オウンドメディアがブランディング戦略の決め手となる理由とその事例
最終更新日:2021年10月21日
オウンドメディアがブランディング戦略の決め手となる理由について解説。オウンドメディアでブランディングを成功させた事例も徹底紹介しています。また、今注目される人材採用のための「採用オウンド」についても取り上げています。
なぜオウンドメディアでブランディングできるのか
企業にとってブランディングは、ユーザーの中で自社のイメージを確立させ、価値を高めるために欠かせないマーケティング手法です。ブランディングを行うことで、他社と差別化でき、ユーザーの購買プロセスにおいて、迷わず自社の商品・サービスを選んでもらえます。
そんなブランディングを検討する中で、コンテンツマーケティングによるオウンドメディアを検討する企業が増えてきています。
オウンドメディアは、広告費用をかけずに自社の情報を発信できる、有効的なマーティング手法の一つです。SNSやブログなど、幅広い媒体を活用して手軽に始められることから、注目を集めています。
ここでは、オウンドメディアはブランディングにおいてどのように役立つのか説明します。 ブランディングの手法としてオウンドメディアの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアとはどのようなものか
オウンドメディアとは、一言でいうと、「自社で所有するメディア」のことです。 具体的には、自社サイトやSNS、ブログなど幅広い媒体を指しますが、一般的には、企業が企画・運営を行うブログのようなサイトがオウンドメディア、と呼ばれています。
オウンドメディアの事前準備
オウンドメディアは「とりあえず記事を更新すればいい」というものではなく、事前に運営方針を固めておくことが非常に重要です。どれだけ記事を更新しても、質が悪かったり、テーマがバラバラであれば、読んではもらえません。
オウンドメディアをこれから始めるにあたって、下記項目は事前に明確にしておきましょう。
- 目的の設定
- ターゲットの明確化
- KPIの設定
まず、オウンドメディアを構築する前に、オウンドメディアを通してどのようなことを達成したいのか、目的を明確にする必要があります。オウンドメディアを立ち上げる目的としては、例えば、ブランディングやリードの獲得などが挙げられます。
目的が決まったら次は、どのような人に読んで欲しいのか、ターゲットを決めていきます。ターゲットが定まっていないと、オウンドメディア全体の方向性がズレてしまうため、年齢や性別など、できる限り詳細な属性まで絞っておくことが重要です。
オウンドメディアを運用するにあたって、KPI(重要目標達成指標)を設定します。オウンドメディア運用の目的をリードの獲得とした時に、何件アクセスがあってそこからどれだけリードに繋がったのか、を明確にするのがKPIです。
KPIを設定しておくことで、はじめに決めた目的を達成できているのかを判断する目安となります。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアを運用することには、下記のようなメリットがあります。
- ブランディングに活用できる
- 広告費用がかからない
- 顧客獲得に繋がる
専門的な記事を投稿することで、一度記事を読んだ人は何度もサイトを訪れるようになります。読者にとって有益な情報を発信することで、会社としての信頼度が高くなり、ブランディングとして効果があります。
オウンドメディアの記事を更新し、検索で上位に表示されるようになると、自然検索からの流入によって広告費用をかけずに集客を行うことができます。
読者の必要としている情報を発信し続けことで、読者が会社のファンとなります。自社のファンが増えると、結果として価格競争から離脱し、自社の商品・サービスを選んでもらいやすくなります。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアの運用にはメリットだけでなく、下記のようなデメリットもあります。
- 成果が出るまでに時間がかかる
- コストがかかる
- ノウハウがなければ運営が難しい
オウンドメディアは記事を更新しても、すぐに売上に繋がることはありません。少しずつコンテンツを追加して、サイトへの訪問者数を増やしていくことが重要です。
オウンドメディアは、広告費用は発生しませんが、サーバー構築費やデザイン費、更新する際の人件費が発生します。
コンテンツごとのテーマが定まっていなければ、どれだけ記事を更新してもアクセス数は増えません。オウンドメディア全体の方向性がブレないように、事前準備として、目的の設定とターゲットの明確化を行うことが重要です。専門的なコンテンツ制作が社内で難しい場合は、外部に依頼することも考えておきましょう。
オウンドメディアとブランディングの関係
