります。5つ目のPに該当するものには、どのようなものがあるのでしょうか。

People(人々)

 ★ここから
製品の販売に関わりをもつ、あらゆる人々に視点をあてる要素です。5P分析のひとつとして取り上げられやすいPeople。その対象となるのは「製品に携わる人々」です。

製品を購入するターゲットだけでなく、自社の社員や販売する店舗の店員などが挙げられます。さらに、提携先の企業や競合他社なども含めて分析しましょう。

Popularity(人気・大衆性)

製品やサービスの人気を分析する要素です。どのくらい人気がある製品なのか、売れ行きがよい製品の人気の理由は何なのかを考えます。また、多くの人に親しまれるためには、どのような施策が必要なのかもリサーチ、分析しましょう。

Process(業務プロセス)

製品の経過について分析する要素です。製品を製造してから販売、顧客の手元に届くまでのプロセスや、顧客からの問合せも含まれます。

自社の販売プロセスが適切におこなわれているかどうか、課題は何かを考えましょう。業務プロセスを見直すことで、顧客が感じる製品の価値を底上げすることも可能です。

Package(包装・デザイン)

製品の包装やデザインの要素です。

製品の外観は、顧客が購入するきっかけにつながるため大切です。ターゲットに好まれ、売上が多く見込める包装やデザインを意識して考えましょう。

Profile(顧客管理)

顧客について詳しく分析する要素です。

ターゲットの年齢や性別、職業だけでなく、ライフスタイルや好みなどが挙げられます。他には収入はいくらか、どのような家族構成なのかなども大切な情報です。

顧客の背景に迫りデータを収集し分析することで、製品を求めるのがどのような人物であるのか把握できるでしょう。

Physical evidence(物的証拠)

自社の製品が、安心安全なものだと伝える要素です。

たとえば食品の販売や飲食店などの場合は、食物の産地を明確にし、生産者の顔が見えれば消費者が安心して利用できます。

顧客の安心安全を保証することで、提供する製品の信頼度を高めれば購買につながる確率が上がります。安心を提供するためには、何を用意すべきか考えましょう。

ただし健康食品のエビデンス(科学的根拠)などは、研究所などの第三者機関のデータがあったとしても、製品そのものの宣伝につながるかたちで活用すると薬機法違反などにつながる可能性があるので、要注意です。

デジタルマーケティングには5P分析の新しい構成要素も

デジタルマーケティングには5P分析の新しい構成要素も
デジタルマーケティングはさまざまな角度から分析したデータを戦略に反映できる利点が大きいですが、担当部署がまたがっていたり分析指標が違ったりすると、データが一元化できず有効活用できないケースが多々あります。

そこで「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)」というシステムで顧客データを統合管理するデータベースを活用するツールも存在しています。

CDPツールのベンダーで米国のLytics社という米国のマーケティング会社は、デジタルマーケティングの新たな5Pとして、以下の要素を提唱しています。

Personalized(パーソナライズ)

顧客層というざっくりとしたターゲティングではなく、個々の嗜好性やニーズにピンポイントに合わせるパーソナライズがより求められています。ターゲティングを行う際、ペルソナを詳細に設定して、個々の特徴に合わせたメディア展開をしている企業も増えつつあります。

さまざまな手段で集めたデータを統合させ、顧客像のペルソナ設定を明確にしてターゲットのパーソナライズを進め、顧客体験ができるような仕組みやコンテンツが求められます。行動や好みなどそれぞれの属性や個性に合わせた施策の切り分けも検討してください。

Pervasive(普遍性)

さきほども少し触れましたが、集客・販売チャネルごとのデータを統一し、パーソナライズをより具体化するために必要なのが、データの普遍性です。CDCツールなどを活用すれば、複数チャネルのデータを体系化して、マーケティング施策を策定することが可能になります。

Present (リアルタイム性)

リアルタイム性を重視する要素です。インターネットが普及した現在、多くの情報を入手できる顧客は、製品の比較対象がたくさんあるため選択肢が広がります。そのなかで、顧客と自社がリアルタイムでやりとりできる手段は、他社との差別化に有効です。

たとえば、顧客から問合せを受けた際、リアルタイムで返信できるSNSのLINEを活用する方法があります。顧客が求めているタイミングで自社が行動を起こせるため、製品の情報に加え利便性も感じてもらえるでしょう。

LINEを使ったマーケティング戦略・運用のポイント

Proprietary (独自性)

マーケティング戦略にはひな形があるものですが、自社の製品やサービス、顧客の属性やLTV(ライフタイムバリュー)といった個々の製品や企業ごとに独自にゴールが設定されるべきです。

行政のホワイトペーパーや研究機関が公表するデータはあくまでも目安であり、集計データ自体が数年前のものである場合も少なくありません。自社にとって本当にそのデータが有効か、見極めなければなりません。

そこで大事なのは、自社で獲得したデータをベースとした、独自の顧客獲得システムを構築していく、という発想です。リアルタイム性や独自性はかなり専門性が必要になりますが、外部パートナーのチカラを借りるなどして、取り入れていくのが理想的です。

Predictive (予測)

顧客の行動を予測してマーケティング行うという構成要素です。販売する製品にふさわしいターゲットを決定したら、ターゲットが製品を購入するまでの顧客体験をいかにして提供するか、しっかり動線を考えましょう。

カスタマーズジャーニーの作成やセグメンテーションにより、ターゲットがどのような行動を予測することで取り入れるべき施策や改めるべき課題が見えてくるはずです。

※参照元:アンダーワークス株式会社under works「デジタルマーケティングにおける新しいフレームワーク”5P”とは」(https://www.underworks.co.jp/dmj/2019/09/26/cdp_lytics_five_p)

5P分析のやり方まとめ

5P分析のやり方まとめ
自社にとって効果的なマーケティング戦略を実行する準備段階で活用できるフレームワークはいくつもあります。STP分析も必須ですが、5P分析もビジネスを俯瞰で見るという観点でも有効な分析手法です。

5つ目に何を取り入れるかは、企業の業態や販売する製品よって変わります。そのため、これが正解といえるものはなく、自社にとって最適な方法を取り入れるしかありません。

また5P分析に限らず、6Pや7Pなどの新たな概念を取り入れる企業もあります。自社の事業形態、業種に合わせてまず分析にトライしてみることをおすすめします。社内にマーケテイング戦略部門がない、分析にくわしい社員がいないといった場合は、外部パートナーに依頼しましょう。

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5P分析を活かしたマーケティング施策の実行が難しい、そもそもマーケティング戦略自体、どこから手直しすればいいかわからない――というかたもいらっしゃると思います。

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