医院開業時に押さえておきたい広告戦略をリサーチ
最終更新日:2021年05月28日
医院・クリニックを開業する前に、十分なマーケティング分析はされているでしょうか。
開業エリアの住民属性や地域性なども把握したうえで、開業していると想定した場合、当然マーケティングん戦略もその分析結果に沿ったものにしなければなりません。
近隣住民の方への認知度を高め集患につなげる広告はなにを優先すべきか。開業する医院の特徴やほかのクリニックとの差別化を図るためには、より効果的な広告戦略を練る必要があります。
ただやみくもに広告を打っても、ターゲットが決まっていなければ、広告費に見合った成果は得られません。
集客に繋がる知名度向上を広告で行なうために、医院開業時に効果が期待できる広告戦略について説明していきます。
医院開業の広告を打つ前に準備<すべきこと
効果的な広告を打ち出すためにも、まずは開業する医院・クリニックの特徴を明確にする必要があります。
広告を打ち出すために必要なポイントについて、まずは確認していきましょう。
開業する医院のコンセプトを明確にする
開業予定の医院・クリニックの医療サービスや診療コンセプトは、ハッキリと決まっていますか?もしも決まっていない場合は、すぐにでも決めることをおすすめします。
専門性の高いクリニック・口コミ評判の高いクリニックだとPRできると、評判を聞きつけて遠くからでも足を運んでくれる人が増えます。近隣住民だけでなく、より広い範囲での集患(集客)を見込んでいる場合、自院の強みを訴える必要があるため、他医院との差別化を図るためにも、コンセプトは明確にしておきましょう。
医院を開業する場所の地域性や人の流れを知る
患者さんが来院しやすいかどうかは、立地の条件にによって大きく異なります。
オフィス街(市街地)だと、通りがかりに来院する人が多い傾向にあります。マップで職場や出先から近いクリニックを探し、通勤帰りや用事を済ませた後に立ち寄る流れができあがっているものです。
一方で住宅街にあるクリニックの場合は、通りがかりに来院する人よりも、知人の紹介やホームページを見て訪れる人の割合が高くなります。そのためWEB対策や近隣住民へのPRに力を入れるのが得策です。
近隣で働いているOLやサラリーマンがターゲットなのか、それとも近隣住民がターゲットなのか。ターゲットをある程度絞るためにも、やはり立地の特性は重要な情報となります。
医院を開業する場所の地域性や立地の条件によって、優先すべき広告や集患施策が変わってくることを認識しておきましょう。
医院開業時に立地条件を活用する場合の広告戦略
立地条件を活用し屋集患広告として優先すべき広告をピックアップしました。市街地と住宅街、それぞれに効果的と思われる広告方法をまとめました。
駅から近いならMEO対策は必須
人が多く集まるオフィス街や市街地かつ駅チカで医院を開業する場合は、GoogleやYahoo!の地図に自院の情報が表示されるようにMEO対策をするようにしましょう。MEOとは「Map Engine Optimization」のことで、GoogleやYahoo!などの検索画面上部に表示される地図の「マップエンジン最適化」を指します。
Google検索に表示されるローカル検索結果上でマップに自院の場所を表示させるため位は、でGoogleマイビジネスへの登録が必須になります。登録は無料でできますので、いますぐ登録することをおすすめします。
複数の医院を運営している場合などは、Googleマイビジネスのアカウントを一括管理できるツールなどもありますので、下記記事を参考にしてみてください。
エリアを絞って医院やクリニックを探す人は、マップで確認してからホームページや口コミ評判を見てその医院やクリニックを絞り込みます。GoogleマイビジネスのYahoo!版ともいえる「Yahoo!プレイス」も運用を開始していますので、早速確認してみましょう。
ローカル検索広告の特徴やメリット・デメリット
ローカル検索広告は、Googleマップと連動している広告で、マップの上段にクリニックの情報が載せられます。ユーザーの口コミが表示されるほか、営業時間・距離・電話番号・公式HPなどを掲載できるため、医院だけでなく飲食店などでも大いに活用されています。
ローカル検索広告
- メリット:費用をかけた分、認知度アップが期待できる
- デメリット:ワンクリックごとに広告費用が発生しコストがかかる
※費用は、地域やキーワードによって広告費に幅があります。
なお、MEO対策については開業の忙しい合間になかなか着手ができないかもしれませんが、下記記事などを参考にして検討してみてください。
MEO対策のメリットとデメリット【SEOよりも目立つ集客方法】
自分でできるMEO対策!上位表示を狙える6つの方法とは?
