注文住宅の営業戦略!新たな価値観分析に基づくマーケティングまとめ
最終更新日:2023年08月23日
アフターコロナの新しい営業戦略として、Webを活用した集客や商談施策に重点を置く企業が急増しています。とはいえ、リスティングやポータルサイトへの広告出稿など、いろいろと取り組んでいるものの、思ったような成果が上がらず、戸惑っている企業も少なくありません。
そこで、この記事では、「成果を上げて売上に繋がる営業マーケティング戦略」について解説します。
また、Web集客ですでに成功している住宅メーカーが実践してきたマーケティング資料を無料でご用意しましたので、今後の戦略立てにお役立てください。
注文住宅の営業戦略に必要不可欠な要素
コロナ禍の新しい営業戦略として、オンライン相談会の施策に踏み切る企業が増えています。VRを活用したバーチャル住宅展示場の試みも増えてきてはいますが、ユーザー側がゴーグルを持っていない場合も多く、最新の取り組みが売り上げに直結するまでにはまだ時間がかかりそうです。
ただ、従来通りの住宅展示場は非常にコストがかかるものですし、いったん作ってしまうと簡単には建て替えられません。土地代や建築費だけでなく、人員コストもかさみます。
さらにバーチャル住宅展示場にすると、ユーザーがどの注文住宅をどれくらい閲覧したか、何分滞在したかなどのデータが集められますし、バーチャル住宅展示場を経由してリアル展示会場の見学に申し込むユーザーは、かなり顕在性の高いユーザーです。
お客さんの価値観の変化や行動変容を踏まえ、すでに住宅の概要を理解している顕在顧客のクロージングができる点で、非常に効率の良い営業戦略であると言えるでしょう。
現時点で注文住宅市場におけるオンライン上での情報発信手段としては、以下の5つが挙げられます。
- バーチャル住宅展示場
- オンライン展示場
- 注文住宅紹介サイトへの登録・発信
- ホームページやLPで動画を含むリッチコンテンツを展開
- SNSの公式アカウント運用
- ポジショニングメディアの運用
VRによる住宅展示にはまだ課題もありますが、情報収集ツールとしてインターネットが最上位となっているいま、オンライン施策の強化は喫緊の課題であることに間違いはありません。
施工事例を掲載するページに住宅の様子が伝わる動画などを掲載することも有効ですし、作り手のコンセプトを動画で発信する手法も効果的です。
注文住宅の特徴や強みを動画でも表現しつつ、戦略的なコンテンツマーケティングの導入も急ぐべきです。なぜならユーザー(顕在顧客)は判断材料に困っているからです。
注文住宅の営業戦略にコンテンツマーケティングを採用すべき理由
注文住宅の営業戦略にプラスすべきひとつの要素として、「コンテンツマーケティングの強化」が挙げられます。いわゆるインバウンドマーケティングといわれる施策のひとつで、Webメディア上の情報をユーザーに見つけてもらう手法です。
インバウンドマーケティングには、調査リリースやWebメディアへの記事掲載、SNS上などで顧客が知りたい有益な情報を発信する施策などが挙げられますが、注文住宅の営業戦略として優先すべきなのは、より顕在性の高いリードを獲得する施策です。ユーザーのニーズに応えるためには、コンテンツマーケティングは外せません。
コンテンツマーケティングは、ユーザーの知りたい情報、悩みの解決につながる情報コンテンツを駆使したマーケテイング手法で、ポータルサイトで展開するだけでなく、ホームページやLP(ランディングページ)に活用する場合もあります。
ではここでコンテンツマーケティングの具体的な事例をいくつか紹介しましょう。注文住宅でいまニーズが高まりつつある「平屋」をテーマにしたポータルサイトのコンテンツマーケティング事例です。
以下3つのポータルサイトはZenkenで制作・運営しているポータルサイトです。平屋住宅の実績が多いハウスビルダーや、こだわりの平屋住宅が強みの工務店などの場合、下記サイトのようにコンテンツマーケティングに注力しているポータルサイトに自社情報を掲載する、というのも有効です。
Zenkenは10年以上前からこのコンテンツマーケティングに着目し、120業種以上の企業に実装してきた実績があります。注文住宅の営業戦略をサポートするインバウンドマーケティング施策としても、いま注目されています。
リサーチする時間がない場合などは、簡単に読める資料にまとめてありますので、社内共有などにご活用ください。
以下はZenkenが制作・運用している、注文住宅系のコンテンツマーケティング事例です。
平屋住宅ポータル
平屋住宅ポータルでは、平屋住宅に関心を持っているユーザーに対し、平屋を建てる際に気になる
- 間取り
- 費用感
- 平屋住宅のメリット
- 平屋住宅のデメリット
といった、ユーザー目線のコンテンツを提供しています。モダン風や北欧風といったデザインだけでなく、住居内の導線や500万円台で建てる平屋住宅といった、具現化に向けた基礎知識なども網羅しています。
ユーザーはすでに「平屋住宅」というキーワードで検索して流入してきますので、注文住宅という大きなくくりではなく、セグメントされた顕在性の高い顧客を獲得できる可能性が高まります。
