アクティブシニアに刺さる広告とマーケティング戦略を調査
最終更新日:2021年06月04日
シニアの市場規模は2025年には100兆円規模に
日本の少子高齢化は止まらず、2007年から日本は超高齢化社会に突入しました。日本の人口は減り続ける一方で、シニアの占める割合は増加し続けています。
今後、消費者のシニア占有率があがることは明らかであり、みずほ銀行コーポレート銀行産業調査部の調査によると、2025年にはシニアの市場規模は100兆円を超えると予想されています。
シニアの市場規模が拡大するにつれて、これまで以上にシニア業界が注目を集めています。一言にシニアといってもその属性は様々で、ターゲットを大きくシニアという括りでまとめてしまうと、うまく売上に繋げることはできません。
シニア市場の中でも、「どのようなシニアに向けてマーケティングを行うのか」が重要となります。
ここではシニア市場のなかでも、アクティブシニアのマーケティング戦略を中心に説明していきます。これからアクティブシニアへ向けたマーケティングを検討している担当者の方は参考にしてください。
高齢世代の人口比率からわかること
先述の通り、日本は現在、超高齢化社会に突入しています。65歳以上の人口割合が上昇し続ける一方で、現役世代の人口は減り続けています。
上記のグラフでも示されているように、内閣府の調査では、2025年には国民3人に一人が65歳以上の高齢者になると推計されています。全体人口におけるシニアの割合増加に合わせて、市場においても現役世代の需要は減少し、シニアの需要が高まることは間違いないでしょう。
アクティブシニア市場でいかに勝機を見出すか
人口割合の推移から分かるように、これからも現役世代の割合はどんどん減少していきます。このような状態の中で、これから先も20~30代の若者のみをターゲットとするビジネスでは、企業として成長するのは困難といえます。
2025年には国民の3割以上がシニア世代になると言われている中で、シニア向けビジネス、とくに行動量と購買意欲の高いアクティブシニア市場でいかに勝機を見出すかが、さまざまな分野で課題となっています。
シニアをひとくくりにせず、経済的にも時間的にも余裕のある元気なシニアになにが売れるのか、どんな広告が刺さるのかを真剣に考えるべきです。
アクティブシニアのマーケティング戦略
シニア向けビジネスといっても、全ての65歳以上のシニアをターゲットとして一括にすると、うまく売上に繋げることはできません。シニアのなかにも、アウトドア派やインドア派、要介護者など、様々な区分が存在します。
他のマーケットよりもターゲットを明確化するという意味で、シニア業界はカテゴリーごとにマーケティング戦略を立てることが重要なのです。
シニアのカテゴリーと特徴
シニア世代は下記のようなカテゴリーに分けられ、それぞれに特徴があります。
アクティブ層
アクティブ層は金銭的に余裕があり、旅行を始めとした多くの趣味を持っているのが特徴です。流行にも敏感で、自らメディアで情報収集を行い、月約2万~4万円を趣味に費やします。
他のカテゴリーと比較して、デジタルデバイスの所有率が最も高く、デジタルデバイスへの抵抗が少ない層でもあります。
- これまでにない斬新な商品やサービスの訴求
- アウトドア系商品・サービスの訴求
このようなアプローチが有効なターゲットといえます。
引退層
引退層は金銭的にはあまり余裕がないものの、自分の趣味や好きなことに対しては、時間もお金も惜しまないのが特徴です。アクティブ層ほど、金銭的余裕はありませんが、時間的に余裕があるため、ゆっくりと趣味を楽しみたいと考えています。
インターネット通販を使用する割合が他カテゴリーよりも高く、特に女性の2割は週に1回通販を利用しています。
- 時間をかけてじっくり楽しめるサービスの訴求
- 通販を通した商品・サービスの訴求
このようなアプローチが有効なターゲットといえます。
マイペース層
マイペース層は他カテゴリーと比較して趣味に費やす時間が最も短く、デジタルデバイスの所有率も低いのが特徴です。金銭的余裕のある人とない人で二極化されているのも特徴の一つです。情報収集にも積極的でなく、テレビや新聞を中心に情報収集を行っています。
- 新聞や折込チラシなどWeb広告以外の訴求
- 家で楽しめる商品やサービスの訴求
このようなアプローチが有効なターゲットといえます。
施設・居宅介護層
施設・居宅介護層は身体的に自由がきかず、情報収集も周囲の環境に左右されるのが特徴です。スポーツ観戦や音楽鑑賞など室内でできるインドアの趣味が多く割合を占めています。
- インドア系の商品やサービスの訴求
- テレビによる訴求
このようなアプローチが有効なターゲットといえます。
上記のようなシニア・高齢者層のカテゴリ分けのほか、気力と体力が一致しなくなってきた「ギャップ・シニア」、年金生活などで消費行動には消極的な「ディフェンシブ・シニア」、介護を受けないと活動できなくなった「ケア・シニア」などとカテゴリ分けされることもあります。
また投資家シニア、ボランティアシニアといった感じで、興味関心や購買行動のジャンルでのグルーピングも、マーケティング戦略を考えるときに意識するとよいでしょう。
アクティブシニアの特徴
上記のように、シニアは複数のカテゴリーに分けられ、それぞれに特徴があります。ここからは、これらのカテゴリーの中でもアクティブシニアについて、さらに詳しい特徴をご紹介します。