ブランディングには、「なにを」「誰に」「誰が」といった目的が必要となります。そこからさらに、ブランディングの手法は細かく分類されるため、自社のブランディング方針に合わせた手法を選ぶことが大切です。
ブランディングの目的:「何を」
「何をブランディングするのか」には、下記のような種類があります。
- 商品・サービスをブランディング
- 企業をブランディング
消費者をターゲットとして、自社の商品やサービスをブランディングする「ブランドマーケティング」
消費者や取引先など自社の関係者をターゲットとして自社をブランディングする「コーポレートブランディング」
ブランディングの目的:「誰に」
「誰に対してブランディングをするのか」には、下記のような種類があります。
- 社外向けのブランディング
- 社内向けのブランディング
消費者や取引先など、社外の人をターゲットとしてブランディングを行う「アウターブランディング」
自社で働く従業員をターゲットとしてブランディングを行う「インナーブランディング」
ブランディングの目的:「誰が」
「誰がブランディングをするのか」には、下記のような種類があります。
- 企業から消費者へのブランディング
- 企業から企業へのブランディング
企業が一般の消費者へ向けてブランディングを行う「BtoCブランディング」
企業が法人企業へ向けてブランディングを行う「BtoBブランディング」
オウンドメディアで実現可能なブランディング
ブランディングの手法としてCMやイベントタイアップなど、様々な方法があります。しかし、中長期で消費者への認知拡大やリード獲得を狙うならオウンドメディアによるブランディングが有効といえます。
これら以外にも、オウンドメディアでブランディングを行うことには下記のようなメリットがあります。
消費者と継続的に接点がもてる
オウンドメディアはすぐに売上に繋がるようなマーケティング手法ではありませんが、定期的にコンテンツを追加・更新することで消費者に対して継続的なアプローチが可能となります。
コンテンツの質が良ければ、消費者は何度も自社のオウンドメディアを訪れて、いち消費者から見込み顧客へ育成も可能です。
自然検索からの顧客獲得につながる
コンテンツのSEO対策を行うことで、自然検索からの流入が増え、潜在層の掘り起こしに繋がります。
自社独自のメディア運用ができる
オウンドメディアを所有することで、長期的に自社の情報を自由に発信できます。長期的に、コンテンツを増やし続けることで、消費者に企業のイメージも定着し、自社ファンの獲得にも繋がります。
オウンドメディアによるブランディング事例
ここまでオウンドメディアとブランディングについて説明しました。ここからは、オウンドメディアによるブランディング事例をいくつかピックアップしてご紹介します。
PRTIMES MAGAZINE
PRTIMES MAGAZINEは株式会社 PR TIMESが運営する、広報に関する様々なナレッジを紹介するWebメディアです。国内No.1のプレスリリース配信サービスを運営するPRTIMESだからこそ発信できるコンテンツが魅力のオウンドメディアです。
PRTIMES MAGAZINEの特徴
PRTIMES MAGAZINEは、広報担当者の悩みをもとにコンテンツが作成されてるため、コンテンツを使うほどに、自社らしい広報が実現できる「教科書」のような位置づけのオウンドメディアです。
また、PRTIMES MAGAZINEには、プレスリリース配信に関するコンテンツだけでなく、企画書の書き方やSNSの運用方法など広報に関するコンテンツが幅広く掲載されています。
運営者情報
運営会社:株式会社 PR TIMES(https://prtimes.co.jp)
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メルカン
メルカンは株式会社メルカリが運営する、採用に関するコンテンツを扱った採用オウンドメディアです。
メルカリで働いている社員にスポットを当てながら、「この会社で働いてみたい」と思わせるような情報発信をしています。職種別、キーワード別に情報を確認することができます。
メルカンの特徴
メルカンのテーマは「人を伝える」です。これからメルカリへ就職を検討している人は、採用担当者やエンジニアの対談を通して、社内の様子を知ることができます。
近年、このような、入社前から企業のファンになってもらうための「採用オウンド」が注目されています。採用オウンドはイコール、採用ブランディングでもあり、企業価値を上げるためにも取り入れる企業が増えています。
運営者情報
運営会社:株式会社メルカリ(https://about.mercari.com/)
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サイボウズ式