さらに地域ごとの注文住宅メーカーが検索できる仕様にもなっていますので、エリア集客にも役立ちます。SUUMOなどのメガポータルと比較すると、自社情報への導線が圧倒的に縮まります。
平屋ポータルへの掲載を営業戦略に加えたい場合は、下記よりお問い合わせください。
小さな平屋を建てる。
「SMALL FLAT HOUSE―小さな平屋を建てる。」は、平屋カテゴリからさらに一歩踏み込んだ「小さな平屋」をテーマにしたコンテンツマーケティングを実装しています。
コロナの影響でワークライフバランスや家族との過ごし方を見直す傾向が強くなっているいま、小さくても居心地のいい平屋にも興味が集まっています。ここにスポットを当て、顕在性の高いリードを獲得するメディア戦略です。
普通の平屋住宅ではなくあえて「小さな」とセグメントしているバーティカルメディア(一つの領域に特化したメディア)なので、大手ポータルサイトへの掲載で埋もれてしまう特徴を際立たせ、差別化を図ることができます。
一級建築士の解説という独自性のあるコンテンツを提供、ユーザーからの信頼が獲得できるようなメディアを制作しています。コンテンツマーケティングで重要なのは、「まさにこれが知りたかった!」という情報を提供することです。
コンパクトで機能性も備えた小さな平屋住宅が得意である、という工務店などの広告媒体に適しているのではないかと考えます。
平屋のポータルサイト事例:土間のある平屋を建てる
「暮らしを豊かに―土間のある平屋を建てる」は、文字土間のある平屋の注文住宅をテーマにしたポータルサイトです。住宅専門誌などを見て土間への強いこだわりがあるユーザーや、モデルルームなどで土間のある平屋を見て注文住宅メーカーを探しているユーザーがターゲットです。
- 土間リビング
- 通り土間
- 土間収納
- 土間テラス
といったタイプ別にわかりやすく解説し、土間のある家での生活が具体的にイメージできるようなコンテンツを提供しています。
土間のある平屋を得意としている工務店強などが自社の事例をアピールすれば、中小ハウスビルダーでも選んでもらえる可能性が高まります。
それぞれ異なるテーマでメディア展開することによって、中小工務店やハウスビルダーでも「勝てるポイントが打ち出せる」メディア戦略になっていることがご理解いただけたのではないかと思います。
ポジショニングメディアは営業の強い味方
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
じつは上記3つのポータルサイトは、コンテンツマーケティングの事例であるとともに、エリアやターゲットを絞り込んだポジショニング戦略をベースに設計されています。
ポジショニング戦略はマーケティングの基本となる理論で、いかにして勝てる市場で勝負を挑むかを見出す方法です。大手ビルダーと競い合っても分が悪い中小注文ハウスビルダーでも、勝てる市場、勝てる価値がある、とする考え方です。
ポジショニング戦略では、「競合にはなくて自社にはある、顧客が求める価値はなにか」を考える必要があります。勝ち易きに勝つ、という言葉がありますが、大手と同じ土俵で戦っても勝ち目はありません。
ここを間違えるとどんなに多額の費用を広告に投じても、売上に貢献する広告効果が得られませんので、注意が必要です。
ポジショニングメディアを制作すれば、競合の最新情報がひとつのメディア上で確認できます。弊社が競合分析をしたうえでサイト構成を構築するため、自社で競合リサーチをする手間も省けます。
検索ニーズの高いキーワードで上位表示するポータルサイト内で、自社のコンセプトや特徴、競合との比較による優位性のアピールできるのが、戦略的コンテンツマーケテイングとして弊社では、このポジショニングメディアを推奨しています。
また、ポジショニングメディアの導入を検討したい、さらにくわしい話を聞いてみたいというかたは、下記よりお問い合わせください。オンライン商談システムを活用して具体的な事例をご説明することも可能です。
コロナ禍の注文住宅購買行動はどう変化したか
上記はキャククル運営元でもあるZenken株式会社(https://www.zenken.co.jp/)が独自に調査した注文住宅に関する消費者の動向です。
コロナ禍での注文住宅に関して、Webでの情報収集時間が増えたと実感している人は、合わせて78.1%に上るという結果が出ています。
これは、外出自粛でおうち時間が増えたこと、自由に使える時間が増えたことなどが関係しているようです。
2020年から猛威をふるう新型コロナの影響で大きく変化した生活環境の中で、注文住宅に求めるものも変わってきています。そこで「注文住宅の営業戦略に何を取り入れればいいのか」というお話の前に、いまの消費者がなにを感じているか、もう少し見ていきましょう。
Web情報収集でユーザーが見つけやすい注文住宅ポータルサイトが有効
また、Webでの情報収集時間が増えたと実感してしている人に、「インターネット上のどのような情報を参考にするか」という質問もしています。