仕事や趣味に対して意欲的
アクティブシニアは「社会に貢献したい」という意識のある方が多く、アウトドアな趣味を中心に多趣味な方が多い傾向にあります。
仕事をしているアクティブシニアの半数は「誰かの役に立って、お金を稼ぎたい」と考えており、趣味についても人との繋がりを持てるような趣味を好む方が多いことがわかっています。
「共通の仕事・趣味を通して人と繋がりを持てる」という点をプロモーションとして打ち出すことで効果的な広告が可能になります。
自分の価値観を大切にする
アクティブシニアは自分の価値観でものごとを判断することも特徴の一つとなります。多少値段が高くても自分の興味のあるもの、気にいったものであれば、惜しまず購入する傾向にあります。
値段よりもその商品・サービスの質によって、購買するかどうかが判断されるため、量よりも質のコンテンツを提供することが重要です。
健康意識が高い
趣味・仕事に積極的なアクティブシニアは、健康意識も高い方が多いです。健康グッズやスポーツクラブなど、健康を維持するための活動にも興味・関心があります。
健康グッズを始めとしたヘルスケア商品など、健康をテーマにした商品やサービスの訴求が効果的といえます。
アクティブシニアに刺さる広告
広告媒体は様々な種類がありますが、ここではアクティブシニア向けの広告をいくつかピックアップしてご紹介します。
新聞広告
他の世代と比較して、シニア世代は情報源として新聞を選んでいます。新聞自体の信頼性も高いことから、新聞に掲載されている広告も信頼性が高いと捉えられます。発行部数も多く、一度に多くのシニア世代へアプローチが可能です。
注意点として、掲載するサイズが大きくなるほどに料金が高額になるため、予算感と相談しながらサイズと位置を決めるようにしましょう。また、新聞は毎日発行されるため、長期的な訴求ができないこともデメリットの一つとなります。
折込チラシ
新聞と合わせて折込チラシも、シニア世代の訴求として有効です。新聞の購読率の高いシニア世代には、新聞とセットで折込チラシにも目を通してもらうことができます。日にちや配布地域を選択できるため、週末を狙ったり特定の地域に向けての訴求が可能です。
一方で、折込チラシは、一緒に配布される他のチラシに紛れてしまい、読んでもらえない可能性もあるため、デザインなど読んでもらうための工夫が必要です。
同封広告
同封広告とは、会員誌や定期購読雑誌、通販のカタログなどに同封する広告を指します。同封する媒体のターゲット層に合わせて、的確なアプローチが可能です。紙での広告だけでなく、サンプルも同封することで、より見てもらえる可能性が高くなります。
デメリットとしては、媒体によって審査基準があり、イメージと合わない広告は同封できないことがあります。また、配布タイミングが決まっているため、必ずしも配布したいタイミングで配布はできません。
Web媒体と紙媒体のハイブリッド型広告
近年、シニア女性のスマホ所有率が上がり、Webによる情報収集も積極的に行われるようになっています。ハルメクではWeb媒体と紙媒体、両方で広告の出稿が可能です。
ハルメクは月間発行部数31万部のアクティブシニア女性誌No.1の雑誌で、紙媒体だけでなくWebメディアも運営しています。「ハルメクWEB」も月間570万PVを誇っており、アクティブシニアの女性へ的確なアプローチが可能です。
※参照元:株式会社ハルメクホールディングス「シニア女性向けダイレクトメディア「ハルメク」とは」(https://marketing.halmek-holdings.co.jp/halmek-promotion/)
ペルソナ設定が成功のカギ
総務省の調査によると、2030年にはシニア世代の中でアクティブシニアは8割を占めるといわれています。そんなアクティブシニアは他のシニアと比較して、比較的金銭的に余裕があり、多趣味であると説明してきました。
アクティブシニアのマーケティングを成功させるためには、先述したようなアクティブシニアの特徴を理解した上で、ペルソナを明確にすることが非常に重要です。
ペルソナを明確にする、とは具体的に、興味があること・収入・家族構成・趣味・情報収集手段など、ターゲットの詳細な属性まで決定することです。設定したペルソナに向けて、適切な広告媒体でアプローチすることが大切です。
アクティブシニアに刺さる広告とマーケティング戦略まとめ
ここまでアクティブシニアの特徴と広告によるマーケティングについて紹介してきました。アクティブシニアのマーケティング手法では、アクティブシニアの特性を理解した上でペルソナを設定することが非常に重要です。
「金銭的余裕がある」「健康意識が高い」「仕事・趣味に対して意欲的」など、アクティブシニアの特徴を踏まえてペルソナを詳細な属性まで絞る必要があります。シニアで一括するのではなく、アクティブシニアにターゲットを絞り、そこからさらに詳細なペルソナを設定することが大切です。
アクティブシニアはずっと若々しくいたい、という意識を持つ方が多いため、高齢者やシニアというイメージに偏った広告の画像や表現にも注意するようにしましょう。
スマホやタブレットを使いこなすアクティブシニアへの広告は、とくにターゲットの心象風景を意識して練り上げたものにするのが理想です。
シニアをターゲットにした広告・マーケティング戦略なら
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