「バルクオム」の広告戦略・マーケティング戦略のポイントとは
最終更新日:2024年05月27日
この記事では、メンズ専用のスキンケアブランド「バルクオム」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。
「メンズスキンケアのベーシックであり続ける。」をコンセプトに、2013年にスタートしたメンズスキンケアブランド「バルクオム」。サッカーフランス代表のキリアン・エムバペ選手をアンバサダーに迎え、2020年にはタレントの木村拓哉氏をCMに起用して話題となりました。
EC販売が中心だった製品シリーズは現在、百貨店やドラッグストアなど全国多数の店舗で販売されるようになり、2020年9月期の売上高は前期比の2倍と躍進を遂げています。
バルクオムは一体、どのような販売戦略を行っているのでしょうか。広告戦略・マーケティング戦略について考察してみましょう。
バルクオムの広告・マーケティング戦略のポイント
バルクオムは創業当初から「グローバルシェアNo.1のメンズスキンケアブランドになる」を会社のミッションに掲げ、グローバル志向で営業活動を行ってきました。
台湾や中国をはじめ、2021年にはアメリカにも進出しましたが、創業当初はデジタルマーケティング一辺倒で、国内でのEC販売を行う営業スタイルでした。グローバル展開の前に、まずは認知度を高めてシェアを伸ばそうと考えたのです。そのため、はじめはデジタル完結型の広告戦略を一貫して行いました。
ターゲットに合わせた啓蒙活動
バルクオムは「スキンケアに興味はあるけど知識がない」という潜在顧客に対し、商品の良さやスキンケアそのものの価値を啓蒙することからはじめました。
そもそも男性は、女性に比べてスキンケアや化粧品に関する知識がありません。年代によっては、男性が洗顔料や化粧水を使うという概念さえもないでしょう。そこで、自社商品の良さを伝えつつ「スキンケアは特別なことではない」「男性もスキンケアを行ったほうが人生を豊かに過ごせる」というメッセージを発信します。
すでに美容に関する知識があり、ネット上で口コミや比較を通じて検討できる女性とは異なる方法でプロモーションを展開した結果、徐々に認知度が向上。商品の価値を知ったユーザーからのオーダーが増えていきました。
品質を追求したパッケージ
継続的にリピート購入されるかどうかは、品質の良さに左右されるという市場調査の結果をもとに、品質や使用感を徹底的に追求しました。バルクオムの「バルク」が英語で「中身」という意味なのは、品質へのこだわりからきています。
また、安全性と安定性を実現するために、商品をすべてパウチ容器で統一しました。この独特なパッケージデザインがユーザーに強い印象を与え、今ではブランドの象徴ともなっています。
リピーターをつくりだす
バルクオムは現在、AmazonなどのECサイトを通じても手に入りますが、当初力を入れて取り組んだのが自社サイト運用による定期販売です。レスポンス広告やLP広告を活用し、手軽にはじめられて継続できる定期コースを積極的にPR。企業や商品のブランドを向上しながら「リピーターをつくり出す」ことに成功しました。
1カテゴリー1アイテムを徹底
メンズケアの基準となるプロダクトを追求しているバルクオムは、1カテゴリーに1アイテムを展開するという戦略をとっています。洗顔料、化粧水、乳液、シャンプー、トリートメント、洗顔ネットと、どれも1種類ずつの展開です。
「ベーシックアイテム」を1つのカテゴリーで1アイテム作ることで、化粧品の知識を持たない男性も選びやすい商品となりました。また、興味を持ったユーザーの初回購入にもつながっていったのです。
バルクオムの経営戦略
「メンズコスメ界のAppleのような会社」を設立当初からイメージしてきたという代表取締役CEOの野口氏。世界の化粧品市場全体のうち日本市場は約7%、その中でさらに約8%のみの男性向け化粧品市場におかれながら、世界No.1のメンズスキンケアブランドを目指しています。
そのために、目標にしているのが新たにスキンケアをはじめたいと考えている人の「最初の入り口」になること。
いわゆる「メンズグルーミング市場」は、アメリカの調査会社「Research and Markets」調べでは2024年には約8兆7000億円に達するといわれる可能性を秘めたマーケットです。今後も世界規模で成長していく分野と捉え、オンラインを中心に海外でも積極的に商品を販売しています。バルクオムが、この市場全体を押し上げる存在になる日は近いのかもしれません。
バルクオムの広告・マーケティング戦略まとめ
シンプルで洗練されたパウチパッケージになるまでのストーリーと、こだわりの「中身」で勝負する姿勢。そんな一貫性のあるブランディング戦略が、バルクオムの人気に火が付いた理由といえます。
現代の男性=ターゲットが「本当は求めていたこと」を見抜き、「スキンケアは特別なことではない」と安心感を与えながら戦略を打ち出してきたことが、成功につながったと言えるでしょう。
バルクオムのように、適切なターゲットを定め、それに合わせた最適なマーケティング戦略を行えば、良質な顧客を集めることができます。
下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。