その結果、76.8%の人が「ポータルサイトやメデイアの工務店・ハウスメーカーの会社、商材情報」と回答し、次いで「工務店・ハウスメーカーのホームページ」と答えた人が62.2%という結果になっています。
たとえば「注文住宅 目黒」とユーザーが検索すると、SUUMOなどの大手ポータルサイトや目黒の注文住宅会社に特化したポータルサイトなどが上位表示されています。ユーザーは上から順番に見ていきますので、ポータルサイトを見る確率も上がります。
SEO対策がうまくいっている注文住宅メーカーのホームページであれば、ユーザーに見てもらえる可能性がありますが、2ページ目以降はガクンとその確率が下がってしまう傾向にあります。
したがってSEOを強化するか、上位表示されているポータルサイトやメディアに掲載するなどして、ユーザーに見てもらうチャンスを作り出していかねばなりません。
※参照元:PRTIMES Zenken「コロナ禍での注文住宅検討ユーザーの情報検索行動を調査!Web検索で調べる時間が増えた一方、住宅会社選びに苦労する消費者の声も」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000006978.html)
注文住宅をつくるならココ!と絞り込まれた情報が求められている
工務店・ハウスメーカーを探す際の悩みについてのアンケートも見ておきましょう。
上記表で確認できるとおり、「見るべき会社が多すぎて、選ぶのが難しい」と回答した人が58.6%「どのように比較をして選べばいいのかわからない」と回答した人が54.3%と、半数以上の人が情報精査に苦労しているようです。
つまり、Webサイトなどを参考に注文住宅の会社選びはするものの、実際に選ぶことを困難だと感じる顧客が多いということがわかります。
withコロナの時代のいま、Webメディアやポータルサイトへの掲載とともに、ホームページをリニューアルするなどして、Web集客を強化している注文住宅メーカーや工務店が多いと思います。
しかしユーザーはたくさんある注文住宅ビルダーや工務店の違いや費用感をインターネットで調べながらも、決め手に欠けると感じている人が多いのです。
いくつものハウスビルダーが集まる住宅展示場の狙いは、お客さんに各社を見比べてもらって自社の優位性や特徴をアピールする点にあります。いまではバーチャル住宅展示場などもありますが、リアルなモデルルーム比較と同じようには実感がわいていないようです。
Web集客の効果を最大化するためには、こうした課題を解決できるメディア戦略が必要です。
コロナ仕様の注文住宅なども登場
テレビのニュース番組などでも取り上げられているアキュラホームズは、ウィズコロナ時代の注文住宅として、徹底した換気システムや玄関への手洗い場や非接触扉、耐震構造や緊急時の電力インフラなどの標準装備を打ち出しています。
またリモートワークなど働きかたの変化に合わせた間取りの自由度などを求めるお客さんも増えています。
予算やデザインも大事ですが、顧客が求める安心安全が提供できる注文住宅は、今後も人気が高まると予測されています。単に安ければいい、という時代は終わったのかもしれません。
コロナ仕様の注文住宅を求め住宅展示場見学予約数は4倍強に
ITmediaが運営するWebメディア「BUILT」の記事によると、コロナ禍で住宅展示場の見学予約数が約が4倍に増加。住宅に求めるものはなにかを聞いたところ、優れた空気清浄や換気や広いリビング、自由に遊べる広いテラスや庭を求める人が増えているといいます。
新型コロナがもたらした新しい価値観や行動変容の影響を大きく受け、これまでの注文住宅と仕様の異なる注文住宅が求められるようになっていることがわかります。
アキュラホームズのように安心安全が見える化され、ダストバキュームや非常用井戸水といったツールの標準装備を住宅展示場やオンライン展示場で見せることができれば、ほかの注文住宅ビルダーとの比較も容易になります。
要するに、お客さんが比較検討して判断できる材料をどれだけ提供できるか、が今後の勝負の決め所になるのではないかと考えます。
注文住宅の営業戦略まとめ
このページでは、中小注文住宅ビルダーや工務店の営業戦略に役立つ施策やコロナ禍の顧客の心理、ニーズの変化などについて解説してきました。
2020年に新型コロナウイルスの世界的パンデミックが発生し、2021年の社会経済や一般消費者に大きな影響を与え続けています。そしていつなんどき政府の方針が変わるか、先が見通しにくい状況が続いています。
そしてこの変化に富んだ時代の営業戦略に求められているのは、アップデートな戦略の軌道修正と、顧客ニーズの変化に敏感に反応するマーケティング感覚です。
海外旅行にも行けず、国内旅行も様子を見ながら少しずつといった現状で、おうち時間をより充実させたいと考える潜在顧客はまだまだ増えるはずです。
ターゲットとエリアを明確にしたコンテンツマーケティングの実装は、アフターコロナに向けた準備でもあると考えます。いまのうちに準備しておくことをおすすめします。