サイボウズ式はサイボウズ株式会社が運営する、働き方のテーマにフォーカスをあてたオウンドメディアです。サイボウズ式は採用オウンドと同社のブランディングを両立させながら、
サイボウズ式の特徴
「新しい価値を生み出すチームのメディア」がコンセプトのサイボウズ式ですが、同社のPRにとどまらず、どのような働きかたがあるのか、自由な働きかたにリスクはないのかなど、よりよい働きかたとはどのようなものなのか、問題提起するようなコンテンツが特徴的です。
サイボウズは会社内のコミュニケーションを円滑化するグールプウェアを提供していますが、同社サービスの宣伝には偏らず、編集部独自の価値提供を目指しているようです。YouTubeにはサイボウズ式チャンネルが開設され、「新卒1年目で取締役立候補」など、同社のユニークな経営方針も確認することができます。
このサイボウズ式で働き方についてのコンテンツを発信することで、ブランディングにとどまらず自社サービスの利用者数増加にも繋がっています。
運営者情報
運営会社:サイボウズ株式会社(https://cybozu.co.jp/)
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クラシコムジャーナル
北欧デザインの生活雑貨などを販売する「北欧、暮らしの道具店」を運営する、株式会社クラシコムのオウンドメディアがこの「クラシコムジャーナル」です。
クラシコムは、「フィットする暮らし、つくろう」というコンセプトで束ねられた「北欧、暮らしの道具店」の運営を主要事業としています。このECサイトを中心とした同社の事業内容や商品情報、同社の採用オウンドとして、クラシコムジャーナルを運営しています。
「北欧、暮らしの道具店」をPRするとともに、同社のブランディングにも役立てている実例です。クラシコムジャーナルでは、プレスリリースなどをコンテンツ化しながら、同社の事業内容をPRしています。
「北欧、暮らしの道具店」のいちばんの特徴は、その商品説明の丁寧さで、実際に使用している写真と使用感の詳細な説明が掲載されています。商品の使用イメージが具体的に書かれてているため、UXリッチなコンテンツが消費者の支持を集めています。
UX(User eXperience/ユーザーエクスペリエンス)とは、「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」のことで、消費者は購入後のギャップを最小限に少なくできます。
クラシコムジャーナルの特徴
北欧、暮らしの道具店は「フィットする暮らし、つくろう。」をテーマに、シンプルながらも便利な商品が揃うECサイトで、アプリも展開。1年でスマホアプリ100万ダウンロードを突破し、購入の45%がスマホアプリ経由になっていることなどをクラシコムジャーナル内でも発信。
ライフスタイルの提案やタイアップ企画によるブランディング、採用オウンドとしての活用など、同社事業と人材採用を全方位的にプロ、おーしょんするために、オウンドメディアを運用しています。
運営者情報
運営会社:株式会社クラシコム(https://kurashicom.jp/company)
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LITALICO発達ナビ
LITALICO発達ナビは株式会社LITALICOが運営する、発達障害に関するコンテンツを扱ったポータルサイトです。ADHDや知的障害など、子どもの障害についてのコラムが掲載されており、無料会員登録をすることで、Q&A機能を利用することもできます。
LITALICO発達ナビの特徴
LITALICO発達ナビは障害ごとにコラムが掲載されているだけでなく、制度やサービスについての情報も幅広く掲載されているのが大きな特徴です。
地域ごとに発達をサポートする施設の検索も可能です。
運営者情報
運営会社:株式会社LITALICO(https://litalico.co.jp/)
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オウンドメディアがブランディング戦略の決め手となる理由まとめ
ここまでオウンドメディアとブランディングについて説明しました。
読んでもらえるオウンドメディアにするためには、事前の目的の設定、ターゲットの明確化が非常に重要となります。オウンドメディアの方向性がブレないように、目的・ターゲットを固めた上で専門性の高いコンテンツを更新するようにしましょう。
オウンドメディアは目的やテーマ、ターゲットなどが明確であれば、質の高いリードが獲得できる有用なマーケティング施策です。適切なターゲットに向けて、有益な情報が発信できれば、新たな見込み顧客の創出にも繋がります。
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