MEOの相場がわかる!料金・契約の形態と合わせて解説
駅から遠いなら駅・電柱看板やSNS
医院を開業する予定の立地が、市街地かつ駅遠の立地にあるクリニックの場合、立地だけで集患を図るのは難しいでしょう。患者さんがマップで検索するときは、駅チカの病院を探す傾向があるため、駅から離れていても来院したいと思わせる広告を打たなくてはなりません。
「駅から離れていても利用したい」と思ってもらうためには、クリニックのコンセプトづくりが大切です。自院で得意としているコトを見極めて、駅看板・電柱広告・HP・SNSといった広告、PR施策を打ちましょう。
駅看板・電柱広告の特徴やメリット・デメリット
駅から離れた立地にあるクリニックは、通勤時に目にとまる駅看板や電柱広告で、自院のコンセプトを打ち出すことが効果的です。たとえば、薄毛治療・不妊治療・尿漏れ治療といったデリケートな治療ほど、身バレを避けるために、あえて駅から遠いクリニックを探す人たちもいます。
目につく場所に広告を打てば「利便性が高いオフィス街・市街地に通いたいけれど、駅からは距離があるクリニックが良い」と考えている人を誘導できるでしょう。
駅看板
- メリット:コンセプトを分かりやすく伝えられると、興味を持ってもらえる
- デメリット:広告費用が高く、継続的な広告を打ちにくい
電柱広告
- メリット:メリット:クリニックの認知度をアップするだけでなく、道案内にも役立つ
- デメリット:通りがかった人しか見られないので、通勤ルートに設置する必要がある
ホームページやSNSの特徴やメリット・デメリット
クリニックのホームページやSNSを、病院を選ぶときに重要視します。あまり意識をしたことがないかもしれませんが、ホームページは第一に着手する「広告」です。ホームページやSNSのいずれかを制作して、医院や医師の診療コンセプトや診察料金がはっきりわかる状態にしておきましょう。
治療ひとつとっても、患者さんには「時間がないから早く治療を終えてほしい人」や「時間がかかってもいいから完全に治したい人」など、同じ治療を希望されている場合でも、それぞれ目指すものや望むものが異なります。
自院はどのような人に向けてどのような治療を行う医院なのかコンセプトを明確にすることで、選ぶ側の患者やその家族に自院を「見つけてもらう」ことができるはずです。
大事なことは、患者(ユーザー)がなにを求めているか、どのような情報があれば来院しようと考えてくれるかをつねに意識した集患広告を打つことです。
ホームページ
- メリット:ネットで病院を探す人に対して、自院をアピールできる。コンセプトをしっかりと伝えると、ミスマッチのない集患が望める
- デメリット:制作に時間とコストがかかる。ホームページがあることは一般的なので、他院と差別化を図るのがむずかしい
SNS
- メリット:SNSを使っている世代に呼び掛けられる。上手くいけば少ない費用で広告が拡散され、高い集患効果が得られる
- デメリット:SNSを使っている世代にしか呼びかけられない。何気なく投稿した発言で炎上するリスクがある
住宅地なら折込広告やポスティング
住宅街に医院を開業する場合、市街地と違って人通りが少ないため、通りがかる人よりも、患者さん同士の口コミをメインに集患をするのが理想的です。地域の人々知ってもらうためには、調剤薬局やドラッグストア、地元の公民館など地域住民が活用するコミュニティとの連携を図りたいところです。
たとえば、お子さんがいらっしゃる方への集患を図りたいなら、子どもや保護者が集まる施設・エリアに、狙いを定めてPRするのが望ましいといえます。もし、施設やエリアを絞ってPRする場合は、新聞への折込広告やポスティングを活用します。
