セブンイレブンのプロモーション戦略について調査
最終更新日:2022年01月18日
アメリカ発祥のコンビニエンスストアで1970年代に日本に上陸したセブンイレブン。日本のコンビニ業界において年間売上高で度々首位(※1)に位置しています。
今では田舎でもコンビニを見かけるようになり、コンビニ業界は飽和状態に達したとも言えるでしょう。このような状況でも人気なコンビニの一つに「セブンイレブン」が浮上するのではないでしょうか。
本記事では、コロナ禍であっても成長を続けるセブンイレブンのプロモーション戦略を紹介します。
(※1)参照元:【2020年】コンビニ大手5社の売上高ランキング!売上高遷移を分析しました
(https://www.fc-convenience.com/archives/466)
セブンイレブンのプロモーション戦略のポイント
日本では1974年5月に第一号店が東京都江東区豊洲にてオープンしました。その後40年以上に渡り数を増やしてきたセブンイレブンの店舗数は2021年4月末現在で全国に21,162店(※2)となっています。
セブンイレブンがこれほどまでに成長を遂げられたのは「ドミナント戦略」に基づいた出店を行ってきたからです。ドミナント戦略とは、ひとつのエリアに集中してチェーン店を復数出店する戦略です。
ドミナント戦略には下記のようなメリットがあり、セブンイレブンの成長に一役買っています。
- 地域の認知度が高まりやすい
- 配送効率を上げられる
- エリアごとの広告宣伝が可能
また、ドミナント戦略のほかにも様々な戦略を行っています。この後からはドミナント戦略以外に行っているブランディング戦略・デジタル戦略・コロナ禍における戦略について考察していきましょう。
(※2)参照元:セブン-イレブンが選ばれる理由|セブン‐イレブン 物件募集
(https://www.sej.co.jp/sej_case/reason/)
セブンカフェでブランディングに成功
セブンイレブンは「セブンカフェ」を展開したことで製品・サービスブランディングに成功しました。
セブンカフェは2013年9月にサービスを開始し、翌2014年には累計販売数が7億杯(※3)に到達しています。これまでコンビニのコーヒーと言えば缶コーヒーが主流でしたが、店頭で淹れたてのコーヒーを購入できる点が成功したポイントです。
セブンイレブンでは、セブンカフェを展開するにあたって既存の商品を下記のように3つに分けました。
- デイリー
- プレミアム
- ゴールド
セブンカフェはこの中でプレミアムへと分類させる事により、男性だけではなく、女性や高齢者に対しても商品の魅力を訴求することに成功しました。元々コンビニの顧客のメイン客層は男性であったにもかかわらず、女性や高齢者を顧客として取り込むことにつながったのです。
(※3)参照元:セブン-イレブンとスターバックスに学ぶ 一貫したブランディング戦略 | 幻冬舎ウェブマ
(https://www.gentosha-webma.com/knowledge/0831/)
デジタル戦略の導入でもっと「近くて便利」なお店に
セブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスはコンビニエンスストア以下にもスーパー、百貨店、銀行など幅広いサービスを展開しています。グループ全体を通して顧客のニーズに応えることを重視しており、デジタル戦略に力を入れているのも特徴でしょう。
デジタル戦力の中でも注目したいのが、「セブン-イレブンアプリ」です。2018年6月のリリースから半年で650万(※4)ダウンロードを達成し、アプリとしても大きく成長しています。
セブン-イレブンアプリには下記のような提供を行っています。
- お得なクーポンの取得
- 新作商品やキャンペーン情報の配信
- ランクアップ制度のある「バッジ」機能
- 買い物ごとに貯まる「マイル」
- nanacoポイントとセブンマイルの両方をゲット
このようにセブン-イレブンアプリにはユーザーがお得に楽しみながら買い物できるメリットが豊富に用意されています。
(※4)参照元:もっと「近くて便利」な、お店であるために。セブン-イレブンが取り組むデジタル戦略 – Think with Google
(https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/app-and-mobile/sevenandi/)
内食ニーズを意識した対応を強化
2020年に新型コロナウイルスが感染拡大した影響で、コンビニ各社は戦略の見直しを強いられました。そこでセブンイレブンは小容量品を展開することで業績悪化を防止します。
従来は一人用の弁当を中心に展開していましたが、外食を自粛する世間の流れに沿って家族で食べられるもの、お酒と一緒に味わえるものを展開したのです。
以前から提供している冷凍のカット野菜に加えて、ミールキットや素材自体の提供も検討。弁当や惣菜など出来合いの商品だけでなく、生鮮素材の強化も視野に入れています。
このように中食のほかに内食需要にも対応することで、コロナ禍でも客単価の8.8%アップ(※5)に成功しました。
(※5)参照元:上期客単価が8.8%伸びたセブン-イレブン コロナ禍であえて小容量品を拡充するねらい
(https://diamond-rm.net/management/67242/)
セブンイレブンのプロモーション戦略まとめ
セブンイレブンが成長を続けてこられた秘訣はエリアや顧客の属性にあったブランディングに成功したことです。ブランディング戦略を展開することで、新たな顧客獲得も精力的に行っています。
デジタル戦略としてアプリを成長させたことも注目したい点です。ユーザーが喜ぶメリットを用意した結果、顧客ニーズの取得につながっています。
ニーズが多様化している今、セブンイレブンのように自社と相性の良いニーズに狙いを絞った施策やマーケティング戦略を行うことが重要になるでしょう。