ソフトバンクの広告戦略・マーケティング手法を徹底調査
最終更新日:2022年01月18日
この記事では、日本で携帯電話事業を展開する「ソフトバンク」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。
ソフトバンクの広告・マーケティング戦略のポイント
Yahoo! BBモデム無料配布をした孫氏の施策
ソフトバンクのマーケティング戦略を語るうえで、孫正義氏の存在は無視できません。携帯累計契約数は3,491万人、日本を代表する携帯電話の通信企業に成長した戦略はISDNが全盛期だったころにさかのぼります。
「次はADSLの時代がくる!」と踏んだ孫氏は、ADSLモデムの無料配布キャンペーンで、一気にシェアを伸ばし今の地位を確立しました。もちろん無料配布だけでは利益になりませんので、LTVを設計して加入者の利用料で黒字にするビジネスモデルを構築して収益を得ました。
モバイル事業においては、無料通話という驚きのプランを展開。急激に、そして着実にユーザーを獲得した大胆な戦略です。ここにも無料を黒字化させる仕掛けがあり、22時以降の数時間だけを有料にすることで収益を増大させることに成功しました。
この時間帯は1日の中でも最も電話量が多いのに目をつけ、見事に勝利を掴んだマーケティング戦略となったのです。
常に話題となるクリエイティビティ溢れたテレビCM
新シリーズ「5Gってドラえもん?」がお茶の間を賑わせ、2020年のCM好感度調査で1位に輝いたソフトバンク。ボーダフォンを買収した初期のCMには、ハリウッドスターのキャメロン・ディアスやブラッド・ピットを起用。スタイリッシュなイメージを認知させました。
大々的なブランド戦略で「安い」だけのブランドイメージを逆転させたことは、説明するまでもありません。それと並行して生まれたのがお馴染み「白戸家」のCMシリーズ。
この長く続く白戸家シリーズが飽きられないのは、数々のコラボで視聴者にサプライズを与えているからでしょう。人気俳優やアニメ映画とのコラボで定番のCMを活性化させ、お互いのファンによる相乗効果で話題をさらっています。
ソフトバンクの経営戦略
大型M&A戦略で事業を拡大
M&Aは多くの企業が成長戦略のひとつとして活用しています。なかでもソフトバンクは大型のM&Aを繰り返し実施し、日本企業が関わったM&Aで取引金額が歴代2位となったことでも話題になりました。
孫氏の哲学に「同じ志を持つ者同士が一緒になることで互いの強みを最大限に発揮することができる」という考えがあるようです。共に成長することを軸としているため、これまでに攻撃的なM&Aを仕掛けたことは一度もありません。通常は外部の専門家に依頼することが多いM&Aを、自社に専用チームを作り実行しているのも特徴です。
5Gの取り組みと契約数の拡大でさらなる成長を目指す
ソフトバンクには3つのブランドが存在します。大容量を要するビジネスマンや一般ユーザーをターゲットにした「ソフトバンク」、低価格のライトユーザーを狙った「ワイモバイル」。そして10~20代の若手に向けた超低料金の「LINEモバイル」です。
多様化するユーザーのニーズに対応したブランドを確立し、1億総スマホの実現に取り組んでいます。
2020年春からは5Gを活用したソリューションをスタートさせました。「生産労働力を高めるためには、5Gの提供が必要不可欠」と考え、各業界が抱えている課題を模索しながら、新しいステージに移行し始めています。
例えば、労働力が不足するといわれている建設業おいては、ドローンを使った自動測量、タワークレーンの遠隔操作など、テクノロジーを活用した労働力向上への取り組みを実行。
生産力不足がとり立たされている製造業では、工場の生産ラインを有線から無線に切り替え、工場レイアウトを柔軟に変えられたり、無線通信で集めたデータをクラウド管理したりと、生産効率アップを目指します。
ソフトバンクの広告・マーケティング戦略まとめ
ソフトバンクは絶対的企業がいる携帯事業に、チャレンジャーとして参入しました。通話無料プランやモデムの無料配布などを実施し、差別化戦略によって市場を切り開いてきた企業です。
飛躍的な成長シーンでは大きなリスクを取っているのが特徴で、予想を上回る利益を生み出す戦略から学べることは、まだまだありそうです。
下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。