ポスティングに関しては制作から配布までワンストップで対応してくれる会社に依頼するのが効率的でしょう。
折込広告の特徴やメリット・デメリット
購読している新聞の折込広告を細かくチェックされる方は、一定数います。新聞社から許可が下りた広告=信頼できる医院と見てくれるため、口コミとして医院の名前を広められる可能性があります。
折込広告
- メリット:広告を打ったエリアの人に、見てもらえる可能性が高い
- デメリット:新聞・フリーペーパーのどちらに挟むかで、届く世代が異なる
ポスティングの特徴やメリット・デメリット
地域住民の方へ医院を開業したことを伝えるには、有効な手段です。世代関係なくエリア内での認知度を一気に高められるため、一定数の増患が期待できます。
ポスティング
- メリット:読まれるかは別として、対象エリアの人に確実に情報を届けられる
- デメリット:信ぴょう性のある内容にしないと、嫌悪感を持たれたり、クレームに発展したりする
病院検索のポータルサイトなど外部メディアの活用も
EPARKや病院なびなどの病院検索サイトに登録する、という対策も初期段階で実施しておくとよいと思います。ただし無料掲載できる内容には限りがあり、病院検索サイトへの無料掲載をたくさんすれば集患できる、というものでもありません。
このようなポータルサイトは無料掲載に申し込んできた医院に対し、開業時にはこれだけの広告を打たないと露出は望めません、というようなかたちで営業が入るはずです。もちろん広告を前向きに検討するのは悪くはありませんが、手あたり次第に広告を出すのは費用対効果の面でもあまりおすすめできません。
なぜなら病院検索サイトは基本的に絞り込み検索でエリアや診療科目、症状などでユーザーが絞り込んだ結果医院やクリニックが表示される仕組みであり、高額の広告費用を投じない限り、ポータルサイト内で目立つことが難しいからです。
この点を認識したうえで、病院検索サイトへの登録を進めましょう。
医院開業時に押さえておきたい広告戦略まとめ
自院に魅力を感じてもらい「この病院に行ってみよう」と患者に思ってもらうためには、自院の治療コンセプトや地域住民に提供したいサービスの質、医師として地域にどう貢献したいかなどを明確にする必要があります。
そのうえで、他院と自院を差別化して集患につなげるためには、自院の強みや優位性、競合病院にはなくて自院にはある価値、バリュープロポジションを確立させることが大事です。他院とどこが違うかをハッキリと差別化できれば、患者が自院を選んでくれる可能性が高まります。
医院開業広告として外せないバリュープロポジション
歯科医院などは駅チカに開業している競合医院が必ずありますし、小さな街でもたくさんの医院がひしめいているところもあります。長年地元で頼りにされてきた医院や、画期的な治療法をアピールする医院などに後発で開業した医院が立ち向かうのは、容易ではありません。
ただしバリュープロポジションに該当するものがあれば、開業したばかりでも競合医院から転換させることは可能です。
もしも時間がとれるようなら、自院の強みや優位性を明確にするフレームワーク「バリュープロポジションキャンバス」を試してみてください。できれば開業前に実施して、医院の広告出稿を決める際の参考になさるとよろしいかと思います。
以下より無料でダウンロードできます。
Zenkenでは“バリュープロポジション”を分析し、クライアントに最適なマーケティング戦略をご提案しています。医療機関の案件も多数手がけてまいりましたので、なんらかのお力になれるのではないかと思います。
「開業する医院の強みをアピールして、高い集患効果を得る広告を打ちたい」そんな想いを抱えられている院長や医院経営者の方は、ぜひZenkenまでご相談ください。